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技術資料
低温条件下で浅層混合処理した改良地盤の温度変化と強度
- 冬期に実施したトレンチャー式撹拌工法の試験施工(その2)-
橋本 聖* 西本 聡** 林 宏親*** 梶取 真一****
牧野 昌己***** 伊藤 浩邦****** 松下 恭司*******
1.はじめに
2.釧路町における試験施工の概要
筆者らは2009年2月に空知郡南幌町において、トレ
2.1 試験箇所および地盤条件
ンチャー式撹拌工法
(パワーブレンダー工法と同意、
試験施工は平成22年2月2日から6日まで北海道東
以降、TMM とする)で施工された改良地盤の強度特
部の釧路郡釧路町で実施した(図-2)。
性に関する試験施工(図-1)を実施した。調査の結果、
現場の土層は5層で構成され、上層部は粗粒分を約
覆土(火山灰質土による盛土や地盤改良後に盛り上が
90% 以上含有している礫混り砂層、その下に未分解
ったセメント混合土『以降、ふけ土とする』)の有無で
の繊維質で自然含水比 Wn が Wn = 361.2% の泥炭層、
の改良地盤の温度・強度発現を比較したところ、特に
さらにその下には、粘性は小さいが腐食物を含む有機
浅層部
(GL-0.5m より浅い地盤)で5℃以上の温度差が
質シルト層、GL-3.50m 以深は上層部と同様に、粗粒
ありそれが強度発現に影響していることが明らかにな
分が約90% 含有している礫混りシルト混じり砂層と
った。一方、同じ覆土厚であれば『ふけ土』も火山灰
礫質粗砂層である(表-1)。
質土も温度・強度差が無いことがわかった。また、ヒ
ートソイル工法1)で施工した場合では温度・強度とも
2.2 試験施工パターンおよび計測方法
に覆土を施すよりも大きく、改良地盤浅層部の強度発
試験施工の各パターンを図-3,4に示す。試験施
2)
現に有効であることがわかった 。
工は5パターンで構成され、パターン①、②は TMM、
今回は釧路町で試験施工を実施し、覆土およびヒー
パターン③~⑤はヒートソイル工法を用いて厚さ3.3
トソイル工法が、改良地盤の強度発現に効果的である
mの改良地盤を構築した。TMM、ヒートソイル工法
か評価するとともに、外気温が改良地盤に影響を与え
る深度、冬期施工の強度発現に必要な覆土厚を検討し
たのでそれらについて述べる。
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図-2 試験施工箇所(釧路郡釧路町)
表-1 現場の土層条件
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図-1 試験施工の状況(空知郡南幌町)
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月 㪇㪅㪌㩷䌾㩷㪉㪅㪉㪇
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33
ともに、セメント系固化材(高有機質土用)を水セメン
3
2.3 試験施工パターンおよび計測方法
ト比 W/C=100%、セメント添加量 W=221kg/m で混
各パターンの施工条件(施工時の気温、セメントス
ぜ合わせた。
ラリーに用いた水の温度(以下、水温とする)、スラリ
ー温度(吐出前)、施工中のテーブルフロー値、羽根切
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ターンにおいて氷点下であったが、水温は0℃前後で
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図-3 試験施工ヤード
あった。スラリー温度は TMM(パターン①、②)で
は5℃前後なのに対して、ヒートソイル工法
(パター
ン③、④、⑤)は27 ~ 47℃であった。試験施工を実施
した結果、パターン③は施工トラブルによってスラリ
ー温度が上がらず、さらに、所定の添加量以上の固化
材が投入されたため、強度評価ができないと判断して
評価対象外とした。
テーブルフロー値はセメントスラリーの流動性の指
標であるが、本現場の実測値は室内目標値(150mm)
よりやや低い傾向であった。羽根切り回数は撹拌の度
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合いを示す指標で、トレンチャーの水平方向への掘進
1m における撹拌翼の通過回数を表す。TMM の技術
資料3)では200回/ m を品質管理基準としているが、
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各パターンとも基準値を満足している。
試験施工箇所の外気温を図-5に示す。試験施工を
開始してからの日平均気温が20日間連続して氷点下で
あり、特に改良初期の日平均気温が-10℃以下であっ
た。改良地盤の強度発現には施工直後における養生温
度が極めて重要であることから、本試験施工時の外気
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温(養生条件)は強度発現が期待しにくい非常に過酷な
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条件であったといえる。
表-2 施工条件
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図-4 地盤改良後の状況
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パ タ ー ン ① は TMM の 覆 土 な し、 パ タ ー ン ② は
TMM に0.6m の覆土を設けた。覆土は地盤改良後に
ふけ上がったセメント混合土である。パターン③~⑤
はヒートソイル工法による蒸気投入量の違いであり、
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パターン③、④、⑤の蒸気投入量はそれぞれ43,228
kJ/m3、54,035kJ/m3、72,047kJ/m3である。地中(素地
盤、改良地盤)の温度測定はT熱電対を用いて、改良
地盤9測点
(GL-0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、1.5、2.0、2.5、
3.0m)
、素地盤8測点(GL-0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、1.5、
2.0、3.0、4.0m)
に設置して約90日間計測を実施した。
34
図-5 試験施工箇所の外気温
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月
盤温度の違いは、ⅰ)覆土の有無、ⅱ)蒸気の投入、が
3.計測結果及び考察
主な要因と考えられる。
3.1 改良地盤温度
ⅰ)覆土の有無では、パターン①、②における GL-
各パターンにおける改良地盤と素地盤の深さ方向の
1.0m 以浅の施工3、7日後の温度分布に着目した。
温度
(以降、「 改良地盤温度 」 とする)を時系列ごとに
パターン②の GL-0.1m と GL-1.0m の温度差はパター
示す
(図-6)
。改良地盤温度は、施工3、7日後と時
ン①と比較して小さいことがわかる。これは、厚さ
間が経過するに従って上昇した。その後、低下に転じ
0.6m の覆土が改良地盤浅層部に作用する外気温の影
て、施工28、91日後とさらに時間が経過すると素地盤
響を緩和したと考えられる。特に外気に近い GL-0.5m
の温度に近づいた。改良地盤温度の分布形状をみると、
より浅層部でも改良地盤温度が20℃以上得られている
GL-1.5 ~ 2.0m をピーク温度として浅層部、深層部の
ことが確認された。
改良地盤温度が低くなっていた。これは、外気温や素
ⅱ)蒸気の投入(パターン④、⑤)では、蒸気投入量
地盤の温度が改良地盤温度より低いために、ピーク温
の多少に関わらず、パターン①、②と同様に GL-1.5
度の改良深度から改良地盤浅層部、深層部に近くなる
~ 2.0m を改良地盤温度のピークとした弓なりの形状
に従って温度上昇が妨げられたと推測される。
ここで、改良地盤温度の違いについて考察する。大
(施工3、7、28日後)になった。ただし、地表面(GL0.1m)以 外 で の 改 良 地 盤 温 度 は 全 体 的 に 高 く、GL-
村 、榎並 らは、改良地盤温度は外気および現場地
0.3m 以浅では改良地盤温度が20℃以上得られている
盤の温度、土質、固化材の添加量によって大きな影響
ことが確認された。
を受けてそれに伴って強度も変化が生じる、と報告し
ⅰ)、ⅱ)より、覆土や蒸気が存在することによって、
ている。本試験施工では、現場地盤の温度、土質、固
改良地盤浅層部における改良地盤の温度上昇が保たれ
化材の添加量がほぼ同じとみなせることから、改良地
たのではないかと考えられる。
4)
5)
図-6 各パターンの経時変化による改良地盤温度
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月 35
3.2 深度方向の改良強度
改良地盤の分割方法は、ⅰ)推測された外気温の影
各パターンにおける7日材齢の一軸圧縮強さ
(quf7)
響深度(GL-1.5m を境)、ⅱ)外気温の影響がある深度
を改良深度ごとに示す(図-7)
。図-6より、改良地
をさらに2分割(GL-0.5m を境)、の計3つの改良ブロ
盤温度の分布形状および未改良地盤の温度変化をみる
ック
(Ⅰ:GL-0 ~ 0.5m、Ⅱ:GL-0.5m ~ 1.5m、Ⅲ:GL-
と、GL-1.5m より浅層部の温度低下が大きいことがわ
1.5m ~ 3.3m)とした。ここで、「 上昇温度 」 とは、7日
かる。これらは、低温の外気温が影響していると推測
材齢において各パターンの改良ブロック内の熱電対で
される。改良地盤と素地盤の熱伝導率が同程度と見な
計測した温度の平均温度と、素地盤で改良ブロックと
せるのであれば、改良地盤内に生じる外気温の影響深
同じ深度に設置している熱電対の平均温度の差である。
各パターンの各ブロックの上昇温度と一軸圧縮強さ
度は GL-1.5m と推測される。
ここで、各改良深度の一軸圧縮強さのうち外気温の
(平均値、最大値、最小値)の関係を図-8に示す。図
影響深度と想定される GL-1.5m より浅い深度のうち、
をみると上昇温度が高くなるに従って、一軸圧縮強さ
温度上昇が小さい
(パターン①)GL-0.5m 以下とそれ
も大きくなる傾向である。
以外の GL-0.5 ~ 1.5m に着目して整理した。
榎並ら5)の調査結果では、上昇温度が高いほど強度
まず、GL-0.5m 以下における各パターンの一軸圧縮
は高くなる傾向が確認されているが、本現場でも同様
強さを比較すると、パターン①が低いことがわかる。
の傾向が確認された。特に、改良ブロックⅠ(GL-0.5m
上述のとおり当該位置における温度上昇の差が強度の
以浅)では、パターン①の上昇温度が14℃で一軸圧縮
差となったと考えられる。一方、GL-0.5 ~ 1.5m の一
強さが quf7= 300kN/m2であったのに対して、覆土を
軸圧縮強さを比較すると、概ね同程度の一軸圧縮強さ
有するパターン②、蒸気養生のパターン④、⑤は温度
であった。一部、GL-1.5m 附近でパターン①の一軸圧
上昇が20 ~ 30℃、平均一軸圧縮強さが quf7= 700 ~
縮強さが他のパターンより低いのは、サンプリング時
1,100kN/m2と上昇温度では2倍前後、一軸圧縮強さ
における試料の乱れなど、他の要因が支配的であると
では約2~4倍の強度増加がみられた。上昇温度の大
推測される。
小が強度発現に大きく影響していることがわかる。
改良深度と一軸圧縮強さの関係は温度分布と調和的
一方、改良ブロックⅡ、Ⅲではパターンを問わず、
であり、改良地盤内の温度と強度は密接に関係してい
上昇温度が30℃以上で平均強度が quf7= 800kN/m2以
るのではないかと考えられる。
上であった。したがって、強度発現に影響を及ぼした
のは改良ブロックⅠのみであり、改良ブロックⅡ、Ⅲ
3.3 上昇温度と改良強度の関係
は強度発現に十分な上昇温度が得られていた。また、
改良地盤の上昇温度の違いが7日材齢の改良地盤の強
ブロックⅠも覆土や蒸気を投入することによって、改
度にどの程度影響を及ぼすのか、各パターンの改良地
良地盤内の上昇温度を高め、強度発現に寄与すること
盤を3つに分割して整理した。
が明らかになった。
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図-7 7日材齢の一軸圧縮強さ
36
図-8 7日材齢の上昇温度と一軸圧縮試験強さ
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月
4.まとめ
謝辞
本試験施工を実施するにあたり、釧路道路事務所第
本検討では、施工時の日平均気温が-10℃以下であ
二工事課の高山課長、廣瀬係長、飛内技官(当時)には
り、施工後の日平均気温も20日間連続して氷点下にな
ご協力いただきました。ここに厚くお礼を申し上げま
るような過酷な気象条件で試験施工を実施した。その
す。
結果、このような施工条件下で改良地盤の温度上昇、
すなわち、強度発現に及ぼす影響深度は GL-0.5m 以
参考文献
浅という結果を得た。これに対して、改良地盤上に覆
1)松下恭司:セメント系固化材を使用した改良土の
土する対策や、セメントスラリーに高温蒸気を加える
温度を上昇させる効果、土木学会第64回年次学術
ヒートソイル工法が、改良地盤浅層部の強度発現に有
講演会Ⅲ-448、pp.895-896、2009.
効であることが明らかになった。
2)橋本聖、西本聡、林宏親、梶取真一、牧野昌己、
ただし、低温の外気温が改良地盤内に影響を及ぼす
伊藤浩邦、松下恭司:低温条件下で浅層混合処理
深度は、日平均気温が氷点下より低い温度の累積(積
した改良地盤の温度変化と強度 -冬期に実施し
算寒度)によって変わる恐れがある。施工する地域や
たトレンチャー式撹拌工法の試験施工-、寒地土
時期は千差万別であることから、例えば、改良地盤上
木研究所月報 No.680、pp.37-43、2010.
に覆土を施すことで浅層部の温度低下を防ぐとすれ
ば、積算寒度に応じた覆土厚さの設定が必要になって
3)パワーブレンダー工法協会:パワーブレンダー工
法スラリー噴射方式技術資料、2009.
4)大村哲夫、村田充、平井宣典:深層混合処理土の
くる。
梶取ら は二次元熱伝導解析を用いることによっ
水和熱現地測定結果と養生温度による強度への影
て、積算寒度に応じた改良地盤の凍結深を示すことが
響について、土木学会第36回年次学術講演会Ⅲ
可能であるとしている。今回の実測結果を解析手法に
-367、pp.732-733、1981.
6)
フィードバックしてその再現性を評価し、積算寒度に
5)榎並昭、吉野学、日比野信一、高橋守男、秋谷健
応じた覆土厚さの算定手法を整理したいと考えている。
二:ソイルセメントコラムの原位置温度測定及び
本報は、寒地土木研究所とパワーブレンダー工法協
養生温度の強度に及ぼす影響、第20回土質工学研
会との共同研究『厳冬期の泥炭性軟弱地盤で施工され
究発表会、pp.1737-1740、1985.
た改良地盤の品質確保・品質管理方法に関する研究』
の一部である。
6)梶取真一、西本聡、林宏親、橋本聖、牧野昌己、
伊藤浩邦、松下恭司:冬期におけるトレンチャー
式撹拌工法の試験施工、(社)地盤工学会北海道支
部技術報告集第50号 pp.121-126、2010.
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月 37
橋本 聖*
西本 聡**
林 宏親***
梶取 真一****
Hijiri HASHIMOTO
Satoshi NISHIMOTO
Hirochika HAYASHI
Shin’
ichi KAJITORI
寒地土木研究所
寒地基礎技術研究グループ
寒地地盤チーム
研究員
技術士(建設)
寒地土木研究所
寒地基礎技術研究グループ
寒地地盤チーム
上席研究員
技術士(建設・総合)
寒地土木研究所
寒地基礎技術研究グループ
寒地地盤チーム
主任研究員
博士
(工学)
技術士
(建設・総合)
寒地土木研究所
寒地基礎技術研究グループ
寒地地盤チーム
研究員
牧野 昌己*****
伊藤 浩邦******
Hirokuni ITO
Yasushi MATSUSHITA
パワーブレンダー工法協会
パワーブレンダー工法協会
パワーブレンダー工法協会
Masami MAKINO
38
松下 恭司*******
寒地土木研究所月報 №693 2011年2月