今日は、このようなすばらしい会を開いてく ださり、ありがとうございました

今日は、このようなすばらしい会を開いてく
ださり、ありがとうございました。生徒会のみ
なさんや幕間のみなさん、心を込めて合唱をし
てくれた一、二年生の皆さんの温かさと堂々と
した姿に、私たち三年生は今、とても感動して
います。最初で最後の「送り出される側の予餞
会」でしたが、皆さんのお陰でとても楽しく幸
せな時間を過ごすことができました。そして私
たちを、送り出してくれるのがみなさんでよか
ったと、心から思います。
私たちが一年生として入学した頃、刈南中にはすでにたくさんの伝統がありました。三分前着席や
無言清掃、今ではあたりまえのように行っていることでも、当時はとても新鮮に見えました。数々の
伝統を身に付けるために私たちがお手本にしたのは、当時の三年生の先輩方の姿でした。一言も話さ
ずにごみと向き合う姿、体育館で精いっぱいボンボンを振り、声をからす姿、全員の心を通わせてす
ばらしい一つの合唱をつくりあげる姿。挙げればきりがありません。私たちにとって三年生の先輩方
はまさにお手本、そして目標でした。
そんな三年生の先輩方が、この予餞会
の舞台で、私たちに多くのメッセージを
残してくれました。私がその中で印象に
残っているのは、
「この中学校にある数々
の伝統や慣習は、ここで過ごす生徒たち
が守っていく必要があります。」という
言葉です。伝統や慣習は、はっきりとし
た形がないものです。それらを捨て、な
くしてしまうことはあまりにも簡単で
す。なぜなら「なくしてしまおう」と思
わなくても、守ろうとする意識がないだ
けで、自然と消えてしまうものだからで
す。そう考えたとき、私は思いました。
今まで三年生の先輩方は、ただ無言清掃や三分前着席をする姿を見せていたのではなく、その心の中
にある、「守ろうとする強い意志、見えないバトン」を、私たちに見てほしかったんだなとそのとき
初めて気が付きました。そして伝統がこうして受け継がれてきたのは、それを「守ろうとする強い意
志」も、ともに受け継がれてきたからだと思いました。
私たち三年生にも、足りない部分はたくさんあったと思いますが、一番大切なことはみなさんにち
ゃんと伝わっているはずだと信じています。どうかこれからも、私たちがいつまでも誇れる刈南中を
守っていってください。
3月には卒業式が控えています。私たちにとって人生に一度しかない、中学校の卒業式です。すば
らしいものにするために、私たちに力を貸してください。皆さんとなら、きっと最高の卒業式になり
ます。そして卒業式までの残り少ない時間を、刈南中全員でよいものにしていきましょう。今日は本
当にありがとうございました。
第七十回卒業生代表
伴
優月