新寄付税制を活用しましょう - NPOWEB

2 012年 4月1日 改正NPO法スタート
新寄付税制を活用しましょう!
!!
「 仮 認 定制 度」に向けて
今こそ認定をとる準備を始めましょう!
新寄付税制で、認定NPO法人への
寄 付がしやすくなりました。
( 2 0 11年 1月1日以降の寄付分∼)
寄付金控除に〈税額控除〉方式が導入されました。
控除割合は、寄付金の 40%(住民税10%※1 と合わせて最大50%)
※1 住民税も寄付金控除の対象になります。控除割合は最大10%ですが、これは各自治体によって異なります。
⇒(寄付金額ー2,000円)
×50%の所得税がもどります。
所得金額に関係なく…・ 1 万円の寄付で 4,000 円
減額 !
“ 減税”
という形で
・ 5 万円の寄付で24,000 円
減額 !
されるんだね∼!
( 10,000 - 2,000 ) × 0.5 = 4,000
( 50,000 - 2,000 ) × 0.5 = 24,000
3 0 代 会社員 の 例
年収 420 万円
課税対象所得 226万円
所得税率 10%
キャッシュバック
新ルール
税額控除
2 万 4,000円
最大約 50%の
税額控除
または
この NPOに
がんばって
ほしいな⋮
去年までは
9,300円
還付
減税
計 5 万円を寄付
国・自治体
去年までの〈 所 得 控 除 〉方式も
選べるけど、所得が低いなら 断然 、
認定NPO法人 A
〈税 額 控 除〉方式が 得 だね!
!
認定NPO法人 B
従来方式との寄付金控除額(還付額)の比較
今年から
〈税額控除〉方式
去年まで
〈所得控除〉方式
⇒
( 5 万円 - 2,000円 ) × 0.4 = 1万9,200 円
国税分
⇒
( 5 万円 - 2,000円 ) × 0.1 =
国税分
4,800 円
+
+
★ 従来方式と比べて有利な方を選択できます ( 5 万円 - 2,000円 ) × 0.1 = 4,800 円
地方税分
( 5 万円 - 5,000円 ) × 0.1 = 4,500 円
地方税分
「税額控除」と「所得控除」の違いを理解しましょう。
税 額 控 除 : 課 税 対 象 額に税 率を掛けて算 出した〈 税 額 〉から差し引くことができるもの 。
所 得に関わらず原 則 的に減 税 額は同じ。もっとも身 近な税 額 控 除は住 宅ローン控 除です。
所 得 控 除 :〈 所 得 金 額 〉から差し引くことができるもの。所 得 控 除 額が 大きいほど課 税 対 象 額が 少なくなり、
結 果、税 額も少なくなるのです。所 得が 多いほど有 利です。
1
= 2 万4,000 円
=
9,300 円
認定 N P O 法人の 4 大メリット ! !
以下のような税制優遇を受けることができます。
1. 個人が認定 NP O法人に寄付をした場合
→ 寄付金控除を受けられます。
詳細は左ページ
寄付先が 認 定 か
どう か 確 認 して
おくといいよ!
個人が認定 N P O 法人へ寄付をした場合は、
確定申告をすれば、税金の還付を受けることができます。
(税額控除方式の場合)
寄付金控除は次の算式で計算します。
( 寄付金額 ※2− 2,000 円 )
× 50%※3 = 寄付金控除額
※2 その年中に「認定 N P O法人」に寄付をした金額の合計
※3 住民税を含めた割合です。住民税の控除割合は最大10%ですが、これは各自治体によって違います。
2. 法人が認定 NP O 法人に寄付をした場合
→ 損金算入限度額の枠が拡大されます。
一般のNPO法人への寄付と比較して、経 費にできる寄付金の限度額が高くなります。
特別損金算入限度額 :認定NPO法人にある特別枠です
1
( 資本金等の額 × 0.25% + 所得金額 × 5% )× 2
3. 相続人が認定 NP O 法人に寄付をした場合
→ 寄付をした相続財産が非課税になります。
例えば、3 億 円の相続財産があった場合、このうちの1 億円を認定NPO法人に寄付
すれば相 続 税 の課 税 対 象額は2 億 円になります。
4. 認定 NPO法人自身が法人税法上の収益事業を行った場合
→「法人税の軽減措置」を利用できます。
収益事業から得た利益を本来目的の非収益事業に使用した場合に、この分を寄付金
と見なし、一定の範囲で損金に算入できるという制度です。結果として、収益事業に
かかる法人税が軽減されます。
「みなし寄付金制度」
といいます。
*みなし寄付金の控除上限額は今回の改正で、所得の 50%か200 万円のいずれか高い方に拡充されました。
2
もっと
改正NPO法で、 もっと
認定が取りやすくなります。
( 2 0 11年 6月30日以 降の申請分∼)
新ルール ① PSTクリアの要件が緩和されました。
3,000 円以上の寄付者が
年平均 100人以上であること。
わかりやすいし、
頑張れば 100 人
集められそう!
個人だけでなく、法人や団体でもOKです。見返りのない「賛助会費」なども
「寄付」になります。ただし、
「正会員費」や役員からの 寄付は含まれません。
★ 従来方式と比べて有利な方を選択できます
経常収入金額のうち、寄付金等収入金額の占める割合が20% 以上であること。
※パブリック・サポート・テスト
( PST )
とは幅広く市民の支持を得ているかどうかのテストです。
これまで 認定NPO法人になるための最大の関門と言われてきました。
新ルール ② 2012 年4月1日の申請から、
都道府県・政令市の認定になります。
身近なところで認証も認 定も受けられるので、申請がぐっと手軽に、相談しやすくなります。
新ルール ③ 2012 年4月1日の申請から、
PSTなしでも税制
「仮認定制度」が導入されます。
優遇が受けられる
なんて!
PSTをクリアしていなくても、他の要件を満たしていれば仮 認 定を与えられます。
(有効期間は 3 年間。1 回限り適用されます)
本認定
仮認定
要件
7 つの要件をすべて満たしている
PST以外の 6 つの要件を満たしている
有効期間
認定の日から 5 年間
仮認定の日から 3 年間
すべての NPO 法人
すべてのNPO法人 ※2015 年3月までの経過措置
申請可能な法人
(ただし設立後 1 年を超える期間を経過)
「3,000 円×100人」って
どう数えるの?
新ルール「3,000円×100人」は「年3,000
円以上の寄付者が、
“年平均”100人以上 」
で適用されますので、次のようなケース
でも PSTをクリアすることができます。
事業年度 1
3,000 円以上の寄付者
30人
事業年度 2
3,000 円以上の寄付者
170人
(ただし設立後 1 年を超える期間を経過)
【ケース ① 】
2 年度目にたくさん寄付者が集まったケース
→
(30 人 + 170 人 )
÷ 2 = 100 人
【ケース ②】
6か月
3,000円以上の寄付者
0人
3,000 円以上の寄付者
150人
3
設立して間もないケース
(例:1年度目を6か月経過した時点で設立した場合)
→
(0人+150人)
×12÷18 = 100 人
改正 NPO法で、
NPO法人が活動しやすくなります。
改正 NPO 法で、運営や手続きに関する仕組みも大きく変わります。
1. 所轄庁が変わります
〈 認 証〉機 関(所轄庁)が内 閣 府から都 道 府県・政令市 に移るので、
これからは〈認 証〉
〈 認定〉とも、同じ所 轄庁できるようになります。
NPO法人
(法人格)
所轄庁の
︿ 認定﹀
所轄庁の
︿ 認証 ﹀
任意団体
認定NPO法人
(税制優遇)
2. 会計報告が変わります
NPO法人会計基準が採用になり提出書類が活動計算書になります。
3. 手続きが変わります
手続きが簡単になるぶん、
活動や寄付集めに
申請、合併等の手続きが簡素化されます。
専念できるね!
4. 分野が変わります
「観光の振興」と、
「農山漁村・中山間地の振興」の 2 分野追加され、
所轄庁が条例で分野を追加できるようになります。
「本認定」と「仮認定」と「認定なし」
それぞれ税制優遇の違いは?
認 定 要 件 の 違い( 左 ページ参 照 )に加え、税 制 優 遇にも以 下 のような違いがあります。
① 寄付をした個人が寄付金控除(所得控除 or 税額控除)を受けられる
本認定
仮認定
認定なし
(一般NPO法人)
② 寄付をした法人の損金算入限度額の枠が拡大される
③ 寄付をした相続人のその財産分が非課税になる
④ みなし寄付金制度を使える(法人税の減免)
仮認定で税制を
①② については本認定と同じ
進めるんだね
活用して本認定へ
③ 寄付をした相続財産非課税と ④ みなし寄付金は 適用なし
税制優遇なし
…一般のNPO法人には
税制の優遇はないんだね
4
認定NPO法人の要件チェックポイント
認 定NPO法人になるためには、実績判定期間(直 前の 2 事業年度)において、
本認定は①∼⑦すべて、仮認定は②∼⑦を満たしている必要があります。
結 構 ひっかかる団 体が
① PSTをクリアしていること。
多いので、要チェックです。
次のいずれかを満たしています。
□ 経常収入金額に占める寄付金の割合が20%以上です。
□ 各事業年度中の寄付金の額が 3,000 円以上である寄付者の数が年平均 100人以上です。
□ 都道府県・市区町村から条例で個別指定を受けています。
② 活動のメインが共益的な活動でないこと。
次の活動の合計が50%未満です。
□ 会員のみを対象とした物品の販売やサービスの提供
PST以外で
しばしば問題になる要件
Q. その法人のサービスを受ける人が
特定の人たちに
限定されている場合は?
→(対応策)誰でもその法人の
サービスを受けられるようにしま
(例:ホームページに案内掲載)
しょう。
□ 特定のグループや特定の地域などに便益が及ぶ活動 ●
□ 特定の人物の著作物に関する普及啓発等の活動
□ 特定の者の意に反した活動
③ 組織運営等が適正であること。
□ 役員の総数のうち特定の役員及びその親族関係者の占める割合が1/ 3 以下です。
□ 役員の総数のうち、特定の法人の役員や 従業員が占める割合が 1/3 以下です。●
□ 公認会計士の監査を受けているか、青色申告法人と同等に取引を帳簿に記録し、保存しています。
□ 支出した金銭について費途が不明なものや、帳簿への虚偽の記載はありません。
④ 事業活動について一定の要件を満たしていること。
Q. そのNPO法人の役員の中に、
他の団体の役員を兼任している人が
1/3を超えている場合は?
→(対応策)総会で役員を増員
するなどして、1/3 以下に
なるようにしましょう。
□ 宗教活動及び政治活動を行っていません。
□ 役員や社員、寄付者に特別の利益を与えていません。
□ 営利を目的とした事業を行う者や、政治・宗教活動を行う者、特定の公職の候補者に寄付を行っていません。
□ 実績判定期間において【特定非営利活動に係る事業費/事業費の総額】の割合が 80%以上です。
□ 実績判定期間において【特定非営利活動の事業費に充てた額/受入寄付金の総額】の割合が 70%以上です。●
□ 助成金の支給を行った場合又は200万円超 の海外送金を行う場合に事前または事後に
その内容を記載した書類の提出が必要となることを理解しています。
⑤ 情報公開が適正であること。
□ 認定申請書類について、一般の人から閲覧の請求があった場合、応じることができます。
⑥ 法令違反等がないこと。
□ 法令に違反する事実はありません。●
(例:法人税・消費税・源泉所得税を適正に申告・納付している)
□ 偽りや不正の行為によって利益を得た事実または得ようとした事実はありません。
□ その他にも、公益に反する事実はありません。
⑦ 設立から1年を超えていること。
Q. 年度末などに多額の寄付を受け
取ったらどうしたらいいですか?
→(対応策)実績判定期間中に
70%基準を意識して、事業費
を使うようにしましょう。
Q. 法人税の収益事業として
申告をするべきものが、
申告できていなかった場合は?
→(対応策)税務署に「収益事業
開始届出書」を提出し、
税務申告しましょう。
□ 申請書の提出日を含む事業年度開始の日において、設立の日から 1 年を超える期間を経過しています。
5
認定取得に向けた 3 ステップ
認定取得への 3 ステップ! さあ、ここから認定取得へ向けてのスタートを切りましょう!
詳しい情報を入手しましょう
まずは、国 税 庁ホームページ( http://www.nta.go.jp/)の「 認定 NPO 法人制度」コーナーをチェックしま
しょう。認定申請の必須アイテム「 認 定NPO 法人制度の手引」をはじめ、
「申 請に当たっての事 前チェック
シート」などが掲載されています。冊子体の手引はお近くの税務署にて無料でもらえます。
※所轄庁ほか各地のNPO支援センターなどでは、認定取得に関するセミナーや相談も実施されています。ぜひ、活用して下さい。
インターネットで !
「認定とろう!NET」は、最新ニュース、全国の認定 NPO法人情報から申請窓口・問い合わせ先情報まで、
認定 NPO法人に係わる情報の全てを集約したポータルサイト。認定NPO 法人を目指す皆様は必見です!
認定とろう!NET
▶▶▶
http://www.nintei-torou.net/
ブックレットで!
シーズブックレット『とるぞ!
!認定NPO法人 平成23年度税制改正対応版』
(1,500 円・税込)
必要書類の実際の書式に沿って解説する、日本初の実践的ガイドブック。認定取得の決め手に
ぜひご活用ください!ご購入は NPOWEB(http://www.npoweb.jp/)から。
セミナーに行こう!
シーズでは、皆さんの 認定取得をサポートするセミナーを行っています。
『とるぞ !! 認定NPO法人平成23 年度
税 制 改 正 対 応 版 』の内容に沿って、申 請 書 類 の 書き方 の 概 略を質 疑 応 答を交えながら解 説します。
日程等はシーズホームページ「NPOWEB」にて随時ご案内いたします、ぜひご参加ください!
委員会に参加しよう!
認 定とろう!委員会では、最 新のニュースや行 政・法 制の動きなど、関 連 情 報を常に発 信していきます。
一緒に認定 NPOの輪を全国に広げましょう!
「 認定とろう!NET 」からどなたでもご参加できます。
所轄庁に相談しましょう
所轄庁の相談窓口は各都道府県、政令市のNPO担当です。また、年明けから所轄庁のNPO担当窓口が
説明会を開く予定です。
「認定とろう!NET」で随時ご紹介していきます。
なお、2012 年 3月31日までは国税庁が申請窓口です。
国税庁ホームページ
▶▶▶
http://www.nta.go.jp/
申請書類を提出しましょう
事前相談で認定申請ができそうなら、実際に申請書を書いてみましょう。
申請書類は所轄庁のNPO担当窓 口にて入手できる見込みです。申請先の所轄庁にお問い合わせください。
申請書類が全て揃ったらに所轄庁に提出しましょう
(2012年3月31日までは所管の税務署)
。
6
よくある質問をまとめました。
仮 認 定はどんな団体でも申請できるんですか?
2015 年 3 月末までは、設立して1年以上で 2 事業年度を終えているNPO法人ならば
どこも申請可能です。PST要件を免除する仮認定制度は、寄付集めのスタートアップが目的。
原則、設立して 5 年までのNPO法人が対象ですが、新しい制度ですから、
設立して 5 年以上の団体でも、2015年3月末までは特例期間を活用して仮認定になれます。
仮認定になれば寄付者は税のメリットが受けられます。寄付税制の後押しのもとで、
「3000 円×100 人」を集めることが可能です。仮認定になっておいて損はありません。
申 請の準備で気を付けることはありますか?
PST 要件の他に要注意なのは、役員の3 分の1 要件。
他の団体の役員を兼任している人が 3 分の1 以上いないか確認してください。これは特定の人が
組織を支配していないかチェックするための要件です。もし3 分の1 以上いるようなら、総会で
役員の増員をするなどして要件をクリアーしましょう。詳細はチェックポイントの⑤(5 ページ)
3 0 00 円×100人基準は、認定の後もずっと満たしていないといけないんですか?
認定NPO法人は 5 年ごとの更新です。
更新の際に、過去 5 年間の実績をみて、3,000円以上の寄付者が年平均100人以上、
あるいは寄付の割合が 20%以上あればクリアーです。
仮 認 定と本認定、どっちが得ですか?
本認定になれそうなら、本認定がおすすめ。
個人や法人からの寄付への優遇のほかに、相続税の非課税、みなし寄付制度も使えます。
PST要件をクリアーできるなら、本認定になりましょう!
本パンフレットは、シーズを支えてくださる皆様方の 温かいご支援により発 行させていただくものです。
この場をお借りして、会員・寄付者の皆様に御礼申し上げます。
シーズはこれからも改正 NPO 法/新寄付税 制を推進するアドボカシー活動、
新しい制度のキャンペーン周知活動を実行してまいります。
皆様のご支援を何卒よろしくお願いいたします。
発 行 日: 2011年 12 月 1 日
発 行 者:
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
*
「 認定とろう! 委員会」は、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会による、認定NPO法人取得の輪を全国に広げるキャンペーンです。
〒102 - 0075 東京都千代田区三番町24 -25 三番町TYプラザ3F
TEL:03 - 3221- 7151 / FAX:03 - 3221- 7152 / E-mail:[email protected]
http: // www.npoweb. jp/
@ NPOWEB.
デザイン ヒノモトデザイン / イラストレーション 佐藤 真喜子
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