「哲学塾での成長について」 塾生登録番号 7700160007 東洋大学法学部企業法学科 青木 一将 私が哲学塾と出会ったのは、進級手続を行った際にいただいた封筒に入っていた哲学塾 の冊子でした。表紙に為末大選手が写っているのを見て、 「なんだこれ?」と思い冊子を読 み進めたことが私の人生の分岐点となりました。特に私が気になったのが、 「自己の基軸= 哲学」という言葉でした。結果的にはそれが入塾理由となりました。というのも、哲学塾 に入る前の私は自己の基軸のない人間でした。それは小さいころから少し感じていたこと でしたが、周りの方々からはあまり指摘されないことでもあったため、目をつぶって見過 ごせばそれなりに楽しく生きていくこともできたのだろうと思っております。しかし、私 はそんな自分が嫌いでした。具体的な例を挙げれば、小さい頃周りの子たちから嫌われて いる子とは遊ばなかったり、その子の話をまともに聞こうとしなかったり。中高生の時に は相手に好かれようと面白いことをしたり、相手が気持ちよくなるように、思ってもいな いことを言葉にしたりしていました。そうして得たものは何もありませんでした。たまに 孤独を感じるほどに今まで自己の基盤なく生きてきた自分を後悔したこともありました。 大学生活では幸運なことに今までサッカーしかやってこなかった人間がサッカーで国際 協力をする団体である学生団体「World Fut」で会議やイベント企画・運営を中心に活動し てきて、かつ大学 3 年次には代表という、人を束ね引っ張っていく立場に立つことができ たため、考えることや自分の意見を持つことが少しできるようになって、人としての成長 を大きく感じることのできた時間を過ごすことができました。 その後は、団体には、引退ではなく相談役の様な立場で所属をしていましたが、その様 に活動しながらこのままでいいのだろうか、なぜ大学 4 年生の 22 歳が 1 つ 2 つしか変わら ない後輩にこんなにも偉そうにしゃべっているのだろうか、と自分自身に疑問を抱き、将 来の夢もサッカーで世界を変えるといった「団体よがり」な夢しか持てていなかった私は、 何か変わることができるかもしれないとアメリカへのインターンシップ留学を決意し、1 ヵ 月間だけアメリカで生活をしていました。しかし、帰国した私が得たものはまたもや何も ありませんでした。 悶々とした日々を過ごしている中で始まったのが就職活動で、その最中に哲学塾に入塾 する原点となったといっても過言ではない本に出合うことができました。絶対内定という 自己分析に重きを置いた就職活動対策本です。この本のフレームワークに従って過去・現 在の自分を振り返り、未来の自分や本当の夢を確認していきました。ただ、ここで私はこ の紙面上だけの自信や夢に不安を覚えました。ですが、何をすればいいのかよくわからな いというのが本音でした。そこで出会ったのが前述したように哲学塾であって、変わりた い・成長したいという気持ちから入塾を即決しました。 この同時期にもう 1 つ大きな出会いがありました。それは就職活動の際に OB・OG 訪問に てお会いした東京外国語大学の先輩からの紹介による 4 月から入社予定である会社を辞め て起業された方との出会い、すなわち、ユアマイスター株式会社でのインターンシップ参 加というものです。哲学塾での成長は、この会社でのインターンシップなくして語ること はできません。いわば、哲学塾では新たな知識を得て思考を磨くことを、インターンシッ プではそれらの思考を基に実際に行動するといった関係が私の中ではあって、それらが相 互に作用することによって成長を成し遂げられたと考えているためです。 哲学塾で得たものは大きく 3 つあります。1つ目は井上円了博士からの勇気です。こち らは「井上円了の教育理念」で感じたことです。井上円了博士は思考練磨し、それを元に 行動を起こし多くの人々に影響を与えてきた人であると考えております。私が目指す人物 像はまさに井上円了博士の様な人物であって、第1回から第 3 回の授業を通して井上円了 博士を知るたびに、ますます人物や志や行動力に憧れを抱きました。また、その憧れは私 21 の夢を具体化してくれたようにも思っております。 2 つ目は考え方です。こちらは主に第 4 回から第 7 回の授業を通して、問題や志に対して どんな考え方をすれば、絶対に正しい答えは得られないまでも、より良い答えを導きだせ るのかといったことを多種多様な塾生の方々との講義終了後すぐのグループディスカッシ ョン等をも通して得ることができたのではないかと思っております。将来は必ず夢を叶え たいと思うところ、やはり 1 人ではなかなか難しいものがある中で、新しい考え方を身に 着けることができたのは私にとっては非常に大きな収穫となりました。 3 つ目は今までは無関心だったことに興味を持ってみると意外とヒントに繋がっている ことが多かったり、他者を理解したり寄り添う際の武器になるということです。こちらは 主に第 8 回から第 13 回の授業を通して感じたことであります。前述したように大学時代は 国際協力にどっぷり浸かっていたといっても過言ではない私の人生ではありますが、一見 自己満の様に思える大人の国際協力はかなり批判的に捉えていて、活動していた際もあま り学ぼうとしなかった分野であり、近づこうとしなかった方々ではありましたが、色々な 分野でご活躍される方々のお話を聞けたことは、私の幸せに関する価値観を確かなものに してくれました。私だけが幸せになれば良いのではなく、世界中の人々みんなが幸せにな らないと幸せではないというものです。そこに関してやはり強く印象に残ったのは、かね パッケージ社長の金坂良一さんのお話で、将来は海外で起業をしたと考えているため、世 界での企業の在り方を学ぶことができたのではないかと考えております。 これらの学びを元にチャレンジしているインターンシップですが、まさにそれは井上円 了博士に触発されて行動を起こした結果の場所であり、哲学塾で得た考え方で世の中の 人々に幸せを届けるものであり、イノベーションを起こす上で様々な知識や学ぼうとする 姿勢が大切になってくるものであると日々感じるものであります。具体的には、サービス 総合 EC プラットフォームを運営している会社における「楽天市場」がモノを扱う総合 EC プラットフォームであるところ、ユアマイスター株式会社の「あなたのマイスター」はそ のプラットフォームを通して提供されるサービス(現在はハウスクリーニングやダビング、 宅配クリーニング)を扱う個別サイトになります。そして、私は EC コンサルタントという 職種のインターンシップをしており、ハウスクリーニングの職人さんに出店をお願いする 営業と、職人さんが自分の色や強みをインターネット上で表現するためのお手伝いとして 「あなたのマイスター」でのページの作成サポートをやっております。まだ世の中に何ら かの価値あるものは残せておらず、自分自身の成長を実感できるまでには至ってはおりま せんが、昨年の 8 月にできたばかりの会社ということもあって、インターンシップにおい ても非常に大きな責任ある地位に就けていただいているため、何か問題があったり、その 改善をしたり、さらには新しく何かを創り出したりする際には、哲学塾で学んだ考え方で 自社独自の口コミ機能や絞り込み機能をサイトに実装することができたり、様々な知識や 学ぶ姿勢のおかげで、サイトを使って職人さんにお仕事をお願いするお客様が、私が担当 している職人さんを良く選んでくれるようになったり、営業をかけて出店してくれる職人 さんの数でチーム No.1 を獲ることができたりと、変化や成長の兆しが見えてきているのが 現状です。 この今の状態を一時的なものでなく継続的にできるようにして夢を叶えるためには、や はり継続することと、次々と出てくる壁に目を背けず正面突破していくことが大切である と考えているため、この哲学塾の学びを基礎に絶対に諦めずにぶれずに行動し、確かな成 長を得たいと思っています。 以上、 22
© Copyright 2024 ExpyDoc