1 日本大学病院 消化器センター（消化器外科）ニ ュースレター No 10, 2016 年 11 月号 （メッシュの固定法を考案し時間短縮。 ） 切開開腹手術と腹腔鏡手術を補完し合う、 まさに『いいとこ取り』の術式と言えます。 2012 年から腹腔鏡補助下に Hybrid 手術と して大型の Mesh を使用し 11 例を修復してい ます。 『ヘルニアの発生原因』 腹壁瘢痕ヘルニアの発生原因で患者側の 日本大学病院 消化器センター 要因として肥満、高齢、低タンパク血症（栄 消化器外科 教育医長 養障害） 、腹水貯留が挙げられます。 宋 圭男 手術に関する要因は手術創の感染、腹壁の （そう けいお） 脂肪過多、不適切な縫合などが挙げられます。 旧駿河台日本大学病院から日本大学病院 血管外科領域では大血管動脈瘤の術後患 に移築新築され 2 年が過ぎました。近隣の歯 者でヘルニアが多いことから、先天性のコラ 学部でも病院新築が計画され、懐かしい駿河 ーゲン変性症が指摘されています。 台病院はほぼ取り壊しが済みました。2021 『単縫合からメッシュ充填術へ』 年には同所に歯学部付属病院が完成予定で ヘルニア創の単縫合術、筋膜切開・反転術、 す。歯学部大学院と理工学部ビルの間を進む 腹膜外のメッシュ充填術が施行されてきま と、旧病院の地下部分外壁のがっしりとした した。2000 年代になりメッシュ素材の改良に 鉄筋コンクリートがみられます。 より 腹腔内にメッシュ を留置することが可 今回は、最近行っている腹壁瘢痕ヘルニア 能になりました。全面にテフロン加工 に対する Hybrid 手術についてご紹介します。 （ePTFE）したメッシュを挿入し、臓器との 患者さんで手術創が膨隆してお困りの方は 癒着を防ぎます。最近ではさらに臓器癒着防 いらっしゃいませんか？ 止剤（セプラフィルム®）を被覆したメッシ 『手術の必要性』 ュが使用可能となりました。腹圧の理論、治 整容性のみならず ADL の低下、腹圧制限に 療成績からも、大型のメッシュを留置するこ よる排尿・排便困難などの症状改善が注目さ とが推奨されています。メッシュの固定に用 れています。 いる Tacking device も改良され、固定場所 Hybrid 手術のメリットとは ① 前方切開法（前回手術創）の小切開よ に応じて、非吸収性・吸収性を使い分けます。 悪性疾患の術後症例については再発の有 り直視下に安全に腹腔内に到達する。 無の見極めが難しく、症例ごとに検討してい （新たな切開創をおかない。 ） ます。 ② 切開創から気腹し腹腔鏡手術により癒 新しい術式であり、今後の充分な経過観察 着剥離を進める。 （全て 5 ㎜径の鉗子孔を が必要と考えています。諸先生方からのご相 用いて術後鉗子孔ヘルニアを予防する。 ） 談、ご紹介をお待ちしています。 ③ 大型のメッシュを切開創から挿入する。 よろしくお願い致します。 宋 圭 男 紹 介 ：千 葉 県 銚 子 市 出 身 。銚 子 市 立 銚 子 高 校 か ら 日 本 大 学 医 学 部 へ 進 学 し 昭 和 58 年 卒 業 後 、当 時 の 第 三 外 科 学 教 室（ 故 坂 部 孝 教 授 ）へ 入 局 し ま し た 。日 本 大 学 稲 取 病 院 、小 張 病 院（ 千 葉 県 野 田 市 ）、 国 立 甲 府 病 院 （ 山 梨 県 甲 府 市 ）、 国 立 王 子 病 院 （ 東 京 都 北 区 ） に 出 張 し 先 輩 方 の 薫 陶 を 受 け ま し た 。 外 科学全般を学びましたが上部消化管を専門とするようになり、故田中隆教授、佐藤博信教授の御指導で 学 位 を い た だ き ま し た 。日 本 外 科 学 会 専 門 医 、日 本 消 化 器 外 科 学 会 専 門 医 、日 本 気 管 食 道 科 学 会 認 定 医 、 日本消化器内視鏡学会専門医、日本がん治療学会認定医、日本ヘルニア学会評議員、ヘルニア学会ガイ ドライン作成委員など。 外来診療担当表 診察室 3-15 午 月曜日 宋 火曜日 水曜日 圭男 木曜日 須田清美 前 関 金曜日 土曜日 森下友起恵 檜 垣 時 夫 (1,3) 訓芳 佐藤 (1,3,5) 3-16 萩原 3-17 林 午 3-15 後 3-16 3-17 謙 常田 成興 裕 宮国 圭男 藤井雅志 五十嵐雅仁 (望 月 文 朗 ) (2,4) ストマ外来 萩原 宋 ストマ外来 萩原 宋 圭男 五十嵐雅仁 林 成興 宋 林 圭男 謙 謙 圭男 成 興 (2,4,5) 萩原 宋 毅 (1) 謙 ストマ外来 五十嵐雅仁 泰己 外来 大塚善久 外来 外来 調整枠 （第２週） 調整枠 調整枠 （数字）は担当週です。 紹介患者さまのご予約 患者さまご自身での場合 予約センター：TEL 03-5577-3448 受付時間：［平日］9:00〜16:00／［土曜日］9：00〜11：00 先生よりご紹介いただく場合 医療連携室：TEL 03-3293-1741 受付時間：［平日］9:00〜19:00／［土曜日］9:00〜12:00 ［他の診療センターのニュースレターは当院ホームページ（医療関係者の方へ）で閲覧する こ と が で き ま す 。］ http://www.nihon-u.ac.jp/hospital/
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