1 日本大学病院整形外科センターニュースレター 2016 年７月号症例でも短母指外転筋のみに高度の萎縮があるにもかかわらず他の母指球筋に萎縮が病院⻑ないため，対立が可能な症例があります．当整形外科センター然このような場合は対立再建の適応はありません．母指の対立障害でお困りの患者さま部⻑はつまみ運動で困っていますが，たとえば財⻑岡正宏布から小銭が取り出しにくい等の障害は運動障害だけでなく，母指と示指中指の感覚障害も大いに関与しています．従って，除圧だ平素より整形外科センターに患者さまをご紹介いただき，誠にありがとうございます．け行いしびれと感覚鈍麻がなくなると，対立障害があってもつまみができるようになるニュースレターの内容は一月ごとに変わりことが多々あります．ますが，病院のホームページにこれまでに発「ECTR だけ行ってお困りなら後に対立再行したものが掲載されています．整形外科以建を追加しましょう」の IC で手術を行った外の記事もご覧下さい．患者さまで，後に対立再建を希望する患者さ今回は，手根管症候群に対する私見です．まが極端に少ないのは，単にもう一度の手術非典型例について：ほとんどの手根管症を尻込みしているだけではないのではない候群は臨床症状のみで容易に診断できますかと考えています．が，中には症状が非典型的であるためにそれと診断されていない場合があります．一番多いのはすべての指にしびれがある場合です．紹介患者の予約もともと問診ですべての指がしびれると訴  予約センター：TEL 03-5577-3448 える患者さまは多いのですが，実際に感覚障受付時間害を調べて見ると小指と環指尺側にはしび［平日］13:00〜16:00 ※当分の間、混雑緩和れも感覚障害もないことがほとんどです．しのため 9:00〜16:00 かし，小指と環指尺側に本当にしびれと感覚［土曜日］9：00〜11：00 障害があることがあります．その程度は軽く  医療連携室：TEL 03-3293-1741 環指の橈側尺側でその違いは明らかで，尺骨受付時間神経領域に比べて正中神経領域の障害がメ［平日］9:00〜19:00／［土曜日］9:00〜12:00 インであることには違いがありません．これ⽇本⼤学病院は手根管症候群では尺骨管の内圧が同時に高まっているためと理解されています．Tinel 様徴候や Phalen test が陰性でも電気生理学的検査をすれば確定診断できますが，この事実を知らないと誤診しかねません．画像診断について：X 線検査は必須であると思います．石灰化による手根管症候群の頻度は低いですが，年に数例は経験します．ご紹介頂いたほとんどの患者さまは外来 ECTR ですが，石灰化による手根管症候群は OCTR を行っています．超音波検査でもわかりますが，X 線検査（手根管撮影）が確実です．母指対立再建について：手根管症候群重症例で母指対立再建を除圧と同時に行うかどうかは判断に迷うことがあります．まず，重外来担当表 2016 年４月～ホームページ  日本大学病院 h t t p : / / w w w. n i h o n - u . a c . j p / h o s p i t a l /  日本大学整形外科医局 h t t p : / / w w w. o r t h o - n i h o n . o r g / 学スポーツ医学研究班 http://nichidai-sports.com/ 『他の診療センターのニュースレターは当院ホームページ（医療関係者の方へ）で閲覧することができます。』 URL は http://www.nihon-u.ac.jp/hospital/relation/letter/