Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 Page 6 Page 7 再生不良性

616. 155. 194. 76:
612. 392. 45
再 生不 良性貧 血(汎 骨 髓病 症)の 鉄代謝 に関す る
臨 床的並 び に実験 的研究
第
二
編
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 に 於 け る 血 清 鉄 量,並
びに貯蔵 鉄量 に就 て
(本論文 の要 旨は第18回 日本 血液学 会総会 に於 て発表 した.)
岡 山大学 医学 部平木 内科 (主任:平 木
専 攻 生 水
田
縢
〔
昭和31年9月2日
内
第1章 緒
潔敎 授)
容
受稿 〕
目
次
言
第2節 還元鉄投与吸收試験
第2章 実験材料並びに実験方法
第1項 健 康 人
第3章 実験成績
第2項 再生不良性貧血患者
第3節 再生不良性貧血屍臓器分劃鉄量
第1節 鉄静注負荷試験
第1項 健 康 人
第4章 総括並びに考按
第2項 再生不良性貧血患者
第5章
結
hepatolenalen
第1章 緒
1888年Ehrlich9)が
Anamieの
言
Turk86),
初 め てAplastische
Thompson87), Minot63)等
を 数 え,そ
Frauk15),
Erkrankungen"中
に 鉄 代 謝 試 験,
ウ ロ ビ リン 代 謝 試 験 等 を 行 い 臓 器 の 鉄 分 布
報 告 を な し 爾 後Hirschfeld23),
Pappenheim75),
論
Eppinger10),
諸 家 の 報告 例 は多数
の 名 称 も又 報 告 者 に よ り種 々 唱 え
状 態 を 研 究 し,本
病 に於 て赤 血球 破壊 増 進 の
無 き 事 を 確 め,且
尿 中へ の鉄 排 泄増 加 を証 明
し て 之 を 肝 臓,脾
臓等 の 網状織 内皮 系統 の 機
能 異 常 に よ る も の と し た.本
正 常 或 は 増 加 す る 事 はHeilmeyer24),
られ 現 今 で は 既 に 本 疾 患 に 対 す る通 念 が 出 来
板 倉29),長
上 つ て い る.即
さ れ,之
ち 本 邦 で は 小 宮37)はEhrlich
症 の血 清鉄 量 は
谷 川22),教
Moore64),
室 岡 本69)等 に よ り報 告
は 吸 收 され た 鉄 が 骨 髄 の 造 血 機 能 不
が認 め た る如 き 骨 髄 の 全 面 的 荒 廃 を 示 す も の
全 の 為 に 利 用 さ れ ず 血 液 中 に 停 滞 す るか ら で
の 外 に,骨
あ る と さ れ て い る.而
髄 が 無 形 成 又 は癆 の 状 態 で 無 い 場
して本 症 の臓 器鉄 量 に
合 も あ る の で 再 生 不 良 性 貧 血 の 名 を 提 案 し一
関 す る 研 究 は 今 迄 に 病 理 解 剖 学 的 に 松 山58),
般 に 広 く用 い ら れ て い る.操57)は
入 沢 ・古 賀31),小
又 骨 髄 の進
行 性 機 能 低 下 に よ る 全 血 球 減 少 性 貧 血 と し,
midt53),藤
平 木 教 授21)は 又 本 症 に は 高 度 の 骨 髄 障 碍 を 呈
行90),清
す る も の の み な ら ず,極
内 皮 細 胞 にHemosiderinの
め て軽 度 の障 碍 ら し
く見 え て 而 も 末 梢 血 で は 著 し く赤 血 球,白
球,栓
球 の 減 少 を 示 す も の が あ り,い
血
ずれに
が,何
田11),大
宮38),簡
野39),
橋70),田
上,本
野40)等 に よ り肝 臓,脾
Kleinsch
山84),吉
臓 等 網状 組織
沈 着 を認 め て い る
れ も顕 微 化 学 的 検 索 に よ る も の の み で
あ り,更
に 臓 器 組 織 に就 て の 鉄 の 化 学 的 定 量
し て も本 病 は 従 来 殆 ん どす べ て 冶 癒 不 能 の 疾
的 測 定 に 関 し て はEppinger並
患 で あ る と 述 べ ら れ て い る.鉄
代 謝 に関 して
る の み に し て,更
も 古 く1920年Eppinger10)は
そ の 著"Die
測 定 に 関 す る 文 献 は 未 だ 見 ず.よ
び に 大 里71)あ
に 臓 器Non-hemin系
鉄 分劃
つ て私 は再
1576 水
田
生 不 良性 貧 血 に於 け る鉄代 謝 の 一 端 を究 明 せ
勝
本 症 屍 臓 器 及 び 別 に 対 照 と し て,癌,結
核
ん と し,鉄 吸收 試 験 並 び に 鉄 静 注 負 荷 試 験 を
等 の 消 耗 性 疾 患 並 び に 白 血 病 患 者 の剖 検 臓 器
行 い,更
材 料 を 第 一 編 と同 様 に 処 理 し てNon-hemin鉄
に 本 症 死 亡 患 者 臓 器Non-hemin分
劃 鉄 量 を 白 血 病 及 び 癌,結
核等 の消 耗性 疾 患
分 劃 測 定 を 行 つ た.
の 剖 検 に 際 し て 得 た 臓 器 材 料 と併 せ て 測 定 を
第3章 な し,比 較 検 討 し得 た の で そ の 成 績 を 纏 め て
報 告 す る.
第1節 第1項 第2章 1)
実 験材 料 並び に 実 験方 法
鉄 静注 負 荷 試験
健 康 人 静 注 負 荷 試 験(第1表,
第2表)
鉄静 注 負荷試 験
鉄 剤 静 注 負 荷 試 験 に よ る赤 血 球 数,血 球 素
本 教 室 に 入 院 せ る患 者 の 臨 床 的 に 確 実 に 再
生 不 良 性 貧 血(汎
実 験 成 績
骨 髄 病 症)を
診 断 され し 者
を 厳 重 に 選 び,注 射 前 数 日間 輸 血,そ
の他造
量 は5分
間 後 値,及
が な か つ た.血
注 射 後5分
び2時
間 後 値 何 れ も著 変
清 鉄 量 は 注 射 前 平 均103γ%,
間 値295γ%,及
び2時
血 剤 及 び 鉄 代 謝 に 影 響 あ る と思 わ れ る 投 薬 処
114γ%で,増
置 を 中 止 せ し め,鉄0.2瓱
%で 減 少 量 と増 加 量 の 比 が 平 均0.52で
瓩)即
体 重 毎瓩(平
ち グ ル フ ェ リコ ン(グ
均10
ル コ ン酸 第 二 鉄
塩 水 溶 液5竓
を 早 朝 空 腹 時 に 静 注 し,注 射 前,
5分 間 後,及
び2時 間 後 の3回 採 血 し夫 々 血
清 鉄 量,血 球 素 量,赤
加 量平 均192γ%,減
間後値
少 量101γ
あつ
た.
第1表 健康人静注負荷
血 球 数 を 第 一 編 と同 様
の 方 法 に て 測 定 した.又Gitlowに做
い5分
間 値 と注 射 前 値 及 び2時 間 値 との 差 を 夫 々増
加 量,減
少 量 と し種 々 の 検 討 の 資 料 と し た.
之 等 の 関 係 を 図 示 す れ ば 第1図
の 如 くで あ
る.
第1図
第2表 健 康 人 鉄 静 注 負 荷 試 験(血清 鉄量 γ%)
2)
還 元鉄投 与試 験
還 元 鉄 投 与 前 数 日 間 輸 血,そ
の他 造 血剤 並
び に 鉄 剤 吸收 促 進 的 作 用 あ る 薬 剤 を 一 切 使 用
中 止 し て,早 朝 空 腹 時 に 還 元 鉄1瓦
投 与 前,
2時 間 後,
単 独与え
4時 間 後,
6時 間 後 の 血
清 鉄 量 の 各 値 の 差 を 減 少 量,或
は増 加 量 とし
て 種 々 検 討 の 資 料 と した.
3)
本 症 死 亡 患 者 臓 器Non-hemin鉄
測定
第2項 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 鉄 静 注 負荷
試 験(第3表,第4表,第2図)
静 注 負 荷 試 験 に よ る 本 症 患 者 の 赤 血 球数,
血 球 素 量 は 各 負 荷経 過 時 間 共 に 著 変 を 示 さな
分劃
か つ た .本 症 血 清 鉄 量 は 初 め か ら一 般 に 高 く
平均240γ%で
増 加 量 は 最 高133γ%,最
低
再生不良性貧血(汎 骨髄病症)の 鉄代謝に関す る臨床的並びに実験的研究 第3表 再生不良性貧血患者鉄静注負 荷試験
第4表 患者血液像
1577
血清鉄量(γ%)
第2図 鉄 静 注 負 荷
を 確 め,還
49%,
元 鉄 投 与 後2時
65.2%,平
均52.3%の
を 認 め た.
4時
20.9%,平
均16.7%の
血 清鉄 量 の増 加
間 後 値 は 夫 々11.1%,
後 値 は 夫 々12.9%,
%の
間 後 値42.7%,
減 少 を 示 し た.
18.1%,
15.6%,
22.5%,
減 少 を 示 し 略 々 旧 値 に 戻 つ た.赤
6時 間
平 均17
血 球,
血球 素量 は 各 吸收 試 験 経 過 時 間 共 に著 変 を 示
25γ%で
相 当 の 広 範 囲 の 変 動 を 示 し,平
64γ%で
健 康 人 平 均 増 加 量の33%に
而 して 又 減 少 量 の 最 高64γ%,最
平 均34γ%で
過 ぎ な い.
低13γ%,
健 康 人 減 少 量 平 均101γ%に
較 して 約1/3に
均
さ な か つ た.
第5表 健 康 人 還 元 鉄 吸收 試 験
血清鉄 量(γ%)
比
過 ぎ ず 著 明 に 低 下 し て お り中
に は2時 間 値 と5分 間 値 が 殆 ん ど接 近 して い
る もの もあ る.
第2節 還元鉄投与吸收試験
第1項 健康人還元鉄吸收試験(第5表,
第6表)
吸收試酸前に胃液検査 を行い正酸であ る事
1578 水
第6表 正常人吸收試験
第2項 田
血液,胃 液
勝
第8表 再不患者吸收 試験
血液,胃 液
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 に 於 け る還
元 鉄 吸收 試 験(第7表,第8表,
第3図)
本 症 患 者 に 還 元 鉄 投 与 後2時
即 ち 吸收 値 は 最 高70γ%,最
45γ%を
間 後 の増 加量
低30γ%,平
示 し,健 康 人 の 平 均59γ%に
均
比較
し て稍 々 低 くな つ て い る. 4時 間 後 の 血 清 鉄
量 を 見 る に 健 康 人 で は 平 均32γ%で2時
第7表 間後
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 還 元 鉄 吸收 試 験
血 清鉄 量(γ%)
よ り も16.7γ%減
少 し て い るが 再 生 不 良性 貧
血 患 者 の 場 合 は 健 康 人 とは 反 対 に4時 間 後値
は2時
間 後 値 よ り も3.3%増
加 して お る. 6
時 間 後 値 も健 康 人 平 均33γ%で17%の
減少 を
示 す に 比 較 し て,患 者 で は 平 均11γ%で6.1
%の 低 い 減 少 を 示 した に 過 ぎ な い.
きは4時
1例 の如
間 後 値 よ り も6時 間 後 値 が 高 値 を 示
して い る も の もあ る 状 態 で あ る.即 ち 健 康人
に 比 較 し て 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 で は 鉄 の 吸收
が 悪 い の み で な く吸收 の 遅 延 が 甚 だ しい事 が
判 る.
次 に 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 の 胃 液 酸 度 を検 す
る に 過 酸,正 酸,低
第3図 還元鉄吸收試験
酸 等一 定 して お らな い.
而 して 此 等 種 々 の 酸 度 と本 実 験 に 於 け る鉄 の
吸收 状 態 との 関 係 を 見 る に 酸 度 の 高 き ものは
僅 か に 吸收 可 良 を 示 す か の 感 を 受 け る.
第3節 本 症 死 亡 患 者 臓 器 分 劃 鉄 量(第9表,
第10表,第11表,第4図,第5図)
本 教 室 に 入 院 せ る 再 生 不 良 性 貧 血 患 者4例
の 肝 臓,脾
髄,十
二 指 腸 上 部に
就 て 測 定 を 行 つ た もの で 第9表
が 各 例 の臨 床
像 で あ る.
臓,腎
臓,骨
再生不 良性貧血(汎 骨髄病症)の 鉄代謝 に関す る臨床的並びに実験的研究 第9表 第10表 第11表 再 不 患 者 血 液 像
各 種 疾 患 患 者 臓 器 分 劃 鉄 量
劃 鉄 量 単 位 重 量 のP1
分 劃 平 均 は 肝 臓83.8γ%,脾
血 清 鉄 量
再 生 不 良性 貧 血 患 者 臓 器 分 劃 鉄 量
第4図 再生不良性貧血患 者臓器分劃鉄量
各 臓 器Non-hemin分
1579
臓88γ%,腎
臓
第5図 白血病患者臓器分劃鉄量
38.3γ%,骨
髄63γ%,十二指
夫 々 対 照 例 に 比 較 し て1.2倍,
腸33.3γ%で
1.4倍,
2.6倍,
1580 水
2.8倍,
1.9倍
の 増 加 を 示 し て い る.
平 均 は 肝 臓77.8γ%,脾
%,骨
臓25γ
1.3倍,
々
は 肝 臓57.3γ%.脾
10倍,
3.8倍
劃平 均
越 え て 負 荷 さ れ た 鉄 は 血 中 に 止 ま り得 ず 極 め
て い る.而
と対 照 例 に 比 較
夫 々9.9倍,
倍 の 増 加 を 示 し た.更
10倍,
臓82.3γ%,腎
骨 髄42.7γ%,十
二指
し た.
1.6倍,
P11分
二 指 腸14γ%で
1.6倍
13.7γ%,十
6.9倍,
6.2倍,
劃 平 均 は 肝 臓
二 指 腸7γ%で
3.4倍,
二 指 腸
臓5.7γ%,骨
髄
夫 々5.7倍,
4.1倍
倉30),
の 消 長 も三 好60),福 井13),北 島43)等に 略 々一
致 した. Mooreの
述 べ る 如 く 一 般 にHemo
輸 血 のHemosiderosisの
4.2
の 増 加 を 示 し た.
合,又
場合
hemolytic
様 に 赤 血 球 が 贅 弱 の 場 合, pernici
ous anemiaの
臓46.7γ
5.8倍,
Moore64),板
金 森41),三 浦59),河 野42)等の 報 告 が あ るが 私
anemiaの
6.7倍,
Riecker78), Guthmann19),
の 様 に 体 の 中 に 鉄 が 多 い 場 合,
3.1倍,
髄27.7γ%,十
臓12.7γ%,腎
Lock56), Heilmeyer24),
chromatosisや
髄37.7γ%,十
の 増 加 を 示 す. S111分
21γ%,脾
臓
の 増 加 を 示 し た.
夫 々6.4倍,
定 され, Warburg89),
人 静 注 負 荷 に よ る 血 清鉄量 の 増 加 量,減 少 量
の 増 加 を 示
1.2倍,
なわ
の 測 定 も諸 家 の 言 う範 囲 の 値 を 示 した.健 康
夫 々1.8
劃 平 均 は 肝 臓53.3γ%,脾
13.5γ%で
倍,
1.9倍,
臓33γ%,骨
3.6倍
腸29.5γ%で
夫 々1.9倍,
1.8倍
%,腎
劃 平 均
臓23.7γ%,
臓11.3γ%,骨
P111分
4.8
劃 平 均 は 肝 臓67.3γ%,脾
72.7γ%,腎
1.8倍,
18.5倍,
劃 鉄 量 単 位 重 量 のP1分
1.3倍,
清 中 の 全 鉄 結 合 能 を 表 わ し増 加 量 は 不 飽 和鉄
る.健 康 人 血 清 鉄 量 は 従 来 各 種 方 法 に よ り測
に 単 球 白 血 病 の 各 臓 器
は 肝 臓80γ%,脾
倍,
間 後 の血 清鉄 量は血
ち 組 織 に 運ば れ る 鉄 量 を 示 す も の と され て い
臓14.5γ
二 指 腸8.3γ
4.8倍,
Non-hemin分
して注 射5分
結 合 能 を 示 し,又 減 少 量 は 消 失 速 度,す
臓19γ%,骨髓37γ%,十
%で
の静 注 に よ
夫 々6.9倍,
劃 平 均 は 肝 臓36.8γ%,脾
%,腎
を 利 用 し得 る様 に な つ た.鉄10瓱
り血 清 中 の 鉄 結 合 能 は 全 く飽 和 され,そ れ を
し て 増 加 を 示 し た.
S111分
そ の補 助 診断 の 目的 のた め に鉄 静 注負 荷試験
て 速 や か に 網 内 系 細 胞 に 摂 られ る と考え られ
二 指 腸14γ%で
7.1倍,
各種 貧 血 症 の鉄代 謝 の 一 面 を 窺 し 得 る と共 に
臓40.3γ%,
臓59γ%,腎
骨 髄45.3γ%,十
勝
3.4
0.7倍,
の 増 加 を 示 し て い る.P111分
8.4倍,
劃
二指 腸15.7γ%で夫
対 照 例 に 比 較 し て2.2倍,
倍,2倍
P11分
臓82γ%,腎
髄62γ%,十
田
如 く骨 髄 が 鉄 を 利 用 出 来 ぬ 場
骨 髄 機 能 低 下 に よ り鉄 の 利 用 が 活 発 に
行 え ぬ 場 合 等 は 血 清 鉄 量 の 増 加 が 見 られ る.
一 方 骨 髄 機 能 旺 盛 で 鉄 の 利 用 が 著 明 な る時 ,
す な わ ち 急 性 出 血 時 に は 著 し く血 清 鉄 量 の 低
下 が 見 られ る.更 に 内 分 泌 性 失 調 に よ る鉄 代
謝 機 能 不 全 に よ り,或 は鉤 虫 症,パン
チ ー氏
病 等 に 於 け る 所 謂 催 貧 血 物 質 に よる 網 内 系機
第4章 総 括 並び に 考按
能 障 碍 に よ り組 織 の 鉄 捕 捉 乃 至 鉄 放 出 不 全 を
鉄 は 血 清 中 に 於 て 金 属 結 合 体 性 蛋白 体 で あ
るBl-globulinと
な り,こ
結 合 し てSiderophilin鉄
と
の 含 鉄 物 質は 血 清 中 に 通 常100γ%
起 す 結 果,貯
蔵 鉄 の 利 用 障 碍 とな りて も血清
鉄 飽 和 度 減 少 が 予 測 され 得 る も の で あ る.再
生 不 良 性 貧 血 患 者 の 血 清 鉄 量 は 一 般 に 高 く,
上 に も増 加 し
且 減 少 量 の 健 康 人 に 比 較 し て 著 し く低 い事 は
得 る事 か ら 明 らか に 鉄 結 合 力 の 予 備 を 持 つ て
骨 髄 造 血 機 能 低 下 乃 至 頽癈 に よ る 鉄 利 用不 全
い る 事 が 識 ら れ る.最
に よ る もの で 白血 病 と共 に 本 症 に 於 て最 も目
前 後 含 ま れ て い る が, 300γ%以
近臨 床 的 に血 清鉄 飽 和
度 の 関 係 が 研 究 さ れLaurell53),
Cartwright6),
立 つ た 点 で あ り, Heilmeyer,
石 上,順
川32)等 の 増 告 が あ る.
1947年Nis
長 谷 川 に よ く一 致 す る.減 少 量 と増 加 量 の比
sim68)等
がSaccharated
iron oxideが
鉄欠 乏
Moore,板
倉,
は 増 加 量 不 定 の た め 一 定 の傾 向 を認 め 難 き も
性 貧 血 に 有 効 且 副 作 用 の 少 い 事 を 報 告 して 以
大 体 低 値 を 示す 様 で あ る.興 味 あ る事 は第3
来,本
表 に 示 せ る如 く,岡 野 の 行 つ た 幼 若 家 兎赤色
邦 に 於 て も静 注 用 鉄 剤 と し て グ ル コ ン
酸 第 二 水 溶 鉄 液 が 造 ら れ,冶
療 上 の み な ら ず.
骨 髄 埋没療 法 が 著 効 し た 古 屋 野 例 に つ い て貧
再 生 不 良 性 貧 血(汎骨髄病
症)の鉄
代 謝 に 関 す る臨 床 的 並 び に実験 的 研 究
1581
血恢 復 の時 期 に行 つ た結 果 で は血 清 鉄 量著 減
反 面 貧 血 に よ る 生体 鉄 要 求 の 大 な る 場 合 は 腸
し,且 減 少 量 の 増 加 を 認め 減 少 量 と増 加 量 の
粘 膜 内 の 酸 素 張 力 が 低 い た め 還 元 系 が 優 り,
比 の 増 加 を 示 した 事 で あ り,尚
鉄 の 吸收 の亢 進 が 起 り血 清 鉄 量 は 増 加 して 生
この場合 埋没
部 位 の 炎 症 消 退 し化 膿 も亦 全 く認 め 得 な か つ
体 各 造 血 器 官,貯
蔵 器 官 へ と利 用 され る と言
た 事 よ り,こ の 場 合 の 血 清 鉄 量 の 減 少 は 骨 髄
うの で あ る.而
機 能 好 転 に よ り造 血 材 料 と して 利 用 さ れ し事
に つ いて 赤 血球 内 に現 わ れ る鉄 量 を測定 して
を 示 す もの で あ る.以
上再 生 不 良性 貧 血 に於
吸收 量 を 検 査 し,慢 性 出 血 性 貧 血 患 者 で は 吸
け る鉄 静 注 負 荷 試 験 の 成 績 は 教 室 で 分 類 して
收 され た 鉄 は 殆 ん ど赤 血 球 内 に 出 現 す るか ら
い る 骨髄 内 血 球 抑 留 型,血
吸收 量 の 比 較 的 絶 対 量 に 近 い 値 を 得 る が,反
生 障 碍 型,以
球 成 熟 抑 制 型,再
上 三 者 の 混 合 型,及
型(汎 骨 髄癆)の
び再 生不 能
諸 型 間 に於 て 差 異 を認 め得
なか つ た. Huffに
よ るFe59の
静脈 内投 与試
してBalfour4)も
面 炎 症 性 疾 患,白
血 病,悪
又 数種 疾 患
性 貧 血等 の場 合 に
は 吸收 され た 鉄 が 血 球 素 形 成 に 利 用 され る事
は 低 い が 故 に 絶 対 量 的 な 吸收 値 は 不 明 で あ る
験で は重 症の 鉄 欠乏 性 貧 血で は 赤 血球 中へ の
と述 べ て い るが,矢
放 射 性 鉄 の 出 現 が 早 く,且 つ 多 くな り,再 生
量 を測 定 し て 吸收 量 を 推 知 す る事 は 適 当 な 臨
不 良 性 貧 血 や 感 染 症 の 場 合 に は減退 す る と論
床 上 の 一 方 法 で あ る と考 え 得 る.私 の 実 験 成
じて い るが,本
績 で は 健 康 人 還 元 鉄 吸收 試 験 は 福 島14),中
症 に於 て は 造 血 機 能 の 低 下 乃
至 荒 廃 の た め,こ
考 え られ,又
の 方 面 の 鉄 需 要 無 き もの と
減 少 量 の 著 減 か ら鉄 貯 蔵 庫 た る
張 り今 日の 所 で は 血 清 鉄
尾65),河 野42)等 と同 一 傾 向 を 示 した.再
良 性 貧 血 患 者 の 吸收 試 験 で は2時
生不
間 後 の増 加
臓 器 も恐 ら く殆 ん ど飽 和 の 状 態 に あ る事 が 私
量 即 ち 吸收 値 は 健 康 人 に 比 較 し て稍 々 低 値 を
の 実 験 か らみ て も想 像 され,こ
示 した が,
の 事 は本 症 死
4時 間 後 で は 健 康 人 は 約16.7%の
亡 患 者 剖 検 時 臓 器 鉄 量 を 測 定 して 明 らか に 証
減 少 を 示 せ る に 比 較 し て 患 者 で は 反 対 に3.3
し得 た.
%の 増 加 を 示 した.
Hahn28),
妹 尾82),福
Shorre80),
島14),
Stewart81),
Moore等
Balfour4),
に よ り鉄 は 十 二 指
6時 間 後 も健 康 人 で は17
%の 減 少 を 示 せ る に 比 較 して,患
に6.1%の
者で は僅 か
減 少 を 示 した に 過 ぎ な い.本
症に
腸 上 部 及 び 幽 門 部 で 吸收 さ れ る 事 が 最 近 の
於 け る還 元 鉄 吸收 試 験 も上 述 せ る鉄 静 注 負 荷
Fe55,
試 験 に よ る 場 合 と同 様 に 造血 機 能 障 碍 並 び に
Fe59使
又Coop8)等
用 研 究 の 進 歩 と 共 に 再 確 認 さ れ,
され
貯臓 臓 器 の鉄 飽 和状 態 乃至 鉄 捕捉 機能 減 退 に
ち鉄 は食 物 中 に無 機物 或
よ り投 与 鉄 剤 の 吸收 減 退 を 明 らか に 示 して い
は 結 腸 よ り も 相 当 多 量 吸收
る と 述 べ て い る.即
は有機 化合 物体 として多 様 な結 合様 式 で存 在
る. Heilmeyer12),伊
し,形
荷 試 験 で 鉄 吸收 曲 線 の 上 昇 を 示 さず と述 べ て
態 に よ り吸收 に 著 し い 差 が あ る.胃
液
い る.
に よ り塩 化 物 と な り こ れ が 食 物 中 のVitamin
Cや 還 元 性 物 質 に よ り,還
Fe
(Fe++)と
元 さ れ て2価
藤33)も 本 症 に 於 て 鉄 負
の
本 症 に 於 け る鉄 剤 吸收 に 就 て は 体 内 鉄 過 剰
な り主 と し て 十 二 指 腸 上 部 及
に よ り外 来 よ りの 鉄 の 必 要 な く,腸 粘 膜 細 胞
び 幽 門 部 で 吸收 さ れ る の で あ る が,
Kirch54),
に 於 け る 所 謂"mucosal
bloc"は
吸收 阻 止 作
松 井61)は 消 化 に よ る 還 元 性 そ の 他 食 品 に 含 有
用 を 或 程 度 発 揮 して い る の で は な い か と考 え
さ れ て い る 燐 酸 塩,
られ る.即 ち2時
Ca,
影 響 を 述 べ て い る.而
Al及
びamino-酸
の
し て 鉄 吸收 量 が 正 常 な
間 後 吸收 量 は 健 康 人 に 比 較
し て 梢 々 低 く,且 遅 延 し て お り徐 々 に 吸收 を
生 体 の 状 態 で は 限 定 さ れ て い る事 はGranick
示 す もの と も考 え られ る.こ
の 巧 妙 な"mucosal
就 て は 勿 論 本 症 患 者 の 血 清 鉄 飽 和 度 の高 い 事
bloc"で
説 明 さ れ て い る.
す な わ ち 十 二 指 腸 上 部 粘 膜 細 胞 の2価
ちFerritinで
の鉄 即
飽 和 さ れ る と其 処 にblockが
形 成 され て もは や 鉄 が 入 つ て 来 な い 事 に な る.
の興味 あ る事 に
に よ る 吸收 障 碍 が 考 え られ る の で あ る が,こ
の 点Heilmeyer25)が
血 清 鉄 量1700γ%に
す るHaemo-chromatosisに
於 て,経
達
口的 に 投
1582 水
与 され た 放射性鉄の吸
田
收 力 が 異 常 に亢進 し て
い る 事 を 見 出 し てHaemochromatosisで
Blockは全
は
然 機 能 を 発 揮 し て い な い と述 べ て
い る 点 と異 な る もの で あ る.
勝
に よ り本症患 者 紐 織 ジデ ロー ジス が顕 微化学
的 検 索 に よ り明 らか に され て い る.本 症 の 組
織 鉄 量 の 測 定 に 関 して はEppingerが
肝 臓 鉄量 が 他 屍 の 約2倍
本症の
に 達 せ し事 を 報 告 し,
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 に於 け る 還 元鉄 吸收 量
更 に 大 里 が 臓 器 鉄 分 布 測 定 に よ り著 明 な 増 加
の 胃 液 酸 度 に よ る 影 響 の 少 な か り し事 に 就 て
を 認 め て い る他 に は 報 告 を 見 な い.更 に 本 症
は,一
のNon-hemin鉄
面 妹 尾82)の言 う投 与 鉄 量 の 大 量 に 過 ぎ
分 劃 測 定 に 関 す る文 献 は 未
生 理 的 状 態 を 余 りに もか け 離 れ て お り従 つ て
だ之 を 見 ず,比
正 常 吸 收 で な く粘 膜 の 破 壊 に よ り鉄 を 物 理 化
が,貯
学 的 に 組 織 内 に 滲 透 せ しめ る影 響 も考 え られ
於 て 単 位 重 量 に 於 け るP1分
ぬ で もな い.
PH分
本 症 の 網 内 系 機 能 に 就 て は 岡 本69),中 山 等
較 考察 す る事は 不可 能 であ る
蔵 器 と し て 重 要 な 位 置 を 占 め る肝 臓 に
劃 は2∼5倍,
P111分 劃 は4∼5倍,
S111分 劃 は6倍,骨
髄 で はP1,
P11分 劃3
, P111分 劃6∼9倍, S111分
劃10∼15
は コン ゴ ロ ー ト係 数 を 測 定 し 多 少 の 障 碍 を 認
∼6倍
め た が,血
倍 と著 明 な 増 加 を 示 し,そ
清鉄 量 との間 には 一定 の 関係 を見
劃 は2∼3倍,
の 他 脾 臓,腎 臓,
出 し難 く,中 に は 殆 んど 網 内 系 機 能 障 碍 を認
十 二 指 腸 上 部 等 各 分 劃 と もに 他 の 病 屍 臓 器 鉄
め な か つ た 例 もあ る と述 べ て い る.而
量 を 夫 々 凌 い で い る.勿 論 本 症 患 者 入 院 加 療
して 本
症 に於 ては 網 内系 の鉄 代謝 に於 け る重要 な役
中 に 於 け る 多 量 の 輸 血 に よ る 影 響 並 び に結 核,
割 と して の 鉄 抑 留,貯
胃 癌,関
蔵,又
生体 の 必要 に応
節 ロ イ マ チ ス ム ス の 如 く血 清 鉄 量 の
じて の鉄 の 動 員放 出等 の機 能 を 或程度 は な お
減 少 及 び 体 内 鉄 量 の 減 少 を 来 す 疾 患,乃 至 炎
遂 行 し得 て い る も の で あ ろ う と考え 得 る.
症,悪 性 腫 瘍 の 如 く体 内 鉄 量 の 異 常 分 布(醫
本 症 に於 け る 鉄 排 泄 に 関 し て は 私 は 何 等 の
具 体 的 検 査 を 行 つ て い な い が,従
排 泄 に 関 して はHahn28),
等 は 尿,尿
来生 体 の鉄
Balfour4), Copp8)
中,胆 汁 内 の 排 泄 量 は 極 め て 少 量
え ば 結 核 性 病 巣 に は 鉄 沈 着 著 明 で あ る)を 来
す 疾 患 を 対 照 とせ る事 を 考 慮 して も本 症 の 臓
器 鉄 量 の 増 加 して い る 事 は 明 らか で あ る.
更 に 私 は 白 血 病 患 者 の 臓 器Non-hemin鉄
で あ り,従 つ て 血 球 破 壊 に よ り放 出 され た 鉄
分 劃 測 定 に よ り著 明 な 鉄 の 増 量 を 明 らか に し
の 再 利 用 が 重 要 で あ る 事 を 論じ て お り,又 そ
た.白
の 他Greenberg20), Reinmann79)によ
量 の 測 定 も あ る が,い
る排 泄
ずれ に しろ生体 に於 け
る 鉄 排 泄 は 第 二 義 的 な もの と考 え られ て い る.
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 に 於 け る鉄 排 泄 に 関 し
て はEppinger10)に
血 病 に 於 け る鉄 代 謝 に 関 す る研 究 も少
く,Bayer5)の 業 蹟 に よ る と骨 髄 性 白 血 病 に於
て はEisendeportが
増 加 し た た め に,鉄 の 蓄
積 機 能 亢 進 し排 泄 の 減 少 を惹 起 す る と云 う.
又 レ ン トゲン 照 射 冶 療 を 病 脾 に 施 行 す る事 に
よ り尿 中 へ の 鉄 排 泄 の 増
よ り排 泄 増 加 と蓄 積 減 少 を 来 た す 事 を み て お
加 が 認 め られ て い る.私 は 本 症 死 亡 患 者 の 排
り,之 は 体 内 に 於 け る細 胞 破 壊 の 異 常亢 進 を
泄 臓 器 た る 腎 臓 に 於 け る鉄 量 の 増 加 を 認 め し
事 よ り,或 はEppingerの
言 う如 く尿 中 へ の
鉄 排 泄 増 加 も考 え 得 る が,生
体 の 鉄 保 留,再
来 す 場 合,そ
の 所 産 た る 鉄 を 保 持 せ ん とす る
網 内 皮 系統 の機 能に 関係 してい るの である と
云 う.更 に 又 藤 田12)が骨 髄 性 白血 病 に 於 け る
利 用 機 能 の 巧 妙 且 偉 大 な る事 よ り推 測 して 矢
冶 療 の 一 方 法 と して の, Benzol注 射,レン
張 り,本 症 患 者 の 尿 そ の 他 よ りの 鉄 排 泄量 の
ゲ ン照 射 に よ り鉄 排 泄 増 加 を 認 め て い る事 よ
意 義 は 比 較 的 少 な き も の と憶 測 す る も の で あ
り も白 血 病 に 於 け る 臓 器 鉄 量 の 増 加 は 推 考 出
る.
本症 に 於 け る 造 血 機 能 障 碍 に よ る 体 内 臓 器
ト
来 るわ け で あ る.
再 生 不 良 性 貧 血,白
血病 患 者 の臓器分劃鉄
鉄 の 増 量 は 鉄 静 注 負 荷 試 験 並 び に鉄 吸 收 試 験
量 の 増 加 は 明 らか な る共 通 点 で あ る が,然 し
に よ り充 分 推 察 し得 る もの で あ り,従 来 諸 家
そ の本 質 的 な 鉄 増 量 の 原 因 と して の 鉄代 謝 面
再生不良性貧血(汎 骨髄病症)の 鉄代謝に関す る臨床的並びに実験的研究 1583
か らの 両 者 の 差 は 本 実 験 成 績 よ りは 推 察 し得
1)
ざ りし も,特 に 興 味 深 く感 ぜ ら れ る事 は 各 臓
血 清 鉄 量 は 一 般 に 高 く,増 加 量,減
器 に 於 け るP111,
鉄 静 注 負荷 試 験
少量は
著 明 に 減 少 して い る.
S111分 劃 殊 に 前 者 の 著 明 な
る増 量 で あ る.之 は 先 に 第 一 編 で 論 じ明 ら か
2)
に せ る如 く,生 体 に 於 け る 骨 髄 機 能 低 下 乃 至
増 加 量 は 遅 延 的 増 加 を 示 し,且 減 少 量 は 著
荒 廃 状 態 に 於 け るNon-hemin鉄
鉄 吸收 試 験
明 に 減 少 して い る.
代謝 の動 態
の 重 要 な 一 面 を 示 す も の で あ り,生 体 鉄 代 謝
3)
に 於 てFerritin,
各 臓 器 の 各 分 劃 と もに 増 加 を 示 し殊 にP111
Hemosiderin分
劃 よ りも活
臓 器鉄分 劃 測 定
溌 に 代 謝 され る 単 純蛋 白 鉄 結 合 体 の 存 在 が 想
分 劃,S111分
起 さ れ,正 常 状 態 で は 極 め て 微 量 で あ る この
10倍 のP111分 劃 の 増 加 を 認 め た.
結 合 体 が,生
劃 の 増 加 は 顕 著 で,骨
髄 で は約
以 上 の 如 く本 症 が 鉄 過 剰 に あ る 事 は 明 らか
体 内鉄過 剰 殊に 造 血 機能障 碍時
に 増 量 し,反 面 一 度 造 血 機 能 再 生 の 徴 あ るや
で あ り,且 本 症 に 於 け るNon-hemin鉄
血 球 生 成 の 材 料 と し迅 速 に 利 用 され る もの で
過 程 の 分 劃 的 意 義 就 中P111,
あ る と思 わ れ る.
を 明 らか に した.
代謝
S111分 劃 の 意 義
稿を終 るに臨 み終 始変 らぬ御 懇篤 な御指 導 と御 校
第5章 結
論
閲 を賜 わ りし恩師平 木教授 に深 甚の謝意 を表わ す と
共 に,大 藤助敎 授 の御 校閲 と御援助 に深謝 す.
再 生 不 良 性 貧 血 患 者 に 鉄 静 注 負 荷 試 験,還
元 鉄 吸收 試 験 並 び に 屍 臓 器 鉄 分 劃 測 定 を 行 い
(文献は 第三 編の末 尾に一括 記載す)
次 の 如 き結 果 を 得 た.
Dept.
of
Jnternal
Medicine,
Okayama University
(Director:
Clinical
and
Prof.
Experimental
Anemia
About
K.
the
in
School
on
Iron
Metabolism
in
(Panmyelopathia)
quantity
iron
Medical
Hiraki)
Studies
Hypoplastic
Part Ⅱ.
Dr.
of
serum
hypoplastic
iron
and
storage
anemia
by
Masaru
The
rement
author
of
poplastic
The
the
the
amount
iron
serum
result
to
this
was
decreasing
in
two
was
iron
in
iron
absorption
duodenum
as
and
test
bune
and
marrow)
fractional
on
measu
patients
of
hy
follows.
high,
minutes
after
showing
33%
of
serum
one
generally
5
133γ%
is only
amount
which
Namely
test,
kidney,
the
serum
25γ%
and
decreasing
34γ%
creasing
of
was
The
ing
of
amount
average
tolerance
test;
amount
gluferricon
iron
spleen,
and obtained
tolerance
increased
the
iron(liver,
anemia,
1) Iron
on
performed
depot
Mizuta
third
amount
hours was almost
of
the
the
iron
that
in
the
of
normal
in
this
case
equal
healthy
two
hours
subjects
was
with
240γ%
intravenous
rather
normal
that
is,
the
very
that
on
the
average.
administration
wide
movement,
men's
was
and
avererage
13γ%
of
was
increased
to
64γ%
The
10mg.
64γ%
amount.
averag
(101γ%).
slight,
in
5
and
minutes.
in some
cases
the
de
1584 水
2) Iron
absorption
The
iron
These
the
quantities
was
hours
were
%
that
of
The
in
in
3)
anemia
Every
was
in
each
P11
than
only
in
and
lism
mentioned
by
the
of
the
administration
of 1
g
human
beings
in
by
4
which
hours
3.3%.
was
On
beings
was
were
59γ%
265γ%
the
other
32γ%,
on
and
in two
hand,
which
the
de
decreases
by
6
hours
was
33γ%
in
normal
human
being,
iron,
anemia.
in
markedly
liver,
in
of
spleen,
kidney,
absoption
bone
S111
diseases.
1.3×,
with
of
marrow
of
confirmed
2.6×,
0.7×,
P1
4.8×,
fraction
movement of
author
1.4×,
other
compared
quantity
the
1.2×,
2.2×,
9.9×,
and
the
the
the
iron
in
hypo
retarded.
increased
those
increase
fraction,
of
that
iron;
iron
than
P111
also
confirmed
and
duodenum
diseases.
an
S111
above,
but
anemia
increased
investigation
non-hemin
in hypoplastic
other
exhibited
respectively. Namely,
As
in
author
depot
depot
hypoplastic
3.8×,
the
of
of
those
fraction
10.0×,
normal
human
iron
poor,
respectively
fraction
P111
×,
findings,
not
in
organs
after
anemia.
fractionation
fraction
hours
increased
normal
serum
measurement
higher
P1
two
anemia
only
of
of
these
was
Fractional
in
hypoplastic
former
amount
to
those
in
serum iron
hypoplastic
According
in
hours.
decreasing
11γ%
plastic
two
than
the
the
iron
average.
iron
namely
amount
serum
the
lower
serum
256γ%,
16.7
on
slightly
The
creasing
of
45γ%
average.
勝
test;
increasing
reduced
田
and
increased
depot
iron
each
that
3.4×
P11,
10.0×,
viz.,
P111
and
in
bone
the
exhibited
1.9×
2.0×.
8.4×,
in
7. 1
each
organ
marrow.
anemia
in
S111
and
4.8×
hypoplastic
fractionation
and
6.9×,
18.5×,
remarkably
in
2.8×
was
course
of
a
of
surplus,
the
metabo
remarkably
rise