農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報 国・地域名 EU 【更新】2017年2月 人口・経済発展状況等 〔参考:日本〕 ●人口:1億2,699万5,000人(2016年7月確定値、内閣 府) ●実質GDP成長率:1.2%(2015年、内閣府) ●1人あたりGDP(名目):3万7,304ドル(2016年、 MF) ・ 人口 5億1,015万 人 EU28カ国、2016年、EU統計局(EUROSTAT) 2.2 % 2016年、EU28ヵ国、EU統計局(EUROSTAT) ・ 実質GDP成長率 ・ 1人あたりのGDP(名目) ・ 在留邦人 2万8,859 ドル 20万5,205 人 ・ 日本食レストラン数 日本からの農林水産物輸出状況 (2015年/財務省貿易統計(確定値)より ジェトロ算出) 味覚、嗜好上の特徴 2015年、EU28ヵ国、EU統計局(EUROSTAT) 外務省「海外在留邦人数調査統計」平成28年要約版 n.a 店 400億円 うち農産物314億円(78.4%)、林産物14億円(3.4%)、水産物73億円(18.2%) 輸出額の多い品目:アルコール飲料(ウイスキー等)、 調味料(醤油、ソース混合調味料等)、 ホタテ貝、 播種用の種、 緑茶 ・ EU各国が独自の食文化をもつ(詳細は各国参照) 1 動物検疫:牛肉を除き、畜産物(肉類・乳製品)は基本的に日本からの輸出は不可。牛肉については認定を受けた群馬、岐阜、鹿児島の4施設からの出荷に限り可。 2 日本産の固形肉・乳成分・卵入りの加工食品は基本的に日本からの輸出は不可。例えばカレー、菓子類、洋菓子、乳性飲料などにも含まれることがあるので留意する。 3 水産物については品目毎にHACCP認定を受けた49施設からの出荷に限り輸出可(天然水産物の場合、漁業規則に基づく漁獲証明書も必要)。 4 植物検疫: 諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件一覧(農水省) http://www.maff.go.jp/pps/j/search/e_hayami_kamotu.pdf 検疫・安全規制等 EU日本産カンキツ生果実の輸出検疫条件の概要 http://www.maff.go.jp/pps/j/search/pdf/eu_citrus.pdf(同上) 5 食品添加物・香料規制:食品添加物・香料についてはポジティブリスト制度をとっており、日本で使用が認められている添加物がEUでは認められていないことがある。例えば日本で使用が認められてい る天然添加物(クチナシ、ベニコウジ)の使用が認められていない。EUで使用できない添加物の例:赤102号(ショウガ)、赤106号(漬物)、ソルビトール(菓子)、アナトー色素、クチナシ色素、 ベニバナ色素、ベニコウジ色素など。 6 魚介類の含有割合が50%未満(その他の動物性原材料を含有しない)の加工食品については、EUHACCP認定を取得しなくても輸出可(2020年末までの経過措置)。 制度的制約 7 (安全性の議論とは別に)EU域内で「茶葉」が生産されていないことを背景に、日本で使用可能な農薬がEUのポジティブリストには入っていないことがある。そのための特別な対応(輸出前の残留農 (EU共通) 薬検査、場合によっては輸出先加盟国の管轄機関への残留農薬基準(MRL)の新規設定あるいは引き上げなどの申請)が必要である。 8 ワインおよび蒸留酒の容量規制:指定されている容量サイズで販売する義務がある。焼酎・リキュールも該当。ただし日本酒は該当せず。 1 放射性物質検査証明書を要求。輸入国にてサンプル検査。 ①福島県:きのこ類、水産物(海藻、活魚、ホタテ除く)、米、大豆、柿、山菜類 ②新潟県、山梨県、静岡県:きのこ類および一部の山菜類 原発関連規制 ③秋田県、山形県、長野県:きのこ類および一部の山菜類 ④岩手県、宮城県、茨城県、群馬県、千葉県:水産物(海藻、活魚、ホタテ除く)、きのこ類および山菜類 ⑤47都道府県:上記の県ごとの放射性物質検査証明の対象品目の使用割合が50%を超える食品および飼料 2 原産都道府県を示す産地証明を添付する。輸入国にてサンプル検査。 福島を除く46都道府県:上記の米、大豆、柿、水産物(海藻、活魚、ホタテ除く)、きのこ類及び山菜類のうち、放射性物質検査証明の対象となる県以外で生産・加工されたもの。またはそれらの使用 割合が50%を超える食品および飼料。 出所)農水省諸外国・地域の規制措置(平成28年12月21日):http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/kisei_all_161221.pdf 商流・物流・商習慣 (EU共通) ・ 各国の規制当局(通関当局)がEU規制を十分正確に把握していないことがあり、また解釈にばらつきがあることから、同じ商品でも、通関する港または時期によって通関の可否が異なることが多い。 農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報 ・寿司は欧州主要都市で見られるが、中国系または韓国系の事業者が提供していることが多い。またテイクアウト用に、現地スーパーなどでも広く販売されている(EU域内共通)。 ・日本食=ヘルシーのイメージは定着しつつある(EU域内共通)。 その他マーケット情報 ・寿司やてんぷら以外にも、お好み焼きやラーメンなども人気が高く、多様な日本の食文化が広まりつつある(EU域内共通)。 ・日本産食材へのニーズは継続してあり、高額商品から、一般の小売店で取り扱うものまで、品目も増加しつつある。ゆずや抹茶などは日本語のまま現地に定着し始めた。 水産物 加工食品 牛肉 戦略品目 (EU共通) ニーズはあるものの、対EUHACCP認定の施設からの出荷に限られ、日本産水産物の取り扱いが非常に少ないのが現状。施設の認定促進が必要。 混合食品規制の改正により即席麵、ソース混合調味料やスナック菓子など肉エキスを原材料に使用している製品は、動物検疫の対象となった(2017年1月より)。 混合食品規制の緩和(特に乳成分入りの商品)、食品添加物規制のEUと日本の差異の解消、賞味期限の短さの解消(長い輸送期間が必要なため)が大きな課題。 2016年も引き続き輸出量は増加しているが、伸び率は鈍化傾向にある。星付きレストラン、高級食材卸へのPRが重要。ステーキ以外の和牛の食べ方(薄切り、たたき、しゃぶしゃぶなど)、カット方法な どの普及活動も必要。産地ブランド別ではなくオールジャパンでの取り組み、ブランド力を保つための高価格帯維持、なども必要。 米・米加工品 日本酒については、日系だけでなく現地業者(主にワイン卸)への商流確保、日本酒が蒸留酒である等の誤解の解消が重要。また、食事とのマリア―ジュ(チョコレートなども含め、相性の良い現地の食 品・料理との組み合わせ)を提案し、日本酒の種類の豊富さ、各々の特徴などをさらにアピールする必要がある。 青果物 花き 域内で生産されているものは、比較的安価に入手できるので、日本の農産物の品質・安全性の高さなどをPRする工夫が重要。 欧州における日本産の認知度が低いことからPR活動が必要。日本産花きの品質の高さや種類の豊富さをさらにアピールする必要がある。また、それぞれの国で好まれる花が違うので、その国に合ったPR活動 が必要。盆栽については、現地の展示会への積極的な参加を通じ、日本産盆栽のPRおよび欧州で求められる商品の傾向を把握することが重要。 茶 Ⓒ2017 JETRO 緑茶茶葉だけでなく、抹茶のニーズが高まっている。抹茶を使用した菓子なども人気を集めだしている。日本茶の安全性や健康イメージ、カテキンなどの機能性成分による効能のPRが有効。
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