第 34 期第 12・13 回(連続)研究会「検証ジャーナリズム

第 34 期第 12・13 回(連続)研究会「検証ジャーナリズム」
(ジャーナリズム研究・教育部
会、メディア倫理法制部会合同企画)のご案内
第 12 回研究会「慰安婦報道報告書を読む」
日
時:2015 年 2 月 9 日(月)18:30~20:00
場
所:日本新聞協会大会議室(内幸町・日本プレスセンタービル 7 階)
問題提起者:林 香里(東京大学)
司 会 者:音 好宏(上智大学)
第 13 回研究会「再生委行動計画を読む」
日
時:2015 年 2 月 27 日(金)18:30~20:00
場
所:上智大学 12 号館 4 階 12-402 教室
問題提起者:江川紹子(ジャーナリスト)
司 会 者:山田健太(専修大学)
*第 13 回の研究会は、上智大学メディア・ジャーナリズム研究所との共催
第 9 回から第 11 回と 3 回にわたって、
朝日新聞をめぐる問題に伏在している課題として、
「編集と経営の分離」
「調査報道」
「証言報道」を考えてきました。一方で朝日新聞自身も、
既存の組織や新設の委員会を設置し、報道に巣くう問題点を検証してきた結果を、2014 年
末から年明けにかけ相次いで公表してきました。部会では、これらの報告書等について改
めてその内容について、何が議論され議論されてこなかったのかを確認する作業をするこ
とが、今後のジャーナリズムの検証のためには必要であると思うに至りました。
そこで連続研究会の第 2 弾として、以下の 2 つの報告とディスカッションを行いたいと
思います。
第 1 は、
「慰安婦報道報告書」です。直接的には朝日新聞 8 月 5 日の検証紙面に端を発し
たとはいえ、池上彰コラム不掲載問題も含め、初期の慰安婦記事から今日のものまで長期
間にわたる紙面の検証作業のほか、それらの記事が海外に与えた影響までカバーするとい
う、きわめて多岐の問題を扱ったのが「慰安婦報道検証 第 3 者委員会」です。12 月 22
日に公表された報告書は、115 ページにわたる大部なものでした。一方で、
「日韓関係をは
じめ国際社会に対する朝日新聞による慰安婦報道の影響」については、3 通りの検証が併記
されていました。委員会では何が議論され、何が一番大きな問題であったのか、そして報
告書を受けて同月 26 日に出された社の見解をどう評価するのか、同委員会メンバーに問題
提起をしていただく予定です。
第 2 は、
「再生委行動計画」です。朝日新聞社は上記の慰安婦報道や原発報道などの一連
の「不祥事」を受けて、外部委員を含めた「信頼回復と再生のための委員会」を設置しま
した。
そしてこれら報道検証にかかる報告書のほか、社内集会やヒアリング等を重ねて 2015
年 1 月 5 日、
「ともに考え、ともにつくるメディアへ 信頼回復と再生のための行動計画」
を発表しました。パブリックエディター制度など新しい機関の創設をうたったものですが、
その実行にはまだ不透明なものも少なくありません。そこで、同委員会の外部委員の一人
をお招きし、いったいいまのジャーナリズムの病巣はどこにあるのか、それらへの処方箋
はあるのか、などお聞きしたいと思います。
いずれの会についても、報告書・見解・行動計画等の公表物そのものは配布しませんの
で、事前にお読みになるかご持参いただいて、ご参加いただくことをお願いいたします。
またこの連続研究会は今後、第 3 弾として報道機関が設置する第 3 者機関のあり方につい
て議論を進めていく予定です。メディア界は偶然にも、放送「あるある事件」
(関西テレビ)、
出版「僕パパ事件」
(講談社)
、そして新聞「慰安婦・原発事件」(朝日新聞社)で、それぞ
れ 3 つの外部検証機関を設置、
「再生」への道を歩んでいることになります。こうしたメデ
ィアの違いによってどのような異同があるのか、メディアにとって第 3 者機関とはどうい
う意味を持つのかなどを議論していく予定ですが、上記の 2 つの研究会はそのための貴重
な素材を与えてくれるものでもあると考えています。