畦畔・水路法面等の雑草対策 - 佐賀県農地・水・環境保全向上対策協議会

グランドカバープランツ
畦畔・水路法面等の雑草対策
~作業の労力軽減から地域一体の活動へ~
にしごう
西郷農水環境保全会(佐賀県白石町)
① 地区の状況
当地区は白石町の北部に位置し六角川流域の水田
地帯であり、主に米・麦・大豆・タマネギなど土地
利用型作物とイチゴ・アスパラガスなどの施設園芸
による複合経営が行われています。しかし、近年で
は農業用施設の老朽化が目立ってきています。
そこで、平成 19 年度から農地・水・環境保全向上対
策に取組み、維持補修などの活動を行っています。
② 現状の問題点から改善に向けた取組
○ 問題点
近年、地区では担い手の高齢化・減少が進み、
地域活動の低下が問題となっています。また、農
作業については機械化が進んでいますが、水路法
面や畦畔の除草作業が、高齢化した農家にとって
重労働となっています。
圃場整備完了後 20 年以上が経過し、水路の法崩
れや畦畔が痩せていることにより、除草作業に支
障をきたしています。草刈機を用いた除草作業で
は危険を伴い、除草剤散布をすれば法面の崩壊、
周辺環境の悪化にも繋がるため、これらの問題を
考慮した対策の検討が必要となりました。
○ 改善に向けた検討事項
先に述べたとおり、当地区の現状では除草作業
についても、危険で重労働な作業となっています。
この問題を解決するため、対処方法を模索してい
たところ、カバープランツによる雑草対策を見つ
けました。
カバープランツを実践するにあたり、まず実践
されている地区への研修からスタートしました。
その研修で、施工や管理方法を学び、地区に合っ
た方法を検討した結果、農家自らが作業可能で、
方法も簡易なティフ・ブレアを種子から育成し、
植栽することにしました。
(畦畔の除草作業)
(水路法面の除草作業)
(先進地での視察状況)
○ 改善に向けた取組
(1)播種~発芽
各農家から持ち寄った水稲用の育苗箱を利用して播種を行いました。播種後は、苗箱
を広げ発芽までこまめに潅水を行い、発芽後には直射日光による日焼けを防ぐために遮
光シートで覆いました。
(2)発芽~植栽
播種からの流れ
約4~5cm程度まで成長したら植栽を行います。植
播種
栽後、根が定着するまでは定期的な雑草の草刈、潅水を
7月20日
行いました。
約50日間
(3)植栽~定着
根が定着し、法面を覆ったティフ・ブレアの植栽箇所
植栽
約2ヶ月間
9月6日~12日
には緑が生い茂り、法面からの泥の流出は見られなくな
ったのと同時に、法面管理に手間をかける必要がほとん
どなくなりました。
種子の播種から植栽、根の定着まで約 2 ヶ月間で施工
根の定着
できました。
(種子の播種状況)
(播種後の潅水作業)
(植栽状況)
平成22年度 作業経費集計表
費目
金額
備考
種子代
7,000 ティフ・ブレア 1袋
泥代
5,724 育苗土
材料費
9,860 除草剤等
日当
288,000 作業日数 12日間、延べ人数 90人
合計
310,584
作業(植栽延長) 2.5km
1mあたり 約124円 (定着後の状況)
③ 取組結果
このような取り組みを行い、労力軽減を図ることが出来
たことにより、地域住民の活動に対する意識が変わり、意
欲が向上しました。
このことを受け、将来にわたり適切に活動を続けられる
よう話し合いを行い、この事業が終了した後は、日当等の
支払いをせずに、管理を続けていくことにしようということになりました。
この事業終了後の課題として、活動の基礎となる土台(人的なもの)は出来ましたが、
材料費等の確保を如何にしていくかということがあります。
今後も,再構築できた地区への郷土愛を持続するために、何らかの支援をお願いしたい
と希望しています。