2009年度版 環境報告書 - TK TOKA

環境報告書
Environmental Report
2009
Technology & Kindness
株式会社 T&K TOKA 埼玉事業所
目
次
ごあいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
埼玉事業所の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
埼玉事業所の環境方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
環境マネジメントシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
埼玉事業所の環境負荷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
環境負荷低減目標と2008年度実績 ・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2008年度の環境関連投資 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
製品の環境対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
環境負荷の低減への取り組み
(1) エネルギー削減への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(2) 資源の有効利用への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(3)
(4)
(5)
(6)
廃棄物の削減への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
環境対応製品への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
グリーン購入への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
PRTR対象物質の排出削減 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2009年度環境報告書の発行について
当社の埼玉事業所がISO14001の認証を取得してから7年が経過し、昨年度は埼玉県
エコアップ認証制度でも認証取得することができ、11 月にはゼロエミッションを達成する
ことができました。一年の区切りとして、またその取組み内容を外部の皆様にも知って頂く
ために、昨年に引き続き、環境報告書を発行する事に致しました。
■ 対象範囲
この環境報告書は、(株)T&K TOKA 埼玉事業所内の以下の組織を対象としています。
(株)T&K TOKA 埼玉工場及び東京北支店、東京西支店
富士化成工業株式会社
ミヨシ産業株式会社
■ 対象期間
この環境報告書は、2008年度(2008年4月~2009年3月)の実績に基づき作成
しています。
■ 対象分野
この環境報告書は、環境に関する活動についてのみ記載しています。
■ 発行部署及びお問合せ先
(株) T&K TOKA
品質保証室
埼玉県入間郡三芳町竹間沢283-1 〒354-8577
TEL・FAX(兼用) 049-259-6669
URL http:/www.tk-toka.co.jp/
ごあいさつ
地球規模での環境汚染や自然破壊が深刻化する中で、このまま放置すると取り返しがつかなく
なるとの認識のもと、さまざまな環境保全への取り組みがなされています。
2005年2月に発効された京都議定書もその一つで現在180ヶ国(2008年4月17日
現在)が批准国となっています。
環境保全の取り組みに対して企業が果たすべき役割は大きく、今こそ企業の積極的な行動が強く
求められています。
株式会社 T&K TOKA 埼玉事業所では、昭和40年の工場開設時より公害防止委員会を
組織し、法規制の遵守を基本に環境保全活動を推進して参りました。
しかし近年の社会的な環境意識の高まりを受け、より高いレベルでの積極的な環境対策が必要と
の判断の元、2001年4月よりISO14001の認証取得に向けて準備を開始し翌2002年
3月に認証を取得致しました。
さらに2006年度は埼玉事業所が「エネルギーの使用と合理化に関する法律(省エネ法)
」
改正に伴い第1種エネルギー管理指定工場となり、より一層の環境対策を推進しなければならない
段階に来ましたので、新たに省エネルギー推進と産業廃棄物排出量削減の中長期計画初年度と致し
ました。
省エネルギー推進については2010年度までに原油原単位で2005年度比5%削減、産業
廃棄物排出量削減については2010年度までにゼロエミッション(外部委託処理産業廃棄物排出
量ゼロ)達成を目標として設定致しました。
2007年度においても年初に掲げた年間目標を概ね達成する事が出来ました。
2008年度においては、2010年度までの達成目標とした上記ゼロエミッションを12月の
段階において達成致しました。
環境対策には常に積極的に取り組んでおり、一例として2008年2月にスタートした「埼玉県
エコアップ認証制度」を早々に取得致しました。
又自主基準による環境対応製品の開発を積極的に進め、製品の及ぼす環境負荷の低減に寄与した
いと考えております。
今後もT&K「Technology & Kindness」
(技術と真心)の
経営理念に基づき、積極的な情報開示と継続的な環境保全活動
を進めていく所存でございます。
尚、当報告書の内容につきましては皆様からの、忌憚の無い
ご意見、ご感想を頂ければ幸いに存じます。
2009年6月
- 1 -
株式会社 T&K TOKA 埼玉事業所の概要
■ 株式会社 T&K TOKA の概要
本社
: 東京都板橋区泉町20番4号
創業
: 1947年(昭和22年)3月25日
会社設立: 1949年(昭和24年)12月23日
資本金 : 20億6012万円
従業員数: 582名(2009年4月1日現在)
総売上高: 289億円(2009年3月期単体実績)
グループ企業(国内)
:富士化成工業株式会社
ミヨシ産業株式会社
(株)T&K TOKA 埼玉事業所の全景
■ 埼玉事業所の概要
所在地 : 埼玉県入間郡三芳町竹間沢283番地1
敷地面積: 58,151m2
構内組織: (株)T&K TOKA 埼玉工場
富士化成工業株式会社 埼玉工場
ミヨシ産業株式会社
■ 株式会社 T&K TOKA 埼玉工場
事業内容: 印刷インキ製造、研究開発
従業員数: 353名(2009年4月1日現在)
年間生産高:18,500トン(2008年度実績)
生産品目: オフセットインキ、UVインキ、グラビアインキ
フレキソインキ、水性ニス、接着剤、金属塗料
印刷機用ブランケット
(株)T&K TOKA 埼玉工場 本部棟
■ 富士化成工業株式会社 埼玉工場
事業内容: 合成樹脂の製造、研究開発
従業員数: 37名(2009年4月1日現在)
年間生産高: 5,200トン(2008年度実績)
生産品目: エポキシ樹脂用硬化剤、焼付塗料用アミノ樹脂
焼付塗料用アルキッド樹脂、その他ポリアミド系樹脂
富士化成工業(株)埼玉工場
■ ミヨシ産業株式会社
事業内容: 廃棄物の焼却
従業員数: 3名(2009年4月1日現在)
廃棄物焼却量:200トン
認可: 産業廃棄物中間処理業、産業廃棄物収集運搬業
ミヨシ産業(株) 焼却施設
― 2 ―
埼玉事業所の環境方針
当社は、T&K「Technology & Kindness」
(技術と真心)を経営の基本理念とし、印刷インキ(T&K
TOKA)並びに合成樹脂(富士化成工業)の分野において、常に、先進の技術と真心のこもったサービス
により、お客様にご満足いただける製品の提供を目指してきました。
当事業所では、このT&Kの精神の実践として、更に「環境への配慮」を加え、積極的に環境保全の活動
に取り組むこととします。その実施にあたり、基本方針を以下に定めます。
1.資源・エネルギーの有効利用により削減を図ります。
2.廃棄物の減量化・再資源化を推進します。
3.環境負荷物質を管理し、環境負荷低減と原料から廃棄に至る製品のライフサイクルを
通じて、環境に配慮した製品の開発に努めます。
4.グリーン購入(環境対応製品、環境対応企業からの優先購入)を実施します。
5.継続的な環境改善及び汚染の予防に努めます。
6.環境関連の法律・規制・協定等の遵守はもとより、必要な自主管理基準(顧客からの
要求事項を含む)を定め、環境保全活動を推進します。
7.全従業員の参加により、積極的に環境保全活動に取り組みます。
2001年 9月 3日制定
2007年10月 1日改訂
環境マネジメントシステム
株式会社 T&K TOKAは国内の主力生産拠点である埼玉工場を中心に、同じ敷地内にあるTOKA
グループ企業の工場を含めて、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、2002年
3月にISO14001の認証を取得致しました。
■ 登録内容
対象範囲 :
登録日 :
株式会社 T&K TOKA 埼玉事業所
2002年3月1日
審査登録機関 : (財)日本品質保証機構
登録証番号 :
JQA−EM2205
■ 環境マネジメントシステム組織図
― 3 −
■ 内部環境監査
環境マネジメントシステムに於いて、
重要なことは環境負荷低減の為のPDCAサイクルを回すことです。
当社では年2回の厳密な内部監査を実施し、システムの運用状態を評価、継続的改善を図っております。
又、
システムをサポートする為に年2回の内部監査員の研修会を始め管理者の為の研修会を実施しレベル
アップを図っています。
そして、日常の監視・測定を業務活動として取り入れるだけでなく、隔月での環境パトロールを実施し、
システムの健全化を図っています。
■ 外部環境監査
我々の環境マネジメントシステムが客観的に効果的で信頼の置けるものであるかは信頼の於ける第三者
機関に審査して貰うことではないでしょうか。
当社は毎年JQAの審査を受け、評価を得ております。
■ ソニーグリーンパートナーの認証取得
当社は2003年8月に、ソニー株式会社様が推進している「グリーンパートナー環境品質認定制度」に
於いて「グリーンパートナー」として認定され、環境管理物質の管理を確実に致しました。
当社ではすでにISO14001及びISO9001の認証を取得し、環境保全、品質保証の向上に取り
組んでいますがソニー株式会社「グリーンパートナー」の認証取得を契機に環境負荷物質の管理をより一層
強化しております。
環境負荷
■ 埼玉事業所の環境負荷フロー図
エネルギー
用水
総使用量:5,430kl
(原油換算)
水道水: 13,100m3
地下水:252,600m3
製 品
原 料
顔料: 3,000トン
樹脂: 14,150トン
溶剤: 4,700トン
他:
2,900トン
合計: 24,750トン
生産量:23,850トン
T&K TOKA
容器・包装材
(株)T&K TOKA
埼玉事業所
金属缶: 2,350トン
包装材: 500トン
合計: 2,850トン
廃棄物
CO2
総排出量:11,800トン
環境汚染物質
排ガスNOx:7.9トン
排水BOD:2.7トン
― 4 -
(TOKA生産品)
オフセットインキ
UVインキ
グラビアインキ
金属塗料
水性ニス
接着剤
ブランケット
(富士化成生産品)
エポキシ硬化剤
ポリアミド樹脂
金属塗料用樹脂
内部焼却: 201トン
リサイクル: 1,346トン
外部処理: 23トン
総排出量:1,570トン
環境負荷低減の目標と2008年度実績
当事業所は「エネルギーの使用と合理化に関する法律(省エネ法)
」改正に伴い第1種エネルギー
管理指定工場となった事で環境負荷低減の為に2010年度までの中期目標を定めております。
この中期目標に沿って2008年度の目標を設定し一年間の活動を行いました。
その概要は下表の通りです。課題ごとの詳しい内容は、後ろの頁(P-7~9)に記載してあります。
分 類
省エネルギー
項 目
原油原単位
の推進
中期目標
2008年度目標
(2010年度計画)
2008年度実績
換算原油原単位:
換算原油原単位:
換算原油原単位:
0.237KL/ton
0.232KL/ton
0.230KL/ton
2005年度実績比
2007年度実績比
2007年度実績比
5%削減
1%削減
1.7%削減
産業廃棄物
外部処理委託
ゼロエミッション
外部処理委託: 40ton
外部処理委託: 23ton
排出量の削減
事業所内焼却
(外部処理委託産業廃
事業所内焼却:185ton
事業所内焼却:201ton
資源ゴミ
棄物排出量ゼロ)
資源ゴミ:
資源ゴミ:
861ton
686ton
廃棄物合計: 1086ton
廃棄物合計: 910ton
①フィルム用ノントルエンインキ
① 計画未達成
環境対応製品
環境対応製品
製品の原料として使用
の開発
の開発及び販
又は含まれる環境負荷 の性能強化と販売拡大
売拡大
物質の削減
② 計画達成
②UVフレキソインキの
販売量拡大
グリーン購入
原材料の環境
グリーンマーク、エコマ
の推進
対応企業からの ーク製品の優先購入
グリーン購入比率の向
計画達成
上
優先的購入
2008年度の環境関連投資
当事業所では2008年度中に以下の環境関連設備投資を実施致しました。
年
度
主な内容
投資金額
2008年度
アモルファストランス更新他
2,159万円
2007年度(参考)
高効率照明器具設置他
1,500万円
2006年度(参考)
排水管理システム設置
3,000万円
2005年度(参考)
排気ダクトに消音器設置
2,180万円
2004年度(参考)
アモルファストランス導入
1,628万円
2003年度(参考)
自家発電機導入(コージェネシステム)
― 5 -
2億6785万円
製品の環境対応
当社の主力製品である印刷インキには、顔料、合成樹脂、有機溶剤など多種類の化学物質が原料とし
て使われています。これらの化学物質は、その製品特性に応じて、製品の輸送から最終製品の廃棄に至
る過程で何らかの環境影響を及ぼす可能性があります。これらの環境負荷を最小限に抑えることが、製品
設計の重要課題となります。
(1) 印刷インキの環境負荷と対策
製品分野
印刷インキ
環境負荷
環境影響
有害化学物質の含有
健康有害性、大気
汚染、水質汚濁等
実施状況、該当製品
印刷インキ工業連合会の
一般用印刷インキの全てに適用
NL規制
NLマーク表示製品
エコマーク認定
エコマーク表示製品
廃棄物増加
容器の再使用、再資源化
専用タンク、ドラム缶のリンク使用
大気汚染
植物由来品への置換によ
る低VOCインキ製品とVO
Cフリー製品のラインナッ
プ
共通
容器の廃棄
環境対策
SUPER TEK-SOYA シリーズ
油性オフセット
石油系溶剤の使用
インキ
PERFECT-SOYA シリーズ
BEST WEB-SOYA シリーズ
BEST ONE-ライスインキシリーズ
BEST WEB-ライスインキシリーズ
UVインキ
湿し水の排水
水質汚濁
水無しオフセット印刷
ALPO シリーズ
インキの皮膚刺激性
作業環境
低皮膚刺激性物質の採用
自主基準適合原料を使用
古紙リサイクル適性ランク
UV-SOYA シリーズ
Aの製品のラインナップ
UV-HY-BD シリーズ
水質汚濁
水無し UV オフセット印刷
UV 171 シリーズ
大気汚染
ノントルエン化
PIXESS シリーズ
水性化
UV化 (VOCフリー)
AQUES AC シリーズ
UVフレキソ シリーズ
水性化
アクアパックワニス
UVニス化
UV ロールコートニス
古紙再生処理での
脱墨性
湿し水の排水
グラビアインキ
有機溶剤の排出
(特にトルエン)
廃棄物増加
フレキソインキ
有機溶剤の排出
大気汚染
光沢加工ニス
有機溶剤の排出
大気汚染
(2) NL規制の遵守
印刷インキ工業界では、昭和52年より、厚生労働省(旧厚生省)の指導のもとに、「食品包装材料用印刷イ
ンキに関する自主規制(NL規制)」を定めています。これは、印刷インキの成分に使われる可能性のある物
質のうちから、食品の安全衛生上使用してはならない物質を選定し、食品包装材料用印刷インキに使用する
ことを禁止したものです。
当社では、食品包装材料用に限らず、印刷インキ製品全般について、このNL規制への適合を基本方針とし
て、製品を設計しています。印刷インキは、カタログ、書籍、伝票、容器や包装材料など、さまざまな用途の印
刷に使われており、そのほとんどのものが、絶えず人の手に触れて取り扱われる製品です。その製品の安全
性を確保する上で、印刷インキは重要な要素であり、安全が保証されたものでなければなりません。
-6-
(3) MSDS(製品安全データシート)の提供
PRTR法では、対象化学物質を含有する製品を他の事業者に提供する際に、その化学物質の性状及び取
扱に関する情報を事前に提供することが義務づけられています。
当社では、作成したMSDSをデータベース化して一元管理し、販売部門より適切な情報が確実に配付
できるようにしています。また、PRTR情報管理システムにより、ユーザーへの納入製品に含まれるP
RTR対象物質の移動量集計データも提供しています。
環境負荷低減への取り組み
(1)エネルギー削減への取組
世界全体で使用されているエネルギーのうち約90%は化石エネルギーと云われております。限りある資源
であり、また環境への影響も指摘されております。しかしエネルギーはくらしや企業活動には必要不可欠です。
その貴重なエネルギー資源を有効に使用するため、当社ではエネルギー使用量の低減に取組んでおりま
す。
2008 年度の電力使用量は工場の照明器具の効率化や様々な取組みにより、昨年比で約 60 万kwh、約3.
5%の削減を達成することが出来ました。重油使用量につきましては、約10KL、0.8%の増加となりましたが、
トータルの原油換算原単位は昨年比1.7%減の0.230KL/tとなり、目標を達成致しました。
エネルギー使用量原単位(原油換算)
0.300
KL/t
0.250
0.200
0.150
0.100
0.050
年
20
09
年
計
画
20
08
年
20
07
年
20
06
年
20
05
年
20
04
年
20
03
年
20
02
年
20
01
20
00
年
0.000
(2)資源の有効利用への取組
当事業所に於ける原材料使用量は27,600t有り、発生する不要物は2,052tに及び、社外及び社内リサ
イクルによって、再資源化され、再利用された資源は1,828t(89.1%)になりました。
最終的に外部に廃棄された産業廃棄物は23t(1.1%)有りましたが、限りある資源の有効利用(3R)に努
め、廃棄物ゼロ(ゼロエミッション)を昨年の 12 月時点で達成致しました。
今後はより付加価値の高い資源化を目指して廃棄物の削減と有効活用を図ります。
-7-
リサイクル合計
不要物の資源化
ton
外部処理産廃合計
資源化率
2,000
100.0%
1,800
90.0%
1,600
80.0%
1,400
70.0%
1,200
60.0%
1,000
50.0%
800
40.0%
600
30.0%
400
20.0%
200
10.0%
0
0.0%
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
単位 ton
不要物合計
有価物合計
社内リサイクル小計
社外リサイクル小計
リサイクル合計
外部処理産廃合計
社内焼却小計
資源化率
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
1,300
1,533
140
490
631
532
137
48.5%
395
521
916
494
124
59.7%
1,792
55
520
503
1,078
521
193
60.1%
1,819
66
544
521
1,131
483
205
62.2%
1,907
89
549
573
1,210
513
184
63.5%
2,189
421
520
950
1,891
121
176
86.4%
2007年 2008年
2,028
441
523
810
1,775
62
191
87.5%
2009年
2,052
660
482
686
1,828
23
201
89.1%
2,086
667
500
728
1,895
191
90.8%
(3)廃棄物の削減への取組
事業所内から発生する不要物は2052t(2001年比+58%)有りますが、リサイクルされた資源ゴミは
有価物も含め1,828t、社内焼却によって、処理された廃棄物は201t(2001年比+46.7%)、最終的に
外部処理された廃棄物は23t(2001年比-96%)に削減され、昨年12月時点で、ゼロエミッションを達成
することができました。
600
ton
500
外部処理廃棄物
400
外部委託処理
廃アルカリ水
外部処理合計
300
200
100
0
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
-8-
(4)環境対応製品への取組
当社の主力製品である印刷インキ分野では、溶剤成分として多量のVOC(揮発性炭化水素)が使われて
います。VOCは大気汚染の原因物質として、2005年に排出規制が法制化され、対象施設となる大規模印
刷機では排出抑制策が義務付けられています。また対象外の小規模施設においても、自主的取組みによ
る排出抑制が求められています。このような状況のもと、当社では、環境対応製品としてVOC低減化を最
重要テーマに、製品の開発と普及に取り組んでいます。
油性オフセットインキ分野では、エコマーク認定基準の溶剤のアロマフリー化は既に完了し、更に溶剤の
一部を植物油に置き換えた植物油インキに切り替わりつつあります。また、溶剤を全て植物由来のものに
置き換えたVOCフリーインキも上市しており、その普及拡大に努めています。
UVインキはVOCフリーの環境対応製品として位置づけ、積極的に普及拡大を進めています。特に、印
刷物の古紙再生処理での脱墨性を改善したUVハイブリッドインキは、ユーザー評価も高く、出荷量も順調
に伸びています。
フレキソインキ分野ではVOCゼロ化のシステムとしてUVフレキソ印刷システムの普及を図っています。
UVフレキソの市場シェアはまだ微々たるものですが、環境対策の機運を追い風に、今後の順調な拡大が
見込まれます。
グラビアインキ分野に於いては、フィルム用表刷りインキのノントルエン化を進めており、今年度の販売
実績で53%がノントルエン化製品に切り替わりました。2009年度には、更なる性能強化により60%以上
を目指します。
光沢加工ニス分野では、古紙再生の障害であるフィルムラミネートの代替、及び溶剤タイプのコートニス
に代わるVOC削減品として、水性コートニス及びUVコートニスの普及に努めています。この分野では、性
能評価も高いこともあって、順調な販売拡大が続いています。
地球温暖化対策の一環として、温室効果ガス発生量の見える化を目的として「カーボンフットプリント制
度」を経済産業省が主体なって実現化を目指しています。印刷での CO2 発生に対してのインキの寄与は少
ないと推定されていますが、弊社もインキ生産時のCO2発生量把握、原材料のCO2発生量の推定を行い、
インキに含まれる CO2 発生量を試算致しました。油性オフセットインキ各色においては 1.58~
4.36kg-co2/kg と算出されましたが、今後はこの数値の正確性を上げるよう情報収集に努める考えです。
通常の油性オフセットインキに使用される植物油は大豆油が一般に使用されていますが、これは主にア
メリカから輸入されているものです。地産地消(輸送による CO2 発生削減)のアプローチとして、大豆油に替
え「米ぬか油」を使用したライスインキシリーズを開発致しました。温室効果ガス削減量については量産後
の LCA 分析を待たなければいけませんが、インキメーカーに出来るひとつの試みと位置づけております。
(5)グリーン購入への取り組み
当社は環境負荷の小さい原料、商品の購入及び環境に配慮しているサプライヤーからの購入を優先する
ことで持続可能な循環型社会の構築を目指しグリーン購入の拡大に努めております。08 年度より購入して
いるすべての原料についてその中に含まれる環境への影響が大きい物質の含有調査を実施し、環境への負
荷を減少させ又より安全な製品の開発につなげるべく努めております。
購入した事務用品などの消耗品のうちエコマークなどのついた環境対応品の割合は 2006 年度が 78.7%、
2007 年度が 81.9%であったのに対し 2008 年度は 84.0%と増加しました。
又当社ではリサイクル品の採用に積極的に取り組んでおります。当社の主力の製品であるオフセットイン
キの容器としてリサクルされた容器の使用を進めており又再生溶剤の割合を増やす取り組みも進めており
ます。
― 9 -
(6)PRTR対象物質の排出抑制
当事業所で取り扱うPRTR法第一種指定化学物質のうち年間取扱量が1トン以上のもので、排出
実績があるものとしては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼンがあり
ます。その中でも特に使用量が多く、かつ排出量の多いものはトルエンで、排出量が年間約29トン
あり、全体の99%以上を占めています。
トルエンは原材料としての使用もありますが、その排出の多くは洗浄用溶剤での使用によるもので
す。トルエン排出量削減を目指す上で、どの工程での排出が一番多いかを調べるため、各作業での排
出量と移動量の分配率を精査致しました。上記排出量値はその結果に基づくもので、昨年数値とは排
出量+移動量の合計値は横ばい(83t→85t/年)ですが、排出量値は14→29t/年となっていま
す(従来の分配率で計算すると昨年と同じく排出量は14t/年と計算されます)
。現在は、各工程の中
で最も排出量の多い工程について、揮発性の低い溶剤への置き換えを進めています。品質、及びコス
トの制約があり難しい点もあるのですが、影響を調査しながら排出量削減に努めており、2009年
度末には10%以上の排出量削減を見込んでいます。
― 10 -