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日消外会議 19(7):1606∼
1611,1986年
経皮経肝胆管 ドレナージの合併症およびその対策
福島県立医科大学第 2外 科
星野 正 美
有壁 譲
大 森 勝 寿
渡 辺 岩 雄
遠 藤 清次
遠 藤辰一郎
吉田 典 行
CLINICAL EVALUAT10N OF PERCUTAN回
CHOLANG正
OUS TRANSHEPATIC
O DRAINAGE WITH sPECIAL REFERttNCコ
To
COMPRICAT10N AND ITS PREVENT10N
Masa■li HosHINO,Katstti OHMORI,Setti ttNDO,
Tsulleyuki YOSHIDA,Yuzuru ARIKABE,IwaO wATANAB回
and ShinichttO ENDO
2nd Depaコし
Inent Of Surgery,Fukushima Medicai College
教室 にお け る PTCDの
手技 は two puncture methOd,guide wire使 用 one puncture methodを
経
て,現 在 は超音波誘導下 (US)guide One puncture methodへ
と変遷 した。各穿刺法別の合併症は腹
腔 内胆汁 漏 出,腹 腔 内 出血,胆 管 内 出血 な どの重 篤 な合 併 症 は two puncture methOd 17例
では
11.8∼29,4%と 高頻度に認め られたが,one puncture method 50例
では 0∼ 8%と 低率 とな り,US
guide one puncture methOdで
はほ とん ど認 め られな くなった。 しか し,ヵ テーテル 自然抜去のみは
one puncture methodに
おいて も21.8%と 高率 に認め られたため, トル ク コン トロール
付 き ptt tail
型留置 チューブを開発 し,17例に使用 した結果,本合併症 の発生を皆無に抑 えることがで
き,PTCDを
さらに安全 なもの と成 しえた。
索引用語 :経 皮経肝胆管 ドレナージ,超 音波誘導下 one puncture methOd,胆
管 ドレナージ合併症,
トルクコン トロール付 き pig tail型留置 チューブ,閉 塞性黄疸
は じむ
う│こ
近年,閉 塞性黄痘 に対す る減 黄法 として,経 皮経肝
胆管 ドレナ ージ法 (PTCD法 )は その侵 襲 の少 な さ,
確実 さか ら各施 設 で行われ,一 次的減黄法 としての地
位 は確 固 た る もの とな りつつ あ る。
しか し本法 も手技 お よび管理 を誤 まる と減黄 が不 良
とな った り,あ るいは合併症 のため に他 の方法 では救
い えた症例 も失 いか ね ない。こ の よ うな観 点 か ら
,わ
れわれ もその手技 に数 々の 改良を加 え,超 音波誘 導下
one puncture methodを確立 し,現 在 では重篤 な合 併
症 はほ とん どが見 られ な くな ってい る。こ の よ うに穿
型 技術 が進歩 した 現在,残 された 問題 点 は カテ ー テル
自然抜去で あ ろ う。 この対策 としてわ れわ れは トル ク
<1985年 12月11日受理>別 刺請求先 :星 野 正 美
〒960 福 島市杉妻町 4-45 福 島県立医科大学第 2
外科
コン トロール付 き (以下 トル・コン付 き)pig tail型
留
置 チ ュープを考案 し,使 用 した結果本合併症発生を皆
無に抑 えた.
これ らの改良によ り肝胆解疾患 の診断お よび治療 に
際 し,本 法 は極めて重要 な位置を占め るとともに,最
近 ではさらにその適応を拡大 しつつ ある。
本稿では教室における穿刺法の変遷を合併症の面 か
ら検討 し,そ の対策 としての トル・コン付 き pig tail型
留置 チ ュー ブを用 いた 超音波 誘 導 下 one puncture
methodの 有用性 につ き述べ る。
I.教 室 にお ける PTCD法 の変遷
教室で は1975年か ら減黄法 として PTCDを 採用 し,
現在 まで,胆 管癌,陣 臓癌 などの悪性閉塞性黄疸,お
よび総胆管結石症な どの良性疾患 の計67症例に施行 し
ている (表 1).
当初 は経皮経肝胆管造影 (PTC)後 ,改 めて太 い ド
65(1607)
1986年 7月
表 3 合 併症
ona puncturc
mathod
統前
表 1 穿 刺法別症例数
one puncture
method
50{t|l
計 く切〕
2
4
︲ 7 9 3 3 2 4 6
2 4 1 9 0 0 1 0
536拒2134
5 0 2 6 1 1 0 2
部都額
上中 下
お
管
ほ
障 底 お
胆 束 密
府 荷
胃お 再 発
総 胆 害結石症
tTlnl
ポリエチレンチューブ
自然抜去
7/33例 21.2%
トル ヨン付 き
pig tallチューブ
0/174/1
酎
腹腔内胆汁漏出
表 2 穿 刺法の推移
例抑
胆管 内出血
Eコ two puncture method
two puncture
method
腹腔内出血
4例
5例
294%
(軽度 3,中 等度 2)
2例
4%
118%
( 中等度 2 )
( 中等度 2 )
0ゼ
刑
235%
0%
8%
( 軽度 4 )
2例
4例
0%
2例
118%
El one puncture method
く紘us cne puncture method
ー
図 1 ポ リエチ レンカテーテル 自然抜去例留置 チ ュ
ブが腹壁 と肝 との間で屈曲し,先 端が胆管内から逸
脱 している。
レナージ 針 を 刺 入 す る X線 透 視 下 two puncture
methodを 行 っていたが,1980年 か らは次第 に guide
と変わ り,さ
wire使用 による one puncture methodへ
らに1982年か らは初回穿刺 に超音波断層装置 を用 いる
US guide one puncture methodを
行 っている。
これ らの手技 の改良 に伴ない,安 全性,確 実性 とも
に向上 し,施 行症例数 も経年的 に増加傾向をた どって
いる (表 2).
I I . 合
併 症
各穿刺法 における合併症について検討 した (表3).
では,腹 腔内胆汁漏出は
two puncture method 17例
エ
puncture methodに お い て も,従 来 の ポ リ チ レン
ー
ュ
プ
7例
チ
(21.2%)
を使用 した症例 では,33例 中
ー
と高率で あ り,そ の原 因 は肝 の呼 吸性移動, ド レナ
術当 日のみに腹痛,筋 性防御 の見 られた軽度例 3, ド
レナージ手 術 を必要 と した 中等 度 例 2,の 計 5例
(29.4%),胆 管内出血は術後輸血を必要 とした中等度
ジ後 の肝腫大軽減 ,減 黄術後 ERCPの 際 の嘔吐 に よる
ー
肝 の急激 な移動 な どに よる留置 チ ュ プの腹壁 と肝 と
例 2(11.8%),ま た腹腔内出血 は開腹 を必要 とした も
の 2例 (11.8%)で あ り,そ の合併症発生率 は高頻度
であった。
これに対 し,guide wire使用 one puncture method
50例では,腹 腔内胆汁漏 出,軽 度 のみ 4例 ,(8%),
の間 での屈 曲,逸 脱 であ った (図 1).
また 自然抜去 の時期 は ドレナ ー ジ後 2か ら30日,平
均 4.9日と短 か く,こ の ことは初 回 PTCD施 行時,す で
に本合 併 症 の 予 防 を必要 として い る こ とを示 して い
る。
IIIo PTCD留 置 チ ュー プの改 良お よび工夫
以上 の検討 か らチ ュー プの腹壁 と肝 との間 での屈 曲
胆管内出血 2例 (4%)と 前述 の two puncture method
に比べ極 めて軽度 であ り,さ らに US guide one pim‐
methOdで は,こ れ らの合併症 で臨床的 に問題 と
cturど
を防 ぐことが 自然抜去 を防止す るた め に重要 で あ る こ
とが判 明 し, この部位 におけ るチ ュー ブの変形 に対す
なる症例 は皆無で あった。
て見 る と,one
しか し,カ テーテル 自然抜去 につも、
る復元力 の強化 を はか るためその壁 内 にステ ン レスス
チ ール 網 の 入 った トル ・コ ン付 き カ テ ーテ ル を 留 置
経皮経肝胆管 ドレナージの合併症およびその対策
66(1608)
図 2 壁 内ステンレス網
日消外会誌 19巻
7号
図 4 使 用器具
図 3 先 端弯 曲部
1)8Fr半 径5mm先 端 テ ーパ ー付 き,2)7Fr.半 径
6mm 3)7Fr半
径8mm
IV.手
技
1)使 用器具
a)超 音波診断装置 (Aloka SSD 203P)
b)穿 刺針21G`PTC針
c)0.018″Jtt PTCD用 ガイ ドワイヤー
d)ド レナージ用 ペ ニ ュー ラ (前述の留置 チ ューブ
チ ュー プに応用 した (図 2)。
本 チ ュー ブは柔軟 かつ 弾力性 に富む が,胆 管 内 に揮
入 され る部 分 につ いては弾性 が強す ぎる こ とは不 都合
で あ り,先 端 か ら7cmの 部迄 は トル ・コ ンを入れてい
な い。
さらに,先 端 は pig tall型とし,抜 去 に対す る抵 抗
力 を強化 した。
は図 3の よ うに半径5,6,8rllnの3種 を,
pig tail部
太 さは7Fr.,8Fr.の 2種 を用 意 し,細 径 の ものは肝 内
胆管 ドレナ ー ジに,大 径 の ものは総胆管 ドレナ ー ジに
に内針を入れ使用.ハ ナ コメデ ィカルに作成を依頼)
e)そ のほか縫合器具,注 射器,エ クステンシ ョン
チ ュー ブな どが必要である (図4).
2)穿 刺法
穿刺 は通常右側胸部か ら行 うが,肝 門部閉基例で左
右肝管分断があ り両側 ドレナージを必要 とす る症例
や,右 肝内に腫瘍があ り右側か らの穿刺が困難 な例で
は,心 寓部左側 よ り左肝内胆管 の穿刺を施行す る。
a)右 側胸部分か らの穿刺法
① US guide下 に穿刺胆管,穿 刺部位を決定 し21G.
穿刺針 にて胆管を穿刺す る。
現在 まで,上 部胆管癌 5例 ,下 部胆
管癌 2例 ,麻 臓癌 6例 ,胆 嚢癌 1例 ,肝 癌,総 胆管結
石症 2例 の計 17例に使用 したが肝 門部閉塞 が 7711と多
穿刺胆管は中,下 部閉基の場合は guide wireの送 り
込みやす さか ら上行枝 を第 1目 標 とし,肝 門部閉塞の
場合 は胆管内留置距離を長 くとりやすい ことか ら前下
行枝を第 1目 標 とす るよ うにしている。 また肝門部閉
塞例で前後枝が分離 している場合 は別 々に ドレナ ージ
いに もかかわ らず , 自然抜去 は 1例 に も認め られてい
す ることを原則 としている。
使 いわ けて ぃる。
このチ ュー プは
ない。
② 穿刺針内を通して0 . 0 1 8 ン
イチJ 型 ガイ ドワイ
67(1609)
1986年7月
ヤ ーを挿 入 ,閉 塞直上部 まで ワイヤ ー先端 を進 め る。
この際注意す べ き こ とは ワイヤ ーが smoothに 挿 入 し
えな い場合 は時躇 せ ず他部位 か ら新 た に穿刺 を行 うべ
き ことで あ り, ワ イヤ ーを閉塞直上 まで進 め られれば
この後 の操作 は容易 であ る。
③ 穿刺針を抜去,7Fr。または8Fr.の トル ・コン付
留置 チ ュー ブに内針を入れたベニュー ラ
き pig tall型
ー
型 の ドレナ ジ針を, ワイヤーを ガイ ドとして胆管内
に挿入,外 筒 のみを胆管内深部 に送 り込み閉塞直上部
まで進 め,そ の後内針 お よびガイ ドワイヤーを抜去 し
…
ー
④ 固定 は皮膚 とチ ュ ブを 1針 固定す るのみ とし
ている。以前 は ゴム製 の鍔を使用 していたが, これ と
皮膚 との間で感染を起 こしやす く,ま た この程度 の回
定 で も特 に抜去 は認 め られない ことか ら,現 在 では こ
のよ うな簡便 な方法で行 っているわ けである。
⑤ 胆道内圧上昇 に よる Endotoxinの逆流を防 ぐた
め充分に胆汁を排出 した後,術 当 日は簡単に造影 し,
胆管壁 の浮腫 の とれた 1週 後再造影 して細部を検討す
る ことにしている (図 5,6).
b)心 寓部 か らの穿刺法
左肝内胆管 は閉基性黄痘 においては超音波断層上明
図 5 右 側胸部からの穿刺法
右日 胸 部 よ t',216雰 制針 にて
u事 ‐。u5d●下 に弁 朝
て ドレナ ー ジの操作 は終了す る.
萌,●に沿い 山 田 カテーテル留置,留電機内的強法
瞭 に描出しうるので穿刺 は容易 である。踏部 また は後
下枝を 目標 としている。操作 は右季肋部 か らと同様 で
あ る。
考 察
に対す る一 次的減黄法 として の PTCD
閉基性黄痘
は穿刺部位 の変化,器 具 の改良,手 校 の工夫な どによ
り次第 に成績 が向上 し安全かつ確実な方法 となって き
た。 また これに伴ない現在種 々の応用 が試み られ,ま
す ます発展 してい く状況 にある。
本法 は,当 初 PTC後 の腹腔内胆汁漏出の防止策 と
1ン
ゆ
して 考 案 され た も の で あ る が ) , F e r n s t r b m ら
図 6 右 側胸部 からの穿刺 の実際
耕
雛 柳
帥
こ示チ
68(1610)
経皮経肝胆管 ドレナージの合併症およびその対策
(1956)は
,ポ リエチ レンチ ュープをかがせた穿刺針で
胆管を穿刺 し,針 を抜去 した後 ポ リエチ レンチ ュー ブ
を胆管内に留置す る方法を報告 した。し か し当時 は太
い穿刺針を用 い る blind punctureで
あるために,重 篤
日消外会誌 19巻
7号
ナ ー ジ施行時 か ら本合併症 の対策 が必要 で あ る との 2
点 に着 目し, ト ル ・コ ン付 き留置 チ ュー プを作成 し,
さ らに本 チ ュー プの一 期的挿入法 を考案 したわ けで あ
る。先 端 を pig tall型と した の は 肝 門部 閉 塞 例 ドレ
ナ ー ジの際 の安全性 を さらに 向上 させ ょ うとしただ け
で,必 ず しも必要 で は な い と考 えて い る。本 チ ュー ブ
な合併症を来す場合が多かった。
その後X線 透視装置の開発,進 歩,細 い穿刺針 の登
場 によ りPTCの 後 に透 視下で再度太 い ドレナ ージ針
を穿刺す る,い わゆる two puncture methodが
行われ
。.
るよ うになった。∼
た と思われ る。
しか しこれ らの方法 は正面 1方 向のX線 透視下に太
い穿刺針を使用す るため,穿 刺 が難 か しく, この点を
改良すべ く考案 された ものが高 田らのの影像下直達式
臨床上肝 門部癌症例 に遭遇 した 際,特 に左右肝 内胆
管 が 分離 してい る場合 には,都築 らは1り
,対側 の化膿 性
胆管炎 が起 こ りえ るため両側 の ドレナ ー ジが必要 で あ
穿刺法である.
本法 は手枝 に熟練すれば安全 かつ確実な優れた方法
る と述 べ てい るが,われ われ もま った く同意見 で あ り,
手 技 的 に も超 音 波 誘 導 下 の ガ イ ドワイ ヤ ー使 用 one
で あるが,右 肝内胆管が穿刺不能 であることに難点が
ある。
puncture methodで は比 較 的容易 に ドレナ ー ジ出来 る
ため ,務 めて両側 ドレナ ー ジを施行 してい る。
この場合 も トル ・コン付 き pig tail型留置 チ ュー ブ
われわれは1980年か ら,0.018インチの J型 ガイ ドワ
イヤー使用 に よる透視下 one puncture methodを
施
行 して きたが,本 法 は穿刺 が21G針 のみで行われ,そ
の後 は0.018インチのガイ ドワイヤー誘導下 にチ ュー
ブを留置す るため,極めて簡使 かつ安全な方法である。
さらに近年 の超音波診断装置の発達 により狙 った胆
管を確実に穿刺で きるよ うにな り,肝 門部閉塞例での
複数 ドレナージ も容易 となって きた819)。
ゎれわれ も
1982年か らUS guide one puncture methodを
施行 し
ているが重篤な合併症は経験 していない。
この よ うな状況下で現在残 された問題点 はカテ ーテ
ル 自然抜去,特 に肝門部閉塞例における自然抜去であ
ろ う。実際,他 施設において も手技の向上 に伴 う他 の
合併症 の減少につれ カテ ーテル 自然抜去に起因す る胆
汁性腹膜炎が問題視 されつつ ある。こ の対策 として,
胆汁排泄状況や発熱を毎 日チ ェ ックす る1い
,右 側腹部
か らの穿刺では術後 1週 間の安静期間をお く1',な ど
の術後管理 を重要 視す る報 告 が見 られ る一 方,留 置
チ ュープを工夫す ることによ り,本 合併症を防止 しよ
うとす る検 討 も散見 され る。日中 ら1分
はカテーテル 自
然抜去の対策 として pig tailカ
テーテル (トル ・コン
一
付 きではない)の 期的挿入法を発表 しているが, こ
れによ り自然抜去率を20%か ら5%に 減少せ しめ得 た
としている。
われわれはポ リエチ レンカテ ーテル 自然抜去例の検
討 か ら, この原因のほ とん どがチ ュープの腹壁 と肝 と
の間における屈 曲によ り,また PTCD施 行 か ら自然抜
去 までの時間 は比較的短 か く (平均4.9日),初 回 ドレ
を使用 した17例で は, これ まで 自然抜去 は 1例 に も認
め られず ,現 在 の ところ当初 の 目的 は十 分 に達 せ られ
は有用 で あ り,肝 門部 閉塞 7例 において も自然抜去 は
認 め られ ていない。
閉塞性黄痘 に対す る 1次 的減黄術 の効果 は患者 の経
過,予 後 に多大 な る影響 をお よばす こ とは言 うまで も
ない.し か し,術 後 の減黄効果 は症例 に よ りさまざま
で,減 黄不良症例 の存在す る こともまた事実 で あ る.
これ らの解析 には確実 な減黄術 を施 行す ることが最低
条件 で あ り,今 後 さらに本 チ ュー プを使用 しこれ らの
検討 を行 ってい きた い と考 えてい る。
結
教 室 にお け る PTCDの
語
手技 の 変 遷 とそれ に伴 う合
併症発生率 の推移 につ き検討 し,以 下 の結果 を得 た。
1)合 併症発生率
two puncture method 17例 で は 腹 腔 内 胆 汁 漏 出
29.4%,胆 管 内 出血 11.8%,腹 腔 内 出血 11.8%と 高頻
度 で あ ったが,guide wire使 用 one puncture method
50例では,腹 腔 内胆汁漏 出 8%,胆 管 内 出血 4%と 低
頻度 とな り, さ らに US guide One puncture method
ではほ とん ど合併症 の発生 を見 な くな った。し か しヵ
テ ーテル 自然抜去だ け は従来 のポ リエ チ レンチ ュー ブ
使用 例 で は one puncture methodに お い て も21.2%
と高頻度 で あ り本合 併症 の防止策 を必要 とす る と思わ
れた。
2)カ テ ーテル 自然抜去 の原 因お よび対策
ポ リエ チ レン留置 チ ュー ブ 自然抜 去 の原 因 はチ ュー
プの腹壁 と肝 との 間 での屈 曲であ り,ま た抜去 の時期
は PTCD施 行後平均4.9日 と短期 間 で あ った。 そ こで
69(1611)
1986年7月
この部位 にお け るチ ュー プの復元 力 を強化 した トル ク
ヨ ン トロール 付 き チ ュー プ を留 置 カテ ー テ ル に 応 用
し,先 端 を pig tail型に成型 した チ ュー プを考 案 し,
本 チ ュー プの 1期 的挿 入法 を開発 した 。
本法 は17例に施行 したが,現 在 まで 自然抜去 は 1例
にも認められず, 優 れた方法と考えられる。
文
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