渋谷区景観計画策定の目的

表参道
代官山・旧山手通り
渋谷駅ハチ公口前
渋谷区景観計画策定の目的
2.渋谷区景観計画の目的
1.渋谷区景観計画策定の背景と必要性
【渋谷区=2つのまち(商業・業務機能と住機能)が存在】
●渋谷区では、台地に谷が入り組む変化のある地形の上に、商業・業務機能
と住機能が共存する、特徴的な景観が多く見られます。
●また、江戸時代の大名屋敷を起源に持つ広尾の文教地区の景観、松濤など
の落ち着きのある住宅地の景観、神宮前地区や代官山地区などの住商共存
地の景観、新宿御苑、代々木公園、明治神宮といった大規模緑地など、独
特の個性と魅力を持った景観が各地に形成されています。
【2つのまち(商業・業務機能と住機能)の調和を目指して】
●一方で、近年、周囲の街並みから突出した規模の建築物が出現するなど、
地域によっては好ましくない景観が見られるようになり、渋谷区では、建
築物の絶対高さを制限する高度地区を定め、良好な景観の形成の誘導に取
り組んでいます。
●また、渋谷駅及び周辺や他の主要駅周辺においては、新たなまちづくりが
進んでおり、このような渋谷区を代表する場において、渋谷区の個性を発
揮し、より多くの来訪者を誘うような、魅力ある、新たな景観を創出する
ことが、大変重要な課題となっています。
・渋谷区の良好な景観形成を総合的
かつ計画的に推進する
・区民主体のまちづくりの機運を
後押しする
・自然・歴史・文化の継承と、
新たな景観の創出の調和を図る
3.渋谷区景観計画の構成
第1部 景観マスタープラン
渋谷区の景観づくりに向けた、将来
の景観像、景観づくりの基本的な考
え方を示しています。
第2部 景観法を活用した諸施策
【2つのまち(商業・業務機能と住機能)の調和を目指す上での
景観計画の必要性】
●区と区民、企業等の協働により、渋谷区の特徴的な景観を活かし、いつ
までも住み続けたいと思えるまち、訪れたいまちとなるように、今後と
も良好な景観を保全・創出していく必要性が高まっています。
●そのため、渋谷区では、
「協働型のまちづくり」の精神を踏まえつつ、景
観法(平成 16 年 6 月 18 日法律第 110 号)に基づく「景観計画」を
策定し、新たな制度に基づき、地域に密着した景観形成を推進します。
1
渋谷区全域を景観計画区域とし、区
域区分ごとの行為の制限等を示して
います。
第3部 良好な景観形成の実現
に向けた推進方策
区が独自に定める、良好な景観形成
の実現に向けた推進方策を示してい
ます。
新宿御苑
第1部
景観マスタープラン
1.渋谷区の景観形成の基本理念
2.基本目標
第1部 景観マスタープラン
1)区民を主体とした関係者の参加と協働による
景観形成
●多様な界わいからなる景観は、地域における、様々
な単位での日常的な取り組みや行動の結果です。今
後も区民を主体とした関係者の参加と協働を推進
し、良好な景観形成を目指します。
2)区民の活動を支援し、また活動内容について
情報発信することで充実させていく景観形成
●区民が主体の地域ルールづくりの支援を行うな
ど、区民発意、区民主体の景観形成を促進します。
●区民、企業等により自主的に景観形成の取り組み
がなされる際に重要な手がかりとなる景観資源及
びその活かし方等の情報提供、取り組みを支援する
方策、しくみの整備を検討します。さらに、区民が
主体の地域ルールづくりの支援を行います。
第2部 景観法を活用した諸施策
3)渋谷区の地形、自然、歴史、人々の暮らし、
文化・事業活動等の特性に応じた景観形成
●地域ごとの表情や役割、区民、企業等関係者の意
思等をきめ細かく柔軟に受け止め、それぞれに個性
のある景観形成の推進を目指します。
多様な界わいが共存する
都市の保全・再生・創造
●区民や企業等が、いつまでも快適で
他に誇りうる景観の形成
●渋谷区を訪れる来街者に対しては、
どこまでも魅力的な景観の形成
・渋谷区の景観は多様な界わいが共存して
成り立っています。
・このような特徴的な多様な界わいやそれ
ら境界領域の活力の源泉を増進するた
め、渋谷区の都市景観の多様性とダイナ
ミズムの適正なバランスを図りつつ、
「多
様な界わいが共存する都市の保全・再
生・創造」を基本目標とします。
・そして、区民、企業等が、いつまでも渋
谷区に住み続けたい、事業活動を続けた
いと思う、快適で他に誇りうる景観の形
成を目指すとともに、渋谷区を訪れる来
街者に対しては、どこまでも魅力的な景
観の形成を目指します。
3.渋谷区の景観特性
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
①変化に富む地形が渋谷区の景
観の基盤となっています。
②東京を代表する大規模緑地が
集積し、緑の拠点としての景
観を形成しています。
渋谷スペイン坂
写真出典)
「図説 渋谷区史」
(渋谷区、H15.3)
③まちなかに、地域の歴史的な
文脈が垣間見られる資産が残
ります。
新宿御苑、代々木公園、明治神宮
④「副都心」としての機能と「居住環境」としての
機能が相互に接して並存しています。
松濤
渋谷駅ハチ公口前
2
JR原宿駅舎
⑤景観形成に関する多様な主体による、
多様な取り組みが行われています。
渋谷駅東口周辺明治通り
4.渋谷区の景観形成の方針
(1)地形の特性を活かした景観形成
坂や、旧河道の緩やかに曲がる地形を活かした景観を形成します
旧河道の形態を継承する旧渋谷川遊歩道
地形
(2)緑、河川等の自然の特性を活かした景観形成
大規模緑地を拠点とし、水辺の再生や緑化などにより、ゆとりと
潤いのネットワークを形成します
自然
(3)歴史・文化の特性を活かした景観形成
江戸時代から継承される街割りや、文化財など、歴史的資産を
活かした景観を形成します
◆各地域のまちの歴史的文脈を引き継ぐよ
うに景観形成を図ります。
◆歴史的な建築物等の保全を図るととも
に、地域の景観形成に活かします。
寺院集積地の歴史的景観(広尾祥雲寺周辺)
歴史・
文化
◆渋谷駅周辺の大規模な都市再生事業の中で、新しい渋谷区の顔となる拠点の景観
の形成を図ります。
◆道玄坂・センター街・スペイン坂など多様な界わい、地形を維持・継承しつつ、
活気と賑わいあふれる景観の形成を図ります。
◆表参道や代官山の旧山手通りなど、日本を代表する美しい街並み、賑わいある質
の高い景観の維持・継承を図ります。
◆原宿、代官山周辺など、歩きたいと感じさせる、落ち着きのある住商共存の景観
の形成を図ります。
◆青山通り、明治通り、山手通りなど、それぞれの道路と街並みが調和して、通り
の特色を活かした統一感と連続性のある沿道景観の形成を図ります。
◆歩行者にとっては、「賑わい」や「潤い」ある景観の形成を図ります。
賑わい
・交流
(5)住民主体の取り組みを活かした景観形成
住民主体のきめ細かい活動による、地区の特性を活かした景観を
形成します
◆住民等の主導による景観形成に関わる取り組みの区全域展開を図ります。
◆より多くの区民の参画を図ります。
3
住民主体
の取り組み
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
(4)都市における賑わい・交流空間の特性を活かした景観形成
商業・業務中心地、回遊性のある住商共存地や広域幹線道路に
おいて、渋谷区を象徴する景観を形成します
第2部 景観法を活用した諸施策
◆大規模緑地を拠点とし、水辺の再生、街
路樹の形成、住宅・ビルの緑化などによ
り、ゆとりと潤いのネットワークの形成
を図ります。
◆新宿御苑等大規模緑地からの開放感ある
眺めの保全を図ります。
大規模緑地からの広がりのある眺め(新宿御苑)
第1部 景観マスタープラン
◆「坂」に代表される微地形を地域の景観
形成上重要な場として活かします。
◆緩やかな曲線を描き、変化のある景観を
展開する暗渠上部の道路を地域の景観形
成に活かします。
第2部
景観法を活用した諸施策
1.景観計画の区域および区域区分
◆景観計画では、渋谷区全域を景観計画区域とし、「景観形成特定地区」と「一般地域」の大きく 2 つ
第1部 景観マスタープラン
に区分しています。
景観形成特定地区
景観計画区域 = 渋谷区全域
以下の区域を区が指定します。
・区民や来街者が良好な景観形成を望
んでいる地域
・すでに地域住民による活動が活発な
地域
・渋谷区が景観形成を推進する必要が
あると考える地域
※今後も追加指定していくことを想
定しています。
名
称
区
A.
表参道沿道
地区
B.
代官山・
旧山手通り
沿道地区
C.
新宿御苑
周辺地区
D.
渋谷駅中心
地区
C
第2部 景観法を活用した諸施策
A
域
表参道地区地区計画区域
(渋谷区神宮前一丁目、
四丁目、五丁目及び六丁目
各地内)
旧山手通り地区
地区計画区域
(渋谷区猿楽町、鉢山町、
恵比寿西一丁目、
南平台町各地内)
新宿御苑の外周線から概ね
100m から 300m の
範囲内
東京都景観計画に基づく
「渋谷駅中心地区大規模建
築物等に係る特定区域景観
形成指針」の適用区域内
一 般 地 域
D
・「景観形成特定地区」以外の区域
名
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
B
候補地区
〈区域区分図〉
青山通り沿道地区
称
E.
住宅地系
市街地
F.
複合系
市街地
G.
商業・業務
地系市街地
対応する用途地域
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
準工業地域
近隣商業地域
商業地域
2.区域区分ごとの行為の制限等
◆渋谷区内で、特定の規模の建築物の建築等を行う方(事業者等)を対象としています。
◆区域ごとに、「景観特性」、「良好な景観の形成に関する方針」等を示しています。
◆さらに、
「良好な景観形成のための行為の制限に関する事項」においては、
「届出対象行為(p.5 参照)」
及び「景観形成基準」を示し、建築物の建築等に際して、良好な景観づくりのための守るべきルール
を示しています。
◆上記行為を行う場合は、景観法に基づく届出等が必要です。
4
【区域区分ごとの届出対象行為】
景観形成特定地区
区域区分
地区名称
表参道地区
地区計画区域
(渋谷区神宮前一丁
目、四丁目、五丁目
及び六丁目各地内)
旧山手通り地区
新宿御苑の
地区計画区域
外周線から概ね
(渋谷区猿楽町、鉢山
100m から
町、恵比寿西一丁目、
300m の範囲内
南平台町各地内)
D.渋谷駅中心地区
東京都景観計画に基づく
「渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る
特定区域景観形成指針」の適用区域内
建築物の新築、増築、改築若しくは移転の際に届出を必要とする行為規模
建築物の
建築等
高さ 15m 以上の 高さ 30m 以上又は、延べ面積 3,500m2 以上の
建築物の新築等 建築物の新築等
すべての建築物の新築等
建築物の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更の際に届出を必要とする行為規模
60m 以上又は、延べ面積 30,000m2 以上のもの
30m 以上又は、延べ面積 3,500m2 以上の
建築物で、高さ 60m 未満又は、延べ面積 30,000m2
未満のものについては、[注釈①]の行為
○高さ
○高さ
工作物の新設、増築、改築若しくは移転の際に届出を必要とする行為規模
工作物の
建設等
届出対象 行為 の種別
すべての建築物の外観の変更
高さ 15m 以上の
建築物の外観の
変更
第1部 景観マスタープラン
区域
A.表参道 B.代官山・ C.新宿御苑
旧山手通り
沿道地区
周辺地区
沿道地区
高さ 15m 以上の 高さ 15m 以上又は、築造面積 30,000m2 以上の
工作物*の新設等 工作物*の新設等
すべての工作物*の新設等
工作物の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更の際に届出を必要とする行為規模
すべての工作物*の外観の変更
○高さ
都市計画法第4条第 12 項に規定する開発行為の際に届出を必要とする行為規模
一
E.住宅地系市街地
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
般
地
域
F.複合系市街地
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
準工業地域
G.商業・業務地系市街地
近隣商業地域
商業地域
建築物の新築、増築、改築若しくは移転の際に届出を必要とする行為規模
2
延べ面積 500m 以上の建築物
高さ 30m 以上又は、
延べ面積 3,500m2 以上の建築物
建築物の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更の際に届出を必要とする行為規模
○高さが
60m 以上又は、
○高さが 60m 以上又は、
延べ面積 30,000m2 以上のもの
延べ面積 30,000m2 以上のもの
○延べ面積 500m2 以上の建築物で、 ○高さが 15m 以上又は、延べ面積
高さが 60m
高さが 60m 未満又は、延べ面積
500m2 以上の建築物で、
未満又は、延べ面積 30,000m2 未満
30,000m2 未満のものについて
は、[注釈①]の行為
のものについては、[注釈①]の行為
○高さが
60m 以上又は、
延べ面積 30,000m2 以上のもの
○高さが 30m 以上又は、延べ面積
3,500m2 以上の建築物で、高さが
60m 未満又は、延べ面積 30,000m2
未満のものについては、[注釈①]の行為
工作物の新設、増築、改築若しくは移転の際に届出を必要とする行為規模
高さ 15m 以上又は、築造面積 30,000m2 以上の工作物*の新設等
工作物の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更の際に届出を必要とする行為規模
60m 以上又は、築造面積 30,000m2 以上のもの
*
○高さ 15m 以上の工作物 で、高さ 60m 未満又は築造面積 30,000m2 未満のものについては、[注釈②]の行為
○高さ
開発
行為
都市計画法第4条第 12 項に規定する開発行為の際に届出を必要とする行為規模
主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う、開発区域の面積が 500m2 以上の土地の
区画形質の変更
*)工作物
・煙突、鉄柱、装飾塔、記念塔その他これらに類するもの※
・昇降機、ウォーターシュート、コースターその他これらに類するもの(回転運動をする遊戯施設を含む。)
・製造施設、貯蔵施設、遊戯施設、自動車車庫(建築物であるものを除く。)その他これらに類するもの
※架空電線路用並びに電気事業法第2条第1項第 10 号に規定する電気事業者及び同項第 12 号に規定する卸供給事業者の保安通信設
備用のもの(擁壁を含む。)並びに電気通信事業法第2条第5項に規定する電気通信事業者の電気通信用のものを除く。
注釈①
・外観を変更することとなる修繕若しくは模様替で、その行為に係る面積が変更前の外観の面積の2分の1を超えるもの
・色彩の変更で、屋根、外壁、建築物に附帯する設備、外構において 50m2 を超える変更を行うもの
注釈②
・外観を変更することとなる修繕若しくは模様替で、その行為に係る面積が変更前の外観の面積の2分の1を超えるもの
・色彩の変更で、本体及び工作物に附帯する設備、外構において 50m2 を超える変更を行うもの
5
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
工作物の
建設等
届出対象 行為 の種別
建築物の
建築等
高さ 15m 以上又は、
延べ面積 500m2 以上の建築物
第2部 景観法を活用した諸施策
開発
行為
対応する
用途地域
60m 以上又は、築造面積 30,000m2 以上のもの
15m 以上の工作物*で、高さ 60m 未満又は築造面
積 30,000m2 未満のものについては、[注釈②]の行為
○高さ
主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う、開発区域の面積が 500m2 以上の土地の
区画形質の変更
区域区分
地域名称
高さ 15m 以上の
工作物*の外観の
変更
3.景観重要建造物、景観重要樹木の指定の方針
◆道路その他の公共の場所から望むことができ、「渋谷(四分野)の景観*」等を参考に、次に示す事項
に該当するような建造物、樹木について、景観重要建造物、景観重要樹木としての指定を検討してい
きます。
第1部 景観マスタープラン
景観重要建造物
景観重要樹木
・区民に親しまれ、地域のシンボルやラン
・都市に潤いを与え、ゆとりと潤いのネットワー
ドマークとなっている建造物
・貴重な歴史的建造物や現代建築を代表す
るなど将来的に価値があると考えられる
クの形成に寄与する樹木
・寺社の緑など歴史的景観を構成する樹木
・地域住民に親しまれ地域のシンボルとして認識
現代建造物
される樹木
*)「渋谷(四分野)の景観」
平成 18 年 12 月 1 日発行の「渋谷区報 景観計画ニュース」にて、景観法に基づく景観重要建造物、景観重要樹木、景観重要
公共施設の指定について具体的に検討する候補として、区民から、「建造物」「樹木・緑」「公共施設」「眺め」の4分野につい
て渋谷区の景観資源を募集し、区民等から寄せられた景観資源。
第2部 景観法を活用した諸施策
4.屋外広告物の表示及び屋外広告物を掲出する物件の設置に
関する行為の制限に関する事項
◆特定の屋外広告物を表示、設置しようとする方を対象としています。
◆屋外広告物の表示、掲出物件の設置に関するルールを定めています。
【屋外広告物の表示及び掲出物件の設置に関する行為の制限に関する事項*】
共通事項
○屋外広告物は、屋外広告物条例に基づく許可が必要なものはもとより、自家用及び公共広告物
などを含め、規模、位置、色彩等のデザインなどが、地域特性を踏まえた良好な景観の形成に
寄与するような表示・掲出とすること。
○景観基本軸(東京都景観計画による)や大規模な公園・緑地等の周辺では、緑や地形など地域
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
の景観をつくる背景、建築物や並木など景観を構成する要素との調和を十分配慮し、屋外広告
物を表示・掲出すること。
○都選定歴史的建造物(東京都景観条例による)など、歴史的な景観資産の周辺では、歴史的・
文化的な面影や雰囲気を残す街並みなどに配慮して、屋外広告物を表示・掲出すること。
○大規模な建築物や高層の建築物における屋外広告物は、景観に対する影響が広範囲に及ぶ場合
があることなどから、表示の位置や規模等について、十分配慮すること。
○主要な幹線道路においては、道路修景や地域のまちづくりの機会などを捉えて、できるだけ屋
外広告物の表示に関する地域ルールを定め、風格のある沿道の景観形成を進めていくこと。
○地域の活性化は、大規模で過剰な広告物の掲出ではなく、美しく落ち着きのある景観の形成を
始めとする地域の魅力向上が重要であるという視点に立って、地域振興やまちづくりを進めて
いくこと。
○地域特性を踏まえた、統一感のある広告物は、街並みの個性や魅力を高め、観光振興にも効果
があることから、広告物の地域ルールを活用した景観形成を積極的に進めていくこと。
*)景観形成特定地区(表参道沿道地区、代官山・旧山手通り沿道地区、新宿御苑周辺地区)についても同事項が定められてい
ます。ただし、地区のひとつである渋谷駅中心地区においては、東京都景観計画に基づく「渋谷駅中心地区大規模建築物等
に係る特定区域景観形成指針」が定められており、同指針の中で屋外広告物等についての考え方が示されています。
6
5.景観重要公共施設の整備に関する事項
◆良好な景観づくりに不可欠な公共施設(道路、都市公園、庭園等)に関する整備の考え方を定めてい
ます。
②表参道(都道赤坂杉並線)
・新宿御苑の管理に関する方針に基づき、御苑内の施
設改修、緑の維持管理等を実施します。
・都市の風格を醸し出す大規模な緑のオアシスとして、
都市と自然の調和を感じられる景観を形成します。
・表参道のケヤキ並木と共に、質の高い、魅力ある街
並みの形成を目指しています。
・表参道のシンボルであるケヤキ並木を保全し、回遊
性に優れた安全で快適な街路景観を形成します。
②代々木公園
・「代々木公園マネジメントプ
ラン(東京都建設局)」に基
づき施設改修を実施します。
・都心部では類のない大規模な
緑のオアシスとして、都市と
自然の調和を感じられる景
観を形成します。
①青山通り(一般国道 246 号)
・沿道の地域団体による良好な街路環境の維
持、魅力的な街並み形成を目指した活動が
行われています。
・沿道景観と一体となる青山通りの整備を推
進し、国内外に誇れるような美しい街路空
間を創出します。
・鍋島松濤公園の管理に関する方針に基づき、施設改
修、緑の維持管理等を実施します。
・敷地境界部の外構において、渋谷区景観計画の景観
形成基準を踏まえ、都市と自然の調和を感じられる
景観を形成します。
・良好な複合市街地環境の形成を目指しています。
・落ち着きの中にも賑わいのある、快適な街路景観を
形成します。
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
【各主体の責務】
◆渋谷区の景観形成
は、区と区民、企業
等及び関係機関等と
の協働の取り組みに
よって行われるもの
《区民が果たすべき役割》
《企業等が果たすべき役割》
○景観形成の主体としての自覚と
取り組みへの参加
○渋谷区景観計画への積極的協力
と良好な景観形成への貢献
○地域の景観特性の理解と景観形
成への積極的なかかわり
○地域の景観特性を読み解いた事
業計画づくり
○日常生活環境における景観形成
への寄与
○区、区民等との早期の協議によ
る合意形成に基づく事業の実施
であることから、各
協 働
主体が果たすべき役
《渋谷区が果たすべき役割》
割を右記のように位
○企業等との事前協議や区民からの提案の制度など、
景観形成のしくみづくり
置づけます。
○区民、企業等の自発的な景観形成の取り組みの支援
○国、東京都、隣接区等の関係機関との連携
7
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
第3部
③公園通り
第2部 景観法を活用した諸施策
〈景観重要公共施設の位置〉
③鍋島松濤公園
第1部 景観マスタープラン
①新宿御苑
【区民、企業等による良好な景観形成に向けた取り組みの推進】
◆地域での区民、企業等の景観形成に関わる取り組みの展開イメージを以下に示します。
◆初期段階では、全区共通の緩やかな基準により景観形成を推進し、やがて区民、企業等の取り組みの
内容、合意形成の程度が高まるにつれ、地区ごと詳細基準が設定され、地区の特性に即したきめの細
・身近な美化・清掃
《取り組みの展開の例》
・景観阻害要因の除去、 継続・
任意のグループ
発展
改善
・地域景観特性の把握
(資源調査、地域景観
まちづくり協議会
特性の勉強会等)
景観整備機構※
建築協定締結
景観協定締結
わがまちルール制定
景観形成特定地
区として詳細基
地区計画
準の設定、遵守
景観地区
目 標 の 実 現
地域での区民等の取り組み
第1部 景観マスタープラン
かい景観形成を推進する道筋を想定しています。
※)地域の各種取り組みを支援
区が指定
・景観重要樹木
・景観重要建造物
・景観重要公共施設
・景観整備機構
管理への参加等
第2部 景観法を活用した諸施策
景観形成の
基準の充実
特定の
地区の
基準
全区共通の
基準の設定、遵守
特定の
地区の
基準
特定の
地区の
基準
特定の
地区の
基準
景観形成の取り組みの活発化
〈取り組みの展開イメージ〉
【渋谷区景観計画に関する手続きの流れ】
◆下図の流れで渋谷区景観計画に基づく届出に関する協議等を行い、良好な景観形成を目指します。
建築物の建築等、工作物の建設等、開発行為に関する計画立案
他の法律に基づく手続き
事前相談は行為の規模に関係なく任意
事前相談を
行わない
事前相談を行う
−
事前相談
−
・区担当者、景観アドバイザーによる事前相談
他の法律に基づく手続き等
第3部 良好な景観形成の実現に向けた推進方策
届出対象行為
ではない
渋谷区景観計画届出対象行為
−
必要に
応じて
事前協議
−
【景観アドバイザーとの協議】
意見聴取
景観アドバイザー
合議が必要な場合
意見
渋谷区
景観アドバイザー会議
必要に
応じて
・渋谷区景観計画への適合確認
意見聴取
景観審査会
意見
景観法に基づく届出
行為の着手
行為の完了
行為完了の届出
景観法第 16 条
※景観形成特定地区において、渋谷区景観
条例第 12 条に定める事前協議を要す
る行為のうち、その計画地が渋谷区まち
づくり条例第 19 条に定める「認定まち
づくり協議会」の活動範囲にあるものに
ついては、当該「認定まちづくり協議会」
に対し事前に景観に関する情報を提供
したり、意見を聴取するなど、地域のま
ちづくりへの配慮をお願いします。
〈協議等のイメージ〉
[問い合わせ]
渋谷区 都市整備部 都市計画課 土地利用審査係
〒150-8010 渋谷区宇田川町1-1
TEL 3463-2637(FAX 5458-4915)
8
平成25年3月発行