駐 在 員 便 り - 日本産業機械工業会

駐在員便り
ウィーン
みなさま、新年明けましておめでとうございます。本年も昨年と同様に宜しくお願い致します。
日本にも寒波が訪れてかなり寒いようですが、ウィーンの冬も12月に入ってからというもの日
増しに寒さが厳しくなってきています。雪は今の所降っておりませんが、気温は日中でも1~3℃、
明け方には氷点下を下回り厳しい寒さが続いています。通勤時には厚手のコート、マフラー、手
袋が欠かせないようになってきましたが、現地の方も厚手のダウンコートやニット帽、ムートン
ブーツ等を使用し、寒さに耐えることを優先した姿が目立ちます。
また、日照時間も短く、朝8時頃になってようやく太陽が昇り始め、夕方の4時30分以降には
日没を迎え暗くなります。それでも、この時期はクリスマス前ということもあり、日没になると
街中に設置されたクリスマスツリーやイルミネーションが点灯し、町の雰囲気は明るく感じます。
11月21日には、Karsplatzのクリスマスマーケットに行きました。こちらも先月号でお伝えし
たウィーンで最大規模の市庁舎前広場(Rathausplatz)のクリスマスマーケットに負けないくらい
の混雑で非常に賑わっていました。会場のすぐそばにはカールス教会(Karlskirche)があり、ライ
トアップされたカールス教会とクリスマスマーケットのイルミネーションとが相まり、非常に幻
想的な光景となっていました。また混雑していると言っても通路が他と比べ広く、歩行者が歩き
やすくなっているため、小さい子供を連れた家族が多く来訪していました。暖まろうとプンシュ
(Punsch)を購入したのですが、プンシュの入ったマグカップはクリスマスマーケット毎に形状や
デザインが異なっているため、この時期に旅行などで来られた方は数カ所のクリスマスマーケッ
トをはしごし、この時期、場所でしか入手できないマグカップを集めるのも楽しみの一つになる
のではと思います。
別の日には、シェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)で開かれているクリスマスマーケッ
トに行きました。シェーンブルン宮殿は、ハプスブルク王朝の君主らが離宮として使用したこと
で有名で、有名なところではマリー・アントワネットが滞在していたことでも知られています。
1996年に世界遺産に登録されており、そのような歴史のある場所でクリスマスマーケットを楽し
めるのは非常に贅沢なことだと感じました。出店している屋台ではホットワイン(Glühwein や
Punsch)、ホットドックといった飲食物に加え、アクセサリーや置物、家庭用品も販売されてい
ます。その中でもろうそくや、ろうそくを入れるための陶磁器の置物は、日が落ちてから店頭の
ディスプレイを見ると非常に魅力的に感じました。
クリスマスを過ぎるとこちらでも年越しの準備に入っていきます。昨年こちらで年を越し、日
本と大きな違いを感じたのは年越しの前後1時間あたりから市内各所で大きな花火が打ち上げら
れることです。日本では年越し蕎麦や除夜の鐘、初詣等が行事として行われますが、こちらでは
“Happy New Year”の文字通り、新年を迎えたことを盛大に祝う傾向があるのかなと感じてい
ます。市内各所で行われる大規模な花火とは別に個人で花火を打ち上げる方も多く、12月に入っ
た辺りからスーパーでは打ち上げ花火の販売が開始されます。日本では夏に花火が販売されるこ
とが多いので、この違いは地域や国の特色が表れていると感じます。
また、正月のお休みではこちらでも旅行に行く人が多く、クロアチアといった暖かい国が人気
で、年末年始にかけては運航便数が多くなるようです。日本でも正月のハワイ旅行が人気ですが、
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寒い冬の休暇に暖かい国で余暇を過ごしたがるのは万国共通なのかもしれません。
写真は、シェーンブルン宮殿のクリスマスマーケットの様子です。
ジェトロ・ウィーン事務所
産業機械部
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藤田
侑士