異国の正月 40℃ 新年になりましたが全く正月感が有りません。年々正月感が薄れて、小学生の頃とは 比較にならない程お年玉や連休のわくわく感が無くなっていきますが、今年程年末年始 の雰囲気が無かった年は有りません。それもそのはず中華圏ではいよいよ年末です。こ れから『春节』新年こと春節へ向けての準備に入るところなのです。学生寮の部屋の扉 にも正月を祝う正月飾りを飾る学生がちらほら。こちらはこちらで、ひと学期の総まと め、期末試験が待っています。おせちで一杯という訳にもいきません。 週が明けて明日試験という時になって人生初の 40℃の熱。 今朝目を覚ましますと怠くて熱がある。起き上がれないという程も無いので、午前中 は授業に出て、午後に熱が上がり、いよいよ苦しくなってきてこのままでは不味いと思 い、行きたくはないが校内にある病院に行き、受付に何とか片言で具合が悪い事を伝え、 医者に掛かりました。細かい状態は伝えられなくても、熱が高くて具合が悪いという事 さえ伝えられたらいい、とにかくこの状態は不味い。何とかしなければ。 幸い、『頭が少し痛い』『今朝から具合が悪い』『喉が凄く痛い』が通じた様で医者に 耳を引っ張られる。何も言わずいきなり引っ張られる。何かを耳に入れられ、すると医 者が『あ~これ』と温度を見せる、よく判らない数字だったのでもう一度見ると、40℃。 道理で苦しい訳だ。薬と栄養剤の様な物を貰い、飲みたくはないけれども仕方無く、本 当に他には仕方が無く飲む。この時『背に腹は代えられぬ』という言葉を思い出しまし た。なるほど、こう言う時のこう言う気持ちを云うのか。 薬剤師からは『吃药;薬を食べなさい』と言われるも薬を飲むのではなく『吃;食べ る』と言う表現と知らず何度も聞き返す。では液体の栄養剤は… と聞くと『喝;飲め、 飲む』と応答。薬は『中药;漢方薬』では無くて『西药;抗生物質』など、外人だから か何なのか漢方薬臭全開の部屋から市販薬風の薬が出て拍子抜け。折角だから本場中国 大陸の伝統漢方薬を試したかったのですが詮無い。 試験が終わりその日の内に旅立つドイツ人、遠いし飛行機代が高いと言って 1 年以上 帰国していないサウジアラビアのビックリするくらい色白な青年、切符買ってないけど 何時でも帰れると言っていて同じ仏教徒で挨拶は必ず合唱礼拝のタイ人、様々です。 折角ある時間、方々へ出掛けようと思ったのですが、ずっと体調が芳しくなく、何処 へも出かける事は有りませんでした。 27 日の大晦日、大半が帰国し静まり返った寮で、郷に従い夜遅くに炊事場で 4 人(私 達と同じく栃木から来ている研修生と)で水餃子を頂くことに。日本は年越しには蕎麦、 お隣中国は年越しは『水饺;水餃子』。如月になろうとしているのに蕎麦が恋しくなり ます。ここぞとばかりに母国語全開です。同級生の話や、何処の食堂が旨いとか、あの 店は安い等と話をしていると 23 時半を回り、そして『红包;お年玉』を貰いに行こう、 という事になり、お年玉は久しく貰っていないどころかあげる年齢になっているのでこ こぞとばかりに意気揚々貰いに向かいます。配っていると聞いた、大学構内の巨大な毛 沢東像の元へ。 お年玉の包みが赤い紙で文字が書かれている物もありますが、とにかく真っ赤な包み でそのままの呼び方。お祝いや結納の際も『红包』の様です。 像の所へ行くと、足元どころか周辺にも人の気配は無く、周囲も確認したのに誰も居 ず残念ながら寮へ。 中華圏の正月はそれはそれは激しく、鳴り物入りで豪華絢爛、の筈が杭州市では禁止 されていて爆竹は無し。何処かで花火の音が聞こえますが、何処か判らず何とも淋しい 新年の瞬間でした。台北のビル 101 の花火とまではいかなくても、それなりに期待をし ていたので、これも異国での経験と言えばそれまでですが、残念無念。お年玉と併せて がっかりです。この経験も何時か活かせられたら幸いです。 揚げ餃子と茹で餃子とフランクフルトソーセージ 現地風年越し
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