知っとこ NEWS 〒577-0841 NO.090116 東大阪市足代 1-14-3 二条ビル 208 号室 岡本由貴夫税理士事務所 メール:[email protected] 平成 21 年度税制改正(事業承継税制) 申告期限延長と贈与税の納税猶予 平成 21 年度税制改正で創設された「取引 相場のない株式に係る相続税の納税猶予制 度」については、昨年度の税制改正でその 骨格は概ね決まっていました。そこで、今 回の主な改正内容は、①猶予税額の免除要 件の明確化、②猶予税額の具体的な計算、 ③他の特例との適用関係、④租税回避行為 への対応などでありますが、そのなかでも 特に、この納税猶予制度を⑤経営承継円滑 法の施行日(平成 20 年 10 月 1 日)以後の 相続等についても適用可能とする措置を講 じたことから、一定の要件を満たす相続に ついては、相続税の申告期限を平成 22 年 2 月 1 日まで延長することにしています。 (1)期限延長できる一定の相続とは 平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 3 月 31 日までの間に開始した相続に係る被相続 人の遺産の中に非上場会社の株式等が含ま れており、かつ、当該被相続人が当該非上 場会社の代表者であった場合には、当該被 相続人に係る相続税の申告書の提出期限を 平成 22 年 2 月 1 日まで延長できるとする措 置です。 相続対策(税も含めて)は、何と言って も生前対策が有効であり、この点からして も、相続税の納税猶予制度はあくまでも相 TEL:06-6727-5303 FAX:06-6727-5304 サイト:http://www.okamoto-office.jp 続が発生した段階での猶予制度であるため、 計画的な事業承継対策としては不十分とす る意見もあり、そこで、今回の改正では、 「取引相場のない株式等に係る贈与税の納 税猶予制度」も創設されました。 (2)贈与税の納税猶予制度とは 後継者が、経営承継円滑化法に基づく経 産大臣の認定を受けた会社を経営していた 親族から、贈与によりその保有株式等の全 部(贈与前から既に後継者が保有していた ものを含めて、発行済議決権株式等の総数 等の 3 分の2に達するまので部分を上限と します。以下「猶予対象株式等」という。) を取得した場合には、猶予対象株式等の贈 与に係る贈与税全額を猶予します。 また、①猶予税額の納付、免除等につい ては、相続税の納税猶予と同様な取扱で、 ②贈与者の死亡時には、引続き保有する猶 予対象株式等を相続により取得したものと みなし、贈与時の時価により他の相続財産 と合算して相続税を計算し、納付しますが、 その際、経産大臣の確認を受けた場合には、 相続税の納税猶予を適用します。 この制度の適用要 件と手続きを充足 するのは大変!
© Copyright 2024 ExpyDoc