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貧血の病因と症状
森實敏夫
2008年基礎病態
http://www.kdcnet.ac.jp/naika/kiso/
anemia.ppt
なぜ貧血が起きるか?
• 赤血球の
–産生の減少
–消失増大
–両者の組み合わせ
–原因不明
貧血の種類
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鉄欠乏性貧血 iron deficiency anemia
巨赤芽球性貧血 megaloblastic anemia
再生不良性貧血 aplastic anemia
溶血性貧血 hemolytic anemia
その他
貧血の症状
• ヘモグロビンの減少
• 動悸
• 労作時息切れ
• 顔面蒼白
鉄欠乏性貧血
(病因)
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ヘムの構成成分である鉄が体内で不足
し、ヘモグロビン合成が低下した結果貧血
になった状態であり年齢、性別によりその
原因疾患が異なる。
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鉄は1日1mg摂取吸収される必要あり。
鉄欠乏性貧血の原因
• 幼児期
未熟児、食事摂取不良
• 思春期
急速な成長、偏食、月経開始に
伴う鉄需要の増加
• 成人
病的出血(消化管出血・泌尿器出
血、痔核)、胃切除後、妊娠。出産、授乳、月
経異常(月経過多、子宮筋腫)
• 高齢者
食事摂取不良(義歯、咀嚼力の
低下)、病的出血(消化管出血・泌尿器出血、
痔核)、胃切除後
•胃癌や大腸癌
鉄欠乏性貧血の症状
• 貧血症状
• 鉄欠乏に比較的特有の症状(スプーン爪、氷
などを異状に欲しがる、嚥下障害など)
鉄欠乏性貧血の治療
• 鉄剤の投与(経口、静脈注射)3から6ヶ月
巨赤芽球性貧血の病因
ビタミンB12欠乏症
摂取不良 菜食主義者
胃病変
悪性貧血、胃切除
小腸病変 盲端症候群、小腸炎症性疾患、寄生虫、小腸切除
需要の増大 妊娠、がん、溶血性貧血
運搬障害 トランスコバラミンⅡ欠損症
葉酸欠乏症
摂取不良 慢性アルコール中毒
吸収障害 先天性葉酸吸収不全症候群、小腸炎症性疾患、ス
プルー
需要の増大 妊娠、がん、溶血性貧血、剥離性皮膚炎
薬剤
抗葉酸剤 メトトレキセート
DNA合成阻害剤 6-メルカプトプリン、シタラビン、5-フルオロ
ウラシル
巨赤芽球性貧血の症状
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貧血症状
消化器症状(食欲不振、舌痛、胸焼けなど)
神経症状(知覚障害、歩行障害、精神症状
など)
再生不良性貧血の病因
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造血幹細胞の直接障害(薬剤、ウイルスなど)
造血微小循環の障害(サイトメガロウイルス感染
など)
免疫学的機序による造血障害(特発性の大部
分)
骨髄が低形成となる。
ステロイドやタンパク同化ホルモンが有効な場合
がある。
再生不良性貧血の症状
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貧血症状(動悸、労作時息切れ、顔面蒼白
など)
易感染性(発熱など)
出血症状(皮下出血、鼻出血、性器出血な
ど)
汎血球減少症(pancytopenia):赤血球だけ
でなく、血小板、白血球も減少する。
溶血性貧血の病因
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末梢血管内での赤血球の崩壊(血管内溶
血)と、骨髄の赤芽球過形成をきたす症候
群の総称。
赤血球自体に原因があるものと赤血球の
外に原因があるものとがある。
溶血の結果、黄疸が出る。
免疫異常による溶血性貧血
ⅰ)自己抗体による溶血性貧血
自己免疫性溶血性貧血(温式抗体、冷式抗体)
発作性寒冷ヘモグロビン尿症
薬剤による免疫性溶血性貧血
ⅱ)同種抗体による溶血性貧血
新生児溶血性貧血
輸血による溶血性貧血
免疫異常によらない溶血性貧血
ⅰ)膜の異状
遺伝性球状赤血球症
発作性夜間ヘモグロビン尿症
無リポプロテイン血症
ⅱ)赤血球酵素欠乏
G6PD欠乏症
Pyruvate kinase欠乏症
ⅲ)ヘモグロビン異状症
サラセミア
その他のヘモグロビン異状症
ⅳ)感染症による溶血性貧血
マラリヤ
細菌毒素による溶血性貧血
溶血性貧血の症状
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貧血症状
黄疸
脾腫
ヘモグロビン尿
胆石
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ステロイドが有効な例、摘脾が有効な例が
ある。