GIFU 中経連事務局員が、担当するエリアでお聴きした、各県の最新トピックや地域特有の情報を紹介するコーナーです。郡上食品サンプルの世界 ∼その進化と地域活性化∼ 中部国際空港の「 To u r i s t I n f o r m a t i o n & 食品サンプルを使ったキーホルダーやストラッ Service」に設置されている「昇龍オブジェ」をご存プなどの雑貨や、サンプル作りを自宅で体験できるじだろうか。これは、岐阜県郡上市内７団体（郡上キットは外国人観光客にも非常に人気が高く、当市商工会、郡上市観光連盟等）で構成する郡上地だけでなく東京や大阪の有名観光地等でも人地域活性化協議会が2012年、「昇龍道プロジェ気のみやげ物となっている。また、郡上市は2014 クト」のＰＲを後押しするため食品サンプルの技術年７月に郡上市合併・市制施行10周年記念事業を駆使して製作したものである。として、「全日本食品サンプルあーとグランプリi n 郡上」を初めて開催した。全国から食品サンプル約食品サンプルの概要と背景この食品サンプルの発祥の地が郡上市である。 70作品が出品され、夏休み期間中ということもあり、会場は多くの観光客で賑わい大盛況であっ生産量は日本一であり、郡上市を拠点に全国へ出た。このイベントで、食品サンプルの町としての郡荷されている。食品サンプルの歴史を辿ると、郡上上が全国に向けて発信され、市は2015年以降の市に生まれ育った岩崎瀧三氏に行きつく。岩崎氏継続開催についても検討している。は1932年、大阪で食品サンプルの事業化に成功した。その後、1955年に故郷である郡上市に岐今後について阜工場を開設、1 9 6 3 年には岩崎模型製造㈱と食品サンプル業界現在の社名に変更し、当地から、大阪をはじめ全ではその技術を応国に向けて食品サンプルを出荷するようになった。用し、新たな分野の 1980年代にはサンプル素材はロウから樹脂に需要開拓に取り組変わり、耐久性や表現能力が格段の進歩を遂げんでいる。その成果の一つが、いわさきグループのたが、職人の手作りでしか作れないことに変わり㈱いわさきが開発し、特許を取得した「食育ＳＡＴはない。現在の食品サンプルの市場規模は80億（サッと）システム」である。これは実物大のサンプル円程度で需要は横ばいとなっており、業界としてはに付いたＩＣタグを専用の機械で読み取ると、栄養販路拡大に向けた取り組みを加速している。バランスが瞬時に自動計算されパソコンに表示されるものである。健康管理に役立つことから、医療機関や学校からの引き合いが増えている。このように地域産業の振興と地域の活性化に寄与している郡上市の食品サンプル業界については、中経連としても、今後ともその活動に注目していきたい。（岐阜担当加藤慎哉）取材協力・写真提供／岩崎模型製造㈱ 18 中経連 2015.1 中経連 2015.1 19