エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン・トレーニングセンター 2015 訓練の概要とシミュレーター訓練 1 日本におけるヘリコプター事故の傾向 平成 13 年~25 年に発生した航空事故及び重大インシデント統計(2013 年 12 月発行運輸安全委員会ダイジェスト等より) 運航目的別事故件数 運用者割合 事故原因区分別件数 送電線等必要なも のが発見できない 人的要因区分別件数 気を取られたこと 等による 思い込み、憶測等 注意不足、確認省略、 粗雑な作業等 注意灯や注意 事項を軽視等 発見失敗 人的要因の例 判断エラー 鉄塔及び送電線が背景に溶け込み、それら の発見が難しかった 環境的要因の例 引き返し又は目的地変更等について安全の確保 を優先した判断を行わなかった 行動エラー ・ラダーペダルの踏み込みが不足した ・進行方向に意識が向き、同機の近傍に対する注意配分が不足した ・事前に事故現場付近の障害物等の確認を地上からも上空からも実施しなかった ・夜間、降雨による視程低下 ・後方からの強い突風 ・霧による視界制限状態 ヘリコプター事故の約 8 割が 人的要因により発生 (うち行動エラー約 3 割) 事故分析官のひとこと ヘリコプター事故においては、注意不足や不適切な操縦操作といった人的な要因が目立ちますが、一方で、自然現象や業務体制といっ た、他の要因についても複合的に関与して事故が発生しているケースが多く見受けられます。 ヘリコプターの運航目的は多岐に渡りますが、操縦士自身の技能向上や万全な機体整備体制の確立もさることながら、天候の変化や機 材の不具合に適切に対応するための訓練の実施、さらには、緊急連絡体制の確立など多角的な事故防止策が望まれます。 ヘリコプターエアマンシップ エアマンシップとは、正しい判断力、確固たる知識と技術、そして飛行目的を完遂する心構えを常に持ち続けるパイロット精 神です。EHAST(European Helicopter Safety Team)によると、過去の事故統計より以下の要因が事故と因果関係がある と報告されています。 ・不適切な判断及びリスク分析と評価 ・不十分なミッションの計画 ・自己の限界と能力に対する過信 ・経験不足 ・天候や風に対する不十分な配慮 ・手順の不遵守 ・不適切なコントロールやハンドリング ・マニューバー終了の適切なタイミング逸失 ・悪天候による低視程、不意の IMC 状態との遭遇 ・法規や標準手順の無視 これらの要因はエアマンシップに関わるものがほとんどです。事故を寄せ付けないためには、幅広い知識の習得、万全な 飛行準備、継続的な訓練を行い、自己満足に陥らないように日々研鑽を怠らないことが重要です。 2 エアバス・ヘリコプターズの安全哲学 エアバス・ヘリコプターズにおいて、製品とサービスの安全は、常にそして今後も、 不変の第一優先事項です。 毎日、数千人の方々がエアバス・ヘリコプターズ製ヘリコプターでフライトされてい ます。その方々の安全はエアバス・ヘリコプターズの最優先事項であり、世界中の 全社員が日々、製品とサービスの安全に貢献しています。安全性の基準を高め続 け、サプライヤーに対してもそれを要求し、お客様とその文化を共有しています。 エアバス・ヘリコプターズはビジネスの最重要事項として、安全を最優先すること を誓います。 ヘリコプター特有の過酷な運用環境 ヘリコプターは限界重量や限界性能での過酷な環境で運用することが多く、また山岳地でのミッションであれば、地形と 風による影響や乱気流に対する対処が必要となるため、このような性能上の余裕が少ない時にいくつかの事故が起こって います。運用高度が比較的低いヘリコプターで緊急状態が生じた場合、機体を安定させながら迅速な判断と適切な操作が 要求されるため、急激にワークロードが増大します。 このような状況下では、落ち着いて対処すれば、余裕を持って危機回避できたにもかかわらず、「注意力の散漫」「間違っ た認識」「不適切な操作」により、事故への連鎖を断ち切れない状況になりがちです。 航空事故発生による社会的インパクト 航空事故が発生した場合、組織的及び社会的に多大な損失が発生します。 そして、一度失われた損失を取り戻すためには膨大な時間と労力がかかります。 航空事故防止のための対策 ヒューマンエラーによる事故を防止するためには、ヘリコプター特有の危険要素を正しく認識し、普段からの備えが重要 に な っ て き ま す 。 そ の た め に は 事 故 原 因 を 分 析 し た 上 、 安 全 に 対 す る 認 識 を 組 織 レ ベ ル で 共 有 し 、 CRM(Cockpit Resource Management)の観点により、想定される過酷な状況下での運用や異常事態へのシナリオによる対処訓練が必 要となります。 エアバス・ヘリコプターズのトレーニング実績 エアバス・ヘリコプターズは、世界各地に訓練施設を作り、訓練を受けやすい環境を世界規模で提供することを目標として います。 1.主なトレーニング実績(年間) ・操縦士訓練 4,000 名 ・整備士・アビオニクス訓練 5,000 名 ・飛行訓練 10,000 時間 ・フル・フライト・シミュレーター訓練 27,000 時間 2.21 基のフル・フライト・シミュレーター(FFS) ・訓練効率の向上、コストの削減を促進 ・世界各地に異なる機種のフル・フライト・シミュレーターを広く配備 3.世界各地に 25 カ所のトレーニングセンター ・世界各地に 500 名以上の訓練専門家を配置 ・顧客の要望に合わせてカスタマイズされた操縦士と整備士の学科・実地訓練 ・フル・フライト・シミュレーターやマルチメディア教材を駆使した先進的な訓練を提供 ・JAR FCL2, EASA Part 147, FAA, NAAs または軍隊等の法規に準拠 ・ナイトビジョンゴーグル、山岳飛行、安全とサバイバル、サーチアンドレスキュー、ヘリデッキ着陸等の特別な需要に対応 3 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンのサポート&サービス トータルサポート エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンは、フランス・ドイツ・スペインに拠点を置く、民 間・官公庁市場において世界 No.1 のヘリコプターメーカーである、エアバス・ヘリコ プターズの日本支社です。 ヘリコプターの販売からアフターサービスまで、一貫したサービス、ソリューションを ご提案しており、日本の民間・官公庁向けタービンヘリコプターの約 54%のシェアを 有しています。 外資系航空機メーカーとして唯一、総合的なサービスを提供し、メーカー直営なら ではの的確・迅速な対応と卓越した技術力にご好評をいただいています。 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンター 世界で 22 番目のトレーニングセンター認定 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンターは、エアバス・ヘリコプターズの認定を受けた世界で 22 番目のト レーニングセンターとして 2012 年に神戸空港事業所内に設立されました。 2012 年 06 月:フランス本社による初回認定監査合格 2012 年 10 月:トレーニングセンター認定証受領 トレーニングセンターの施設 1 階 シミュレーター室 2 階 クラスルーム・デブリーフィングルーム・AVTルーム EC135 モック アップ EC135 フル・フライト・ 神戸空港事業所格納庫 教室フロアプラン シミュレーター クラスルーム AVT ルーム EC135 モックアップ EC135 フル・フライト・シミュレーターコックピット デブリーフィングルーム 食堂 4 ラウンジ テラス ヘリコプターメーカーによる訓練のメリット エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンターは、エアバス・ヘリコプターズ製のヘリコプターを運航する日本の 操縦士・整備士の皆様に、ヘリコプターメーカーならではの経験と最新の技術を活かした、世界標準の訓練を提供するため に設立されました。 エアバス・ヘリコプターズは、世界中で幅広く活躍する民間および軍の多様なミッションに対応する訓練プログラムを長年 にわたり開発してきました。その実績の中で培った高度な訓練ノウハウをもとに、日本の制度や運航事情に合わせてアレン ジしたプログラムをご用意しています。 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンターでは、エアバス・ヘリコプターズの認定を受けた教官が最新鋭の 教育教材を使用して、日本語による学科及び実技訓練を、お客様のご要望に合わせて、神戸空港、お客様のベース、海外 のエアバス・ヘリコプターズグループ拠点にてご提供しています。 ヘリコプターの構造を熟知したメーカーの教官によるヘ エアバス・ヘリコプターズ本社からの最新の技術情報 リコプターの性能を最大限引き出すための訓練 エアバス・ヘリコプターズグループの海外施設と提携 フル・フライト・シミュレーターやマルチメディア教材等、 することにより、お客様のご要望に応じて訓練場所を 最新の訓練設備による効率的な訓練 フレキシブルに選択可能 JCAB の基準に合った訓練を、お客様のご要望に合わ 認定事業場 修理改造部門からのハイレベルで実践 せてオーダーメイド可能 的な技術情報の提供 日本人教官による日本語による教育 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンターの提供する訓練 訓練コース提供の開始 操縦士・整備士を対象に、航空局の実地試験受験、実地試 験受験準備、ガイドライン訓練、学科訓練、実技訓練等の標準 コースを設定し、トレーニングセンターのリソースを効率よく運 用し、より多くのお客様に、体系的で高品質な訓練をご提供で きる体制を整えています。 訓練は原則として神戸空港のトレーニングセンターにおいて、 マルチメディア教材、フル・フライト・シミュレーター、モックアップ 等を用いて行いますが、お客様のベースでの訓練、お客様の 実機を使用した訓練、標準コースに設定のない海外訓練、海 外施設における JCAB 本邦外実地試験受験等お客様のご要 望に合わせたオーダーメイド訓練にもご相談に応じます。 シミュレーター訓練 海外訓練(実機) 5 モックアップ訓練 操縦士訓練コースと適用機種 *SIM =フル・フライト・シミュレーター(神戸空港または海外) *実機による飛行訓練は、お客様にご用意いただいた機体でのみ対応可能です。 コース名 訓練内容 EC225 EC155 AS365 ○ ○ EC135 AS350 型式限定変更 学科/SIM/お客様実機 等級限定変更 学科/SIM/お客様実機 計器飛行証明 学科/SIM/お客様実機 ○ ○ ○ 限定変更 受験準備 (型式・等級) 学科/SIM ○ ○ ○ ○ 学科のみ ○ ○ ○ ○ JCAB ガイドライン 学科/SIM/お客様実機 ○ ○ 学科のみ ○ ○ 型式内移行 ○ 学科/AVT/SIM/お客様実機実機 ○ ○ ○ ○ 学科のみ ○ ○ ○ ○ 計器飛行技量維持 学科/AVT/SIM ○ ○ ○ ○ ○ 非常操作 学科/SIM ○ ○ ○ ○ ○ CAT-A 運航 技量維持 学科/お客様実機 オーダーメイド訓練 JCAB 特定操縦技能審査、使用事業査察支援等、上記に記載のないコースはご相談下さい。 ○ 整備士訓練コースと適用機種 コース名 訓練内容 一等航空整備士 型式限定変更 学科/お客様実機 学科/お客様実機 二等航空整備士 学科/SIM/お客様実機 受験準備 学科のみ JCAB ガイドライン 整備実技 EC225 EC155 AS365 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ EC135 AS350 ○ ○ ○ 学科/SIM/お客様実機 ○ ○ 学科のみ ○ ○ ○ 学科/モックアップ リフレッシュ 学科のみ オートパイロット 学科のみ オーダーメイド訓練 上記に記載のないコースはご相談下さい。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ トランジション訓練(飛行機→回転翼航空機) 飛行機から回転翼航空機に移行する操縦士・整備士訓練についてもご相談下さい。 海外施設における訓練 日本のコースに加え、海外のエアバス・ヘリコプターズ訓練施設を利用した、バラエティに富んだ高品質の操縦士・整備 士訓練を提供しています。フランス、ドイツ、アメリカ、シンガポール、イギリス、マレーシア等のフル・フライト・シミュレーター を利用した操縦訓練や各種整備訓練コースより選択することが可能です(通訳も合わせて手配可能)。 海外施設における本邦外実地試験受験 海外施設のフル・フライト・シミュレーター、モックアップを利用して、またはお客様の実機領収に合わせたタイミングで、航 空局試験官による実地試験を海外で受験することが可能です。詳細はお問い合わせください。 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン トレーニングセンターは、お客様の安全に対する組織的な取り組みを支援いたします。 エアバス・ヘリコプターズは事故防止のために、日夜、技術的・整備的な改善に励むとともに、事故原因の 80%以上を占 める運航上の原因を撲滅するために、世界各国にトレーニングセンターを配備し、訓練の重要性を啓蒙しています。安全対 策には、現場だけでなく組織的な取り組みが重要です。現場の運航者を対象とした直接的な訓練の他に、管理者または運 航管理者向けの研修またはセミナーなどもご相談下さい。 社 援 支 成 作 ム ラ グ ロ プ 練 訓 の 内 社 援 支援 成支 作成 ム作 ラム グラ ログ プロ 練プ 訓練 の訓 内の 社内 長 案 提 画 計 練 訓 期 長 案 提案 画提 計画 練計 訓練 期訓 長期 特 援 支 査 審 能 技 縦 操 定 特 援 支援 査支 審査 能審 技能 縦技 操縦 定操 特定 使 援 支 察 査 業 事 用 使 援 支援 察支 査察 業査 事業 用事 使用 安 催 開 の ー ナ ミ セ 全 安 催 開催 の開 ーの ナー ミナ セミ 全セ 安全 回 修 研 識 知 礎 基 航 運 翼 転 回 修 研修 識研 知識 礎知 基礎 航基 運航 翼運 転翼 回転 管 修 研 け 向 者 理 管 修 研修 け研 向け 者向 理者 管理 お 援 支 た じ 応 に 望 要 ご の 様 客 お 援 支援 た支 じた 応じ に応 望に 要望 ご要 のご 様の 客様 お客 6 トレーニングホイール (エアバス・ヘリコプターズの考える効果的なトレーニング) トレーニングホイールは、エアバス・ヘリコプターズの考える効果的な訓練プロセスです。技術の発達とともに機体が複 雑・高度化するにつれて、学科と実機のみの訓練では、技術の習得が困難となりつつあります。 複雑なシステムの説明に、エアバス・ヘリコプターズの開発したビジュアル化重視の電子教材等を訓練コース内に適宜 導入することにより、訓練生の時間及び費用的負担を軽減し、限られた期間内での知識・技能の定着度を高めることが可 能となります。 エアバス・ヘリコプターズの先進的教育教材 トレーニングマニュアル(THM/THB) トレーニングマニュアル(THM/THB)は、機 体の構造やシステムをフルカラーの図解を 多用して、複雑な系統図などを、わかりや すく解説したテキストです。 (EC225/EC155/AS365/EC135/AS350) CAI (Computer Aided Instruction) ヘリコプターの諸系統及びアビオニクスの作 動を、オーディオや動的にビジュアル化した ソフトウェアを用いて、教官が学科講習を行 います。 (EC225/EC155/AS365/EC135/AS350) WBT (Web Based Training) CBT (Computer Based Training) 海外訓練実施前に、Web 上で機体の諸系 統などを自習で きるソフトウェア(英語の み)。図解と音声による解説により、進度を 確認しながら学習できます。 (EC135WBT[Web]/AS350CBT[CD 版]) EC135 アビオニクストレーナー (AVT) EC135 モックアップ EC135 のエンジンや MGB、テールアッセンブリー等のモックアップを用意しています。多様な スペシャルツールを使用した、実技作業訓練が可能です。 7 EC135 コックピット慣熟トレーナー。エンジ ン始動停止や非常操作手順、IFR 運航、地 上試運転、GPS 操作等の訓練が操縦士・ 整備士ともに可能です。 EC135P2+ フル・フライト・シミュレーター(神戸) EC135 P2+のフル・フライト・シミュレーターが 2014 年 4 月に、神戸空港事業所内 トレーニングセンター に導入されました。 エアバス・ヘリコプターズグループ内 EC135 シミュレーターで最高レベルの Level C の仕様です。シミュ レーターの活用により、実機では実施することが難しい多様な系統の非常操作や悪気象条件下の運航、 整備士の試運転その他様々なミッションを想定した効率的で低コストの訓練を提供することが可能になり ました。 184 種類の故障模擬または非常操作訓練が可能で(同時に複数選択可能)、操縦士・整備士ともに実 機ではリスクの高い、または実施不可能な訓練を安全に実施することができます。さらに多発タービン機・ グラスコックピットへの初期移行訓練や、オートパイロット慣熟、他機種の操縦士の計器飛行や技量維持 訓練にも応用可能です。 主な仕様 ・LED プロジェクターによる高精細ビジュアルシステム ・振動(3 軸)及びサラウンド音響装置 ・6 軸フルモーションシステム 視界=水平 240°×垂直 80°(+30/-50°) ビジュアルデータベース ・3D の地表および高解像度 3D 環境 ・神戸空港、関西空港、八尾空港、但馬空港及び東京ヘリポー トをデータ化 ・海上ヘリパッドおよび発着艦 ・雪や砂塵の中のアプローチを模擬可能 フルスケールコックピット ・実機を忠実に再現したデュアルコントロール仕様 ・コックピット後方キャビンに教官操作卓(IOS) ・教官操作卓後方に査察用(見学用)シート ・シングルパイロット及び 2 パイロットオペレーション での訓練が可能 高度なデブリーフィング機能 ・飛行全体をレビュー可能 ・コックピット内の映像 ・計器盤の表示 ・飛行航跡の表示 ・交話記録 フル・フライト・シミュレーターによる操縦士訓練 フル・フライト・シミュレーターによる整備士訓練 ・地上試運転・機能チェック * ・地上試運転非常操作 ・FCDS(Flight Control Display System)機能チェック ・EMS CRM(Crew Resource Management) *ホットスタート、マニュアルエンジンコントロール、フライトアクチ ュエーター暴走、エンジン火災、ハングスタート、フライトコント ロール操作によるマストモーメントチェック等 ・等級限定変更(陸上多発タービン機) ・計器飛行証明取得 ・計器飛行最近の飛行経験の充足 ・特定操縦技能審査 ・技量維持訓練 ・非常操作 ・CAT-A 運航 ・ヘリデッキ/狭あい地運航 ・その他の訓練例 -CRM(Crew Resource Management) -夜間運航 -悪天候運航 -タービン多発機への初期移行訓練 (タービン機、多発機の基本運航、グラスコックピット、 オートパイロット・SAS、GPS ナビゲーション等) 8 神戸 EC135 フル・フライト・シミュレーターで可能な非常操作 184 種類の故障模擬または非常操作訓練が可能(同時に複数選択可能) 故障の種類 故障例 エンジン系統故障 FADEC 故障、エンジン故障、ホットスタート、ガバナー故障、エンジンチップ ギアボックス故障 トランスミッション/ TRGB チップ、トランスミッション油圧、フリーホイール故障 火災 エンジン火災、火災警報装置故障、消火器故障 燃料系統故障 燃料フィルター閉塞、燃料ポンプ故障、燃料油量計故障 電気系統故障 バッテリー温度、バスタイ故障、GEN オーバーヒート、インバーター故障 油圧系統故障 油圧低下 フライトコントロール故障 トリムモーター故障、SEMA 故障、LVD 故障、EHA 故障、FTR BUTTON 故障 オートパイロット故障 APM 故障、P/R SAS、APMS 故障 センサー・計器故障 FOG 故障、AHRS 故障、PITOT HTR 故障、ADC 故障、ICP 故障 FCDS / AFCS 故障 FCDM 故障、SMD 故障、CROSSTALK 故障、VEMD LANE 故障 ナビゲーション故障 GPS 故障、ILS 故障、VOR 故障、DME 故障、LOC 故障、GS 故障 ローター故障 ローターブレーキ故障、テールロータードライブ故障、テールローターコントロール故障 オートローテーション着陸 両エンジン故障 その他の不具合 CPDS 過熱、VEMD ファン故障、FCDS ファン故障、EPU DOOR 悪天候時の対応 低視程下での運航 応用訓練 CAT-A 運航(離着陸中のエンジン故障) 神戸 EC135 フル・フライト・シミュレーターによる低視程環境の模擬 様々なシナリオベースの訓練を実現 利用可能な海外フル・フライト・シミュレーター 日本人教官によるシミュレーター訓練施設 EC135 日本 AS365 シンガポール EC155 フランス EC225 フランス・マレーシア 現地教官によるシミュレーター訓練施設 AS350 アメリカ AS365 フランス・シンガポール EC155 フランス AS332 フランス EC225 フランス・マレーシア *通訳は有償で手配可能です。 9 神戸フル・フライト・シミュレーターの構造 LED プロジェクターによる ビジュアル装置 (水平 240°×垂直 80°) フルスケールコックピット 振動 3 軸 サラウンド音響装置 6 軸フルモーション装置 日本におけるフル・フライト・シミュレーター運用 フル・フライト・シミュレーターの種類とレベル区分 模擬飛行装置等 模擬飛行装置及び飛行訓練装置をいう。 (FSTD:Flight Simulation Training Device) ビジュアル装置及びモーション装置を有する航空機乗組員の訓練、試験、審査等に適 模擬飛行装置 (FFS:Full Flight Simulator) する装置であって、特定の型式の航空機の操縦室を模擬したものをいう。 飛行訓練装置 模擬飛行装置以外の航空機乗組員の訓練、試験、審査等に適する装置であって、航空 (FTD:Flight Training Device) 機の操縦室又はその一部を模擬したものをいう。 模擬飛行装置 (FFS:Full Flight Simulator) レベル D 模擬視界 レベル C レベル B 6 自由度 モーション装置 水平 176° 垂直 56° 水平 146° 垂直 36° 夜間・夕暮れ/薄暮の情景 レベル 7 レベル 6 レベル 5 3 自由度 必須ではない 水平 75° 垂直 30° 必須ではない 特定の実機を模擬した複製 Hover 地面効果 模擬する レベル 4 - 夜間の情景 操縦室 サウンド 飛行訓練装置 (FTD:Flight Training Device) 特定の実機又は一般的な実機 訓練/審査ができる 必須ではない - 降水、ワイパー、ギア作動音 - - - 模擬飛行装置(FFS:Full Flight Simulator)のレベルは、主に以下の 4 つの項目の設定基準によって区別されます。 ①ビジュアル装置 ②モーション装置 ③振動装置 ④音響装置 航空局の航空従事者実施試験実施細則で、模擬飛行装置のレベル別に実施できる科目が指定されています。 (この指定のことを「クレジット」と呼んでおり、国ごとに違う基準を持っています。) 模擬飛行装置等の認定する用途の範囲 模擬飛行装置等のレベルに応じて、航空従事者の実地試験、最近の飛行経験、特定操縦技能審査等に、実機による飛行 時間・訓練時間の全部または一部に算入することができます。 用途 実地試験 資格・審査等 飛行経験に算入できる模擬飛行時間等 自家用操縦士(回) 回転翼 40 時間のうち、模擬飛行時間 5 時間 事業用操縦士(回) 回転翼 150 時間のうち、模擬飛行時間 10 時間 10 時間以上の計器飛行のうち、模擬飛行時間 5 時間 最近の飛行経験 計器飛行 計器飛行等の練習 40 時間以上のうち、 模擬飛行装置の時間:30 時間 / 飛行訓練装置の時間:20 時間 180 日の間に 6 時間以上は、すべて模擬飛行装置等による時間で可能 特定操縦技能審査 実技審査全部 回転翼航空機の飛行訓練装置(ビジュアル装置有り)レベル 1 以上で可能 計器飛行証明 フル・フライト・シミュレーター訓練時間の取り扱い ・模擬飛行装置(FFS)は、航空局(JCAB)に認定されている場合、訓練時間を操縦士ログブックの「模擬飛行装置」に記入 可能。 ・模擬飛行時間は、操縦士技能証明や計器飛行証明の実地試験を受験する際の飛行経歴の一部として充当可能。 *エアバス・ヘリコプターズの海外フル・フライト・シミュレーターは、現在航空局の認定を受けていません。シンガポールの AS365 フル・フライト・シミュレーターは、将来的に認定の取得を予定しています。 *擬飛行時間は、模擬飛行装置または飛行訓練装置(ビジュアル装置有り)による訓練時間 ・模擬飛行時間は計器飛行証明の「最近の飛行経験」の時間に充当可能。 10 限定変更・ガイドライン・型式内移行・非常操作訓練等におけるシミュレーター訓練の有効性 1. EASA における実地試験・技量維持訓練での活用状況 EASA 加盟国では回転翼航空機タイプレーティング取得時にシミュレーター訓練の時間の多くを飛行訓練の代わりに算 入することが可能となっており、シミュレーター訓練の有効性が公式に認められています。算入可能時間はシミュレーター のレベル別に規定されています。EASA 法定の技量維持訓練(リカレント訓練)では、非常操作を含めたプログラムで多くの 運航者にシミュレーターが利用されています。 2. 操作手順及び非常操作訓練 飛行規程に記載された通常操作手順の他、シミュレーターでは、視程低下の環境など様々な不利な条件での訓練が可 能です。実機では危険を伴わずに訓練することが困難な非常操作を、シミュレーターではじっくりと練習することが可能で す。 3. 現実に起こりえる異常事態を想定 実機で実施する非常操作の場合、機体故障は仮想または不具合により発生する効果の再現(ペダルを踏んでテール機 能の喪失を模擬等)で模擬されます。シミュレーターでは、エンジンの出力限界を超える恐れのあるガバナー故障の非常操 作訓練やテールローターの故障を想定した対処訓練を安全に行うことができます。実機訓練の過程では、実務上起こりえ る緊急事態をリアルに経験する機会がないため、状況判断力を向上させることが困難です。シミュレーターでは、安全上の 不安なしにこれらの訓練を実施することができるので、不意打ちへの驚きの要素、状況判断、エラーから学ぶ能力を含むリ アルな訓練を実施することができます。シミュレーター訓練では、さらに下記のメリットがあります。 ・トラフィックの混雑による遅延がない ・稼働率が高い ・実際の天気に関わらず、VMC/IMC、昼間/夜間、アイシングコンディション等の飛行条件を選択可能 4. 経済的利点 高価な実機を 2 名のパイロットで訓練に使用した場合の機体償却、運航にかかる人件費、燃料代その他のコストと比較 すると、シミュレーター訓練は大変経済的です。さらに、本来の業務の遂行を妨げることなく、また、整備時間間隔を気にせ ず訓練を実施することができます。 5. 環境への配慮 近年においては、騒音や一酸化炭素等の排出物などが環境に与える影響を無視するわけにはいきません。特に夜間で の実機による訓練の際には大きな問題になりがちですが、シミュレーター訓練では時間や環境を気にせず訓練することが 可能です。 6. ハイテク機への順応と技量維持 技術の発達とともに計器類やそれに伴う装置が益々複雑になってきており、緊急事態ではより複雑な状況下での操縦士 の判断と処置を余儀なくされています。最近の事故の傾向を見ると、航空機のシステムの理解不足が原因で、緊急事態に 正しく対処ができないために、さらに状況を悪化させている事例が増えています。ハイテク機操縦の安全運航及び技量維 持のため、シミュレーター訓練は、世界的に欠かせない訓練ツールとなっています。 計器飛行証明・計器飛行最近の飛行経験訓練等におけるシミュレーター訓練の有効性 1. 計器飛行訓練での使用 すでに世界的に、計器飛行訓練においては、シミュレーターでの訓練時間を実際の飛行時間の代わりに算入することが 認められています。これらの時間は、計器飛行訓練だけでなく、自家用、事業用、定期運送用操縦士の資格取得時の飛行 経験にも算入可能です。さらに計器飛行の最近の飛行経験の時間はすべてシミュレーターで実施可能です(日本では JCAB の認定を取得したシミュレーターに限ります)。 2. 飛行環境の選択 実機による訓練では、激しい悪気象下における効果的な反復練習の困難さ、アプローチ訓練中におけるトラフィック混雑 による訓練時間のロス、フードを使った訓練では、機外の見張りが疎かになる不安全さが生じますが、シミュレーターではこ れらを気にすることなく、効率的に訓練を行うことができます。様々な悪気象状態の模擬により、安全を犠牲にせずに、現実 に起こりえる多種多様な状況に対応する技量、判断力の向上に役立っています。 3. AVT(Avionics Trainer)訓練(神戸)の利点 2015 年に神戸の AVT が JCAB の飛行訓練装置(FTD)認定を得る予定です。これにより、計器飛行証明の基本訓練や最 近の飛行経験の充足訓練の一部を実施することが可能になるため、コスト削減に貢献します。 4. EC135 シミュレーター訓練(神戸)の利点 神戸の EC135 シミュレーターを使用して、計器飛行証明取得の訓練をすることが可能です。エアバス・ヘリコプターズ機 以外の運航者及び EC135 の操縦経験がない操縦士にも効果的な訓練が可能となるように、トレーニングプログラムに配 慮をしています。また、資格取得のためだけでなく、悪天候における計器飛行方式による実践的な技術が身につけられるよ う、体系だったプログラムとシラバスを用いて効率良く質の高い訓練を提供いたします。飛行機の計器飛行証明保持者が 回転翼の計器飛行証明を取得する場合にも有効な手段となります。JCAB 認定を取得していますので、訓練時間を模擬飛 行時間に算入可能です。 11 訓練のお申込みから修了までの流れ ①カタログと日程表よりコースを選択 ②「訓練要望確認書」を営業担当者に送付 ④訓練実施方法、時期等の検討と決定 ③受付通知または訓練提案書を受領 ⑤「訓練実施条件」のご確認及びご同意 ⑥当社と訓練契約締結または発注書によるご注文 ⑧当社より訓練案内書を受領 ⑦「訓練登録書」を記入の上、営業担当者に送付 ⑨訓練開始(ガイダンス) ⑩学科講習・実技講習等実施 ⑫訓練終了 ⑪理解テスト・スキルテスト(必要あれば)合格 ⑬修了証書の発行 ⑭航空局実地試験(該当者のみ) 訓練お申し込み時のご留意事項 ・EC225、EC155、AS365、EC135、AS350 につきまして、機種毎の訓練コースカタログをご用意してございます。 ・訓練コースの料金、学科訓練コースの開催日程は、営業担当者にお問い合わせください。 ・航空局実地試験を伴う訓練の場合は、少なくとも希望実地試験予定日の 6 か月前までに当社と御相談の上、ご予約をお 願いします。 ・学科コースのお申し込み締め切りは、開催日の 1 ヶ月前までとなっております。 ・訓練ご希望内容の確実な確認のため、お申し込みの前に「訓練要望確認書」を記入の上、営業担当者にお渡しください。 ・訓練コースカタログに記載のない訓練の場合は、「訓練要望確認書」を記入の上、営業担当者にご相談ください。 ・訓練お申し込みの際には、別紙「訓練実施条件」にご同意の上、お申し込みください。 ・訓練申込手続き(契約または発注)が完了しましたら、訓練登録書をご記入の上、営業担当者にお渡しください。 ・上記書類等をご入用の際には、営業担当者にお申し付けください。 トレーニングセンターへのアクセス ■電車の場合 JR 東海道線「三ノ宮駅」より、ポートライナー エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン で「神戸空港駅」(20 分)下車。徒歩約 15 分 神戸格納庫 ■飛行機の場合 神戸空港ターミナルより徒歩約 15 分 関西国際空港:リムジンバスとポートライナー 乗り継ぎにて約 100 分、 お車にて約 70 分 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社 トレーニングセンター Airbus Helicopters Japan Co., Ltd. Training Center 〒650-0048 兵庫県神戸市中央区神戸空港 8-8 業務本部 運航・訓練部 Tel: 078-306-4300(神戸空港事業所代表) Fax: 078-306-3637 Web Site : http://www.airbushelicopters.co.jp 12 Training Center Catalog 2015 Ver.01
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