開本 亮 - 神戸大学連携創造本部

オープン戦略とクローズ戦略
インテルを事例として、日本の製造業を考える。
神戸大学 連携創造本部
2014.12.20
知的財産部門 開本 亮
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インテルインサイドモデル(1)
(基幹部品主導型モデル)
日本の半導体産業は、現在「絶滅寸前」状態・・・
インテル社(半導体企業)は、
過去世界首位、現在TSMCに次いで2位
⇒ その秘密は、知財マネジメントを踏まえた
ビジネスモデルにあるのではないか。
そのポイントは
① 基幹部品の秘匿化による参入障壁化 クローズ戦略
② 基幹部品用の「中間システム」の普及 オープン戦略
③ 国際分業による途上国の生産力利用 オープン戦略
2014.12.20
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インテルの「インサイドモデル」
① 基幹部品の秘匿化による参入障壁化 クローズ戦略
部品
部品
部品
部品
モジュラー
標準化
部品
CPU
部品
部品
独自技術化
CPU
インテグラル
部品
インテグラル
部品
標準化
部品
部品
~1990年代初
インテグラル型
2014.12.20
部品
1990年代半ば~
内インテグラル、外モジュラー
3
内クローズ、外オープン 3
インテルインサイドモデル
② 基幹部品用の「中間システム」の普及 オープン戦略
実は、基幹部品であるCPU
やその他チップだけでは、パ
ソコン製造は、必ずしも容易
ではない!
⇒ 「マザーボード」を
中間システムとして規格化。
⇒ 「マザーボード」を利用す
れば、パソコン組み立て
は非常に簡単になる。
マザーボード
2014.12.20
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インテルインサイドモデル
③ 国際分業による途上国の生産力利用 オープン戦略
インテルは、自社MPUが載ったマザーボードの製造ノウハウ
を台湾マザーボードメーカーに提供し、自社MPUを販売した。
台湾マザーボードメーカーはこれにより、最新のインテル
MPU搭載マザーボードを大量安価に製造した!
パソコンメーカーが多数誕生、廉価パソコンが大量普及
・価格が下がると、「一人一台、企業では一人複数台」状況に
・新興国にも市場拡大
⇒パソコンがプレミアム製品からコモディティ(汎用品)に
⇒パソコン完成品の差異がなくなる(「ウィンテルならOK!」)
(部品が完成品を従属させたモデル)
⇒‘インテル入ってる’(部品ブランドが完成品ブランドを強化)
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