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観光学研究科
観光学専攻
F I E L D O F S T U DY
◆
専 攻 の ポイント
観光を多角的かつ学際的に研究
観光に関する多角的かつ学際的研究を展開。
「観光行
Tourism
幅広い視野が不可欠
ます。観光に関する研究・調査を総合的に推進する能
力をもち、客観的な視野から観光学のフロンティアに
立つ人材を育成します。
活気があり充実した研究環境
本専攻の特長は、単なる高度な専門的知識ばかりでなく、
幅広い視野を獲得できる教育です。
博士課程前期課程は専門的な研究者、教員をめざす人に加え、
国籍や社会的背景などが異なる大学院生が集まり、
オープンで活気に満ちた雰囲気も特長のひとつです。
また、観光学全領域にかかわる内外の図書・資料を保
有しています。
観光行政のリーダーをめざす人々にも門戸を開いています。
観 光 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
麻生憲一 教授
韓志昊 准教授
ホスピタリティ産業における小規模ビジネスのマー
ケティングやマネジメントの研究に取り組んでい
る。家族経営や少人数での経営が直面する諸問題
の分析や地域連携について研究している。また、ホ
スピタリティ概念の理解、行為としてのホスピタリ
ティについても研究を進めている。
羽生冬佳 教授
人が訪れる空間の成立・変遷に関することを中心に
研究を行っている。具体的には、観光地化の過程と
地域社会への影響、観光資源の管理および活用方法、
空間の変化と観光行動の関連、それらの背後にある
制度や思想などについて、様々な単位の空間を対象
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大学院進学相談会
葛野浩昭 教授
とし研究を進めている。人々がわざわざ訪れるよう
な空間、あるいは訪れるという行動そのものにも、暮
らしを豊かにしていく様々なヒントが込められてお
り、こうした研究を通じて、真に豊かな地域、都市、国
土の構築の一助となることが最終的な目標である。
橋本俊哉 教授
観光行動の理論的研究に多角的に取り組んでいる。
具体的には、観光・レクリエーション空間における
人々の行動特性研究、自然地域における観光行動と
心理的効果の研究、観光行動における感動のプロセ
ス分析や五感の効果に関する研究などである。ま
た、これらの研究の知見をベースとし、観光者行動
の視点にたった観光現象の理解や観光地づくりへの
応用に関する研究に、幅広く取り組んでいる。
門田岳久 准教授
文化人類学・民俗学の立場から、現代日本における
宗教的実践のあり方に関する民族誌的研究を行って
きた。具体的には巡礼や聖地、呪術といった宗教的
事象と、ツーリズム、メディア、文化遺産制度などの
現代的システムとの相関についてが主な関心対象で
ある。また欧米民俗学や経験社会学を基礎とした語
り研究(ナラティブアプローチ)の観点から、宗教経
験に関する経験的語り・生活史の収集・分析も行っ
ており、その観点から現代民俗学の理論的再編を試
みている。近年ではコミュニティの持続と文化運動
を主題に、廃校の再活用、地域史の自己記述と「野
の学問」に関する実践的な研究を、主に国内島嶼部
をフィールドに行っている。
毛谷村英治 教授
楽しさや心地よさ、寛ぎ感、趣が重視される建築や
都市についてその空間構成やデザイン手法を分析し
研究するとともに、その中で営まれる人々の活動や
行為、それらの積み重ねに伴って醸成される空間文
化について研究している。人の気持ちに変化を与え
る空間演出の手法についての研究にも積極的に取り
組んでおり、ホテルやカフェ、移動遊園地、繁華街な
どを対象に調査と分析を進めている。空間がもつ
「らしさ」について特に着目しており、意匠的な構
成要素の分析に加えて、それが生み出されることに
なった背景についても現地調査や文献調査を通して
考察を進めている。
専攻領域は文化人類学。北欧スカンディナヴィア
半島北極圏地域の先住民族・サーミ人の社会での
フィールドワーク調査を原点に、生業活動、文学や音
楽などの芸術活動、博物館展示やそのための調査・
研究活動などに注目しながら、世界の先住民族の復
権運動・文化復興運動を研究している。観光に関し
ては、旧来のレジャー的なエスニックツーリズムを
乗り越え、先住民族側からは文化の発信、観光客側
からは文化の学習と位置付けられる先住民族観光の
展望に関心をもつ。指導可能な研究範囲はフィール
ドワーク論、民族誌論、先住民族観光あるいはエス
ニックツーリズム論、
「観光のまなざし」論、北欧社
会論等。
舛谷鋭 教授
東南アジア、特にマレーシア・シンガポール・ブルネ
イなどの島嶼部について、フィールドワークを元に
した地域研究を行っている。言語文化を主な研究対
象とし、アジアのポストコロニアル文学に加え、旅行
記・ガイドブックなどのトラベルライティングにつ
いて、史資料解釈の他、インタビューによって得ら
れるオーラルヒストリーを用いた研究手法を使って
いる。指導可能なテーマとして、観光文化と文学研
究、
人の移動研究としての華僑華人研究などがある。
松村公明 教授
地理学を専門領域とし、特に観光地理学に関わる分
野では、旅行者の流動からみた拠点都市と、交通後
背地の形成・変容過程に関する研究を、主要な研究
テーマとする。広域スケールでは、交通革新による
ゲートウェイシティの出現と、それを結節点とする
観光交通地域の再編成など、地域システムに関わる
諸問題を対象とする。都市内スケールでは、都心の
拡大と移動にともなう観光空間の変容など、都市
内部構造に関わる地理的事象を取り扱う。おもな
フィールドとして、日本の東北地方を中心とする地
方都市、およびフランスの諸都市に加え、近年には
国境観光に着目した中国周辺地域が挙げられる。
観光事業の革新と再構築、持続的な観光地経営のための観光事業評価
大学院への進学を考えている方のために、大学院進学相談会を開催し
とネットワーク形成の手法を学びます。さらに、アジアにおける観光研
ています。観光学研究科の教職員、大学院生が質問に答え、各種資料を
究の拠点となることをめざし、各国で観光研究をリードする複数大学と
配布します。立教大学観光学研究科を受験したいと考えている方はぜひ
の学部間協定による連携のもと、学生に豊かな研究の場を提供します。
ご参加ください。6 月、7 月、 8 月、11月に開催を予定しています。
村上和夫 教授
千住一 准教授
①〈観光言説の研究〉観光経験後に人々が行う旅行
言説の研究から観光旅行が社会にもたらす
「楽しさ」
の研究を行う。物語論ならびにレトリック分析によ
り、観光経験にもとづく 旅の楽しさの語り方 の特
性を明らかにし、それが日常会話からメディアへと
広く用いられる現象を明らかにする。 ②〈観光地
の地域運営方法の研究〉少子高齢化による社会構造
の変容が、観光地運営に与える影響と対応策として
観光地運営の革新について分析する。特に、農山村
地域におけるグリーンツーリズム以降の地域社会と
観光事業の関係について研究する。
歴史学、特に日本近代史の観点から主に文字史料に
もとづいて観光現象を分析している。現在取り組ん
でいる研究テーマは、近代日本が有していた植民地
/占領地において看取される観光についてである。
考察に際しては、現象の再構成のみならず、植民地
/占領地統治の一手段として機能した観光のありよ
うや、日本内地と植民地/占領地のあいだを往復す
るツーリストたちが帯びていた媒介性といった側面
にも着目している。したがって研究指導において
も、観光との関係を有する出来事の歴史的経緯を単
に再構成するだけでなく、そうした変遷の背景とし
てある政治・経済的要因や社会・文化的動向との相
互作用のなかに現象が位置付けられて説明されるよ
う、心掛けている。
大橋健一 教授(2017 年度春学期 長期海外出張予定)
文化現象としての観光に関する文化人類学的・社会
学的研究を研究テーマとする。観光を回路とした
「文
化」の生成過程に関する研究をはじめ、人と「文化」
の移動の結節としての都市および結節となる諸施
設・装置(ホテル、空港など)に関する研究、モノ(物
質文化)
の移動過程としての観光現象に関する研究、
「トランスナショナリズム」
・
「トランスカルチャリズ
ム」をめぐる理論的研究、など現代社会における移
動性と「文化」の動態に着目した研究を行っている。
小野良平 教授
風景・景観計画論に関わる研究に、ランドスケープ
デザイン(造園学)の立場から取り組んでいる。観
光は風土や風景を直接の資源とした事象であるの
で、風景・景観の取扱いが常に課題となる。しかし
風景・景観は環境そのものではなく、環境とそれを
体験する人との関係であるので、単にまちや自然の
美しさ、快適さだけでなく、それを成り立たせる仕
組み、さらにはそこに人が与える意味をあわせて考
えることが求められるテーマといえる。観光地をは
じめ様々な土地の風景・景観について、それを生み
出す諸関係を自然・歴史・空間に留意して捉えなが
ら、その価値評価、保全・創造のあり方について幅
広く考えたい。
佐藤大祐 教授
観光地理学を専攻しており、研究テーマは、文化伝
播と地域形成、集客圏と客層、観光行動などである。
これまで、都市部・リゾート地域を含めた沿岸域が、
ヨットやダイビングなどのマリンスポーツの普及に
伴っていかに変容したのかを、漁業や工業などの既
存産業との軋轢や棲み分けといったものに注目しな
がら研究してきた。他にも、避暑慣習の伝播に伴う
高原避暑地の形成や、ホテルの集客圏と客層などに
ついても、土地台帳や宿泊客台帳などの詳細なデー
タを収集して GIS 等を活用しながら分析し、解明し
てきた。今後は、上記の研究内容を充実させると共
に、スポーツと観光の関わり(スポーツ観戦客によ
る都心部活性化など)やまちづくりなどの分野にも
研究対象を広げていく。
庄司貴行 教授
観光産業の産業社会学的および経営組織論的分析と
その国際比較を主要な研究テーマとしている。中で
も人々の働き方、協働のあり方に注目し、それに影
響を与える雇用関連法や資格制度、ならびに組織と
しての雇用制度・慣行や個人としての就労意識や
キャリア概念などを視野に入れながら、観光産業を
システムとして分析することをめざしている。
高岡文章 准教授
観光社会学を専門としている。具体的な研究内容
は 3 つに分けることができる。①観光におけるオー
センティシティについての理論的探究。②歴史的町
並みや天守閣を題材とした、観光におけるオーセン
ティシティについての実証的研究。③観光研究にお
けるメディア概念の再検討とルート概念の導入。こ
れら 3 つに加えて、都市や地域、文化、社会をめぐる
社会学的分析にも問題関心をもっている。
杜国慶 教授
都市観光と観光地理学を研究テーマとする。空間概
念を強調する地理学に基づき、
「人間活動としての
観光の空間的表現」を究明したい。その際、日本国
内だけではなく、海外まで視野を広げ、空間的視点
から観光現象を洞察する。地理情報システム(GIS)
など新しい技術を活用する。近年、中国において、
雲南省を対象とした少数民族地域の観光開発による
地域の変容、華僑を多く送出した僑郷(華僑の故郷)
について現地調査と研究を続けてきた。また、日本
では帰化人口の変化に注目し、外国人の定住化に関
する研究も進めている。
豊田由貴夫 教授
専門は文化人類学であり、パプアニューギニアを中
心とする南太平洋地域を研究対象としている。これ
までこの地域において、近代化が現地にもたらす影
響、開発と文化の問題、新興国家におけるナショナ
ル・アイデンティティ形成の問題、ネイション・ビ
ルディングなどを研究課題としてきた。また、この
他に民族植物学、観光と文化の問題なども研究課題
としている。これらに加えて睡眠と文化の研究、東
京ディズニーリゾート研究も行ってきている。
豊田三佳 教授
観光学専攻
観光に関するより高度な知識を身につけ、観光産業、
専門領域はマーケティング。主として大規模な消費
財メーカーを念頭において構築されてきたマーケ
ティングの基礎的な理論や技法を、企業のみならず、
社会の様々な問題の解決に向けて拡張・適用してい
こうとする考え方、すなわち「ソーシャル・テクノ
ロジー」としてのマーケティングに立脚し、
「観光」
「サービス」
「まちづくり」に関する様々な問題に取
り組んでいる。観光ビジネスやサービス業の経営、
さらには観光地や商店街の振興、地域ブランド、コ
ミュニティビジネスなど、地域振興あるいはまちづ
くりに関わる諸問題にマーケティングを応用し、そ
れぞれの問題の特質や構造の解明、問題解決に向け
た方策の立案を試みながら、
「観光マーケティング」
「地域マーケティング」といった研究領域の確立、体
系化をめざしていきたい。
国内外に視野を広げた人材育成
観光学研究科
多面的で複雑な観光の研究には
東 徹 教授
PICK UP
動・観光文化研究」「観光地域・観光地計画研究」「観
光産業・観光事業経営研究」の 3 分野で構成されてい
近代経済学(ミクロ経済学・マクロ経済学)を分析
手法として、観光現象に関わるさまざまな領域を研
究の対象としている。ミクロ的側面として、観光財
サービスの特性、観光者の最適行動、観光企業の生
産様式、観光市場の特性などを理論的研究の対象と
している。マクロ的側面として、観光消費による経
済効果、国際観光の要因分析、旅行業者の市場構造
などを統計的手法により実証分析を行っている。ま
た近年では「道の駅」を研究対象として観光施設・
防災拠点としての役割や機能について現地調査を通
して研究を進めている。座学にとどまらず、積極的
にフィールドに出かけていき、地域の実態把握に努
めている。
PICK UP
グローバルな規模で人の移動が多様化している今
日、従来の狭義な意味での「観光」=「レジャーを
目的とした旅行」では捉えきれない現象が起きてい
る。研究テーマはグローバル化に伴う、国境を越え
た人の移動に関連した事象が中心。具体的には、①
老後を海外で暮らすシニアのロングステイツーリズ
ム、②観光と移住の境界領域、③医療・ヘルスツー
リズムなど。社会学を専門とし、ジェンダー、ライフ
コースなどの分析枠組みを用いて考察する。また、
開発社会学の視点から、観光開発がもたらす地域社
会への影響にも強い関心がある。
◆
前期課程授業科目/単位
必修科目
観光研究基礎指導 A ……………………………… 2単位
観光研究基礎指導 B ……………………………… 2単位
観光研究基礎技法 ………………………………… 2単位
……………………… 2単位
観光研究法 A(統計分析)
観光研究法 B(統計分析)……………………… 2単位
……………………… 2単位
観光研究法 A(質的分析)
観光研究法 B(質的分析)……………………… 2単位
修士論文指導演習 A ……………………………… 2単位
修士論文指導演習 B ……………………………… 2単位
修士論文 …………………………………………………… ─ 選択必修科目
観光研究演習 A ⑴
観光研究演習 B ⑴
観光研究演習 A ⑵
観光研究演習 B ⑵
………………………………… 2単位
………………………………… 2単位
………………………………… 2単位
………………………………… 2単位
選択科目
観光経済学研究 ……………………………………… 2単位
観光地理学研究 ……………………………………… 2単位
観光人類学研究 ……………………………………… 2単位
観光経営研究 ………………………………………… 2単位
観光計画研究 ………………………………………… 2単位
観光社会学研究 ……………………………………… 2単位
観光文化研究 ………………………………………… 2単位
観光産業研究 ………………………………………… 2単位
観光行動研究 ………………………………………… 2単位
観光言語文学研究 ………………………………… 2単位
観光地経営研究1(革新) …………………… 2単位
観光地経営研究2(ネットワーク)……… 2単位
ベンチャー企業論 ………………………………… 2単位
ベンチャー金融論 ………………………………… 2単位
ラグジュアリーブランド・マネジメント1
………………………………………………………………… 2単位
ラグジュアリーブランド・マネジメント2
………………………………………………………………… 2単位
コーポレートファイナンス研究1 ………… 2単位
コーポレートファイナンス研究2 ………… 2単位
修了に必要な単位
必修科目 ……………………………………………… 18 単位
選択必修科目 ………………………………………… 4単位
選択科目 ……………………………………………… 10 単位
合計 ……………………………………………… 32 単位以上
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用ください。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
※上記科目以外に社会人学生を対象としたサテライト科
目(池袋キャンパス)を開講する場合があります。
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