特集 年末の京都市を駆け抜ける「全国高校駅伝競走大会」への出場権を賭けた県予選大会が10月21日、 県都・秋田市で開かれました。 ■連覇達成! ■雨中決戦 19日夜から断続的に降り続いた雨の影響で当 男子(7区間)は、史上初の大会10連覇を目 日の開催が懸念されましたが、高校生ボランテ 指す秋田工業高校が序盤から他校を引き離し、 ィア等の協力のもと、無事予定どおりの開催と 全区間1位を奪い、大会新記録で15度目の優勝 なりました。 を飾りました。 時折激しく降る雨や強風のため、悪条件での 女子(5区間)は、序盤、昨年初優勝を飾っ レースとなりましたが、初の天皇杯獲得に沸い た大曲高校が花輪高校を追いかける展開となり た「秋田わか杉国体」終了直後とあって、沿道 ましたが、3区で逆転、その後トップを守り抜 には多くのギャラリーが詰めかけ、選手たちへ いて見事連覇を達成し、全国大会への出場切符 大きな声援を送っていました。 を手にしました。 表紙:秋田県特殊教育学校文化連盟文化祭美術展入賞作品 「おいしい秋」 2 北秋田市立鷹巣南小学校 ※昨年度の作品 佐藤一斗さん (当時4年生) 「国際理解講座について考える」 −「生の」人が伝えられること− 全 善(ジョン・キョンソン) 秋田県学術国際政策課 国際交流員 「皆さんにとって韓国はどんなイメージです か?」 出前講座に出かけた際に始めによく投げかけ る質問です。その答えは、「キムチ」「辛い」 「チマ・チョゴリ」 「ヨン様」 「チャングム」 「礼 儀正しい」 「受験熱心」などなど。韓国につい てのイメージが白紙でないのは嬉しいのです が、どうも皆さんの答えは、 「自分の」と言う より「日本での」一般的な韓国のイメージのよ うだと感じました。そこで、去年、私が秋田に 来たばかりのときに最も取り組んだことは、皆 さんにまだ知られていない様々な韓国の文化を 「できるだけたくさん」伝え、皆さんにそれぞ れ自分のイメージを作ってもらうことでした。 しかし、何回も講座を行っていく中で、韓国 についての新しい情報やイメージを伝えること と同じく大事なのが、既に知られている韓国の 文化の裏側を伝えることであるということに気 づきました。表面に見える文化だけではなく、 その文化が生まれた社会背景や歴史など、その 奥にある意味、そして形として現れている文化 の中でも特に韓国人が重視するポイントはどこ であるのかを伝えることの大事さが感じられま した。 このようなことを考えるようになったのは、 特に学校訪問や生徒たちから受けるインタビュ ーからでした。外国人が「生の」声でその国の ことを伝えるということは、まだ幼い子どもや 生徒たちには思った以上に影響力が大きく、断 片的な知識だけを伝えると、時には誤解される こともあります。例えば、 「韓国にはキムチ冷 蔵庫がある」ということだけ教えたら「さすが 韓国人はキムチばかり食べている」と思われた ことがありました。しかし、 「その冷蔵庫の中 には生野菜など鮮度を保ったまま長期保管した いものも多く入れるし、キムチは一回にたくさ ん作って長い時間かけて食べるんだよ」と説明 すると納得してもらえます。 子どもたちにとって私は、 「初めて出会った 韓国人」だと思います。ですから、今私は、せ っかく出会った初めての韓国人として、どこで も得ることができる断片的な知識ではなく、裏 に隠れている韓国のことをできるだけ正しく、 「生の」声ならではの方法で伝えようと取り組 んでいます。また、普段の学習や生活と関連す ることを足がかりにして、その国についての基 本的な情報を国際理解講座を担当する学校の先 生方から与えてもらい、事前に子どもたちの興 味を促すと、短い時間でもとても印象深くて充 実した講座になります。 その国の人と直接交流することで得られるも のの中にも、 「生の」人からしか伝わらないこ とが、考えると他にもっともっとあるのではな いでしょうか。 土崎小学校3年生の子どもたちと一緒に(2006.12.2) 教育あきた11月号 2007 No.682 3 特集 理科支援員等派遣事業 今年度から、退職した教員や大学教員・学生を小学校に派遣し、理 科授業における観察・実験活動をサポートする「理科支援員等派遣事 業」が始まりました。 Qどんな事業ですか? A この事業は、小学校における理科授業の充実のために、外部人材を理科支援員、 特別講師として小学校5、6年生の理科授業に活用することにより、授業における 観察・実験活動の充実と教員の資質向上を図ることをねらいとしています。 本事業は、科学技術振興機構(以 科学技術振興機構(JST) 下JSTと表記)からの委託による 事業です。JSTや各学校と支援員 ・特別講師との連絡・調整を円滑に 行うために教育庁義務教育課内にコ ーディネーターと事務員を配置して います。 教育庁義務教育課 コーディネーター・事務員 各教育事務所 支援員・特別講師 各小学校 Q理科支援員は、どんな支援をするのですか? A ア 観察・実験等の実施の支援 例)○児童に対する観察・実験器具、薬 品等の取扱いに関する助言・援助 ○教員が行う演示実験等の補助 イ 観察・実験等の準備・後片付け ウ 観察・実験等の計画立案の支援や教材 開発の支援 エ 観察・実験方法及び理科授業の進め方 等の提案・助言 理科支援員研修会 (主に退職教員や学生等) Q特別講師は、どんな授業を行うのですか? A 4 学校または教員から求められる内容に応 じ、先端科学技術や研究開発成果等を生かし た、学習事項と社会活動とのつながりを実感 させることができる内容で、演示実験など観 察・実験活動等を含む発展的な内容の授業を 行う。 特別講師による授業 (主に大学教授、企業技術者) Q理科支援員や特別講師を活用する学校はどのようにして決まるのですか? A 県教育委員会では、年度当初に理科支援員の配置や特別講師の派遣について公募 します。希望する小学校は市町村教育委員会を通じて県教育委員会へ配置及び派遣 希望書を提出します。県教育委員会では、理科支援員や特別講師と日程等の調整を 行い、配置校及び派遣日を決定します。 Q今年度活用している学校はどうなっていますか。 A 今年度活用している学校は次のとおりです。 1 理科支援員配置校(19校) 北管内 鹿角市立大湯小学校 小坂町立小坂小学校 三種町立鹿渡小学校 中央管内 秋田市立保戸野小学校 秋田市立勝平小学校 男鹿市立脇本第一小学校 男鹿市立船越小学校 男鹿市立払戸小学校 潟上市立飯田川小学校 由利本荘市立高瀬小学校 にかほ市立院内小学校 南管内 大仙市立刈和野小学校 大仙市立高梨小学校 大仙市立横堀小学校 仙北市立神代小学校 横手市立雄物川北小学校 横手市立福地小学校 湯沢市立山田小学校 羽後町立三輪小学校 2 特別講師派遣校(18校) 北管内 鹿角市立平元小学校 大館市立長木小学校 大館市立上川沿小学校 大館市立成章小学校 大館市立矢立小学校 大館市立南小学校 大館市立東館小学校 大館市立早口小学校 能代市立向能代小学校 八峰町立水沢小学校 中央管内 由利本荘市立鶴舞小学校 由利本荘市立尾崎小学校 南管内 大仙市立内小友小学校 仙北市立角館西小学校 横手市立金沢小学校 横手市立増田小学校 湯沢市立湯沢北小学校 湯沢市立湯沢東小学校 教育あきた11月号 2007 No.682 5 特集 理科支援員等派遣事業 理科支援員 理科支援 理科支援員による実験の支援風景 員による実験 実験の の支援風景 ほら、ここにおしべがあるよ! 顕微鏡の使い方は大丈夫かな? 〈三種町立鹿渡小学校〉 特 別 講 師による授業風景 師 に よる 授 師に 授業風景 業風景 中流の石にはどんな特徴があるかな? 下流になるといろいろな違いがあるね! 〈八峰町立水沢小学校〉 これは生きていると思いますか? それとも、死んでいると思いますか? これを植物だと思う人は手を挙げて ください!はーい・・・ (生きているホヤを使っての演示) 〈由利本荘市立尾崎小学校〉 6 うわーすごい、大きな台風だ! 台風がどんどんつくれるぞ! (ドライアイスを使っての実験) 〈横手市立金沢小学校〉 ☆理科支援員等のより一層の活用を! 今年度からスタートした事業であるため、実際に理科支援員や特別講師が各学校に 出向いて支援や授業を開始したのは8月下旬からでした。現時点では、効果の検証等 は十分であるとは言えませんが、「授業が楽しい」などの児童の感想等から「魅力あ る授業」が展開されていることがうかがえます。また、小学校の教員からは「理科の 専門的な知識をもった支援員が観察や実験をサポートしてくれるので、子どもたちに 充実した観察や実験をさせることができた」「観察、実験の準備や後片付けをしてく れるのでとても助かる」といった感想も聞かれ、この事業が各学校で有効に活用され ていると考えられます。 今年度の理科支援員の配置及び特別講師の派遣は平成20年2月まで、また次年度の 募集は平成20年4月に行う予定です。次年度以降もこの事業の活用を促進し、小学校 の理科授業の充実に取り組んでいきたいと考えています。 教育あきた11月号 2007 No.682 7 ① 豊かな体験活動推進事業 文部科学省委託事業∼体験活動の充実によっ 文部科学省委託事業∼体験活動の充実によ 文部科学省委託事業∼体験活動の充実によって児童生徒の豊かな人間性や社会性をはぐくむ∼ って児童生徒の豊かな人間性や社会性を 児童生徒の豊かな人間性や社会性をは はぐくむ∼ 豊 豊かな体験活動推進事業 かな体験活動推進事業 本県では、子どもたちが豊かな人間性や社会性などをはぐくむための、小・中・高等学校 における、様々な体験活動を充実させるため、文部科学省の「豊かな体験活動推進事業」を 活用し、次のような取り組みを行っています。 体験活動の種類・内容 推 進 校 1 体験活動推進地域・推進校 ◎推進地域 ・北秋田市 ・由利本荘市 北秋田市立鷹巣中央小学校、同鷹巣南中学校、 県立鷹巣農林高等学校 由利本荘市立西目小学校、同西目中学校、県立 西目高等学校 2 命の大切さを学ばせる体験活動 推進校 井川町立井川小学校、仙北市立桧木内小学校、 三種町立山本中学校 3 地域間交流推進校 湯沢市立皆瀬中学校 4 仲間と学ぶ宿泊体験教室推進校 大館市立川口小学校、北秋田市立鷹巣西小学校、 能代市立第五小学校、にかほ市立平沢小学校、 美郷町立六郷東根小学校、八峰町立八森中学校、 能代市立浅内小学校、同渟城南小学校、五城目 町立馬場目小学校、同内川小学校、同大川小学 校、横手市立大森小学校、同白山小学校、同川 西小学校、藤里町立藤里中学校 ※今年度が2年目の学校は明朝体、1年目の学校はゴシック体 今年度から新たにこの事業に取り組んでいる学校の活動の一端をご紹介します。 【命の大切さを学ばせる体験活動推進校】 【井川小学校】 自然や人とのふれあいから、命の大切さに ついて考える機会をもたせるため、花の苗植 え、稲の栽培、高齢大学との交流等を行って います。 【山本中学校】 教育活動の中に命を大切にする視点を取り入れるなど して、自分の生き方を見つめ直すため、花壇作業、農園 植え付け、講話会等を行っています。 老人クラブの方々と苗植え 【桧木内小学校】 自他の命の大切さに気づかせるなどのため、 植物の栽培、動物の飼育、保育園との交流等 を行っています。 車椅子のロードレーサー渡辺幸哉さんの講話会 <生徒の感想> 農家の方と一緒に普通の稲と古代米をスギッ チの形に田植え 8 講話会で学んだことの一つ目は「夢をもつこと」、 二つ目は「前向きな気持ち」です。僕にはたくさん 夢があるので、その夢に向かって努力を忘れないよ うにしたいです。また、自分の失敗も笑顔で話せる ような前向きな気持ちをもち続けたいです。 【仲間と学ぶ宿泊体験教室推進校】 【渟城南小学校】 友達を思いやる心や奉仕の心等、ともに生きるための豊かな 心や態度を育てるため、畑づくりや宿泊体験活動を行っています。 <児童の感想> 宿泊体験二日目はカヌーで遊びました。 右にこぐと左に動くし、左にこぐと右に動くし、オー ルを上手に使えなくて、なかなか元に戻れませんでした。 林の方にぶつかったり、友達のカヌーにぶつかったりし ました。川の深さが2メートルぐらいあったので、絶対 落ちないぞという熱い気持ちでがんばりました。思うよ うにならないことの大変さをカヌーで体験しました。 【馬場目小学校・内川小学校・大川小学校(三校合同)】 三校合同で、ともに生きるための知恵や豊かな情操等をはぐくむため、宿泊体験、ヘリコプター搭乗、スポーツ交 流、野外活動等を行っています。 ヘリコプター搭乗 地引き網体験 七宝焼き <児童の感想> ぼくは、地引き網でどんな魚がとれるか楽しみだった。綱が重いということは分かっていたが、思っていた以 上に重くて、まるで誰かと綱引きをしているようだった。 <保護者の感想> ヘリコプター搭乗も演劇も初めての体験だったのですごく楽しかったようです。体験させることの大切さを改 めて感じました。 【大森小学校・白山小学校・川西小学校(三校合同)】 他校の児童との交流活動を通じて、共同生活体験をしながら友情の輪を広げ、規律を守ろうとする気持ちや、自立 心を高める等のため、合同の宿泊体験活動や職場体験活動等を行っています。 プロジェクトアドベンチャー うどんづくり みんなで記念写真 <児童の感想> うどんづくりやプロジェクトアドベンチャーをみんなで協力して、みんなと仲良くなりました。テレビも何も ない自然の中で、学校でできない体験ができてうれしかったです。 ※浅内小学校と藤里中学校は年度後半からの活動を予定しています。 ★ 今回紹介した学校の様子を参考に、自校の取り組みに反映させてみてはいかがでしょうか。 また、これらの体験的活動は、県内の少年自然の家等のプログラムに盛り込まれているものも あります。休日に、家族みんなで体験的活動に参加するのもおもしろいですよ。 教育あきた11月号 2007 No.682 9 ② 海外日本人学校派遣教員による座談会 海外で活躍する 海外で 海外 で活躍 活躍す する 秋田 秋田の教師たち 秋田の の教師 教師た たち ∼ 平成18年度末帰国 平成18 平成 18年度末帰国 年度末帰国 在外日本人学校派遣教員による座談会から 在外 在外日 日本人学校派遣教員 本人学校派遣教員に による座談会か 座談会から ら∼ ○美郷町立六郷中学校 教諭 青池 恵舟 (ドイツ:ミュンヘン日本人国際学校) ○由利本荘市立本荘南中学校 教諭 佐々木 智 (台湾:台中日本人学校) 平成19年3月まで海外の日本人学校に赴いていた方々に、現地の教育事情やその成果等を話し合って いただき、海外子女教育の現状などをご紹介します。 日本人学校の様子 司 会: 勤務していた日本人学校の規模などに ついてお話しください。 青 池: ミュンヘン日本人国際学校の児童生徒 数は140名で、小学部、中学部ともに各 学年1クラスから成り、全部で9クラス です。在籍者数は、1年のうち4月が一 番多く、在籍者の大半が滞在期間1∼3 年の日本企業の子弟のため、保護者の転 勤や高校受験の関係などで、年度途中に 減っていきます。職員は日本からの派遣 教員15名のほか、現地採用教員、現地ス タッフ13名が働いていました。その中に は清掃員もおり、ふだん子どもたちが清 掃をすることはありません。 青池教諭 佐々木: 台中日本人学校では小学部、中学部合 わせて134名の児童生徒が在籍し、各学 年1クラスから成り、全部で9クラスで す。職員は日本からの派遣教員14名のほ か、現地採用教員、現地スタッフ6名が 働いていました。保護者の国際結婚率が 高く50%を越えます。 特色ある教育活動 司 会: 各校の特色ある教育活動を紹介して ください。 青 池: ミュンヘン日本人国際学校の特色とし ては、小学部で週6時間、中学部で週4 10 時間のドイツ語の授業がバイエルン州に より義務づけられていることです。その 授業時間は、総合的な学習の時間や選択 学習を振り替えて確保していますが、小 学部は時間確保のため、1年生から6校 時限の日があります。また、もちつきや 節句等、特色ある日本の行事はなるべく 学校行事として取り入れるようにしてい ました。特別活動として、小学部5・6 年生は2泊3日の宿泊学習、中学部1∼ 3年生は学年ごとにそれぞれオーストリ ア・スイス・フランスに分かれてユース ホステルに宿泊しながら修学旅行に出か けていました。 地元校との交流は各学年ごとに、年間 2回程度実施しています。 佐々木教諭 佐々木: 台中日本人学校でも在外施設というこ とで、中国語(北京語)の授業を小学部1 年生から中学部3年生まで取り入れてい ます。国際結婚家庭の比率が高く、中国 語を日常会話として使っている子もいる ので、中国語の授業は習熟度別に分けて 少人数で実施しています。また、英語の 授業については、小学部5・6年生で週 1時間実施しています。学力向上に対す る保護者の期待は大きく、小学部5年生 以上は授業が7校時まであり、教科担任 制を採っています。 日本文化を大切にということで、鯉の ぼりや七夕などの集会が学校行事として 設けられていました。 地元校との交流は、凧作りや相撲など の日本文化と中国音楽をお互いに紹介し 合う機会がありました。また、小学部6 年生が修学旅行で台湾原住民パイワン族 の学校(三地国民小学)を訪問して運動会 に参加したり、しおり作りをしたりとい う交流を行っています。 文化祭「英語ミュージカル ライオンキング」 ∼ミュンヘン日本人国際学校中学部∼ 秋田県の教育に生かせること 修学旅行で三地国民小学の運動会へ参加 ∼台中日本人学校小学部6年生∼ 日本人学校の教員として努力したことは 司 会: 日本人学校の教員として、自分なり に努力したことはどんなことですか。 佐々木: 3年間小学部の担当でしたが、児童数 が少人数であるというメリットを生か し、基礎基本の定着に重点を置いた細や かな指導ができました。 また、6年生の修学旅行においては、 日本語の得意な台湾原住民のルバルバお ばさんと交流をもって、現地理解の教育 活動に取り組んできました。 青 池: 部活動や補習など、子どもたちのため に必要だと思う活動を取り入れることが できました。また、保護者とコミュニケ ーションをよくとり、その願いを把握す るように努めました。 日本人学校の課題 司 会: 日本人学校の課題はどんなことだと 感じましたか。 佐々木: 学校規模が小さいので子どもたちが人 にもまれる機会が少なく、視野が狭くな りがちです。そのかわり、生徒指導上の 問題はほとんどありませんが・・・。ま た、海外なので適切な教材が少なく個の レベルに応じた指導という点で難儀をし ました。 青 池: 日本の高校へ進学するための情報収集 が難しかったです。また、中学部3年生 を担任した時、生徒が減って最後はクラ スに一人という状態になってしまい、授 業での話し合いが成立せず困ったことが ありました。 司 会: 秋田県の教育に生かせることは、どの ようなことがありましたか。 佐々木: 海外在住の日本人のがんばりにもよる ところが大きいのですが、台湾での日本 人に対する評価は、時間や約束を守る、 責任感があるなど好意的でした。海外か ら見た日本人のよさを伝えていけたらと 思います。 青 池: 海外に行くと日本のよさが見えてきま す。日本人、日本文化を再認識しました。 それを今後伝えていきたいと考えていま す。 日本人学校を希望する先生方へ 司 会: 日本人学校の教員に求められているこ とは、どのようなことですか。今後、日 本人学校を希望する教員へのアドバイス という観点で教えてください。 青 池: 子どもたちのために自分がやりたいこ とに全力を注ぐことができました。特に 自分の裁量で企画してできることが多い と思います。 また、他県からの力量の高い教員から 学ぶこともたくさんありました。 佐々木: 純朴で素直な子どもたちのためにがん ばろうという気持ちになりました。海外 にいることで不安な気持ちでいる子ども たちのためにできることはたくさんあり ます。やり甲斐のある仕事だと思います。 また、他県からの派遣教員との交流や 協力を通して、深くつきあい、お互いに 吸収し合うことがたくさんあります。刺 激をもらうことで、新たな自己を発見で きると思います。 司 会: 今回の派遣の体験を生かし、今後、皆 さんには国際理解教育の核となってがん ばっていただきたいと思います。様々な 体験を学校の子どもたちや同僚に、また、 地域にも還元していただきたいと思いま す。本日はどうもありがとうございまし た。 教育あきた11月号 2007 No.682 11 施設 秋田県立農業科学館 農業科学館は、秋田県の農業の過去・現在・未来 について、科学の目を通して楽しく学びながら、英 知と感性を養う学習の場として設置されています。 農業や自然について、楽しく学ぶことができるよ うに、多様な施設やいろいろな企画展、園芸教室、 おやこ自然教室、セカンドスクール体験プログラム などを用意しています。家族での憩いの場、学校の 体験学習などに、気軽にご利用いただけます。 施設紹介 初夏と秋、100種200株の花々を楽しめます。 【第一展示室】 【曲屋】(国の登録有形文化財) 【熱帯温室】 【果樹園・樹木園】 【炭焼き小屋】 【やすらぎ広場】 機械化される前の四季の農作業や、いろいろな行 事を模型などで紹介しています。 約300種の熱帯・亜熱帯植物の花や果実を、四季 を通じて楽しめます。 白炭と黒炭の炭焼き作業の見学と、炭出し作業の 体験ができます。 12 【バラ園】 明治時代の家屋を移設したもので、往時の農家の 生活を見ることができます。 リンゴ、ナシなどの果物やブナ、コナラ、サクラ などいろいろな樹木を観察できます。 広い芝生の広場で、ピクニックやなべっこ遠足、 グラウンドゴルフ等に利用できます。 9月22日(土)に、 「食・農業体験コーナー」、 「秋田の新品種紹介」、「研究機関等紹介」、「イネ を科学する」の4つのコーナーを新設し、リニ ューアルオープンしました。 これまでの「見る展示室」から、「食や農業に 関する実演を見たり・体験できる展示室」、「農 林業の最新の情報を知る展示室」へと変わりま した。 10月8日の科学館まつりには、名人 高橋邦弘 氏のそば打 ち実演に多数の見学者が詰めかけ、名人の技と打ちたての そばの味を堪能しました。 【食・農業体験コーナー】 そば打ち、豆腐作り、もちつきなどの食に関する 実演・体験や、洋ランの無菌栽培など、農業に関 する学習ができます。 【イネを科学する】 イネの生長過程と米の利用について学習できます。 【秋田の新品種紹介】 秋田で開発された米、野菜、果樹などの新品種を 紹介します。 【研究機関等紹介】 秋田県の農業試験場、果樹試験場、県立大学など の研究成果を紹介します。 セカンドスクール的利用のプログラムが充実! 平成18年度に、セカンドスクールについての外部評価 の結果を踏まえ、より利用しやすくなるよう学習内容を改 善し、体験プログラムや学習支援も充実させました。平成 19年度は、104校、3,551名(10月13日現在)の利用 があり、大盛況です。 特に好評を得ているのは、「むかしの農業、むかしのく らし、米や稲作(小学校4・5年)」、「春のハイキング (小学校1・2年)」、 「リンゴの収穫」などです。詳しくは、 当館ホームページをご覧ください。 http://www.akita-c.ed.jp/~mus-agri/ 野菜の苗を植えて、特徴や栽培について学ぶ 児童たち。 ※「サン・アグリン」…リニューアルオープンに合わせ、公募の中から選ばれた愛称で、農業(アグリ) に欠かすことのできない太陽(サン)を、小さな子どもに親しみやすい感じにしました。 教育あきた11月号 2007 No.682 13 「秋田わか杉国体」天皇杯獲得!! 9月29日から10月9日までの11日間、県内各地で熱戦が繰り広げられた第 62回国民体育大会「秋田わか杉国体」は、地元県民の大声援にも後押しされ 見事男女総合1位に輝き、初の天皇杯を獲得しました。 このページでは、県勢として今大会最初の優勝を勝ち取り、天皇杯獲得に向 け大きな弾みをつけてくれた「少年女子なぎなた」競技など、高校生を中心と して参加した少年男子・女子の成績上位競技をご紹介します。 【団 体】 <なぎなた> 少年女子演技【1位】大曲高 同試合【5位】大曲高 <水泳(水球)> 少年男子【6位】秋田選抜 <ボート> 少年女子舵手つきクォドルプル【2位】由利高 <ホッケー> 少年男子【5位】秋田選抜 少年女子【5位】羽後高 <バレーボール> 少年男子6人制【7位】雄物川高 少年女子6人制【3位】秋田選抜 <体操(新体操)> 少年男子【3位】秋田選抜 少年女子【1位】秋田選抜 <バスケットボール> 少年男子【1位】能代工高 少年女子【5位】秋田選抜 <セーリング> 少年男子セーリングスピリッツ級【2位】本荘高 <ハンドボール> 少年男子【3位】秋田選抜 少年女子【3位】秋田選抜 <フェンシング> 少年男子フルーレ【1位】秋田選抜 <柔道> 少年女子【5位】秋田選抜 <ソフトボール> 少年女子【5位】秋田選抜 <バドミントン> 少年女子【5位】秋田選抜 <弓道> 少年女子近的【7位】秋田選抜 <剣道> 少年男子【1位】秋田選抜 少年女子【1位】秋田選抜 <ラグビーフットボール> 少年男子【2位】秋田選抜 <山岳> 少年男子縦走【2位】秋田選抜 少年女子縦走【2位】秋田選抜 <カヌー(FWR)> 少年男子カヤックペア(500m)【1位】秋田選抜 同(200m)【1位】秋田選抜 <アーチェリー> 少年女子【8位】秋田選抜 <銃剣道> 少年男子【3位】秋田選抜 <自転車> 男子チーム・スプリント【7位】秋田選抜 男子4km団体追抜競走【5位】秋田選抜 14 【個 人】 <陸上競技> 少年男子A100m【3位】今泉真人(鷹巣高) 同400m【5位】今泉真人(鷹巣高) 少年男子B3000m【6位】田口大貴(秋田高) 少年男子共通5000m競歩【1位】長岩大樹(秋田工高) 少年女子A100m【4位】小澤はるか(大曲高) 同三段跳【8位】栗林博(増田高) 同砲丸投【8位】伊藤彩香(横手高) 少年女子B100mハードル 【2位】相馬絵里子(和洋女子高) 同800m【5位】渋谷璃沙(八幡平中) <水泳(競泳)> 少年男子A400m自由形【5位】石田義樹(秋田商高) 少年女子B100m平泳ぎ【2位】小林明日香(山王中) <ボクシング> 少年男子ライトフライ級【5位】高梨和馬(西目高) 同フライ級【5位】佐々木明(金足農高) 同フェザー級【3位】関俊吾(金足農高) 同ミドル級【5位】三浦浩貴(西目高) <レスリング> 少年男子フリースタイル55㎏級【2位】利部裕(秋田商高) 同フリースタイル66㎏級【5位】伊藤晃平(秋田商高) 同フリースタイル74㎏級【2位】桑原一直(秋田商高) 同フリースタイル84㎏級【3位】佐藤良樹(秋田商高) 同フリースタイル120㎏級【2位】齊藤信之介(明桜高) 同グレコローマン50㎏級【2位】菅原嶺人(秋田商高) 同グレコローマン60㎏級【3位】小林雄平(秋田商高) 同グレコローマン96㎏級【3位】菊地匠(秋田商高) <ウエイトリフティング> 少年男子85kg級スナッチ 【3位】菊地雅史(男鹿海洋高) 同85kg級クリーン&ジャーク 【3位】菊地雅史(男鹿海洋高) 同105kg級スナッチ【7位】藤原和朋(能代工高) 同クリーン&ジャーク【5位】藤原和朋(能代工高) 同+105kg級スナッチ【6位】川村祐介(金足農高) 同+105kg級クリーン&ジャーク 【6位】川村祐介(金足農高) <馬術> 少年女子馬場馬術競技【5位】草薙真友子(角館高) <カヌー(FWR)> 少年女子カヤックシングル200m 【2位】小野祐佳(本荘高) 同カヤックシングル500m【2位】小野祐佳(本荘高) <空手道> 少年男子組手個人戦【5位】石塚錬(男鹿工高) 少年女子形個人戦【5位】秋元毬菜(能代商高) 同組手個人戦【4位】門間千紘(秋田工高) ☆文化財保護室☆ TEL 018-860-5192 『第31回秋田県民俗芸能大会」 11/17(土) 《会場:由利本荘市西目公民館 「シーガル」》 県内各地に伝わる民俗芸能を ご覧になりませんか?秋田市 の山谷番楽ほか6団体が出演。 入場は無料です。どなたでも ご覧いただけます。 ☆生涯学習センター☆ TEL 018-865-1171 <主催事業> 『発展・日中友好ゼミ』 12/7(金)∼12/21(金) 毎週金曜日(全3回) 中国甘粛省から来秋した交流 員が、最新の中国考古学事情 等について講演。 ☆青少年交流センター☆ TEL 018-880-2301 <主催事業> 『青少年団体スタッフセミナー』 12/15(土)∼12/16(日) 《会場:あきた白神体験 センター(八峰町)》 ハタハタ産卵学習ほか、海 浜型施設を活用した体験活 動の研修及び情報交換等。 ☆近代美術館☆ TEL 0182-33-8855 <企画展> 『秋田の現在Ⅱ 美の継承 −新制作協会の作家たち−』 11/3(土)∼12/24(月) 新制作協会で活躍する県内 作家たち4名の作品を紹介 し、秋田の美術界の現況を 見つめる。 ☆県立博物館☆ TEL 018-873-4121 <企画展> 『秋田の手しごと その弐』 12/8(土)∼4/13(日) 今ではあまり見られなくな った秋田の手しごとの中か ら、漆工と金工を紹介。 ☆岩城少年自然の家☆ TEL 0184-74-2011 <主催事業> 『岩城創作工房』 12/22(土) 親子でもちつきをして「か がみもち」づくりを体験し よう! ☆農業科学館☆ TEL 0187-68-2300 <企画展> 『秋の洋ラン展』 11/23(金)∼11/25(日) カトレアやコチョウランなど、 色とりどりの洋ランを紹介。 栽培相談も実施。 ☆県立図書館☆ TEL 018-866-8400 <県立図書館音楽セミナー> 『秋田の歌と県民歌を 語ろう、歌おう』 第1回:12/13(木) 第2回: 1/10(木) 第3回: 2/14(木) 講師:秋田大学名誉教授 佐々木久春 二期会会員 土崎宏人 ☆保呂羽山少年自然の家☆ TEL 0182-26-6011 <主催事業> 『チャレンジ! スノーキャンプ』 1/12(土)∼1/13(日) かんじきハイキングや雪上 キャンプなど、冬ならでは の体験を楽しもう! 15 大会旗を大分 県へ引き継ぎ、 グランド フィナーレ
© Copyright 2024 ExpyDoc