DL

神経システム
神経システムは神経膠細胞と
神経細胞からなっている
中枢神経系の神経膠細胞の例
神経膠細胞
主な形態
・乏枝神経膠細胞
・シュワン細胞
・星状細胞
主な特徴
枝の端
1.神経細胞を支持し,脳を形作る.
2.Myelinを構成し,絶縁機能を果
たすと共に,信号伝達を効率化する.
3.死滅,傷ついた神経細胞を取り
除く.
4.脳毛細血管内の毒性物質が透
神経
過するのを防ぎ,神経を保護する.
細胞
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4th edition, Appelton & lange, 2000
毛細管
枝の端
繊維状
星状細胞
1
シナプス前細胞
軸索
ミエリン
シナプス後細胞
Ranvier絞輪
核
軸索小丘
抑制性終端
興奮性終端
神経細胞
樹状突起
(基底)
間隙
シナプス後
樹状突起
シナプス前終端
神経の作用
1. Neurons are the signaling units of the nervous system, and that each neuron
is a discrete cell with distinctive processes arising from its cell body.
2. Principle of dynamic polarization
3. Principle of connectional specificity
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神経接合の発散と収束
発散
腱反射において,四頭
筋の伸張により,数百
の感覚神経が興奮し,
その1つが100-150の
運動神経と接合されて
いる
収束
発散
四頭筋
伸筋
収束
感覚神経は運動神経の
5-10倍あり,通常1つの
運動神経は複数の感覚
神経の支配を受けてい
る.
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筋紡錘
感覚神経
脊髄
ニ頭筋
屈筋
抑制性
伸筋
屈筋
介在神経
運動神経 運動神経
興奮性
抑制性
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膜電位
○静止膜電位は細胞膜間の電荷
が細胞膜で分離される事で起こる
等分布
+,-
細胞外
細胞内電位をVin, 細胞外電位をVout
とすると
脂質二重層
膜電位 Vm = Vin − Vout
通常細胞外電位を基準とし,Vout = 0
とし,膜電位は細胞内の電位とする.
細胞内
細胞の静止膜電位は通常-60~70mV
等分布
+,-
程度である.
図 静止膜電位
細胞外の赤丸(正電荷),細胞内の青
丸(負電荷)が脂質二重層により隔てら
れている.
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図 膜電位の計測
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図 脱分極
電流発生器からの正パルス電流により,細胞内電極端から正の電流が流れる.
細胞内にはより正方向に電位が生じる.このように静止膜電位が減少することを脱分極
という.この脱分極が閾値をこえると,イオンチャンネルが開き活動電位が発生する.
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図 過分極
前図と反対方向に電流を流すと,膜電位はより負方向に下がる.この現象を過分極と
いう.
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表 ヤリイカ巨大神経における細胞膜内外の主要イオン電位分布
種
類
細胞質濃度
細胞外液濃度
平衡電位
mM
mM
mV
K+
400
20
-76
Na+
50
440
55
Cl-
52
560
-60
A-
385
-
-
神経細胞膜の外側にはNa+,Cl-,内側にはK+,A-が多く存在する.A-
は有機陰イオン organic anion であり,アミノ酸とタンパク質である.
濃度勾配が拡散しないで,どの様にして安定した電位を維持している
のであろうか?
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神経膠細胞イオンチャンネルのK+ の選択的透過
図
○膜を介した,イオン透過
のための2つの駆動力
化学的→濃度勾配;
電気的→電位勾配
細胞外
脂質
二重層
細胞内
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○神経膠細胞 glial cellはK+
のみを透過する性質があり.
K+の拡散により,電気的駆
動力と化学的駆動力が平衡
すると, K+平衡電位を発生.
最初はK+のみを透過するGlial
cellの性質により濃度勾配を下
げるように作用する.しかしK+
は正イオンなので,この電位差
がK+の流出に対抗する事にな
る.
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図 K+ の選択的透過(B)
Nernstの 方 程 式
Ex =
電位差は
K+の流入
を促す
RT [ X ]Out
ln
zF
[ X ]In
R = ガ ス 定 数 = 8.3144 J / mol・ T
T = deg in Kelvin = 298.15 ° K
z = イ オ ンの 原 子 価 = 1
F = Faraday定 数 = 96485C / mol
ln(10) = 2.303
K +に 対 す る平 衡 電 位 E K は ,
濃度勾配
はK+の流
出を促す.
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⎡ J ⋅ T ⋅ mol ⎤ ⎡ J ⎤
Unit : ⎢
=
= [V ]
⎣ mol ⋅ T ⋅ C ⎥⎦ ⎢⎣ C ⎥⎦
8.3144 ⋅ 298.15
20
E K = 2.303
log
1 ⋅ 96485
40 0
= − 76.9mV
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イオンチャンネルはコンダクタンスと蓄電池の役割をする
iK = γ K (Vm − EK )
Vm − EK = 電気化学駆動力
図 K+における,化学的及び
電気的駆動力と,濃度勾配が
ある時の等価回路
脂質二重層はイオンの透過性は低く,イオン電流は流れにくい.今膜面積が約10-4 cm2の典型的な脊
髄運動神経を考える.膜が脂質二重層のみからなるとするとコンダクタンスは1pSとなる.しかし実際膜は数
千のイオンチャンネルを持ち40000pSである.
等価回路で表現すると,濃度勾配による電池(Nernst電位,electromotive force)と直列にコンダクタンスを
持つ様に表現できる.
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