ただいま、ページを読み込み中です。5秒以上、このメッセージが表示されている場 合、Adobe® Reader®(もしくはAcrobat®)のAcrobat® JavaScriptを有効にしてください。 日皮会誌:no (9), 1411―1419, 2000 (平12) Adobe® Reader®のメニュー:「編集」→「環境設定」→「JavaScript」で設定できます。 「Acrobat JavaScriptを使用」にチェックを入れてください。 Thrombosed vein の診断における高周波超音波診断装置の有用性 なお、Adobe® Reader®以外でのPDFビューアで閲覧されている場合もこのメッセージが表示さ れます。Adobe® Reader®で閲覧するようにしてください。 一本症の5例と他の皮膚腫瘍との鑑別についてー 井上 多恵 米田 耕造 長門 一 西巻 啓子 真鍋 求 出光 俊郎 要 旨 性について考察を試みることにする. 近年,皮膚科領域を中心として15 MHz から60 症 例 MHzの高い分解能を持つ高周波超音波診断装置が用 症例1:14歳,男性,柔道部. いられるようになり,特に腫瘍の診断,治療に応用さ 初診:1997年11月14日. れている.今回, 主訴:右膝腐上部の皮下結節. Thrombosed vein の5例について有 用性について検討した.その結果,腫瘤はいずれも脈 家族歴および既往歴:特記すべきことはない. 管と連続して高輝度,あるいは低輝度の境界明瞭な 現病歴:2日前より右膝寓上部に圧痛のある皮下結 mass lesionとしてみられ,極めて特徴的であった. 節が出現した. 従って汗腺腫瘍など他の臨床的に鑑別しがたい腫瘍と 現症:右膝腐上部に径14×20mm大の表面紫紅色, の鑑別も容易であった.以上の結果から本症の診断に 弾性硬の皮内から皮下結節があり,周囲径60×40 高周波超音波診断装置は極めて有用,かつ簡便な検査 大の範囲に紫斑を伴っていた(図1八 法であり,皮内,皮下の腫瘤病変に対して積極的に行 超音波所見:長軸断面において皮下脂肪織に無輝度 うべきと考えられた. の脈管と連続して高輝度,境界鮮明なmassがみられ はじめに 治療と経過:超音波所見よりTVを考え経過観察と Thrombosed したところ,皮下結節は初診の1ヵ月後にはほとんど た(図2). vein (TV)は下肢の静脈に好発する. 表在性に生じた場合には通常皮内および皮下に存在す 触知されなくなった. る圧痛を伴う単発性小結節を呈する.深部静脈に発生 症例2:64歳,女性. した場合には大半が無症候性であるが,患肢の腫脹, 初診:1997年10月9日. 疼痛,時には発熱を生ずることもある大発症機序とし 主訴:右下腿前面の皮下硬結. て,うっ血および血管内凝血が挙げられ,静脈壁の炎 家族歴:母親に高血圧,糖尿病. 症によるthrombophlebitisとは区別される七表在性 既往歴:右乳癌にて同年7月右乳房切断術.術後化 のTVでは術前診断は必ずしも容易ではなく,皮膚科 学療法を施行中. 領域でしばしば問題になる.特に急速に増大するやや 現病歴:1ヵ月前より右下腿に自覚症状のない紫紅 固い青黒色調の結節を呈した場合には悪性黒色腫との 色の硬結が出現し,徐々に大きくなってきた. 鑑別が困難である2). 現症:右下腿脛骨前部に径25×38 近年,皮膚科領域を中心として高い分解能を持つ15 起した紫紅色硬結を触れる(図3). MHzから60 超音波所見:長軸断面において皮下脂肪織内に無輝 MHz の高周波超音波診断装置が応用さ れ,特に腫瘍の診断,治療に利用されている3)4)そこ mm大のやや隆 度の脈管と連続して高輝度の境界鮮明なmassを4個 で今回,TVの6例について高解像度超音波診断装置 認めた(図4). (リオン社,UX-02)を使用して皮膚超音波検査を行っ 治療および経過:TVを考え経過観察としたとこ たので,その画像上の特徴,および診断における有用 ろ,初診の1ヵ月後には硬結は消失した. 症例3:27歳,男性. 秋田大学医学部皮膚科学教室 平成12年1月16日受付,平成12年3月9日掲載決定 初診:1999年3月30日. 別刷請求先:(〒010-8543)秋田市本道1−1−1 秋田 主訴:左前腕の圧痛を伴う皮下硬結. 大学医学部皮膚科学教室 井上 多恵 家族歴および既往歴:特記すべきことはない. mm 1川2 坪I- 多恵ほか 図2 症例1の高川波超音波像(15 MHzパ長・ljlll断面 において皮ド脂肋織に無輝皮の脈竹(*)と連続し て高輝度、境界鮮明なmass (矢印)がみられた. 現病歴:1ヵ月前より潰瘍性大腸炎でプレドニゾロ ン35 図1 症例1川ぬ床像:右膝高上部の皮ド結節脇線) mg,.………││ぴrm・.iモをしており,1週間前より静脈留皿 針を留置していた部位に有痛性の皮下硬結が出現して きた. 現症:六モ前腕に径8×15 mm大の索状の皮ド硬結が あり,走行は皮静脈の走行と‥-致していた(図5). 超音波所見:長袖断面において皮下脂肋織内に無輝 度の拡張した脈管に連続して低輝度で境界不鮮明,無 構造なmassがみられた([刈6]. 治療および経過:臨床所見,超佐波所見よりTVを 考えて経過観察したところ,3ヵ月後には皮下硬結は 消失した. 図3 症例2の臨床像:右下腿脛竹前部のやや隆起し た硬結(矢印) 図4 症例2の鳥川波超汗波像〔15 MHz):長・11111断面 において皮ド脂肋織内に無輝度の脈竹(*)と連続 して高輝度、境界鮮明なmassを4佃OJニト)認めた. ThrO mbosed vein の高川波超行波川析 1413 図6 症例3の鳥周波超音波像(15 MHz):長軸断面 において皮下脂肪織内に無輝度の拡張した脈管(*) に連続して低輝度、境賜不鮮明、無構造なmass 印)がみられた. 症例4:72歳,男性. 初診:1997年7月24日. 家族歴,既往歴:特記すべきことはない. 図5 j・III刈3の臨床像:左前腕の素状の皮ド硬結(矢 印卜走行は皮静脈の走行(点線)とー致していた. 現病歴:初診の1カ片前頃より左前腕に自覚症状の ない小ゾ人の結節が3個あるのに気がついた. 現茄ツ1モ前腕に小町人,黒紫色の囚い皮ド結節を3 個触れる.皮ド結節は皮静脈の走行と 一致して並んで 配列していた(│ズ17). 坦汗波所兄:皮ド脂前織内に境界明瞭な無輝度の脈 管に連続して境界不鮮明な高輝度のmassがみられた (㈲8). 図7 如ミ例4の臨床像:左前腕に皮ド結節が3個(矢 印)認められた. 図8 症例4の鳥周波超音波像(30 MHz):皮下脂肪 織内に境界明瞭な無輝度の脈竹(*)に連続して境 界不鮮明な高輝度のmass (矢印)がみられた. (矢 井上 多恵ほか 1414 ・・・ ・・ぺ・・:・・..:.... . ・. ̄.:・:. :・.:...・.:.・・.・・:・ ..:.......:・.・::..:.‥. ・.....・.・: :・. ・・.・ ・ :・:・. ・:・.:・ 図9 症例4の病理組織像(HE染色,ルーペ像):結節は管腔様構造をなし,管腔壁の 外側は内皮細胞様の細胞(矢印)により闘まれていた.内側は器質化した血栓(*) が認められ,再疎通した血管を多数伴った. 9∼作 L‘・a・S ぺ 乱 ご乱 器り も同 コr 廿l %む‘Oa D 図11 症例5の鳥周波超音波像(15 MHz):皮下脂肪 織内に脈管(*)に連続して境界不鮮明な低輝度の mass (矢印)がみられた. 病理組織所見:皮下結節を核出したところ,結節は 管腔様構造をなしていた.管腔壁の外側は内皮細胞様 の細胞によりなり,内側は好酸性,無構造のフィブリ ン様物質と再疎通しか血管が多数混在し,いわゆる器 質化像が見られた.管腔壁の…一部に血栓が付着してい 図10 症例5の臨床像:右下腿の栂指頭人程度の皮 た(図9). 下硬結(点線) 経過:切除後‥巴者は来院せず,その後の経過は不 明である. 症例5:49歳,女性,寿司店勤務. Thrombosed 1415 vein の高周波超音波診断 X ふ 図12 症例5の病理組織像(HE染色,ルーペ像):皮下脂肪織内に管腔様構造があり, 管腔壁は内皮細胞で構成されていた(矢印).内腔は血栓(*)により閉塞されてい た. 初診:1997年5月21日. 超音波所見:右下腿下部において,皮下脂肪織内に 主訴:右下腿の疼痛を伴う皮下硬結. 脈管に連続して境界不明瞭な低輝度のmassがみられ 家族歴・既往歴:特記すべきことはない. た(図11). 現病歴:初診の2週間前に右下腿に疼痛を伴う皮下 病理組織所見:右下腿下部の皮下硬結より生検した 硬結が出現し,前日に右下腿の下部に新しい硬結が出 ところ,皮下脂肪織内に内腔を有する管腔様構造があ 現し,当科を受診した. り,管腔壁は内皮細胞で構成される.内腔は赤血球, 現症:右下腿上部と下部に栂指頭大程度の圧痛をと 血小板,フィブリンより成る血栓により閉塞されてい もなう皮下硬結を認めた.下腿には軽度の静脈瘤がみ た(図12). られた(図10). 治療および経過:現在,弾性ストッキング着用で経 表 自験5例のまとめ 初診までの 症例 年齢 性別 部位 超音波所見 皮静脈 との一一致 血管との連続 病変エコー 分後 期間 圧痛 2日 あり 不明瞭 あり 境界鮮明,高輝度のmass 無治療,1ヵ月後に消失 1 14 男性 右膝高上部 2 64 女性 右下腿 1ヵ月 なし なし あり 境界鮮明,高輝度のmassが4っ 無治療,1ヵ月後に消失 無治療,3ヵ月後に消失 3 27 男性 左前腕 1週間前 あり あり あり 境界不鮮明,低輝度のmass 4 72 男性 左前腕 1ヵ月 なし あり あり 境界不鮮明,低輝度のmass 切除 5 49 女性 右下腿下部 1目 あり なし あり 境界不鮮明,高輝度のmass 切除 レ↓川 Jトll 多忠ほか 図13A 非ホジキンリンパ腫の皮膚転移の高川波超 │柚Bイ副皿洲のI・、'hi、IJi皮超rm 卜波像(15 MHz)<75歳、リ伴に休幹>:TVの鑑 1旧拡リj件、頭部>:TVの鑑別川析(2)、境界鮮 別診断川、爪皮(D)と皮ド組織(S)の問に境外 明な低輝度のmass 鮮明な低輝度のmass が認められる. ( * )がみられる. (矢印).後方エコーの消失(*) 5 図13C 粉痢のI岬副皮超音波像(15 MHz) <76歳,男 性,膝部>:TVの鑑別診断(3),嚢腫壁を反映した 境界鮮明な病変を認め,さざ波状の低輝皮な内部エ コー(*)と後むエコーの増強(矢印)を伴う. 図13D 澄│辨│││胞汗腺腫(15 MHz) <76歳,女性,顔 而>:TVの鑑別爪折(4),境界明瞭な無輝度の内腔 (矢印∩帽こ低輝度の病変. 過を観察しているが,硬結の再発,増悪はみられてい ない. 考 察 TVは身体の至る所で形成されるが,その頻度は下 肢に圧倒的に多い.本症の多発年齢は40歳以上で,男 女比は1:2から1:3である卜かつては我が国では 図13E 皮膚線維腫(15 MHz) <36歳,男性,肩>: TVの鑑別診断(5),境界がやや不鮮明な低輝度の mass ( *)がみられる. Thrombosed 1417 vein の高周波超音波診断 発生頻度か極めて低いとされていたが,近年,生活の ける高周波超音波診断装置の応用としては,1)皮膚腫 欧米化の浸透とともに次第に増加の傾向がうかがわれ 瘍の全体像の把握および鑑別20)21) る1).本症の原因として,血管内膜損傷,血流停滞,血 術前検査(腫瘍の厚さ,横への拡がりの測定), 液凝固先進(Virchow' 性腫瘍のリンパ節転移の判定,4)化学療法剤,放射線 S triad)が挙げられる5).また, 誘因としては何ら誘因なく発症するものの他に手術, n\皮膚悪性腫瘍の 治療などの効果判定などが試みられている3)4)また, 外傷,分娩,感染,血液疾患等を契機に発症するもの 本検査法は侵襲が少なく反復して検査できるため,経 もある大本症に関して皮膚科領域における本邦での 過の観察や病勢の把握にも有用である.さらに,近年 報告例は過去10年間で16例2)6) では炎症性皮膚疾患への応用も試みられている22)23) 16)と少ないが,日常診 療においては稀ならず遭遇するので,報告されていな しかしながら,TVの超音波所見に関するこれまでの い症例も多いのではないだろうか.また,病理組織学 報告のほとんどが大静脈のTVであり24)表在性の 的に血栓のほか,内腔に血管内皮細胞の増殖を来たし 中,小静脈のTVは1例報告25)のみである.皮膚腫瘍と た症例ではintravascular TVとの鑑別における超音波検査の有用性に関する報 papillary endothelial hyper- plasia (IPEH)'",あるいはintravenous pyogenic 告はこれまでにない. granuloma""の名称で報告されることが多い. 超音波所見を要約すると,長軸長向において無輝度 本症の臨床像は四肢に圧痛のある単発性,皮内,皮 で境界明瞭な脈管と道統して低輝度から高輝度の 下の結節を呈することが多く,石灰化上皮腫や神経鞘 mass lesionが主にみられた.一方,病理組織像は症例 腫,血管平滑筋腫,など他の腫瘍と誤診される可能性 4では静脈壁と連続した器質化像,症例5では新鮮な がある.また,時に悪性黒色腫2)や軟部組織肉腫”)と紛 血栓が主に見られた. らわしい臨床像を呈することもある.特に血栓形成, 腔の乳頭状に増殖する内皮細胞sはみられなかった. IPEHにおいてみられる血管内 出血,ヘモジデリンの沈着の結果引き起こされる黒色 超音波所見と病理組織学的所見を比較すると,器質化 で濃淡不整な外観と,その急激な変化のために悪性黒 か見られた症例4はmass 色腫との鑑別が問題になった症例2)も存在する.こうし か見られなかった症例5は低輝度であった.症状の自 lesionは高輝度で,器質化 た悪性腫瘍と見間違うような症例では結果として 覚から初診までの期間と超音波所見を比較すると,1 oversurgeryをもたらす危険性も懸念されるため,術 日から1週間の症例3例中の2例は低輝度で,1例は 前に正確な診断をすることが重要である. 高輝度であった.初診までの期間が1ヵ月であった2 自験5例では,年齢は14歳から72歳,性別は男性 例は高輝度であり,経過が長いほど高輝度の傾向に 3名,女性2名,部位は下肢が3例と多く,上肢が2名 あった.以上より超音波所見上で病変が高輝度である であった.圧痛は3例にみられ,2例に皮静脈の走行に ものは,経過が長く器質化か進んでいるものと推測さ 一致が認められた,本症では前述のように悪性腫瘍と れる.過去の報告において超音波診断装置を用いて表 紛らわしい臨床像をとることもあるが,今回の5例は 在性のTVの所見,器質化との関連について詳細に検 いずれも皮内あるいは皮下の小結節で大きな腫瘤や黒 討した論文は今までになく,本論文が最初の報告であ 色を呈した例はなかった(表). る. 近年,皮膚科領域における高周波超音波診断装置の 次に鑑別すべき皮膚腫瘍の超音波所見について述べ 応用についての試みがなされている3巴周波数は15 る.皮内から皮下結節を呈し,臨床的にTVと鑑別を MHZから100 MHz 要する疾患として,以下のものが挙げられる. と一般の超音波診断装置のI MHZから5 MHzと比べて高く,高い分解能を持ち深 1.内臓悪性腫瘍の皮膚転移:特に悪性黒色腫の皮 さ2cm前後の組織の形状を細かい精度で観察するの 膚転移は青黒色調の皮下結節を呈することが多く,TV との鑑別が困難なことがある.超音波上では皮内から に適している3)4)今回,われわれが使用した高周波超 音波診断装置はリオン社製,周波数は15 MHz, MHz, Bモードであり,症例の大きさに応じた2種類 の探触子を用いることができる特徴を有している.超 30 皮下に低輝度の境界鮮明な結節が認められ,脈管とは 連続しない(図13A). II.石灰化上皮腫:後方エコーの消失を伴う結節性 音波検査は簡便,かつ非侵襲的なため,診断,治療や 病変として観察される3)4)(図13B). 経過の観察や病勢の把握など皮膚科領域でも多く応用 in.粉瘤:真皮内に嚢腫壁を反映した境界明瞭な されるようになってきた.特に腫瘍の診断,治療にお 病変を認め,さざ波状の低輝度な内部エコーと後方エ 3)悪 井上 多恵ほか 1418 コーの増強,著明な外側陰影を伴う3)4> 過を観察したところ,2例は1ヵ月後,1例は3ヵ月後 /図13C). IV,澄明細胞汗腺腫:時に黒褐色調を呈し,超音波 に結節の消失をみた.おそらくは自然に吸収されたと 上も真皮内に境界明瞭な無輝度の内腔内に低∼高輝度 考えられる.このように超音波検査により本症の診断 の病変を認めTVと紛らわしいが,脈管と連続しない がついた場合,症例によっては手術を行わずに経過を ことより鑑別される(図13D). 観察することも可能と思われる.しかし,今回の症例 V.皮膚線維腫:真皮内に境界がやや不鮮明な低輝 にはIPEH等の血管内の増殖性の病変は含まれておら 度の病変を認める(図13E). ず,今後の症例の蓄積と検討が望まれる. これらのいずれも主に腫瘤は脈管とは連続しないこ 以上,TVの5例を報告し,超音波画像上の特徴を中 とより容易に鑑別される. 心に述べた.高周波超音波診断装置はTVの術前診断 自験例でみられた脈管と連続した高輝度,あるいは に極めて有用であり,皮内,皮下の腫瘤病変をみた際 低輝度のmass には積極的に行うべきと考えられた. lesionが超音波診断装置で確認されれ ばTVの可能性が高いと思われた.特に病理組織学的 稿を終えるにあたり,病理組織学的所見につきご指導を 検索を施行していない3例においては急性に生じた下 賜った秋田大学医学部附属病院病理部提嶋員人講師に深謝 肢の単発性小結節を呈し,高周波超音波診断装置を用 致します. いてTVを示唆する画像が得られたため,無治療で経 文 献 1)熊田 馨,木村忠広,堀 豪一:静脈血栓症,血栓 15)谷口芳記,清水正之:眼輪筋内に生じたThrom- 性静脈炎,木元誠二,和田達雄編:新外科学大系, bosed 20 259-262,1988. 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Vein Report of Five Cases Tae Inoue, Kozo Yoneda, Motomu Hajime Manabe Department of Dermatology, Nagato, and Toshio Keiko Nishimaki。 Demitsu Akita University School of Medicine。 1−卜1 Hondo, Akita 010-8543, Japan (Received January 6,2000 ; accepted for publication March Thrombosed vein can appear as a solitaryblue-black or normal skin-colored nodule, commonly tremities. As itis often blue black in color,it may be misdiagnosed coma. Therefore, an accurate diagnosis is important. We examined the usefulness of ultrasonography bosed vein apperared echoic vessels. These cutaneous melanoma on the ex- or soft tissue sar- presented five patients with thrombosed vein and in diagnosis.In ultrasonographic analyses of our cases, throm- as solitary or multiple, hyperechoic or hypoechoic, well-defined masses skin metastasis of malignant and dermatofibroma. for the diagnosis of thrombosed (Jpn JDermatol as malignant within the an- ultrasonographic features were very characteristic and easily differentiated from other tumors, including melanoma, eccrine hidradenoma, Key words 9,2000) Thus tumor, calcifying epithelioma, atheroma, ultrasonographic examination isa useful and simple method vein. 110 : 1411∼1419, 2000) : thrombosed vein, skin tumor. thrombus, ultrasonography, diagnostic tool
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