鰓弓軟骨発生模型の製作 - SQUARE

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有馬陽介、本多宏美、弘瀬公美子、下江宰司、里田隆博
形態・機能 第 11 巻第 1 号
<原著論文>
鰓弓軟骨発生模型の製作
有馬陽介、本多宏美、弘瀬公美子、下江宰司、里田隆博
広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 口腔健康科学講座
(投稿:2011 年 12 月 11 日、採択:2012 年 2 月 27 日)
要 旨
頭頸部の骨格の形成は非常に複雑で、神経頭蓋、耳殻、膜性骨および内臓頭蓋より形成される。神経頭蓋は主として頭
蓋底の部分を形成し、膜性骨は頭蓋冠などを作る。内臓頭蓋は鰓弓(咽頭弓)を支える。ヒトにおいては発生初期に6対
の鰓弓軟骨が形成される。第一鰓弓軟骨は、
メッケル軟骨と呼ばれ、
下顎軟骨と口蓋方形軟骨となり原始顎関節を形成する。
第二鰓弓軟骨はライヘルト軟骨と呼ばれ、アブミ骨、茎状突起、茎突舌骨靱帯、舌骨小角になる。第三鰓弓軟骨は舌骨大
角になる。第五鰓弓軟骨は痕跡的で、第四および第六鰓弓軟骨より、甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨が形成される。哺乳
類においては、下顎軟骨のまわりを皮膚由来の膜性骨が覆い下顎骨が形成され、側頭骨との間に二次顎関節が形成される。
そのため、原始顎関節は不要になり、鼓室輪に囲まれることにより中耳の中に取り込まれ、キヌタ・ツチ関節になる。一
方、頭蓋を構成する骨は大部分が、膜性骨よりなるが、後頭骨および頸椎は、後頭椎板に由来する。また頭蓋底を構成す
る神経頭蓋は前索軟骨、下垂体軟骨、傍索軟骨よりなる。また内耳の構造を含む耳殻は側頭骨錐体の一部を構成する。こ
のように頭部を構成する骨の発生過程は非常に複雑であるため、わかりやすい模型を作製した。
今回、白く塗った長方形の板に前索軟骨、下垂体軟骨、傍索軟骨、後頭椎板を配置し、その下に軟骨魚類において基本
的な7つの鰓弓軟骨および6つの鰓孔を一定間隔で配置した。発達するにつれ大きくなることは、継ぎ足し方式で、第一・
第二・第三鰓弓軟骨はヒモなどを用いることにより、発生過程を再現した。第四・第六鰓弓軟骨は甲状軟骨、輪状軟骨、
披裂軟骨を順に連結させることによりひとかたまりとして置き、その変遷を表現した。この模型により、非常にわかりに
くかった鰓弓軟骨の変遷過程を学生に効果的に説明することができた。
キーワード
鰓弓軟骨、模型、解剖学教育、発生学
序 文
頭頸部の骨格の形成は非常に複雑で、神経頭蓋、耳殻、
膜性骨および内臓頭蓋より形成される。神経頭蓋は主と
して頭蓋底の部分を形成し、膜性骨は頭蓋冠などを作る。
内臓頭蓋は鰓弓(咽頭弓)を支える。ヒトにおいては発
生初期に、6対の鰓弓軟骨が形成される。第一鰓弓軟骨
は、メッケル軟骨と呼ばれ、下顎軟骨と口蓋方形軟骨と
なり原始顎関節を形成する。第二鰓弓軟骨はライヘルト
軟骨と呼ばれ、アブミ骨、茎状突起、茎突舌骨靱帯、舌
骨小角になる。第三鰓弓軟骨は舌骨大角になる。第五鰓
弓軟骨は痕跡的で、第四および第六鰓弓軟骨より,甲状
軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨が形成される1,2,3,4,5,6,12,13,14,15)。
哺乳類においては、下顎軟骨のまわりを皮膚由来の膜
著者連絡先:里田隆博
広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 口腔健康科学講座
〒 734-8553
広島市南区霞1-2-3
TEL: 082-257-5442
FAX: 082-257-5797
E-Mail: [email protected]
性骨が覆い下顎骨が形成され、側頭骨との間に二次顎関
節が形成される。そのため、原始顎関節は、鼓室輪によ
り囲まれ中耳の中に取り込まれ、キヌタ・ツチ骨関節に
なる。一方、頭蓋を構成する骨は大部分が、膜性骨より
なるが、後頭骨および頸椎は、後頭椎板に由来する。ま
た頭蓋底を構成する骨は前索軟骨、下垂体軟骨、傍索軟
骨などの神経頭蓋よりなる。また内耳の構造を含む耳殻
は側頭骨錐体の一部を構成する2)。このように頭部を構
成する骨の発生過程は非常に複雑であるため、教育上わ
かりやすい模型を作製した。
材 料 と 方 法
①模型の台の製作
図1のように、模型は台となる板に前索軟骨、下垂体
軟骨、傍索軟骨、後頭椎板に相当する木片を T 字金具と
木ネジで固定した。前索軟骨は茶色、下垂体軟骨は濃い
緑、傍索軟骨は水色に着色した。傍索軟骨、後頭椎板の
後ろには、脊索を置いた。後頭椎板はピンク色に着色し
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図1.台板の製作、頭蓋底の軟骨と後頭椎板などの製作
前索軟骨、下垂体軟骨、傍索軟骨、後頭椎板に相当する木片
を板に固定した。傍索軟骨、後頭椎板の後ろには、脊索を置
いた。また、図のように磁石を置いて、鰓弓軟骨を取り外し
できるようにした。
た。また図のように磁石を置いて鰓弓軟骨を取り外し可
能にした。
②鰓弓軟骨の製作
第一鰓弓軟骨は、図2a のように、継ぎ足すことがで
きるようにし、また歯が取り付けられるようにした。第
二鰓弓軟骨は、図2b のように上節が磁石で分離できる
ようにし、下節は紐が伸び移動可能な工夫を加えた。第
三鰓弓軟骨は、下節の下端に磁石をとり付けた。第四
から第七鰓弓と鰓孔は図3dのように、一体化させた。
鰓弓軟骨は、黄緑色に着色した。
③上顎骨、側頭骨、鼓室輪の製作
上顎骨は図3a のように、木片に針金を芯として紙粘
土で頬骨弓を作り、実物の2倍大の歯をレジンで製作し
て配置した。また、側頭骨は、図3bのように板に針金
を芯とし紙粘土で頬骨弓を作り、下顎窩の位置は凹ませ
た。鼓室輪は針金を芯とし、紙粘土で作り、後壁に固定
するため鉄板を台板に接着し、磁石を鼓室輪に固定し
た。これらの骨は膜性骨であるため、青色に着色した。
④下顎骨の製作
図4に示すように、板に2倍大の歯をおき、細長い鉄
板を3枚組み合わせ、筋突起と関節突起が形成できるよ
うに工夫した。下顎骨も、膜性骨であるため青色を塗り、
鉄板は青の布で覆った。
⑤甲状軟骨、披裂軟骨、後頭骨、および鰓孔の製作
甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨は、図5a に示すよう
に、一体として作り、台板から第五鰓弓軟骨、第七鰓弓
図2.第一、第二、第三鰓弓軟骨の製作
a: 第一鰓弓軟骨は、はめ込み式で大きくすることができ
るようにした。
b:第二鰓弓軟骨は切り離し可能にし、第三鰓弓軟骨は、
後面をピンで留めるため後ろに穴を開けた。
軟骨を着脱可能にし、磁石で取り付けられるようにした
(図 11c, d)。第一鰓孔は、円柱形の木片に磁石を接着し、
鉄板のついた丸いプラスチック(鼓膜)を取り付けた(図
5b)。第二、第三鰓孔は、単純に円板の裏に鉄板を接着
した(図5c)。
後頭骨は、
半円形の板で作製し、
ピンク色に塗った(図5d)
。
結 果
模型の使用法とその意義
1 発生初期
軟骨魚類に見られ、動物の基本形6個の鰓孔と7個の
鰓弓軟骨からなる(図6a)。
2 第一鰓弓軟骨の増大
メッケル軟骨が大きくなり膜性骨に覆われる。上・下
顎に歯が生える(図6b, c)。
3 第二鰓弓軟骨による顎骨の固定
第一鰓孔は上方に移動し呼吸孔となる(図 7a)。第二
鰓弓が耳殻につき顎骨を固定する舌顎骨となる。この状
態はサメやエイと同じ軟骨魚類の状態で5孔6対である
( 図7b)。
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有馬陽介、本多宏美、弘瀬公美子、下江宰司、里田隆博
図3.上顎骨、側頭骨、鼓室輪、第四、第五、第六、第
七鰓弓軟骨の製作
a: 上顎骨を木片、他を紙粘土で製作する。b:側頭骨を
木片、他を紙粘土で製作する。c:鼓室輪を紙粘土で製
作する。d:第四、第五、第六、第七鰓弓軟骨は木片2
枚の板と円柱(鰓孔)をT字型金具にて、固定し、鰓孔
と鰓弓軟骨のセットとして製作する。
形態・機能 第 11 巻第 1 号
図5.甲状軟骨、輪状軟骨、後頭骨、鰓孔の製作
a: 甲状軟骨と輪状軟骨を一体として作る。b:第一鰓孔
には鼓膜(プラスチックで裏に鉄板)を磁石で着脱でき
るようにした。c:第二鰓孔の裏に鉄板を接着した。
d:半月状の板を用い後頭骨とした。
4 鼓膜の付け替えと鰓弓軟骨の消失
両生類以上では、第一鰓孔は外耳道になる、第二鰓弓
軟骨の上端を耳小柱といい、哺乳類においてはアブミ骨
を形成する。第一鰓孔の膜(鼓膜)を耳小柱に移動させ、
磁石で付着させる(図8a)。また哺乳類では軟骨魚類と
異なり6対の鰓弓軟骨が形成されるため7番目を取り外
す(図8b)。また、5番目の鰓弓軟骨は、痕跡的で消失
するので取り外す(図8c)。
5 下顎骨と上顎骨の発達
膜性骨に覆われた上顎軟骨、下顎軟骨は、膜性骨由
来の部分が大きくなる。そのため軟骨で形成されていた
原始顎関節では支持できなくなる。上顎軟骨も同様に膜
性骨に覆われ大きくなる(図9a,b,c)。口蓋方形軟骨は、
後端のみ残り、キヌタ骨になるが、前方部は蝶形骨大翼
になる(図9d)。
図4.下顎骨の製作
図に示す様に木片に鉄板を3枚組み合わせ、筋突起と関
節突起が延長できるようにした。これらの鉄板は青色の
布袋で覆った。
6 側頭骨の形成と二次顎関節の形成
側頭骨が形成され、下顎骨が側頭骨と関節を持つよう
になると原始顎関節は、下顎骨から切り離され、メッケ
ル軟骨は、ツチ骨、前ツチ骨靭帯、蝶下顎靭帯になる(図
10a,b,c,d)。側頭骨と下顎骨の間で形成された関節は二
次顎関節となる。また鼓室輪が形成されることにより、
ツチ骨、キヌタ骨は中耳腔の中に取り込まれ、前ツチ骨
靱帯は鼓室輪はさまれる(図 10e)。また、耳小柱に付
いていた鼓膜はツチ骨前方に移動する(図 10f)
2012 年8月 鰓弓軟骨変遷模型 図6.第一鰓弓の発生
a: 七つの鰓弓軟骨と6つの鰓孔を示す。b:第一鰓弓軟
骨が大きくなることを示す ( 矢印 )。c:第一鰓弓軟骨
が膜性骨に覆われ歯が生える様子を示す ( 矢印 )。
図7.第一鰓弓軟骨の固定
a:第一鰓孔が背側に移動し呼吸孔になる ( 矢印 )。
b:第一鰓弓軟骨は、第二鰓弓軟骨により、頭蓋底に固
定される。
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図8.鼓膜の付け替えと鰓弓軟骨の消失
a:呼吸孔に張っていた膜が第二鰓弓軟骨の背側部に移
動し、鼓膜となる。鳥類以下の動物にこのような状態が
見られる。第二鰓弓軟骨の背側部は、耳小柱になる ( 矢
印 )。b:ヒトにおいては、六対の鰓弓軟骨ができるため、
第七番目の鰓弓軟骨を取り外す ( 矢印 )。 c:ヒトにお
いては、第五鰓弓軟骨は痕跡的で消失するので取り外す
( 矢印 )。
図9.下顎骨との上顎骨の発達
a,b:下顎軟骨を覆っていた膜性骨は大きくなり下顎骨を形
成する ( 矢印 )。c:また、上顎軟骨を覆っていた膜性骨も
大きくなり、上顎骨を形成する ( 矢印 )。d: 口蓋方形軟骨
の遺残部分は蝶形骨大翼とも言われる(矢印)。
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形態・機能 第 11 巻第 1 号
図 11.第二鰓弓軟骨の変遷と甲状軟骨と輪状軟骨の形成
a,b:第二鰓孔は消失する ( 矢印 )。c,d:第四、第六鰓弓軟
骨から、甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨が形成される ( 矢
印 )。
図 10.側頭骨の形成と二次顎関節の形成
a:新しく側頭鱗が形成される ( 矢印 )。b,c: 側頭鱗と下
顎骨との間に二次顎関節が形成されはじめる ( 矢印 )。d:
新たに二次顎関節が形成されるため、原始顎関節が不要
となり、メッケル軟骨は、蝶下顎靱帯と前ツチ骨靱帯、
ツチ骨になる ( 矢印 )。e,f: 原始顎関節は、鼓室輪により、
耳の中に取り込まれる ( 矢印 )。f: 本来耳小柱についてい
た鼓膜は、ツチ骨に移動する ( 矢印 )。このことにより、
耳の中に、ツチ、キヌタ、アブミ骨が形成される。
は、口蓋方形軟骨からキヌタ骨・蝶形骨大翼になり、ま
た、第五鰓弓軟骨は、痕跡的で消失するという見解にも
とづき模型製作をした。
今回、発生の過程をミミックする模型を製作した。こ
れまでに里田らは消化管の発生模型 7)、鰓弓動脈の変遷
模型8) について報告している。鰓弓由来の構造物の形成
過程を説明するのは、発生模型が機能模型9,10) とは異な
るため、各器官の形態が大きく変化するため大変難しい。
7 第二、第三鰓弓軟骨の運命
第二鰓弓軟骨の上端はアブミ骨になるが、残りの部分
は、茎状突起、茎突舌骨靭帯、舌骨小角になる。また、
第三鰓弓軟骨は、舌骨大角になる(図 11a,b)。
8 第四、第六鰓弓軟骨の運命
第四・第六鰓弓軟骨は、甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟
骨になる(図 11c,d)。
9 後頭骨の形成
後頭鱗の部分は後頭椎板に由来するので、後頭鱗の部
分を付け加える(図 12a,b)。
考 察
このような模型を使って、学生では理解の難しい鰓弓
軟骨の発生をうまく説明できた。また、頭部を構成する
膜性骨の構成、原始顎関節から二次顎関節への発達する
意味、後頭椎板の変化等も説明できた。口蓋方形軟骨は、
キヌタ骨と蝶形骨大翼になると言う記載1,2) とキヌタ骨
のみという記載3,4,12,13,14)がある。第五鰓弓軟骨は消失す
るという記載 2,3,4)とはじめから、6個の鰓弓軟骨ではな
く、5個の鰓弓軟骨からなるとする報告 1)もある。今回
図 12. 後頭骨の形成
a,b: 一番前の後頭椎板から後頭骨ができる ( 矢印 )。b は完
成した鰓弓軟骨発生模型。
2012 年8月 鰓弓軟骨変遷模型 しかし、模型を製作することでその部位の発生を学ぶこと
ができ、学生にとって非常に有意義な研究である 11)。また
模型製作に伴う多くの疑問を解決するため文献調査、文
献から得られた知識をどのように模型に反映させるかな
ど様々な試行錯誤が必要となってくる。製作した模型で
学生同士教えあうことができるなど有意義な点が多い。
模型を完成させるまでに多大な時間と労力が必要である
が頭頸部の解剖学説明をする際、わかりやすく非常に役
に立つ。
文 献
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15
較解剖学.法政大学出版局,東京,192-197 16
有馬陽介、本多宏美、弘瀬公美子、下江宰司、里田隆博
形態・機能 第 11 巻第 1 号
A hand-made model for embryological instruction of the branchial
cartilages
Yosuke Arima, Hiromi Honda, Kumiko Hirose, Saiji Shimoe, Takahiro Satoda
Division of Oral Health Sciences
Hiroshima University Graduate School of Biomedical Sciences
Kasumi 1-2-3, Minami-ku, Hiroshima 734-8553 Japan
Key words
Branchial cartilages, Model, Anatomy education, Embryology
Abstract
The development of the head and neck skeletons is so complicated. In all vertebrates, the skeletons
of the head and neck are made up of the chondrocranium, the sensory capsules, the membrane bone
and the viscerocranium. In mammals, the chondrocranium ossifies to form the bone of the skull base.
Membrane bones form the roof of the skull. Membrane bones directly ossify from the mesenchyme.
Viscerocranium support the pharyngeal arches. In humans, there are six pairs of pharyngeal arches
which contain a pair of cartilages. The fifth arch forms as short-lived rudiment which promptly
regresses. In primitive vertebrates, the first arch cartilage called Meckel's cartilage gives rise to the
bones of the upper and lower jaws. The jaws of higher vertebrate, including humans, are formed almost
entirely by intramembranous ossification, and the cartilages of the first arch give rise to the incus and
malleus in the middle ear. The cartilages of the second arch called Reichert's cartilage give rise to the
stapes, the styloid process of the temporal bone, stylohyoid ligament and lesser horn of the hyoid bone.
The cartilages of the third arch give rise to the greater horn of the hyoid bone. The cartilages of the
forth and sixth arch fuse to form the thyroid, cricoid, arytenoid, corniculate and cuniform cartilages of
the larynx.
This time, we made the model in order to demonstrate this complicated development. In this model,
neurocranium, sensory capsules, viscerocranium and membrane bones painted in different colors
respectively are placed on the board. The cartilages and bones are made of wood or paper clay, and
disappearing or developing parts are detachable with the help of magnets.
This model helps us to teach students the development of the branchial cartilages effectively.