マーケットレポート 2017年2月号 日本 前月の振り返り

ご参考資料
2017年3月7日
マーケットレポート 2017年2月号
日本
前月の振り返り
(%)
1.5
◆トピックス
2016年10月~12月期の実質国内総生産(GDP)は4四半期連続のプ
ラス成長となりました。前期比年率で+1.0%となっており、景気は緩
やかな回復基調にあります。輸出の増加が景気を押し上げていま
す。
【実質GDP成長率の推移(季節調整済前期比)】
1.0
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
2016年
4-6月
2016年
7-9月
2016年
10-12月
0.0
◆株式市場
-0.5
2月、日本株式は上昇しました。
-0.3
月前半は為替相場が円高に動いたことにより投資家心理が悪化、
-1.0
2/11に予定されていた日米首脳会談を控え様子見姿勢もあり、日経
2015年
平均株価が18,000円台となるなど軟調に推移しました。その後、トラン
10-12月
プ大統領が近く法人減税策を発表すると示唆したこと、貿易摩擦問題
が心配された日米首脳会談が波乱なく終了したことなどから投資家
心理が好転、円安進行も手伝い中旬は株価は上昇しました。その後
(円)
は下旬にかけ、米国の早期利上げ観測が後退したことで円高・ドル安
が進行し、自動車などの輸出関連株を中心に売りが目立つ展開とな 22,000
り、中旬よりやや値を下げました。
◆債券市場
2月、10年国債の利回りは低下(価格は上昇)しました。
月前半は、財務省が実施した10年国債の入札が低調であったこと
や、日銀が指値オペ(日銀が指定する利回りで国債を買い入れるこ
と)の実施を見送ったことが国債の売り材料となり、利回りは0.09%前
後と高めに推移(価格は下落)しました。月後半は日銀がオペの実施
日の事前開示を検討しているとの観測が広がり、オペの透明性が向
上することで債券が買いやすくなると見られたことや、日銀が長期債
も含めて国債の買入れオペを実施したことが、日銀の長期金利抑制
姿勢として捉えられ、月末近くには利回りが低下(価格は上昇)に向
かい、月末には0.05%となりました。
2016年
1-3月
【株価の推移】
2,000
20,000
1,800
18,000
1,600
16,000
1,400
14,000
1,200
日経平均株価(左軸)
12,000
1,000
TOPIX(東証株価指数)(右軸)
10,000
14/2
◆今後の見通し
株式、債券ともに3月に米国が利上げを決定するか否かが注目ポイ
ントです。利上げが発表されれば日米金利差拡大から円安の動きと
なり、日本株にはプラスの流れとなりそうです。反対に利上げが見送
られると、日米金利差縮小から円高となり、日本株は上値が抑えられ
る展開も予想されます。
日本債券市場も、米国の利上げが決定されると、米国の金利上昇に
影響を受け、日本債券の利回りも上昇すると考えられますが、日銀が
10年国債利回りの上昇を抑制する姿勢は明確に示されており、利回
りの上昇もある程度抑えられるものと考えられます。
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
800
17/2
(年/月)
【10年国債の利回りの推移】
(%)
1.0
0.8
0.6
0.4
2月末
株式
1月末
月間
騰落率
0.2
0.0
日経平均株価(単位:円) 19,118.99 19,041.34
0.41%
-0.2
TOPIX
0.90%
-0.4
14/2
債券 10年国債利回り
1,535.32
0.050
1,521.67
0.085 ▲ 0.035
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
※債券の騰落率は利回りの変化幅です。
(出所)QUICK FactSet WorkstationのデータをもとにJP投信作成
1/4
ご参考資料
米国
前月の振り返り
【株価の推移】
(米ドル)
30,000
◆トピックス
2月9日(現地時間)、トランプ大統領が近く税制改革案を発表する
意向を示したことや堅調な経済指標などを背景に、NYダウが30年
ぶりに12日連続で過去最高値を更新するなど、株式市場は好調と
なりました。2月28日夜には、トランプ大統領が上下両院合同会議 25,000
で初の議会演説を行い、「米国第一主義」に基づき、軍の再建や移
民対策の強化、雇用の創出に向けた経済政策など主に国内の課
題に重点的に取り組むことを表明しました。市場の注目点であった 20,000
減税策やインフラ投資額、実施のスケジュールは示されませんでし
たが、これまで示されていた内容が踏襲されたことで安心感が広
がりました。今後は、議会との調整を経て、具体的な施策や財源な
15,000
どについて、どのタイミングで提示されるかが注目されます。
◆株式市場
株式市場は大幅に上昇しました。9日にトランプ大統領が米航空大 10,000
手首脳陣との会談において「今後2、3週間以内に目を見張るよう
14/2
な税関連の計画を発表する」と述べたことを受け、減税による米景
気の拡大期待が広がり、以降NYダウでは、過去最高値を更新しな
がら12営業日連続で上昇しました。
◆債券市場
米10年国債利回りは低下(価格は上昇)しました。フランスの大統
領選を巡る不透明感の強まりや、22日公表されたFOMCの議事録
等を受けて早期の米利上げ観測が後退したことなどを背景に、安
全資産とされる債券を買う動きが優勢となりました。
3,000
NYダウ工業株30種(左軸)
S&P500種(右軸)
2,500
2,000
1,500
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
1,000
17/2
(年/月)
【10年国債の利回りの推移】
(%)
3.5
3.0
2.5
◆為替
米ドル/円は、小幅な円高・米ドル安となりました。月上旬は日米首
脳会談で為替問題が取り上げられなかったことやFRBによる早期 2.0
利上げ観測の高まりなどから、一時円安・米ドル高の動きとなりま
した。中旬以降は、FOMCの議事録等を受けて早期の米利上げ観
1.5
測が後退したことから米金利が低下し、日米の金利差縮小を見込
んだ円買いが優勢となりました。
◆今後の見通し
引き続き、トランプ大統領の発言や動向が金融市場の材料になる
と見られます。近く予算教書が提出される見込みであり、その後も
大統領経済報告の議会提出が予定されることから、トランプ政権
による具体的な政策内容が次第に明らかになる見通しです。トラン
プ大統領の米国の雇用を最優先する姿勢は一貫しており、財政刺
激と規制緩和が米国の景気を拡大させると見ています。株式市場
は、トランプ大統領に対する期待が続くことに加え、企業業績が拡
大に向かうと見られることから、堅調な推移を見込みます。金融政
策面では、3月14~15日に開催されるFOMCにおいて、政策金利の
引き上げが決定されるかに市場の関心が集まっています。3月10
日に発表される雇用統計次第では3月利上げの可能性もあると見
ています。
2月末
株式
NYダウ(単位:米ドル)
S&P500
債券
10年国債利回り
為替
米ドル/円
1月末
20,812.24 19,864.09
1.0
14/2
4.77%
2,278.87
3.72%
2.396
2.462
▲0.066
112.56
113.81
▲1.10%
15/2
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
【為替の推移(対円)】
(円)
140
120
100
月間
騰落率
2,363.64
14/8
80
60
14/2
※債券の騰落率は利回りの変化幅です。
(出所)QUICK FactSet WorkstationのデータをもとにJP投信作成
2/4
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
ご参考資料
欧州
前月の振り返り
【株価の推移】
◆トピックス
13,000
英国議会下院は2月8日、メイ首相にEU離脱通知の権限を与える法
案を賛成多数で可決しました。また、2月20日より英国議会上院にお
いて法案の審議が開始されました。法案が成立した場合、メイ政権は 11,000
3月中にEUに対して離脱通知を行う予定です。フランスでは極右政
党・国民戦線のルペン党首が大統領選の公約を発表しました。その
内容は、フランスに流入する移民の抑制、不法移民を国外に送還、
9,000
EU離脱の是非を問う国民投票の実施などが含まれます。足元、ルペ
ン氏の支持率が高まっている状況です。イタリアでは最大手行のウニ
7,000
クレディトが2016年12月期決算を発表、経営健全化に向けた不良債
権処理を背景に最終損益は118億ユーロの赤字となりました。
◆株式市場
DAX指数(独)およびFTSE 100(英)は上昇しました。ドイツ株式市場
は月前半、ドイツ銀行の2016年10~12月期決算が18億9000万ユーロ
の最終赤字となったことから、軟調に推移しました。月半ばから後半
にかけて、米国の株高を受け、世界的にリスクオンの局面となり、株
価は上昇しました。英国株式市場は月間を通じて概ね堅調に推移し
ました。
◆債券市場
ドイツ10年国債および英国10年国債は利回りが低下(価格は上昇)し
ました。フランス大統領選で、極右政党・国民戦線のルペン党首の支
持率が上昇するなど、欧州の政治リスクが警戒され、相対的に安全
資産とされる債券が買われる動きとなりました。
◆為替
ユーロ/円およびポンド/円は円高ユーロ安、円高ポンド安となりま
した。ユーロは欧州の政治リスクを警戒して売りが優勢となりました。
ポンドはイングランド銀行が政策金利の据え置きと量的緩和の規模を
維持するとしたことから売られました。
ドイツDAX
5,000
3,000
14/2
14/8
15/2
英国FTSE100
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
【10年国債の利回りの推移】
3.5
(%)
3.0
ドイツ10年国債利回り
英国10年国債利回り
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
◆今後の見通し
0.0
英国のEU離脱にあたり、EUの執行機関である欧州委員会は、英国
に対し、EUにおける拠出金の未払額の支払いを求める方針を打ち出 -0.5
しました。未払額は最大で600億ユーロ程度と巨額であることから英
14/2
国は反発、3月に始まる離脱交渉に影響を与える可能性があります。
欧州ではポピュリズムが広がりをみせています。4月に大統領選が行
われるフランスでは、極右政党・国民戦線のルペン氏が支持を集めて
います。3月に総選挙が行われるオランダでは、極右政党の自由党の
支持率が高まっており、第1党となる勢いです。今後も欧州の政治イ
(円)
ベントに注目する必要がありそうです。
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
【為替の推移(対円)】
200
2月末
株式
債券
為替
ドイツ DAX
英国 FTSE100
1月末
11,834.41 11,535.31
月間
騰落率
180
2.59%
160
7,263.44
7,099.15
2.31%
ドイツ10年国債利回り
0.209
0.439
▲0.230
140
英国10年国債利回り
1.077
1.443
▲0.366
120
118.98
121.75
▲2.28%
ユーロ/円
英ポンド/円
139.81
142.43
ユーロ
英ポンド
100
▲1.84%
※債券の騰落率は利回りの変化幅です。
(出所)QUICK FactSet WorkstationのデータをもとにJP投信作成
3/4
80
14/2
14/8
15/2
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
ご参考資料
【ご留意事項】
●当資料は、JP投信が投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に
基づく開示書類ではありません。
●ご購入のお申し込みの際は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身で
ご判断ください。
●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準
価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益
は全て投資者の皆さまに帰属します。
●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり、預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象では
ありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
●当資料は、信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するも
のではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を
示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の
開発元もしくは公表元に帰属します。
商号:JP投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2879号
加入協会:一般社団法人投資信託協会
●当資料は、JP投信が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示資料ではなく、証券取引の勧誘を目
的としたものでもありません。
4/4