科学と祈りの狭間 ID:115018

科学と祈りの狭間
やわらかハンガー
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP
DF化したものです。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
︻あらすじ︼
少女︵タグでモロバレ︶が神︵師匠︶に会うだけのはなし
︵とある成分がほぼ︶ないです
某動画サイトの某MADをみて唐突に思いついて、寝る間を惜しん
で書いたので、多少見辛い上に続きはない︵えー︶
えー、じゃない
私はそんなに親切ではない
むしろアイデアあげるんで誰か書いて︵他力本願︶
⋮あと、感想くれると嬉しい⋮︵ツンデレ︶
追記・続きました
よろしければ読んでいって下さい
序章
目 次 第零話 Prologue │││││││││││││││
第一章
第一話 BA│DA│DHA ││││││││││││││
1
12
序章
第零話 Prologue
暗い
全てが黒の真っ暗闇
なんでこんなに暗いんだろう
そう考えた瞬間、私の意識は浮上したーー
私、なんで⋮ッ
﹂
しかも体を縄で縛られてる
なんでこんなことに⋮
そうだ、思い出した
近所の廃工場に幽霊が出たという噂を聞いて1人で肝試しにでて、
それから⋮
﹁⋮あぁ⋮なんか男の人たちが、白い粉を買ってるの見ちゃって、気づ
かれて⋮﹂
お腹蹴られて、気づいたらこう⋮と
1
?
目が覚めると、私はコンクリートの上に寝そべっていた
﹁⋮
!?
体を起こそうとしたら、お腹に痛みが走った
?
﹁⋮どうしよう⋮
︵怖い⋮怖い⋮
﹂
レ
ベ
いやだ
ル
0
死にたくない
︶
!
﹁なんだ、もう起きたのか
以外と頑丈だな﹂
﹁⋮なぁ、やっぱ殺すのか
﹁そうじゃねぇけどよ⋮﹂
いやっ
﹂
﹂
!
殺される
﹁やだっ
離してっ
そういいながら男はナイフを取り出した
よね⋮ワリィけど死んでもらうわ﹂
﹁さて、お嬢ちゃん⋮てめぇは見ちゃいけねぇモンを見ちゃったんだ
そんな会話をしたあと、1人の男が私に近づいてきた
﹁ま、俺に任しとけ﹂
﹂
ビビってんのか
?
﹁なんだ
?
か、部屋の奥の扉から4∼5人の男たちが入ってきた
そんなことを思っていると泣き声で私が起きたことに気づいたの
考えがまとまらない
涙がとまらない
﹁ひぐっ⋮うぅ⋮﹂
堰を切ったように涙が溢れてきた
!
そう思った途端、目をそらしていた恐怖心が私を襲ってきた
﹁⋮私、ここで死んじゃうのかなぁ⋮﹂
⋮
現実は残酷だ⋮私には能力はおろか力もないただのか弱い乙女だ
﹁⋮お生憎様、私は無能力者なんだよなぁ⋮﹂
だろうけど⋮
私が能力者であったらば、こんな縄くらい簡単に切って逃げだせた
﹁⋮せめて能力があればなぁ⋮﹂
縄が固く結ばれてて、小学生の力じゃ全然解けそうもない
﹁⋮なんとかっていっても⋮﹂
なんとかして逃げないと⋮
多分このままだと私、殺されちゃうよね
?
!
2
!
?
?
!
﹁このっ
暴れんな
暴れんなよっ
!
﹂
!
﹂
︵いやだ
死にたくない
﹂
﹂
誰か
﹁だれかぁ⋮たすけてぇ⋮
﹁死ねぇっ
︵
あれ
︶
誰か⋮︶
反射的に、ぎゅっと目を瞑ったーー
!
いつまで経っても衝撃も、痛みもこない
︵まさかほんとに痛みも無く死んじゃった⋮
︶
皮肉みたいなことを思いながら目を開けるとそこにはーー
?
!
!
!
そういって、ナイフを持った手を振り上げる
むんなら自分の運の無さを呪いな﹂
﹁ったく手間取らせやがって⋮まっ、痛くないようにしてやるから、恨
﹁あっ
けど、そんな抵抗も虚しく、男に取り押さえられる
男に掴まれ、それを解こうと必死になって暴れる
!
!
?
ーー目が痛くなるくらい真っ白な世界が広がっていたーー
3
!
おかしい
?
ーーわけではなく、なんかよくわからない機械とか、ビーカーとか、
観葉植物とか、変な楽器とかある、よくわからない薄暗い部屋に立っ
ナニコレ⋮︶
ていた⋮
︵⋮え
茫然としていると、私の足元に三毛猫がすり寄ってきた
︵あっ可愛い︶
現実逃避気味に、しゃがんで三毛猫を撫でているとーー
﹂
﹁囚われの少女よ ワタシを訪ねたまえ﹂
﹁ぅわひゃあっ
︵⋮なんかすごく肌がキレイだ︶
が口を開いた
がいた
そんなことを考えていると、おじさん⋮
?
﹁⋮はい
﹂
他人に懐くとは⋮﹂
=ケトン体=シャモジ・コオロギ=インジコムシ=ぽんぽん郵便局が
﹁驚いた、気難しいテビン︵本名。三毛猫︶=ムテカズロ=エゾボカシ
?
学教授みたいな格好の、おじさん⋮
慌てて振り向くと、そこには変なカタチのギターを持っている、大
しかも意味がわからない
背後から突然声をかけられた
!?
で返され、三毛猫︵名前は長すぎて忘れた︶が許可を出したような気
近くにもう一つ椅子があったので、座っても良いか尋ねると、無言
まった
ーーそのあと、おじさんは無言のまま机のそばの椅子に座ってし
理不尽すぎるーー
﹁⋮えぇぇ⋮﹂
だがね﹂
﹁確かに、ワタシは訪ねたまえとはいったが、きて欲しくはなかったん
混乱している私を差し置いておじさんは話しを続ける
今このおじさんはなんといったのだろうか
?
4
?
がしたので座ることにした
三毛猫︵名前ry︶が膝の上に乗ってきたので撫でていると、また
おじさんが話しはじめた
﹂
﹁おや、もう時間のようだ﹂
﹁⋮へ⋮
⋮は、はぁ
輪廻が廻る﹂
﹁
﹂
世界タービンが回り、
賢者のプロペラが回り、
点呼する惑星でRocket Shootの風が吹き、
﹁地球ネコの見せる地球でロータスが咲き、
おじさんは話し続ける
またおかしなことをいいだしたと思ったら、頭がボヤけてきた
?
へ
﹂
??
﹁
いやいってないです﹂
⋮はぁ﹂
︵⋮感じた⋮答えを⋮出す⋮︶
ーー息ができる、酸素が体を巡る、思考力が回復する
﹁そう気負う必要はない、肩の力を抜いて、感じた答えを出せばいい﹂
わからない、苦しい、くるしいーー
呼吸ができない、苦しい、おじさんの話しの意味を考える、苦しい、
に、息がつまる
存在がアリ以下のように思えてしまうほどの重圧が篭った問いかけ
まるで、近所に出かけることを伝えるような感覚で、しかし、私の
﹁試してみるか
﹂
﹁しかし、もう一度やり直すことが可能だ﹂
目を見てきた
そういうと、おじさんは急に私の方に振り向いて、鋭い眼光で私の
﹁君は⋮選択を誤ったのだ﹂
﹁
﹁えー、じゃない﹂
﹁
﹁残念だったな、BAD ENDだよ﹂
?
?
5
?
?
?
?
おじさんの目が私を見る
三毛猫の目が私を見る
私はーー
﹁⋮はい⋮お願い⋮します﹂
ーー答えを出した
おじさんは扇子で口元を隠した
多分、雰囲気からして笑っている
まるで、自分の望んだ答えを引き出せたかのように⋮
︵⋮もしかしてミスったかな∼⋮︶
内心後悔していると、おじさんは扇子をおろし、隠す前と同じ無表
情で話しだした
﹁よろしい、それでは⋮﹂
﹁UNDOコマンドを実行する﹂
おじさんに後光が差す
﹁⋮ヒラサワさん⋮ありがとう⋮ございました⋮﹂
良かった⋮おれい⋮いえた⋮
なんか⋮ふわふわする⋮
6
視界がボヤける
おじさんを中心に風が吹く
ナニカに引っ張られる
﹂
﹁君はこれから現実に戻る﹂
﹁⋮現実に⋮戻る⋮
﹂
﹁⋮あの⋮﹂
﹁ん
﹁⋮お名前は⋮
﹂
せめて⋮名前を聞いて、お礼をいいたい
それは大変だ
﹁多分もう会うことは無いだろう﹂
﹁⋮夢⋮﹂
﹁⋮夢から醒めるようなものだ﹂
?
﹁⋮TOKYOのヒラサワです﹂
?
?
﹁多分、ワタシの名前は思い出せないよ﹂
えー
﹁えー、じゃない﹂
﹂
﹁さぁ、出口はこちらです﹂
ばかものー
もうすこしだけ
﹁帰れー
ちぇっ
いしきが⋮しずむ⋮
﹁さよなら﹂
﹁⋮あぁ、やってしまった⋮すいません
⋮さっきの会話、なかったこ
シャモジ・コオロギ=インジコムシ=ぽんぽん郵便局が見下してくる
テ ビ ン︵本 名。三 毛 猫︶= ム テ カ ズ ロ = エ ゾ ボ カ シ = ケ ト ン 体 =
変な空間で、独り言つ
﹁⋮帰ったか⋮﹂
ヒラサワさんが、少し、笑った気がしたーー
!
足元に歩いてくるカキ︵本名。サビ猫︶=シズレンボク=ゴルジ体
1人落ち込む初老
不覚です⋮﹂
とにしてください⋮少女と会話してしまいました⋮ヒラサワ、一生の
!
7
!
﹁⋮まぁいい⋮曲の続きを作ろう⋮﹂
彼はそう呟くと、椅子に座り、机に向かったーー
・
・
・
・
・
・
・
・
﹂
・
・
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
・
だけど縛られてない、お腹も痛くない
﹂
・
そして、4∼5人の男の人が倒れている
﹁夢じゃ⋮ない⋮
い出し、慌ててその場から逃げ出したーー
夢じゃなかったことを確認した私は、殺されそうになった恐怖を思
?
8
・
⋮夢⋮
誰にも乗っかられていない
﹁⋮あれ⋮
?
場所は薄暗い廃工場
夢⋮なわけない
?
!?
ーーふわふわする
私なにしてたんだっけ
意識が浮上する
?
確か、殺されそうになって⋮殺される
・
たすけっ⋮て
目が醒める
・
?
勢いよく起き上がる
﹁
!
ーー自分の部屋に着くと、そのままへたり込んでしまった
そして、さっきあったことを段々思い出してきた
﹁じゃあ、あの不思議な空間も、現実だったんだ⋮﹂
あの不思議な空間のことも、少しモヤがかかってるけど、思い出す
﹁あの人の名前⋮あんまり思い出せないや⋮﹂
名前、聞いたんだけど、あの人が最後にいってたように名前だけが
思い出せない
﹁変なことばっかいってたけど⋮いい人そうだったなぁ⋮﹂
あの時間に、想いを馳せる
レベル
﹁また⋮会いたいなぁ⋮﹂
・
・
ベ
﹂
能力 上げたら、また会えるかな
⋮なんか、会えそうな気がする
・
レ
﹁⋮そうと決まれば⋮頑張んなきゃね⋮
・
そう、決意を固めた
私は、佐天涙子 小学6年生
ル
0
?
学園都市で超能力開発をしている無能力者だ
﹂
ーー学園都市のどこか、窓のないビル
﹁⋮それで、話しってのはなんだ
9
!
アロハシャツを着た金髪の男が、巨大な、医療用ビーカーの前に歩
?
いてきた
ビーカーの中には髪の長い人間が、逆さまに浮いていた
﹁やぁ、遅かったじゃないか、土御門元春﹂
﹂
土御門元春と呼ばれた男は、顔を歪めながら、言葉を返した
﹁深夜の2時に呼び出すほうがおかしいだろ
﹁おや、そうだったかな﹂
かりである
﹁⋮まぁいい、それで
﹁ふむ、少しこれを見てくれ﹂
用件はなんだ
﹂
土御門が声を荒げるが、ビーカーの男はそれがどうしたといわんば
!
・
・
・
・
・
・
﹂
・
・
・
・
・
・
﹂
?
した
﹁これは⋮佐天涙子⋮
・
﹁あぁ、そうだとも、その少女は
・
﹁⋮なんだって
神の意思と接触した可能性がある﹂
・
この小学生がどうかしたのか
土御門が落ち着くと、男は土御門の目の前に空中ディスプレイを出
?
﹁それが本当だとしたら世界規模で混乱が起きるぞ
﹁⋮それで、俺にこいつをどうしろと⋮
﹂
男にそういわれ、土御門は落ち着きを取り戻す
とだ﹂
﹂
﹁まぁ落ち着きたまえ、これは今のところ我々しか感知していないこ
!?
﹁⋮接触しろ、ってことか
﹂
﹁なに、監視とまではいかないが少し様子を見てもらいたくてね﹂
?
・
いないよ﹂
﹂
﹁せいぜい、幻 想 殺 しと接触させたらどうなるか、くらいしか考えて
イマジンブレイカー
﹁本当だろうな
﹁まだ、なにも考えていないよ﹂
・
﹁⋮なにを考えてやがる⋮﹂
﹁いや、たまに見かける他人くらいの距離でいい﹂
?
10
?
?
土御門は一時茫然としたあと、信じられないように驚きを叫んだ
!?
?
﹁⋮てめぇ⋮﹂
男は笑い、土御門は憤る
﹁用件はそれだけさ﹂
﹁⋮チッ、わかった﹂
﹁あぁ、よろしく頼むよ﹂
土御門は男に背を向け、闇の中に消えていった
1人になった男は笑うーー
ーーそれから約一年後
・
・
・
・
・
・
とある場所で科学と魔術が交差し、物語は動き出す
本来はいない、科学と祈りの狭間の少女も巻き込んで⋮
Fin
11
第一章
第一話 BA│DA│DHA
ーー薄暗い部屋で男は1人、机に向かっていた
男は紙に何かを書き込んでいる
何を書いているのかはわからない
まるで風景に溶け込むかのごとくなまでに希薄な存在感、しかしそ
の動きはマントルが火を吹き上げるがごとき大胆さで、紙面を彩って
いく
そばに寄ってきた三毛猫が声を上げる
男はその声にハッとなって顔を上げた
目の前のASHURA CLOCKと書かれた時計を見る
そろそろ日付が変わる時間だ
男が口を開く
﹁おや、もうこんな時間か﹂
男は心底驚いたように、しかし顔は無表情のまま、言葉を発した
﹁では、そろそろいくとしよう﹂
そう呟くと男は立ち上がり、小走りで部屋の奥の扉へと向かった
扉を開けるとそこは階段の踊り場になっていた
男はその階段を足早に駆け降りる
﹁次の曲はなんだったかな﹂
・
・
・
・
・
1人、自問自答していると階段を降りきる
そこはライブ会場のようになっていた
・
男は迷うことなくステージへと上がる
ステージの上には男の他に4人の男たちと、ギター、ベース、キー
ボード、ドラム、マラカス、といった楽器とよくわからない機械があっ
た
・
・
・
・
・
男はギターを取ると客席の方を向いた
・
客席には沢山の人がいた
いや、正確には人型のナニカが客席を埋め尽くしていた
12
・
・
・
それは頭が馬の骨のような物でできていた
男が馬の骨どもに向かって喋る
﹁ごきげんよう﹂
馬の骨どもが沸く
﹁やかましい﹂
﹁うるさい﹂
男は慣れた様子で、淡々と馬の骨どもを静める
﹁呼べば出てくると思うなよ﹂
﹁私たちはそんなに親切ではない﹂
普通の人が聞けば反感を買いそうな口調だが、馬の骨どもはまるで
ご褒美だと言わんばかりに聴き入る
﹁時間も勿体無いので曲を始める﹂
馬の骨どもが沸き立つ
﹁では聴いてもらおう﹂
﹁BA│DA│DHAーー
ーーそして、ライブは始まるーー
ーー6月25日 PM13:45
学園都市第七学区立 柵川中学校
検査を終えた学生たちが学校から出ていく
そんな中、1人の少女が昇降口から出てきた
頭に花飾りを乗せた独特な雰囲気の少女だ
13
﹁う∼い∼は∼るぅ∼
﹂
﹂
・
・
・
﹂
・
・
・
・
黒髪セミロングの、同じく少女であった
﹂
﹁さっ、佐天さんのバカァっ
﹁へぶぅっ
!
・
・
・
・
・
・
花飾りの少女の、振り向きざまのビンタが、スパァンッ
といい音
公衆の面前でスカートをめくっておきながら、そう批評するのは、
﹁おっ、今日はピンクの水玉かぁ﹂
少女は短く悲鳴を上げる
﹁ひぃ
その間に、声の主は少女のスカートをめくり上げた
・
少女は歩きながら携帯端末を見ていたせいで反応が遅れる
突如、少女は背後から声をかけられた
!
﹂
﹁まったく
なんで佐天さんはいつもあんなことばかりするんですか
心なしか、花飾りの少女の機嫌が直っているようにも見える
2人の少女はデパート前のベンチに座る
に来ていた
限定の清涼飲料水﹃あったかい いちごおでん∼初夏の風∼﹄を買い
セミロングの少女が、憤る花飾りの少女を宥めるために、デパート
ーー場所は変わり、学校からほど近いデパート
を立てながら、セミロングの少女の左頬に叩き込まれたーー
!
!
!
﹁もう
まったくもう
﹂
﹂
﹁お詫びに、私のパンツ見る
﹁見ません
﹂
?
!
別の話題を振る
どうにかしようと、佐天と呼ばれた少女は、初春と呼ばれた少女に
いや、どうやらまだご機嫌ナナメらしい
!
14
!?
!
﹁ア、アハハ、ごめんね初春﹂
!
システムスキャン
レ
ベ
ル
1
﹁あ、そういえばさ、初春、今日の身体検査どうだった
いです﹂
残念そうに落ち込む初春
ベ
ル
0
佐天は元気づけようと、口を開く
レ
﹁元気出しなよ、私なんて無能力者だよ
﹁あっ⋮﹂
﹂
﹂
﹁あぁ、全然ダメでした⋮相変わらずの低能力者⋮小学校からの横ば
?
﹂
﹂
﹁佐天さん⋮
﹂
そういった、佐天の姿は、輝いて見えた
﹁まっ、これでも聴いてもっと元気出しな
なんです、これ
﹂
そういうと佐天はイヤホンを差し出す
﹁
﹂
﹁手を伸ばし続ければ、いつかは必ず手が届く、だから一緒にがんばろ
顔を上げる
﹁っ⋮
﹂
﹁でも、光に届こうと、必死に手を伸ばしてる、今はそれでいいじゃん
友人を傷つけてしまったと思い、俯く初春
?
﹂
初春知らない
﹂
ほんとになんですかこれ
﹁あれ
﹁知りませんよ
?
﹁
・
﹂
・
・
・
・
・
すると、イヤホンからは怪しげな電子音が聴こえてきた
・
初春は言われるがままにイヤホンを耳につける
﹁いいからいいから﹂
?
!
!
!?
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
テクノになった、すごいバンドなんだよ
・
・
﹂
・
・
女子的でポップでふわふわしてたんだけど、あるときから親の影響で
﹁放課後T│modelっていうバンドなんだけどね、高校のときは
説明を始める
に映っている、奇抜な格好をした5人の女性たちの画像を見せながら
・
突然の電子音に混乱している初春に、佐天は音楽プレイヤーの画面
!?
?
!
15
!
?
?
?
!?
﹁親 の 影 響 強 す ぎ ま せ ん か
﹂
﹂
﹂
あとこのボーカル女性だったんですか
﹂
﹁なんか初春の声、ボーカルのYUIに似てない
﹁私の声こんなに渋くないですよ
﹂
﹁そういえば、今日アルバム再入荷の日だから一緒に買いに行こう
﹁もうツッコミきれません
さすがにからかいすぎたと思ったのか、佐天は口をつぐむ
初春はその間に息を整えると、申し訳なさそうな顔をして口を開い
た
﹂
﹁すみません、この後は白井さんと約束が⋮﹂
ジャッジメント
・
﹂
実は、念願叶い御坂さんに会わせてもらえることになったん
﹁白井さんって、風紀委員の白井黒子さん
﹁はい
﹂
・
﹁御坂⋮もしかしてあの御坂美琴⋮
レ
あの
ベ
ル
5
﹂
佐天さんも一
御坂美琴さんですよ
学園都市に7人しかいない超能力者の1人にして常盤台
レー ル ガ ン
﹂いやちょっまっ﹂
﹁⋮えっと、それじゃあ私はCD買ってかえr﹁そうだ
緒に行きましょう
﹂
佐天は抵抗するが、なぜか振りほどけない
﹁ちょ、なんでさぁ∼
ベ
ル
5
盤台の超能力者に会いに、ファミレス、joseph
レ
sに来た⋮⋮
ーー私、佐天涙子は友人、初春飾利に︵強制的に︶連れられて、常
佐天の叫びは、青い空へと消えていったーー
!!
!
です
?
!
﹁そうです
﹂
!
満面の笑みで語る初春に、佐天は引き気味に返す
﹁はい
﹁⋮ふ、ふ∼ん⋮良かったね⋮﹂
ついた呼び名は超電磁砲
!
初春は有無を言わさず、佐天の腕を引っ張っていく
!
!
のエース
!
佐天がそう聞き返すと、初春は目を輝かせながら語り出した
?
!
!
!
'
16
!?
!
?
!?
?
!?
ハズである⋮
レ
ベ
ル
5
⋮だが、私の目の前にいたのは、超能力者でも、常盤台のエースで
おっかしいなぁ
私、超電磁砲に会いに来たハズなんだ
レー ル ガ ン
もなく⋮白昼堂々イチャつく百合ガールズであった⋮
ベ
ル
5
っていうか⋮
⋮お嬢様でもゲーセンに行くんだなぁ⋮
ち、御坂さんの提案でゲーセンに行くことが決まった
ーーその後、なにか言おうとした白井さんに、御坂さんの鉄拳が落
初春なんて、ビックリしすぎて固まってるーー
来だ
こんなにビックリしたのは、YUIのルクトゥン弾きを見たとき以
⋮超能力者とは思えないフレンドリーさで返された
レ
﹁お願いします⋮﹂
﹁よろしく⋮﹂
﹁わたしは御坂美琴、よろしく﹂
﹁⋮え、えっと、初春さんに佐天さんね、憶えたわ﹂
⋮なんというか、まんざらでもない
して黙ってしまった⋮
右手を目の前に突き出す、独特のポーズをしながらいうと、みんな
﹁﹁﹁⋮⋮⋮﹂﹂﹂
﹁柵川中の、佐天です﹂
と、いうわけで自己紹介する
そっか、この中だと初春以外知ってる人いないもんね
初春の紹介を終えた白井さんがこっちを見てくる
は、ツインテールの人ー多分、白井さんーに紹介されていた
ーーその後、ファミレスから追い出された2人と合流した私たち
赤になってるよ⋮あっ、ツインテールの方殴られたーー
けどなぁ⋮いつゆる○り時空にとんだんだろう⋮初春なんて顔真っ
⋮あれー
?
﹁⋮全然お嬢様って感じじゃないよね⋮﹂
17
?
﹁そうですね⋮﹂
﹂
そんなことを話していると、初春がチラシを受け取っているのに気
づく
﹁なにそれ
﹂
﹁新しいクレープ屋さんだそうです、先着100名には限定のゲコ太
ストラップが貰えるそうですよ﹂
そういいながら、カエルのマスコットの絵を見せてくる
⋮なんていうか⋮
﹁⋮なにこの薬局にいそうなキャラ⋮ケロ○軍曹のが可愛くない
﹁それもどうかと⋮﹂
﹁いやぁ、ケ○ン人の方が可愛いって、ぜっtわぷっ﹂
かってしまった
﹁ごめんなさい、御坂さ⋮御坂さん
﹂
初春の方を向いて話していたせいで止まっていた御坂さんにぶつ
?
それとも、プレゼントの方ですの
て、なにかを察したらしい
⋮ん
こんなの貰って嬉しいわけが⋮﹂
大体、カ
なんか、御坂さんの抱えたカバンからはみ出して⋮
﹁﹁﹁あ⋮﹂﹂﹂
白井さんと初春とハモる
・
御坂さんのカバンからはみ出ていたもの、それは⋮
・
﹂
異変に気づいた白井さんが近づいてくると、御坂さんの手元を見
すぐさま謝るが、御坂さんは手元を見たまま動かない
?
クレープ屋さんのある公園は、たくさんの人で賑わっていた
ーーそれから、私たちは予定を変更して、クレープ屋さんに来た
き出し、私と初春2人は唖然とするのであったーー
それに気づいた私たちは、御坂さんは茹で蛸になり、白井さんは噴
ゲコ太のストラップであった⋮
・
?
!
﹁クレープにご興味が
両生類よ
!
?
﹁な、なに言ってんのよ わたしが、こんなの欲しいわけ⋮
エルよ
?
18
?
白井さんの言葉を全力で否定する御坂さん
?
?
﹁タイミング、悪かったですね﹂
そう呟いた初春の視線を辿ると、大型バスが駐車していた
家族連れが多いから、学園都市の説明案内だろうか⋮
そんなことを考えていると、初春と白井さんが席を確保しに行って
しまった
ちょっと待って、なんかイライラしてる御坂さんと2人っきりにし
ないで欲しいんだけど
﹂
あ、目が合った
﹁え、なに
﹁⋮い、いえ⋮﹂
﹂
﹂
すっごいイライラしてるよぉ⋮あっ、そうだ
いいの
﹁あのぉ⋮順番代わりましょうか⋮
﹁えっ
?
﹁はぁ⋮﹂
メンドクセェェェェェ
そんなことを思っていると、私の順番がまわってきた
貰ってる子ども見て落ち込むくらいなら、代わればいいじゃん
!!!
﹁⋮いや、私はクレープが買えれば、それでいいから⋮﹂
あっ、食いついた
!?
﹂
んクレープっていうの、一つずつください﹂
﹁かしこまりました∼略してかしこまっ
⋮私、コレいらないんだけど⋮
!?
﹁コレ、最後の一個ですよ∼﹂
﹁はぁ、ありがとうございm⋮って、最後の一個ォ
﹂
クレープを受け取ると、ついでにゲコ太を渡される
レープを作った
店員さんは、そんな珍妙な返事をすると、5分くらいで2つのク
!
﹂
そう聞き返すと同時、後ろで御坂さんが崩れ落ちる
⋮周りの視線が痛い⋮
﹁あ、あの⋮コレ、いります⋮
?
19
?
﹁えっとぉ∼⋮あっ、この100%豆腐クレープってのと、いちごおで
!
!?
いいの
本当にいいの
﹂
⋮泣くほどかーー
!?
ん、この豆腐クレープおいしい
づいてくる
﹂
﹁はい、一口どうぞ﹂
﹁⋮はい
さっきのお礼﹁お、おぉぉお姉様
﹁味見でしょ
﹂
佐天さんと間接キッスしようなどと
ありながら
あんたは黙ってなさい
⋮ん
﹂
・
・
隣に座る初春に話しかけるも、反応がない
﹁初春
・
あの銀行がどうかしたの
﹂
?
んか
﹂
﹂あ∼もう
黒子
﹁⋮平日の昼間からシャッターが閉まってるなんておかしくありませ
﹁初春
なんの変哲もない、ただの銀行だ
初春の視線を辿る
?
!
!
﹁初春⋮あんたの友達には、ついていけないかも⋮﹂
!
わ、私というものが
そんなことを考えながら見ていると、視線に気づいた御坂さんが近
いや白井さん、生クリームに納豆はさすがにダメでしょ⋮
あっ、御坂さんが白井さんに迫られてる
が、またなんとも乙ですなぁ⋮
間に挟まってる豆腐クリームと、絹ごし豆腐の味が微妙に違うの
!
は、初春と白井さんが確保したベンチで、クレープを食べる
ーー多少トラブルはあったが、なんとかクレープを購入した私たち
﹂
そういうと、御坂さんは絶望のオーラから、反転、目を輝かせる
﹁え
﹁ありがとう∼
﹁は、はい⋮どうぞ⋮﹂
⋮必死すぎて怖い
?
大喜びの御坂さん
!!
御坂さんは、白井さんの対処をしに行く
!
?
?
?
?
?
20
!
!
!
その一言に、緊張が走る
⋮と、次の瞬間、爆発が起きる
﹂
ジャッジメント
非常ベルと悲鳴が鳴り響く中、白井さんが、腕章を付けて道路に飛
び出る
アンチスキル
ジャッジメント
警備員への連絡と、怪我人の有無の確認を
﹁初春
﹂
!
わたしも⋮﹂
んだけど⋮
﹁黒子
﹂
﹁いけませんわ、お姉様﹂
﹁へ
ジャッジメント
﹁学園都市の治安維持は私たち、風紀委員のお仕事﹂
﹁今度こそ、お行儀よくしていて下さいな﹂
公園の中央に集まって下さ∼い
あと
!
通報する初春⋮私は⋮誘導でもしておこうかな⋮
﹁みなさ∼ん
﹂
っと、こんな感じでいいのかな
いたら教えて下さ∼い
!
危険です
﹂
!
⋮ん
﹁⋮めです
﹂
!
﹁どうしたの
﹁実は⋮﹂
﹂
﹂
﹁男 の 子 が 1 人 足 り な い ん で す
かったっきりで⋮
!
?
﹁私も﹂
怪我した人が
⋮なんか、また私だけ除け者にされそうな気がする⋮
﹁じゃあ、わたしと初春さんで⋮﹂
!
さ っ き、忘 れ 物 を 取 り に バ ス に 向
なにやら、初春がバスガイドさんの腕を掴んでいる
﹁離して
!
あっ、なんかそうこうしてる内に白井さんが1人やっつけてる
?
!
!
前線に出ようとする御坂さんと、それを止める白井さん、警備員に
アンチスキル
⋮すごい、初春も白井さんも、風紀委員みたい⋮いや、風紀委員な
﹁急いで下さいな
﹂
﹁はい
!
!
?
21
!
!
?
口を開くと、みんなが見てくる
﹁私も行きます﹂
﹂
御坂さんが心配そうに見てくるので、大丈夫だと頷くと、御坂さん
も頷きで返してくれた
パイロキネシスト
﹁じゃあ、手分けして探しましょう
ーー
を探す
﹁そっちは
﹂
﹁ダメです⋮﹂
﹂
避けられない
強盗が足を振り上げる
﹁テメェッ
うとするが、足がもつれ、バランスを崩す
強盗の手に手刀を当てると、男の子を抱きかかえ、すぐさま逃げよ
それを見た私は、思わず駆け出していた
ていた
そちらを向くと、男の子が、強盗の1人に連れて行かれそうになっ
御坂さんが唸っていると、視界に人影が入る
﹁どこ行ったのよ、もぉ∼
﹂
ーー白井さんが発火能力者を相手どっている間に、私たちは男の子
!
﹁うっ
﹂
仕方ないので、男の子に当たらないよう、なるべく体を捻る
!
﹂
⋮いやぁまさか顔を蹴られるとは⋮あっ、涙出てきた
﹁佐天さん
初春が、悲鳴のように私を呼ぶ
!
﹂
大丈夫だよ、そんなにいたk⋮いや、痛いけども
﹁黒子ぉ
!
22
!
?
!
強盗の蹴りは、私の顔に当たった
!
突然の御坂さんの怒鳴り声に、ビビる
なんか、バチバチ鳴ってんだけど、アレ大丈夫
﹁御坂さ⋮
﹂
⋮ってヤバッ
あ、強盗が車で逃げる⋮と思ったらUターンしてきた
?
⋮あれ、生きてる⋮
われていた
レー ル ガ ン
﹁⋮アレが、超電磁砲⋮すごい⋮
ーー
﹂
!
⋮私はというと⋮
﹁ありがとうございました
﹂
ーーその後、強盗たちは、駆けつけた警備員に連行されて行った
アンチスキル
強盗のことが、少し心配になりながらも、私の目は、御坂さんに奪
?
車は縦に何回転もしながら、御坂さんの後方に墜落する
が走り、向かってくる車の目の前に着弾した
次の瞬間、凄まじい轟音と共に、御坂さんの伸ばした腕から、閃光
キーン、となにかを弾く音が聞こえた
!
ーー
﹁どういたしまして﹂
﹂
私は自然と、男の子の頭を撫でていた⋮
⋮そういう男の子の姿が、実家にいる弟に重なる⋮
﹁お姉ちゃん、ありがとう
⋮どうすればいいんだろう⋮
バスガイドさんと、助けた男の子の母親にお礼を言われてた
﹁え、えぇっと⋮﹂
﹁なんとお礼を言っていいか⋮﹂
!
!
23
!
アンチスキル
ーー警備員の軽い取り調べを終え、一息つく
﹁お疲れ様﹂
声の方を向くと、御坂さんがいた
﹂
﹁お手柄だったね、佐天さん﹂
﹁え
﹁すごく、カッコよかったよ﹂
⋮あぁ、なんだろう⋮この気持ちは⋮
⋮なんていうか⋮すごく、まんざらでもない⋮
﹂
﹁御坂さんも⋮﹂
﹁お姉様∼
⋮
!
てくる
!?
﹁本当ですか∼
﹂
﹁おぉ、平気平気、余裕だって﹂
﹁お怪我、大丈夫ですか
﹂
白井さんに抱きつかれる御坂さんを眺めていると、初春が駆け寄っ
﹁佐天さ∼ん
﹂
カッコよかったですよ、といおうとすると、白井さんに邪魔された
!
﹂
!
あっ、御坂さんの堪忍袋の尾が切れたーー
﹁いい加減に、しろッ
そう、想わずにはいられなかった
⋮みんなと一緒なら、どこまでも行けそう⋮
﹁御坂さんも⋮カッコよかったですよ⋮﹂
痛みを誤魔化すように、さっき言えなかったことを、小さく呟く
ヒリします⋮
⋮嘘です、実は蹴られたとき、口内を噛んだらしく、口の中がヒリ
?
24
?
ーー音楽が止む
馬の骨どものボルテージは、最高潮に達していた
ギターの男が、口を開く
﹁えー、P│モデルです﹂
男が喋ると、馬の骨どもはさらに沸き立つ
﹁今日は、えー、LIVEに来ていただき、あー、ありがとう、ござい
ます﹂
﹁えー、ご覧の通り、おー、今回の主役は、あー、彼女でございます﹂
﹁ちなみに、あー、彼女は、SP│2では、あー、ありません﹂
﹃えぇー﹄
﹁えー、じゃない﹂
25
﹁この、おー、作品は、あー、作者の気まぐれで書いているので、えー、
﹄
見辛いかも知れませんが、あー、ご了承下さい﹂
﹃
﹁Big Brotherーー
﹁では、よろしく﹂
思います﹂
﹁じゃあ、時間がなくなってきたので、次の曲に、おー、移りたいと、
﹁インタラのときは、あー、事前告知します﹂
しければ、ご参加下さい﹂
﹁そのときは、あー、活動報告で、アンケートをとるので、おー、よろ
知れません﹂
﹁あー、ごく稀に、えー、インタラクティブLIVEになるかも、えー、
﹁えー、こっちの話です﹂
?
ーーそして、次の曲が始まるーー
26