農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報 国・地域名 EU 【更新】2016年4月 人口・経済発展状況等 ・ 人口 5億845万856 人 EU28カ国、2015年、出所:EU統計局 1.8 % 2015年、EU28ヵ国、出所:EU統計局 ・ 実質GDP成長率 〔参考:日本〕 ●人口:1億2,687万6千人(2015年9月) ●実質GDP成長率:0.5%(2015年) ・ 1人あたりのGDP(名目) ●1人あたりのGDP(名目):36,230ドル(2014 ・ 在留邦人 年) ・ 日本食レストラン数 日本からの農林水産物輸出状況 27,318 ユーロ 2014年、EU28カ国、出所:EU統計局 198,500 人 (外務省「海外在留邦人数調査統計」平成27年要約版) n.a 店 400億円 うち農産物314億円(78.4%)、林産物14億円(3.4%)、水産物73億円(18.2%) (2015年/財務省貿易統計(確報値)より 輸出額の多い品目: アルコール飲料(ウイスキー等)、 調味料(醤油、ソース混合調味料等)、 ホタテ貝、 播種用の種・果実・胞子、 緑茶 ジェトロ算出) 味覚、嗜好上の特徴 ・ EU各国でそれぞれの特徴あり(詳細は各国参照) 1 牛肉を除き、畜産物(肉類・乳製品)は基本的に日本からの輸出は不可。牛肉については認定を受けた施設からの出荷に限り輸出可。 2 日本産の固形肉・乳成分入りの加工食品は基本的に日本からの輸出は不可(混合食品規制)。例えば、カレー、お菓子類、洋菓子、乳性飲料などにも含まれることもある ので留意。 3 水産物については品目毎にHACCP認定を受けた施設からの出荷に限り輸出可(天然水産物の場合漁業規則に基づく漁獲証明書も必要)。 食品添加物規制:食品添加物についてはポジティブリスト制度をとっており、日本で使用が認められている添加物がEUでは認められていないことがある。例えば日本で使 検疫・安全規制等 4 用が認められている天然添加物(くちなし、べにこうじ)の使用が認められていない。EUで使用できない添加物の例:赤102号(ショウガ)、赤106号(漬物)、ソルビ トール(菓子)、アナトー色素、クチナシ色素、ベニバナ色素、ベニコウジ色素など。 5 濃縮スープ付きラーメンなど、動物性エキスが含まれる加工食品は混合食品規制に留意する必要がある。 6 制度的制約 (EU共通) (安全性の議論とは別に)EU域内で「茶葉」が生産されていないことを背景に、日本で使用可能な農薬がEUのポジティブリストには入っていないことがある。そのため の特別な対応(輸出前の残留農薬検査、場合によっては輸出先加盟国の管轄機関への残留農薬基準(MRL)の新規設定あるいは引き上げなどの申請)が必要である。 7 ワインおよび蒸留酒の容量規制(指定されている容量サイズで販売する義務がある。焼酎・リキュールも該当(日本酒は該当せず))。 1 ①福島県:米、大豆、水産物(海藻、活魚、ホタテ除く)、柿、一部のきのこ類および山菜類、 ②岩手県、宮城県、茨城県、群馬県、千葉県:水産物、一部のきのこ類および山菜類、 原発関連規制 (16年2月19日時 点) ③秋田県、山形県、長野県:一部のきのこ類および山菜類 ④新潟県、山梨県、静岡県:一部のきのこ類 ⑤「放射性物質検査証明が必要な原料産地・品目」(①~④)のリストに掲載されている食品および飼料が50%以上含有されている加工食品・飼料 ⑥原産地不明の食品および飼料 ①~⑥に該当する食品は、日本出発前に検査を受け、EUが定める基準値以下であることを示す放射性物質検査証明を添付する。さらに輸入国にてサンプル検査。 2 1.に該当する品目は、原産都道府県を示す産地証明を添付する。輸入国にてサンプル検査。 商流・物流・商習慣 規制当局(通関当局)がEU規制を十分正確に把握していないことがあり、また解釈にばらつきがあることから、同じ品物でも、通関する港または時期によって通関の可否が (EU共通) 異なることが多い。 ・スシは欧州主要都市で見られるが、中国系または華人系の事業者が提供していることが多い(EU域内共通) その他マーケット情報 ・日本食=ヘルシーのイメージは定着しつつある(EU域内共通) ・価格面の課題はあるものの、高品質な日本産食材のニーズはある(ただし、市場は主に高所得者向けとなっており、ニッチである) 水産物 加工食品 牛肉 戦略品目(特記事項) (EU共通) 米・米加工品 青果物 花き 茶 Ⓒ2016 JETRO 日本産の水産物の取扱が非常に少ないのが現状。施設(EUHACCP)の認定促進が必要。 混合食品規制の緩和(特に乳成分入りの商品)、食品添加物規制のEUと日本の差異の解消、賞味期限の短さの解消(長い輸送期間が必要なため)が大きな課題 星付きレストラン、高級食材卸へのPRが重要。ステーキ以外の和牛の食べ方(薄切り、たたき、しゃぶしゃぶなど)、カット方法などの普及活動も必要。産地ブランド別で はなくオールジャパンでの取り組み、ブランド力を保つための高価格帯維持、なども必要。 日本酒については、日系だけでなく現地事業者(主にワイン卸)への商流確保、日本酒が蒸留酒である等の誤解の解消が重要。また食事とのマリア―ジュ(相性のよい組み合 わせ)の提案が必要。 現地で入手できる、比較的安価な野菜(わさび、白菜、大葉など)や果物(リンゴなど)との差別化(マーケティングの重要性)が必要。 欧州における日本産の認知度が低いことからPR活動が必要。盆栽については、現地の展示会への積極的な参加を通じ、日本産盆栽のPRおよび欧州で求められる商品の傾向を 把握することが重要。 日本茶の安全性や健康イメージ、カテキンなどの機能性成分による効能のPRが有効。
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