前期基本計画(素案) (ファイル名:zenki_keikaku サイズ

第4次大淀町総合計画
序 論
第1部 基本構想
第2部 前期基本計画
( 素案 )
平成29年 3月
目 次
第2部
前期基本計画
1
計画推進のために
2
1
人口減少社会に対応したまちづくり
2
2
様々な主体による協働と連携のまちづくり
4
3
情報発信で知ってもらうまちづくり
7
4
計画的・効率的な行財政運営のまちづくり
10
5
広域的な連携と協力によるまちづくり
14
第1章
すこやかで安心できる暮らしのために<保健・医療・福祉 分
16
野>
1
保健・医療
16
2
子育て支援、少子化対策
19
3
高齢者福祉
22
4
障がい者(児)福祉
25
5
地域福祉
28
6
社会保障
30
第2章
いきいきとして活力あるまちづくりのために<産業
分野>32
1
雇用の創出と新しい産業
32
2
農業
34
3
林業
36
4
工業
38
5
商業・サービス業
40
6
観光
42
第3章
まちの基盤づくりと安全・快適な暮らしのために<都市基
盤・生活環境
分野>
45
1
都市拠点の形成
45
2
交通ネットワークの形成
47
3
住宅・市街地整備
50
4
環境保全と環境美化、景観・緑化
53
5
公園・緑地
55
6
上下水道
57
7
廃棄物処理等
60
8
斎場・墓地
62
9
消防・防災
63
10
防犯・交通安全
66
第4章
うるおいある人間性豊かなまちづくりのために<人権・教
育・文化
分野>
68
1
人権の尊重
68
2
男女共同参画
71
3
学校教育
73
4
就学前教育
76
5
生涯学習・生涯スポーツ
78
6
歴史・文化・芸術
81
重点プロジェクト
84
第5章
1
重点プロジェクトの位置づけ
84
2
重点プロジェクトのテーマ
84
3
重点プロジェクト
86
第2部 前期基本計画
1
第2部 前期基本計画
計画推進のために
1 人口減少社会に対応したまちづくり
◆現状と課題
出生数の減少と死亡者数の増加による自然減の進行及び転出超過による社
会減の進行も相まった人口減少問題はきわめて深刻な問題です。前総合計画に
おいては、「定住促進」を念頭に様々な取り組みを進めてきましたが、減少傾
向に歯止めをかけるまでには至っていません。この人口減少社会においては、
少子高齢化の進展に伴う人口構造の歪みと相まって地域経済の疲弊・縮小、生
活機能や地域活力の低下など、まちや地域の維持や運営が困難となることも懸
念されており、行政においても町税等の自主財源の減少だけでなく、普通地方
交付税の減少も予測されています。このような状況下においても、住民サービ
スについては一定の水準を維持することが必要であり、選択と集中による効果
的・効率的な事業の実施、積極的な財源の獲得・確保を行うことがより重要と
なってきます。また、平成 27 年度に策定した地方創生総合戦略において取り
組むこととした各種施策、とりわけ、若者の希望をかなえる施策を推進してい
かなければなりません。
総人口が減少しても社会活動に参加する活動人口や交流人口を増やし、活力
や活気にあふれたまちづくりを進めるためには、すべての住民や企業等の団体
と行政が一丸となり、問題を克服していくことが必要です。
◆あるべき姿と取り組み方針
人口減少は避けられないものととらえ、人口増加時代におけるまちづくりか
らの転換が必要です。移住定住促進や流出防止、出生率向上など人口減少幅を
最小限に食い止めるために、将来的な人口構造の適正化と活力あるまちづくり
をめざす「積極戦略」を中心として施策や事業に取り組まなければなりません。
一方で、仮に出生率向上を図っても今後数十年間の人口減少は避けられないこ
とを前提とした町行政運営やまちづくりのあり方の見直しなどにより、効率的
かつ効果的で持続可能な社会システムを再構築し、今後の人口減少に対応でき
るまちづくりをめざす「調整戦略」も進めることが必要です。
「積極戦略」と「調整戦略」を両輪として、選択と集中による施策の重みづ
けを行いながら、人口減少時代に対応したまちづくりを進めていきます。
2
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)地方創生総合戦略の推進
・人口減少を食い止め活力あるまちづくりに向けた施策展開
地方創生総合戦略に基づき実施される効果的・効率的な施策については、地
方創生交付金や企業版ふるさと納税を活用するなど、町単独の財政負担を少な
くしながら継続的に実施できるよう取り組みます。
特に、人口減少対策として実施されている定住促進事業や企業誘致事業等、
また、若者の希望をかなえる施策として、結婚支援事業や出産支援事業、子育
て支援事業等に重点的に取り組むとともに、国の事業として実施されている、
地方創生インターンシップ事業や地域おこし協力隊事業を活用していきます。
・人口減少社会を想定した施策の検討と推進
人口減少を意識した事業展開や制度の見直し等についての検討を進めると
ともに、それらの実施状況をチェックする機能を持たせる仕組みづくりを検討
します。
公共施設等総合管理計画に基づき、将来の人口構造を見据えた最適な施設配
置をめざし、コスト削減につながる効率的な維持・更新に計画的に取り組みま
す。
◆成果指標
指標名
人口(社会移動)
出生数
大淀町地方創生総合戦略
KPI 達成率
単位
現状値
(平成 27 年度)
人
-152
人/年
80
%
3
目標値
(平成 33 年度)
±0
(平成 31 年度)
130
75
(平成 31 年度)
第2部 前期基本計画
2 様々な主体による協働と連携のまちづくり
◆現状と課題
本町では、地域自治、生涯学習や生涯スポーツ、歴史・文化、産業、まちづ
くり、青少年の健全育成等様々な場面で、町内、他市町村などの多様な媒体と
の交流を展開しています。交流活動については、地域活動の活性化や人材育成
において重要な役割を果たすものです。交流の促進により、多様な視点に触れ、
相互に刺激し合い、お互いの成長や理解へとつながります。さらには地域の賑
わいの増大や、住み続けたいと思う地域への愛着にも結びついていきます。交
流活動等を促進するために「人づくり・まちづくり助成金制度」を設けていま
す。町内の様々な活動グループによる「まちづくり情報交換会」の開催、「大
淀町地域自治によるまちづくり方針」策定などの一層の活動促進の結果、地域
おこしや子どもの健全育成、団体相互の連携による活動など、様々な住民活動
が芽生えてきています。
一方で、めまぐるしい社会状況の変化などから、住民ニーズは多様化・高度
化しており、これまで以上に多様な担い手がまちづくりを担っていくことが重
要な意味を持つようになっています。厳しい状況下で住民と行政が、そして住
民どうしが、お互いにそれぞれの特性を活かしながら協力し、地域や社会の課
題に取り組み、地域の課題解決への大きな力を生み出し、より良いまちづくり
を行っていくため多様な主体が情報の共有や意見を交換する場の構築、現状の
協働システムの見直し、最適化を進める必要があります。
◆あるべき姿と取り組み方針
共創のまちづくり、人口減少時代におけるまちづくりは、住民、各種団体、
企業などの様々な主体と行政との協働や連携をなくしては進めることができ
ません。
各種施策や取り組みを進めるにあたっては、それぞれの持つ情報や目標・目
的の共有を図りながら、意見や要望などを聞く場や機会も設け、幅広い住民意
向を把握し、住民意見をまちづくりにしっかりと反映させることのできる体制
づくりや仕組みづくりに取り組むことが必要です。
町政やまちづくりについての理解と参加意識を高め、団体活動や人材育成の
支援などにより自主的交流や活動活性化を促すとともに、住民や団体などがコ
ンセンサスに基づく役割分担のもと積極的にまちづくりに関わってもらえる
体制や仕組みを構築し、行政運営、住民活動、協働による活動がより良く調和
し、補完し合う協力型・協働型のまちづくりを進めていきます。
4
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)地域の自治の仕組みづくり
自治基本条例の制定や町の課題を協議するまちづくり協議会の設置に向け
た検討を行い、住民と行政の協働によるまちづくりの手順について、本町にな
じみやすい方式を確立・明確化し、効果的、効率的な推進を図ります。
(2)地域コミュニティの活性化
・情報の共有化(共有・共感)
住民参画による協働のまちづくりを進めるために、適時、的確な町政情報の
発信に努めることに加え、地域活動に関する各種情報の収集を行い、それぞれ
の主体の持つ情報を共有し活用できるように、あらかしテレビ、広報紙、町ホ
ームページ等を通じて提供する仕組みづくりを進めます。
個人情報の取扱いに十分に留意し、住民が情報を活用できるように、わかり
やすく、入手しやすいような環境整備を図ります。
・コミュニティ意識の高揚と人材育成
自治会組織の強化に取り組み、住民の相互交流や様々な活動を通じて、地域
の連帯意識を高めます。
行政情報の共有や地域づくり講演会、研修会、ワークショップ等の開催によ
り、住民主体の地域づくり、新たな時代に対応したコミュニティ形成の重要性
について、住民意識の高揚を図り、あわせて地域・次世代リーダー等の育成を
図るとともに、地域リーダーどうしの協力体制の整備を行います。
・まちづくり活動拠点の整備・充実
地域課題の解決やコミュニティ活動を行う拠点施設として、公民館などの地
域コミュニティ施設の整備等(修繕・補修)への助成や公共施設の効率的な利
用を図り、地域まちづくりの活動拠点の整備・充実を進めます。
・地域内団体の活動支援などの活動体制の充実
住民の自発的な活動の育成・活性化、人材育成等をめざし、人づくり・まち
づくり助成金交付制度の利用促進と助成団体間の交流促進等を進めます。
(3)ボランティア活動等への支援
ボランティアセンターの体制の充実と利用を促進し、情報提供や機材貸出等
の支援を通じて気軽にボランティア活動へ参加してもらう機会を増加させま
す。また、各種団体の活動情報等を住民に積極的に提供し、住民が気軽に参加
できるよう、ボランティアに参画しやすい仕組みづくりや地域活動の機会の充
実、さらにボランティア活動の活性化を図ります。
5
第2部 前期基本計画
(4)様々な交流活動の促進
人づくり・まちづくり助成金制度の継続などにより、既存団体の活動や新し
い活動団体の育成を支援するとともに、関心や目的を同じくする人・団体間の
交流の場の提供を図り、様々な交流活動の活性化を図ります。
相互理解を進めるために、子どもと高齢者、若者と高齢者など世代を超えた
交流活動の実施に向けた検討を図ります。
互いの理解を深めるため、町内居住の外国人との交流促進など、身近な場所
での国際交流の推進も検討します。
(5)相談・支援体制の充実
住民の自主的な活動を行いやすくするため、まちづくりに関する各種支援事
業について、積極的に情報提供と周知に努めることはもちろん、必要とされて
いる支援の内容を適確に把握し、それらを解消するための相談・支援体制の充
実を図ります。
◆成果指標
指標名
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
人づくり・まちづくり助成金支給及び地域
自治活動認定団体の累計数
団体
11
20
自治基本条例の策定
―
未策定
策定
ボランティアセンター登録人数
人
539
550
件/年
612
1,200
町 HP「くらし相談」ページの充実(アクセス件数)
6
第2部 前期基本計画
3 情報発信で知ってもらうまちづくり
◆現状と課題
現在、町広報紙、町ホームページ、町あらかしテレビの3つの媒体を活用し、
町情報を発信しています。情報の収集及び発信については、区長会をはじめ各
種団体の協力も得ながら、とりわけ行政情報の町内発信という機能はおおむね
の役割を果たしていると考えられます。行政が伝えたい情報をタイミングよく
効果的に伝えるためには対象者や方法を検証し、戦略的に実施しなければなり
ません。
また、町の知名度を上げ移住・定住人口や交流人口の増加を目的に町が持つ
様々な資源や町独自で行う施策等に着目し、それを特徴的にとらえ積極的に町
外に広く効果の見込める手法で発信することが不可欠です。今後は、SNS
(Social Networking Service:ソーシャルネットワーキングサービス)を
活用した情報発信手段の確立と併せ、誰にどの内容のものをどの媒体で発信す
るのか、対象と媒体を正確につなげることで、より効果が見込める発信が可能
であるため、随時検証しながら広報媒体の活用を図っていくことが必要です。
さらに、インターネットによる情報収集が主になっている現代社会で、観光
地点から容易に情報を入手するための必要な環境として無料公衆無線 LAN
(Wi-Fi)の整備が挙げられます。しかしながら本町内の観光地点や駅、情報
拠点施設での設置は進んでおらず、今後は町情報及び案内機能の充実を図り、
来訪者に安心して観光していただける環境の整備が必要です。
◆あるべき姿と取り組み方針
まちづくりの様々な分野において適切な情報発信を行うことは、相互理解の
もと住民参加型の協働のまちづくりを進める上や、“大淀町の素晴らしさ”を
町内外に発信し知名度向上や移住定住人口・交流人口の増加を図る上において
非常に重要です。
情報通信技術の進展がめまぐるしい現代において、情報の価値は正確性と高
速性、適時性、そして情報発信の対象やその手法についての適確性が大きな要
素となってきます。情報発信の必要性と重要性を認識し、実行に移すことが必
要です。
行政だけでなく、住民(住民活動団体)や企業、学校等がお互いに情報発信
を行いながらそれぞれの情報を共有し、活動を支援しあえるような仕組みづく
りや体制の構築、情報基盤整備を図り、町全体の情報収集・発信力の強化を図
るとともに、まちづくり情報の適切な提供と積極的なPR・イメージアップ戦
略を推進します。
7
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)広報活動の充実
あらかしテレビにおける自主放送番組の充実、わかりやすくて読みやすい広
報紙の発行、誰もがアクセスしやすいホームページづくりなどさまざまな広報
ツールを効果的に活用します。
また、住民の主催する学習の場に出向き、町の施策や事業の情報を提供する
「まちづくり出前講座」を町政に対する住民の理解を深めるために活用してい
きます。
町外への情報発信の強化を図るために SNS をはじめとして、効率的・効果
的発信が可能な情報媒体を随時見極めて利活用を行うとともに、
「町PR大使」
を任命し、活用することにより、町情報の発信と町への誘客を図ります。
メディアを活用したボランティア活動の広報やボランティア活動の案内の
効果的な方法を検討します。
(2)広聴活動の充実
事業運営や計画策定にあたっては、まちづくり住民会議等の開催や、提案・
意見を受け付ける意見箱の設置、計画的かつ積極的なアンケートやパブリック
コメントの実施等、住民の意見や要望を反映させるための取り組みを進めます。
(3)まちの魅力発信と多様な交流活動の推進
あらかしテレビやホームページ等の町の広報媒体だけでなく他メディアも
積極的に活用しながら地域の情報や魅力の発信に努めるとともに、町内外で開
催される町PRイベントに参加し、他市町村とも連携しながら特産品や町施策
に伴うイベント情報等の魅力情報を発信していきます。
また、町が主催する観光誘客イベントにおいて、町全体がおもてなしの醸成
と気運喚起を図るため、区やボランティアの活用によりさらなる地域の賑わい
の創出と町をあげてのセールスの推進につなげます。
(4)適切な情報公開と公文書の適正管理
情報公開請求に迅速に対応するため、公文書の管理及び公開のためのさらな
る環境整備に努めます。
(5)オープンデータの推進による公共データの活用推進
住民が暮らしやすいまちづくりや行政の透明性が期待されているオープン
データについて、取り組みにあたっての環境整備を進めます。
8
第2部 前期基本計画
(6)地域情報化の推進
ICTの利活用により住民の生活利便の向上を進めるため、無料公衆無線
LAN(Wi-Fi)整備をはじめとした総合的な情報化の推進を図ります。
(7)情報社会における人材育成
一定のICT知識を持ち、現場ニーズを情報化施策に反映できる職員の養成
に努めます。子どもや高齢者等もICTを利活用できるよう啓発などを行いま
す。
◆成果指標
指標名
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
投稿ビデオ等の放送拡充
本/年
5
10
他メディアへの自主放送番組提供
本/年
0
4
広報活動満足度調査の実施
―
未実施
実施
広聴活動の指針の検討
―
未策定
策定
SNS を活用した情報発信
人
無料公衆無線 LAN(Wi-Fi)整備
こまどりケーブル加入率
まちづくり出前講座実施数
地区別懇談会・住民説明会実施回数
ホームページアクセス件数(トップページ)
箇所
600
(平成 28 年度)
1
(平成 28 年度)
1,200
2
%
59.6
65
回/年
7
10
回
8
30
件/年
300,000
350,000
9
第2部 前期基本計画
4 計画的・効率的な行財政運営のまちづくり
◆現状と課題
総合計画については、職員への周知徹底や全職員の進捗管理参画も図りなが
ら総合計画に基づく計画的な行政運営に努めてきましたが、まちづくりの最上
位計画としての機能を果たし切れていないのが現状であり、行政評価について
は、いまだ導入できていない状況です。行財政改革については、これまで「リ
フォームプランおおよど」
「おおよど集中改革プラン」
「豊かな人と財政のまち
づくり~おおよど元気プラン~」と3次にわたり推進を図ってきており、一定
の成果を挙げてきましたが、引き続き取り組む今後の方向性については未定と
なっています。このような中、高度化・多様化する住民ニーズに的確に対応で
きる政策形成能力の向上が求められています。様々な行政課題に対応できるよ
う、定期的に組織体制の変更や人員配置を行うとともに、職員の資質向上にも
適宜努めてきましたが、めまぐるしく変化する情勢に的確に対応するためには、
以前にも増して迅速、柔軟な対応ができるよう組織、人員体制の整備、職員の
能力向上が必要です。
また、長引く経済の低迷、国及び地方の長期債務残高の拡大、住民の行政に
対するニーズの高度化・多様化、町税の大幅な収入増加は見込めないことなど、
町行財政を取り巻く環境は厳しい状況にあります。各種公共施設も老朽化によ
り更新時期を迎えることから、これまで以上に財政状況は厳しくなると予想さ
れます。そこで、町税の適正課税、徴収率の向上及び税負担の公平性確保に努
め住民の納税に対する理解を深めるとともに、重要度・緊急度の高いものを「選
択と集中」の視点で既存事業を見直すことにより、歳入を確保しながら歳出を
抑制し持続可能で効率的な行財政運営を行うことが求められます。公共施設に
ついても、現在・将来の利用状況等を鑑みながら、利用料金の見直し・配置の
適正化を行うことが必要となると考えられます。
さらに、平成 28 年から社会保障・税番号制度(マイナンバー)が導入され、
国や県の主導で各自治体においても情報管理に対するセキュリティ強化が進
められています。本町においてもセキュリティ対策を進めるとともに、全職員
の情報セキュリティに対する意識変革が求められています。
◆あるべき姿と取り組み方針
今後も厳しい行財政環境が続いていくと見込まれる中、町としての自主性・
自立性を発揮しながら将来を見据えた真に必要な施策を積極的に展開し、町の
実情に応じ住民の立場に立った様々な行政サービスを提供していくためには、
10
第2部 前期基本計画
これまで以上に効果的・効率的な行政運営と安定した財政基盤の強化に向けた
取り組みが不可欠です。
事務事業、財政、組織、人事など様々な面において前例にとらわれない行政
改革を図りながら社会経済状況の変化に適確に対応した効率的・効果的な行政
運営を図るとともに、自主財源を確保し歳出抑制に取り組みながら将来を見据
えた計画的かつ戦略的な財政運営を図ることにより、持続可能な町政運営と総
合計画実現に向けた施策推進を行うための体制整備を図ります。
◆主要施策
(1)財政の健全化
将来世代に過度な負担を先送りすることなく安定的で持続可能な財政運営
を継続していけるよう、中長期的な財政健全化計画に基づく計画的な財政運営
によって行政コストの縮減と町債の削減に取り組むなど財政の健全化を進め
ます。
また、公共調達においては、入札執行要綱等の適正運用や改善等を図りなが
ら公平性・公正性・競争性のある入札執行を継続し、低廉良質な公共調達に努
めます。
(2)歳入の確保
・徴収対策の強化と新たな歳入の確保
適正な課税に努めるとともに、広報紙等を活用して納税の大切さや徴収強化
の取り組み等について周知するなど住民の納税意識の高揚に努め、納期内納付
の促進と町の財源である税収の確保を図ります。
滞納者への迅速な納税催告、納税指導等により自主納付徹底と納税意識向上
を図るとともに、必要に応じた滞納処分を行うことにより税負担の公平性確保
に努めます。また、各種研修に参加し、徴収職員としてのスキルアップを図り
ます。
ふるさと応援寄附金のさらなる推進により町の自主財源の確保・拡充を図り
ます。
・町有財産の適正処分と有効活用
現在使用していない町有財産について、将来使用目的が見込まれないものは
処分を行い、活用できるものについては貸付を行うなど、有効活用を図ります。
・各種使用料等の適正化
各公共施設の利用状況等や受益者負担の原則を踏まえて、適正な使用料・負
担金・手数料を設定します。
11
第2部 前期基本計画
(3)行政改革の推進
・総合計画に基づく戦略的な行財政運営の実践
まちづくりの最上位計画である「大淀町総合計画」が、計画期間における行
政運営やまちづくりのよりどころとして、予算編成や執行等それぞれの段階に
おいて尊重される仕組みづくりを行います。
本総合計画の進捗管理を適切に行うとともに、職員へ本計画の周知徹底や進
捗管理等の参画促進を継続して進め、計画実現に向けた職員意識の醸成を図り
ます。
・効果的かつ効率的組織体制への見直しと人員配置の適正化
社会経済情勢の変化や複雑・多様化する住民ニーズを踏まえながら、最適な
行政サービスが提供できるよう、来庁者の利便性を優先した窓口の設計をはじ
め、各施策展開や必要に応じた組織体制の見直し・人員配置を柔軟に行うとも
に、定員管理を適正に行います。
重点課題等についてはプロジェクトチーム制を導入するなど、柔軟で弾力的
な機動性ある行政運営を進めます。
・人材育成の推進と人事評価制度の検討
職員提案制度について、手法、特に提案後採用から具現化・事業化する体制
を確立し、実施します。
職員が常に問題意識を持ち、新しい発想で業務に取り組むことができるよう
職員の能力開発に努めます。
・行政評価制度の導入と行政改革のさらなる推進
より効果的・効率的な行政運営や行政サービスの向上と適正化に向け、行政
評価制度の導入を図ります。
これまでの行財政改革の取り組み成果等も踏まえて、今後の社会情勢等を勘
案した行財政改革のあり方を検討し、行財政改革計画の策定を進め、さらなる
行財政改革の推進を図ります。
・公共施設等のマネジメントの推進
平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき計画的な公共施
設等の整理・再編を行い、管理運営の適正化を図ります。
・全庁的取り組みによる電算システムの効率化
国民の利便性を高め行政事務を効率化することなどを目的にマイナンバー
制度が開始されたことから、さらなる個人情報の保護、情報セキュリティ強化
のため、職員のセキュリティ意識の向上、適切なシステムやネットワークの導
入、更新を図ります。
平常時の情報システムの安定稼動はもとより、災害等の非常時における早期
復旧を目的とした対策・体制づくりを進めます。
12
第2部 前期基本計画
◆成果指標
指標名
研修への参加職員数
単位
人/年
現状値
(平成 27 年度)
1
(平成 28 年度)
目標値
(平成 33 年度)
3
町税徴収率(現年課税分+滞納繰越分)
%
94.5
95
実質公債費比率
%
5.8
5.8
職員提案事業の事業化数
件
0
5
経常収支比率
%
87.6
90
将来負担比率
%
0
0
人口 1,000 人あたり職員数(行政職)
人
8.3
8.3
ふるさと応援寄付件数
件
51
100
13
第2部 前期基本計画
5 広域的な連携と協力によるまちづくり
◆現状と課題
本町では、これまでも消防・救急、医療提供体制、一般廃棄物処理、介護認
定業務など、共通の課題を持つ市町村と連携して行政を進めてきました。近年
では、奈良県及び1市3町8村で医療体制の再構築を進め、平成 28 年4月に
は「南奈良総合医療センター(南和広域医療企業団)」として開院し運営して
いくこととなりました。一般廃棄物処理については、新たに「さくら広域環境
衛生組合」を設立し、平成 33 年度以降の一般廃棄物の共同処理に向けて取り
組んでいます。その他においても、各種協議会等に参画しながら様々な事務を
共同で行っており、広域的な連携により諸施策を進めています。
県においても、奈良という地域に最適な地方行政の仕組みの構築をめざし、
県と市町村、市町村間の連携・協働を図り促進する取り組みとして「奈良モデ
ル」が推進されています。また、奈良県南部・東部地域の振興に関する組織を
設置するなど、県と市町村との連携を強化し、各市町村における広域的な取り
組みの支援が進められています。
住民サービスを維持・向上させ、安心して暮らせる活力と魅力あるまちづく
りを行っていくためには、今後もさらに、近隣市町村をはじめとする他の自治
体や国・県、各関係機関との連携・調整、住民や企業、関係団体等との協調を
図りながら、効果的かつ効率的な行財政運営を進め、より一層の広域行政や広
域連携を進めていくことが必要です。
◆あるべき姿と取り組み方針
地方財政は今後ますます厳しさを増すことが予想される中、行政運営におい
ては一層の効率性・効果性が求められており、また、地方分権においては、地
方公共団体が自主性・自立性を持って地域課題の解決や地域魅力の向上を図る
ための基盤強化と体制整備が求められています。
住民の日常社会生活圏の拡大に伴う「行政需要の広域化」や社会・経済情勢
の変化に伴う「新たな地域課題」、住民の価値観や生活様式の変化に伴う「住
民ニーズの高度化・多様化」への対処など広域的な連携の必要性は増大してお
り、しっかりと対応していかなければなりません。
広域行政・広域連携については、現在の加入状況や取り組み状況を検証しな
がら、本町が独自に取り組むべき事業と、広域による効率化を図る事業の見極
めを行い、既存の枠組みを超えた連携も視野に入れながら、柔軟な連携先との
連携・協力を検討し、必要な行政サービスが適切に提供できる体制整備と包括
的な地域課題解決や地域魅力向上を図ります。
14
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)広域的な行政の推進
国・県には、本計画実現に向けた支援・協力などの積極的な要望を行いなが
ら、連携を密にし連携・協働体制を維持します。
現在進めている広域行政・連携事業等については継続して実施しながらも、
その目的を果たし効果を生んでいるかを随時見極め、必要に応じてより効果的
な方策も模索し発展・充実を図ります。
とりわけ、一般廃棄物処理の広域共同処理に向けた取り組みと、水道事業に
おける奈良モデルに基づく水道広域化の検討においては、近隣市町村や国・県
等と連携を図りつつ、本町としてのメリット・デメリットを精査・検討し今後
の対応を進めていきます。
また、新しい連携についても、国・県と連携を図りながら周辺市町村等と広
域施策や共同事業、事務委託等広域行政のあり方について協議・検討し、様々
な分野において行政連携を図り、より効果的で効率的な行政運営に向けた広域
行政を積極的に推進していきます。
(2)様々な連携・協力による町の魅力向上
吉野圏域を一団の生活圏域として、「移住・定住促進」や「活力と魅力ある
吉野」形成に寄与しうるより有効な取り組みを実施していけるよう、町内部に
よる検討に基づき、他町村への提案、協議を進め実施につなげていきます。
「吉野」としてのイメージやブランドを活かしながら吉野圏域の町村が連
携・協力することにより圏域全体の活性化を図るとともに、様々な活動におけ
る民間レベルでの連携も含めて促進し、町の魅力を向上させます。
◆成果指標
指標名
一部事務組合等による事業実施数
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
事業
7
8
15
第2部 前期基本計画
第1章 すこやかで安心できる暮らしのた
めに<保健・医療・福祉 分野>
1 保健・医療
◆現状と課題
すべての住民の心もからだも健康であることが何より大切であり、社会そし
て、まちづくりの根幹となるものです。
「保健」「医療」「福祉」のそれぞれが
大きな役割を担っており、相互に連携をしながらそれぞれの充実を図っていく
ことが重要です。
本町では、保健センターを住民の健康づくりの拠点として、町医師会・町歯
科医師会・南奈良総合医療センターなど医療機関の協力を得て、県・保健所等
関係機関や庁内各部署と連携して保健事業を実施しています。
健康増進事業では住民の生涯を通じた健康づくりを目標として策定した健
康増進計画に基づき、がん検診、健康相談、健康教育、保健指導等を実施し、
生活習慣改善や疾病の予防から健康寿命の延伸をめざしています。これらの他、
ヘルスサポーター(注)とともに健康イベントの開催や啓発を行い、住民自ら
健康をめざすことができる健康なまちづくりに取り組んでいます。
母子保健事業では、母親が安心して出産し、子どもが健やかに育つために、
健康診査や訪問指導、各種教室、予防接種等を実施しています。
しかし、国・県と比較して町の健康寿命は短く、がん検診などの受診率が低
いといった問題があるのが現状です。今後さらに高齢化が進み、生活習慣病の
増加や介護期間の長期化が予測されることから、死亡や要介護状態の原因とな
る疾病のうち予防可能なものを改善・早期発見し、必要により適切な医療へつ
なげることが重要な課題です。このような中、医療保険や介護保険の制度を持
続可能にするためには、医療及び介護給付費の抑制が必要です。給付費の抑制
には、疾病予防、重症化予防が必須であり、生活習慣病対策や予防医療の充実
を図る必要があります。また、健康づくりを推進することにより、健康寿命の
延伸にもつながるので、健康意識の機運を高めることが重要です。
母子保健分野では、少子化に加え、生活習慣の変化や育児不安、虐待など、
子どもと家族の環境や問題も多様化しており、妊娠期から各関係機関や地域が
連携し、継続して関わる体制づくりが必要です。
(注)ヘルスサポーターとは、食生活改善推進員、健康づくり推進員、おおよど元気ア
ップセミナーのメンバー、禁煙サポーターなどの健康づくりに関わるボランティ
アや大字区長など、地域住民の健康づくりを支援する方々をいいます。
16
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)保健の推進
保健センターを住民の健康に関する拠点施設とし、健康づくり活動への支援
を行います。
町のヘルスサポーターの養成に努めながら、ともに健康寿命を延伸するため、
生涯を通じた健康づくりを進めます。
乳幼児期から生涯の健康づくりを見据え、正しい生活習慣を獲得できるよう、
健康診査や教室等で保護者への啓発活動を実施します。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病について、健康教室や保健指導、広報など
で周知し、住民が食生活、運動、睡眠、ストレス解消など生活習慣改善に取り
組めるよう支援します。
たばこが健康に与える影響を啓発し、禁煙を目指す人を支援するとともに、
受動喫煙から特に子どもを守る環境づくりを進めるなど、住民と一体となって
たばこ対策に取り組みます。
喫煙など、疾病の要因となる生活習慣の改善を図り、ストレス解消の手段と
しての運動習慣づくりを推進します。
特定健康診査の受診勧奨を行うとともに、がん検診をはじめとする様々な病
気の早期発見・予防を目的とした検診の実施と受診率の向上に取り組みます。
住民と協力してゲートキーパー(
「命の門番」)を養成し、こころの相談窓口
として情報を提供します。
(2)医療の推進
南奈良総合医療センターを核とした医療体制の充実を図り、現状の休日夜間
一次救急体制を引き続き要望するとともに、医師会と連携を図りながら、今後
の休日夜間一次救急体制のあり方を検討します。
住民がいつまでも住み慣れた地域で自分らしく暮らすために地域包括ケア
システムの構築(医療・介護の連携強化、病診・介護連携)を進めます。
(3)関係機関等との連携
町医師会・町歯科医師会・南奈良総合医療センターなど医療機関と連携し、
保健事業を実施します。また、県・保健所等の行政機関と連携し、広域的な情
報を得ながら効果的な事業実施を進めます。
福祉事務所、保健所、こども家庭相談センターなどの県の機関、高齢者につ
いては地域包括支援センター、障がいのある方については相談支援事業者など、
必要な機関と協力して支援が必要な方のサポートを継続します。
17
第2部 前期基本計画
(4)相談体制の充実
関係機関と協力し、子ども、高齢者、障がいのある人、ひとり親家庭、経済
的事情等の様々な悩みを抱えている人に対応した相談を行います。
保健センターでは、住民の身近な相談窓口として、保健師や栄養士等が乳幼
児から高齢者までの健康に関する相談に応じます。
(5)保健センター等の整備・充実
各種保健事業の実施場所であるとともに、身近な健康相談の場として、また、
妊娠期から子育て期にわたる切れ目のないワンストップサービスの窓口や赤
ちゃんから高齢者まですべての方がふれあえる場として、住民の健康を支援す
る機能を集約した・多世代交流の拠点とした新たな保健センターを整備・充実
していきます。
(6)医療費の助成
子ども・障がい者・ひとり親家庭等に対して医療費の助成を継続します。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
特定健診の受診勧奨
%
17.4
30
胃がん検診受診率
%
4
7.1
大腸がん検診受診率
%
9.2
21.2
肺がん検診受診率
%
5.1
8.9
子宮がん検診受診率
%
14.6
21.1
乳がん検診受診率
%
18.5
21.6
成人の喫煙率
%
17.8
13.4
健康教育参加者数
人
177
230
ゲートキーパー養成講座開催数
回
2年に1回
毎年
ゲートキーパー養成講座受講者数
人
24
年 31 人
健康寿命(65 歳平均自立期間)奈良県内順位
位
男性 29 位 女性 38 位
(平成 26 年度)
男性 24 位 女性 33 位
予防接種の接種率(高齢者)
%
47.1
60
予防接種の接種率(乳幼児)
%
77.8
85
指標名
18
第2部 前期基本計画
2 子育て支援、少子化対策
◆現状と課題
平成 28 年4月に開院した南奈良総合医療センターでは、奈良県立医科大学
付属病院と連携したサテライト妊婦・産婦健康診査が実施されています。町内
での健康診査受診が可能になり、妊婦が健康診査を受けやすい医療体制が拡充
しています。
保健センターでは、乳幼児健康診査や新生児訪問などの母子保健事業を実施
し、母子の心身の健康に関する支援を行っています。妊娠期からの関わりとし
ては、妊娠届時の保健師面談や妊婦健康診査、マタニティ教室を実施していま
す。今後はさらに、妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない支援を行うため、
妊婦への顔のみえる関係づくりや親子に関わる関係機関のネットワークづく
り、子育てを地域で支えるまちづくりが必要です。
また、町内には、町立保育所が 2 箇所、民間保育所(園)が 2 箇所、民間
認定こども園が1箇所設置されており、未就園の子どもとその保護者を対象と
した地域子育て支援センターを民間保育所(園)に委託し設置しています。す
べての小学校に隣接した専用の学童保育施設(プレジャールーム)を設置し、
子育て支援の充実を図っています。町立児童センターでは、子どもが主役の活
動を進めています。
食育に関しては、大淀町食育推進計画に基づいて各関係機関や団体と連携を
とりながら推進していますが、今後は、町全体の取り組みをさらに拡充してい
く必要があります。
その他、児童虐待が深刻化しています。本町では子どもの伸びやかな成長を
はかるため、要保護児童対策地域協議会を軸にした取り組みを進めていますが、
長期にわたる見守りと支援の体制を充実させなければなりません。
また、子どもの人権擁護の視点から児童虐待防止啓発の充実が求められてい
ます。
◆主要施策
(1)安心して生み育てられる環境の整備
産前においては妊婦健康診査の補助券発行を継続し、産後は健康診査、相談、
教室などにより、母子ともに心身両面からの指導、支援を進めます。
0 歳児保育、延長保育及び病後児保育を実施するとともに、学童保育施設(プ
レジャールーム)の運営を実施します。
19
第2部 前期基本計画
(2)心身を健やかに育む支援体制の充実
健康な生活習慣の基本として、乳幼児健康診査や相談、離乳食講座等で食育
の指導・支援に努めます。また、栄養教室や料理教室において、郷土料理や地
元食材を使用し、地元料理による食育の内容の検討を行います。
図書や読書を通じての乳幼児の子育て支援(ブックスタート・おはなし会等)
を継続して実施します。また、図書館を拠点とした子育て事業の内容を検討し
ます。
思春期から命の大切さを学ぶことができるよう、学校と連携した思春期教育
の実施をめざします。
(3)子育てにかかる意識の啓発並びに情報提供の充実
妊娠期から子育てを行うイメージづくり・意識の向上のため啓発及び情報提
供を進めます。
各種教室や健康診査時において、保護者が子育てに関心を持てる研修の実施
を検討します。
(4)相談・支援活動等の充実
妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない一体的なサービスを充実し、母子
に関わる関係機関が連携して、妊娠・出産・子育てを支援します。
母子保健事業では、妊娠届出時から保健師・栄養士等が関わり、妊婦健康診
査や訪問、乳幼児に対する新生児訪問・乳幼児健康診査・健康相談などを実施
し、子どもの健やかな成長発達と子育てを支援します。
育児、子育て、健康、医療、児童虐待、ドメスティクバイオレンス、障がい、
不登校、いじめ、非行など子どもに関する相談に対し、児童相談専門員・保健
師等による相談体制を強化します。また、社会全体で子どもの人権を守る意識
を高めるための啓発を進めます。
発達支援や育児支援が必要とされる子ども及び保護者に対し、引き続き家庭
支援推進保育士・保健師等による家庭訪問を行うなど、相談活動を通しての家
庭支援を行います。
要保護児童対策地域協議会を中心にして、児童虐待根絶に取り組みます。
若者の希望をかなえるために、婚活支援や出会いのサポートに取り組みます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
母子手帳発行時に保健師による面談
%
87.8
100
妊娠期ケアプランの作成・実施
件
0
全妊婦
指標名
20
第2部 前期基本計画
思春期対策
校
0
2
箇所
3
3
%
100
100
ブックスタート事業
回/年
0
8
おはなし会
回/年
6
8
一時保育を実施している保育園数
箇所
3
3
離乳食講座の開催
回
24
36
待機児童数
人
0
0
子育てガイドブックの発行
―
未実施
(平成 28 年度)
実施
学童保育
学童保育施設(プレジャールーム)受入率
21
第2部 前期基本計画
3 高齢者福祉
◆現状と課題
本町の総人口に占める 65 歳以上の高齢者の割合は、平成 27 年度で 27.6%
となっている中で、高齢者がいつまでも健やかにいきいきと暮らし、これまで
培った知識や経験を活かして地域で活躍し、生きがいを見出してもらえるよう
な施策を進めていくことがさらに重要となります。本町においても、実情にあ
った「地域包括ケア」の仕組みづくりに向け、現在取り組みを進めています。
高齢者の介護や生活支援に関しては、高齢者人口の増加に伴い介護サービス
等の需要増加や給付費の拡
大が予測される中で、介護
保険制度が大幅に改正され
ました。本町では、平成 26
年度に第6期介護保険事業
計画及び高齢者福祉計画
(平成 27~29 年度)を策
定しました。
高齢者がいつまでも住み
慣れた地域で住み続けられ
るよう、地域全体で支えて
いくことができるよう地域包括ケアシステムの構築が
必要になります。
◆主要施策
(1)高齢者の元気づくりの推進
自立生活支援の推進を図るため、介護予防・日常生活
支援総合事業を実施します。また、配食サービス、福祉タクシー等の町の単独
事業を継続するとともに、買物弱者、移動弱者が安心して生活できるよう、高
齢者が住み慣れた地域で自立した生活を維持できるよう支援します。
介護予防の取り組みとして、生活習慣病や疾病の重症化を予防し、健康寿命
の延伸を目的として、後期高齢者健康診査や特定健康診査、特定保健指導を実
施します。また、若い世代から将来の介護予防を視野にいれ、生活習慣改善の
ための教室を開催するなど、健康増進・健康づくり事業を充実します。
高齢者の生きがいづくりや活躍の促進を図るため高齢者ふれあい活動セン
22
第2部 前期基本計画
ターの継続的な活動を充実させるとともに、高齢者学級活動をはじめ人権学習
講座、文化講座、交通安全講座、生きがい学習講座、スポーツレクリエショー
ン、社会見学等の活動を充実させます。また、一人暮らし高齢者の集まれる場
所や機会の整備の検討やアクティブシニア(元気高齢者)のまちづくり活動の
参加支援を検討します。
(2)高齢者の地域生活を支援する体制の確立
地域包括支援センターを中心に、地域包括ケアシステムの実現に必要となる
地域包括ケア会議等の開催やルールづくりを検討し、また、自治組織等を含む
多職種連携を推進します。
認知症に対する正しい知識の普及・啓発を行うために、社会福祉協議会と連
携し、関係機関・団体・企業と見守りネットワーク(大淀町高齢者地域見守り
協定事業)の強化を図ります。また、認知症対策の取り組みとして、認知症サ
ポーター養成講座の開催や認知症カフェ、さらに地域サロンの活性化と未実施
地区への開催・定着を支援します。
介護サービスの充実を図るとともに、質の向上と適正利用の促進を進めます。
(3)相談・支援活動の充実
地域包括支援センターの安定的な運営を行うとともに、民生委員・児童委員
や地域包括支援センター等と協力し、高齢者に関する相談について適切な支援
を行います。
高齢単身世帯や高齢二人暮らし世帯の不安を解消するため、あらゆる相談を
受けられる体制づくりにさらに取り組みます。
生活習慣病予防のため、健康教室や健康相談を実施します。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
要介護認定率
%
18.8
介護予防リーダー養成
人
0
100
特定健康診査受診率
%
17.4
30
後期高齢者健康診査受診率
%
13.6
15
緊急通報装置
台
220
250
緊急通報装置 設置率
%
100
100
配食サービス
人
300
350
配食サービス 提供率
%
100
100
指標名
23
目標値
(平成 33 年度)
20
(平成 32 年度)
第2部 前期基本計画
地域サロン実施地区
地区数
19
30
認知症サポーター養成講座受講者数(累計)
人
353
530
老人クラブ会員数
人
2,140
2,200
件/年
255
300
地域包括支援センター総合相談実数
24
第2部 前期基本計画
4 障がい者(児)福祉
◆現状と課題
障がい者(児)福祉に関しては、平成 25 年 4 月に「障害者の日常生活及
び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行され
ました。障がい者(児)の社会参加の機会の確保及び地域社会における共生、
社会的障壁の除去に資するよう、総合的かつ計画的に施策に取り組むことを理
念として掲げています。本町では、この法律の基本理念並びに趣旨、国が定め
る基本指針に則して、障がい者の地域移行と地域での安心な生活を保障するた
め、平成 26年 3 月に「大淀町第 2 次障がい者基本計画」、平成 27 年 3 月
に「大淀町第 4 期障がい福祉計画」を策定し、諸施策の推進を図っています。
また、障がい者(児)の人権については、平成 28 年 4 月に「障害者差別
解消法」が施行されました。障がいのある、なしにかかわらず、差別の撤廃と
ノーマライゼーションの観点から啓発を進めています。また、NPO 法人との
連携により、特別支援学校生徒の体験学習の一環として各種イベントにスタッ
フとして受け入れ、生徒の社会参加や住民交流を支援する取り組みを進めてい
ます。
その他、保健センターにおいて、疾病や身体面・発達面の障がいの早期発見・
早期対応を目的として乳幼児健康診査や健康相談を実施しています。
発達面の障がいが疑われた時は、発達相談員や保健師が教室・個別発達相談
で発達を確認したり、保護者への支援を行ったりして、必要があれば医療機関
などへつなげます。南和地域においては、専門医療機関や訓練機関が十分とは
いえず、今後は、行政と医療機関・関係機関が連携して、支援体制を充実して
いくことが必要です。
◆主要施策
(1)相談・情報提供・支援体制の充実
相談支援については、民間事業者等の参入を促進し、サービス供給体制の充
実を図るとともに、相談支援従事者研修の受講を促進し、相談支援専門員の育
成、確保に努めます。
保健センターでの乳幼児健康診査や健康相談と関連して、保健師が保育所
(園)・幼稚園・療育教室を訪問し、保育士等と連携して、障がい児の成長発
達と家族の支援を充実します。
25
第2部 前期基本計画
(2)障がい児への支援(就学等への支援)
障害福祉サービスの円滑な実施、また、障がい児の発達促進や機能回復、保
護者への相談などのため、地域療育教室(指導員により障がい児の機能回復訓
練を実施する教室)を継続します。
各保育所(園)、認定こども園での障がい児保育を実施します。
適応指導教室の設置・運営、特別支援教育の充実を図ります。
(3)障がい者の生活支援・自立支援対策の充実
障害福祉サービスの円滑な実施と質の確保に取り組みます。
心身障害者・重度心身障害者医療費の助成等、障がい者への支援を継続しま
す。
(4)社会参画の促進と就労支援
子どもの社会参加と、その豊かな能力を掘り起し発揮する機会を作るため、
特別支援学校生徒の社会体験・職場体験実習を積極的に受け入れます。
福祉施設の利用者が一般就労に移行できるよう、就労支援を行う NPO 等の
支援、自立訓練施設・ハローワークとの連携など就労支援を進めます。
(5)地域ぐるみでの障がい者福祉の充実
民生委員・児童委員や関係機関との連携のもと、障がいのある方が地域で安
心して生活できるよう、災害時の情報伝達、安否確認、避難支援等、避難行動
要支援者の支援体制を整備します。
(6)保健・医療の充実
保健センターでの母子保健事業として、心身の疾病・障がいの早期発見を目
的に、乳幼児健康診査を継続して実施します。健康診査実施後のフォロー体制
を充実し、必要に応じて医療・療育・福祉サービスなどにつなげ、健やかな発
育発達を支援するとともに家族の支援を行います。
医療機関・関係機関と連携して、障がい児支援も含め、妊娠・出産・子育て
の切れ目のない支援体制の充実に努めます。
(7)ノーマライゼーションの理念に基づく社会の実現
・障がい者への理解を促進する取り組み
配慮を必要とする方を対象に、「ヘルプマーク」や「ハートプラスマーク」
の配布と広報を実施します。
障がいのある・なしにかかわらず、地域でともに暮らす社会をめざす人権啓
発・教育の推進に努めます。
26
第2部 前期基本計画
・移動しやすい環境づくり(バリアフリー化・ユニバーサルデザインのまちづくり)
社会福祉協議会における車いす移動車の貸出(有料)について広報等で利用
促進を図り、障がいのある方の社会参加を進めます。
◆成果指標
現状値
(平成 27 年度)
4 ヵ月:85.7
1 歳 6 ヵ月:84.6
3 歳:96
実人数 100 人
延べ人数 760 人
目標値
(平成 33 年度)
人
2
4
特別支援学校生徒の社会体験、職場体験の実施
回
2
5
障がい児保育の実施
―
実施
実施
大淀町災害時避難行動要支援者避難支援計
画に基づく個別避難支援計画の作成
―
未実施
実施
1 歳 6 か月児健康診査受診率
%
97.2
100
3 歳児健康診査受診率
%
93.2
100
指標名
単位
育てにくさを感じている保護者のうち、相
談先を知っているなど何らかの解決方法が
ある人の割合
%
相談支援事業
人
就労移行支援
27
100
実人数 100 人
延べ人数 760 人
第2部 前期基本計画
5 地域福祉
◆現状と課題
平成 27 年 3 月に地域福祉活動の環境基盤整備を進める地域福祉計画とそ
の整備する環境の中で実際に活動する地域福祉活動計画を一体化した「第2次
おおよどアクションプラン(第2次大淀町地域福祉計画・地域福祉活動計画)」
を策定しました。地域の多様な生活課題やニーズに対応していくために、地域
住民をはじめとした地域を構成する様々な主体と行政・社会福祉協議会が連携
して、参加と協働によって地域福祉の向上を進めていく必要があります。
また、健康づくりは一人で実践し継続することは難しく、健康づくりを推進
するためには、一人ひとりの努力はもとより、地域の力、行政の力をバランス
良く機能させることが重要であり、健康に関心を持ち、健康づくりに取り組み
やすいよう、住民が互いに支えあう環境を整備する必要があります。
行政・関係諸機関とが連携・協働しながら、地域社会での活動の取り組みを
進めています。
◆主要施策
(1)支えあう地域福祉の仕組みづくり
地域に根ざした福祉活動や福祉ボランティア活動を行っている住民・団体は
貴重な存在であり、その活動を支援し、地域への浸透を図ります。
社会福祉協議会と連携して地域の担い手づくりを支援するとともに、サロン
の継続開催ができるようサロンリーダーなどの活動リーダーの育成、福祉推進
委員の設置など地域活動に必要な人材の発掘や養成支援を行います。また、フ
リースペースふれあい喫茶の開設や世代間交流昼食会などの取り組みの実現
をめざします。
さらには、ボランティア活動に関する相談窓口の充実強化を図ります。あわ
せて、知識や経験を有する人材のボランティアセンターへの登録を促し、活動
リーダーの育成に努め、ボランティア体験の場づくりをしていきます。
(2)安心して暮らせる仕組みづくり
地域での見守り相談体制を強化するとともに、防災・災害時の支援体制づく
りとして、個人情報に配慮しつつ、地域の情報が共有できる仕組みの構築を行
います。
28
第2部 前期基本計画
(3)相談体制・情報提供の充実
必要な人に適切にアドバイスができるよう、また必要なサービスや支援を迅
速に提供できるよう、地域ケア会議の充実を図り総合相談窓口の体制強化を進
めます。
社会福祉協議会の社協だより等で福祉活動やボランティアに関する情報提
供の充実、民生委員・児童委員への情報提供や研修の充実などの活動を支援し
ます。
◆成果指標
指標名
高齢者地域見守り協定事業 協力企業数
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
協定数
4
10
地域とのつながりが強い方と思う人の割合
%
おおよど元気アップセミナー会員数
人
禁煙サポーター会員数
人
47.7
(平成 24 年度)
59
(平成 26 年度)
4
(平成 26 年度)
57.2
88
6
福祉関係ボランティア団体数
団体
27
30
ちいきふれあいサロン開催地区数
箇所
19
30
フリースペースふれあい喫茶の開催日数
回/年
0
1
世代間交流昼食会の開催日数
回/年
0
6
サロン運営者研修会
回/年
1
2
人
0
51
おおよどパイロット事業実施団体数
団体
0
1
個別避難支援計画作成地区数
地区
0
51
合同訓練実施回数
回/年
1
1
福祉教育講座 開催日数
回/年
1
2
福祉推進委員数
29
第2部 前期基本計画
6 社会保障
◆現状と課題
国民健康保険制度について、国民健康保険関連法に基づき事業を実施してい
ます。「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を
改正する法律」が平成 27 年 5 月に成立しました。この法律は、
「持続可能な
社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」に基づく措置とし
て、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険をはじめとする医
療保険制度の財政基盤の安定化、負担の公平化、医療費適正化の推進、患者申
出療養の創設等の措置を講ずるものです。この法律の成立により、国民健康保
険においては、平成 30 年度から、都道府県が財政運営の責任主体となり、安
定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営に中心的な役割を担うこ
とで、制度の安定化をめざします。
後期高齢者医療制度について、高齢者の医療の確保に関する法律等に基づき、
奈良県後期高齢者医療広域連合と連携しながら事業を実施しています。
また、介護保険制度は、介護保険法等及び介護保険事業計画に基づき事業を
実施しています。平成 29 年度には、平成 30 年度から平成 32 年度までを計
画期間とする第7期介護保険事業計画の策定を予定しています。
◆主要施策
(1)国民健康保険制度の健全な運営
国民健康保険事業の健全な運営を確保するとともに、被保険者の保健の向上
に努めます。また、関係法令を遵守し、奈良県と連携を図りながら、法定給付
及び保健事業を実施します。
同一疾病による重複受診、緊急時以外の時間外受診の抑制やジェネリック医
薬品の利用促進に取り組むとともに、レセプト点検の実施を行うことにより、
保険給付の適正化に努めます。
(2)後期高齢者医療制度の健全な運営
奈良県後期高齢者医療広域連合と連携を図りながら、住民の高齢期における
医療に要する費用の適正化を図るための取り組み及び高齢者医療制度の運営
が適切かつ円滑に行われるよう努めます。
30
第2部 前期基本計画
(3)介護保険制度の適切な運営
加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となっ
た住民が、自らの尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営
むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスにかかる給付
と地域支援事業を実施し、住民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることが
できるよう努めます。
また、可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活
を営むことができるよう地域包括ケアシステムを構築します。保健医療や福祉
サービスに関する施策、要介護状態となることの予防または要介護状態等の軽
減や悪化防止のための施策、地域における自立した日常生活の支援のための施
策を、医療及び居住に関する施策と有機的な連携を図りつつ包括的に推進する
よう努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
国民健康保険税収納率(現年度)
%
94.47
95
後期高齢者医療制度保険料収納率(現年度)
%
99.44
99.5
介護保険料収納率(現年度)
%
98.75
98.8
国民健康保険被保険者一人あたりの医療費
円
333,318
382,320
指標名
31
第2部 前期基本計画
第2章 いきいきとして活力あるまちづくり
のために<産業 分野>
1 雇用の創出と新しい産業
◆現状と課題
既存の農林業・木材関連産業・商工業などは全体的に低迷していますが、新
たな産業として、再生可能エネルギー産業等が近年急成長を遂げています。し
かし、再生可能エネルギー産業は、その性質上、既存産業ほどの雇用を生む産
業ではありません。また、近年の情報技術の発展と情報基盤の充実に伴い、全
国的に場所を選ばない就業形態が徐々に増加してきていますが、本町では、目
立ってそうした産業が増加しているとは見受けられません。さらには、全国的
に小規模農家の減少に伴う農業法人・大規模農家が徐々に増加してきています
が、本町では、目立ってそうした動きがありません。
京奈和自動車道の開通に向けて、本町の地理的要件はますます良好なものと
なっていくことが予想され、それに伴い、流通業他様々な業種の進出が期待さ
れます。企業立地優遇策として平成 20 年に企業立地条例を制定し、町内への
新規事業所の建設・増設・移転に対して助成しています。
今後、情報産業・観光産業・流通業・高齢者に対するサービス産業・6 次産
業化の振興・育成に向けた組織の体制づくりが課題としてあげられます。
◆主要施策
(1)企業誘致の推進と流出防止
企業誘致に関しては、高速交通体系の整備など企業誘致の環境は整いつつあ
ることから、企業誘致PRイベントへの出展や町内不動産の紹介・助成金メニ
ューのPRなど、本町の立地環境や誘致企業への優遇措置等について積極的な
PR活動を行い、関係機関と連携しながら地域経済の発展に貢献する企業誘致
を推進します。
企業立地条例に基づく助成金を交付し、新たな産業(再生可能エネルギー産
業等)や既存産業の新規出店・移転・増設等を促します。
32
第2部 前期基本計画
(2)起業支援の充実
商工会及び金融機関との連携により、町内で創業や事業拡大・経営多角化等
を希望する意欲のある人材の発掘や育成に努めるとともに、低料金で利用でき
るレンタルオフィスの整備(中小企業の誘致)やチャレンジショップの開設な
どの創業支援の取り組みを進め、新規開業などを誘発し、地域経済の活性化や
雇用の創出を図ります。
(3)雇用促進と働く場の充実
本町の立地条件や住み良さや魅力などの情報発信を積極的に行い、企業の誘
致を促進することにより、町内で働ける場を広げ、雇用の促進や安定化といっ
た就労環境の充実を図ります。
企業立地条例に基づく助成金を交付する際には、町内雇用の努力義務を課す
ことにより就労支援を行います。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
助成対象事業者年間新規申請数
社
0.7
1
企業誘致件数
社
指標名
町内総事業所数
事業所
町内事業所総従業者数
人
レンタルオフィス・チャレンジショップの整備
-
「新しい産業振興の取り組み」
に関する住民満足度
「雇用対策の取り組み」
に関する住民満足度
助成や相談を含めた創業支援実績人数
7
(平成 28 年度)
858
(平成 26 年度)
7,006
(平成 26 年度)
未開設
(平成 28 年度)
ポイント
-1.16
ポイント
-1.24
人
12
(平成 28 年度)
33
12
772
(平成 31 年度)
6,305
(平成 31 年度)
開設
0.00 以上
(平成 32 年度)
0.00 以上
(平成 32 年度)
100
第2部 前期基本計画
2 農業
◆現状と課題
本町の農業は、水稲、果樹、野菜から構成されており、特に果樹(日本梨)
は主力農産物となっています。しかし、近年本町の販売農家数は年々減少し、
専業農家数はほぼ横ばいであるものの、第 2 種兼業農家が大幅に減少してい
ます。本町特産の梨農家も減少の一途をたどっています。さらに、農業従事者
は減少一途であり、高齢化も加速しています。
農業従事者数の減少、担い手の不足に伴い、耕作放棄地は年々増加する傾向
にあります。耕作放棄地の増加は、農業生産力の低下のみならず、農村景観、
環境の悪化、鳥獣被害の増加等、農地周辺の生活環境の悪化を招きます。集落
営農組織の設立や若者の新規就農者を支援する取り組みが必要です。
◆主要施策
(1)農業生産基盤の充実
農道、用水路等農業用施設の改修・整備など、持続可能な農業のための生産
基盤整備を継続的に実施します。また、集落営農や農地の利用集積を図るため
に支障となっている耕作条件の改善を図るための整備を進めます。
鳥獣被害対策として、捕獲や追い払い等の対策、被害防止のための施設の設
置などの地域活動を支援します。また、捕獲活動のため猟友会の支援や新規狩
猟者の確保、育成を推進します。そして、この活動によるジビエの利活用につ
いても近隣市町村との連携を検討します。
(2)営農体制・経営体制の充実
地域や集落を単位とした農地の集約化や農業機械の共同化など、集落営農組
織化を進めるとともに、地域農園の設置の可能性を探ります。
農業の多様な担い手や後継者の育成・確保のために、インターンシップや地
域おこし協力隊、集落支援員制度等の活用、新規就農者への支援など、町内外
の若者を農業の担い手として育成し、地域後継者の育成に取り組みます。
(3)農商工連携事業の強力な推進
行政、農業従事者、商工業者が連携したイベント開催を支援し、地場農産物
の魅力向上に努めます。
道の駅吉野路大淀 i センターを生産者、地域住民、観光客との交流・情報発
34
第2部 前期基本計画
信拠点とし、安全・安心で新鮮な農産物の販売、イベントの開催、農作業体験
等を実施します。また、長居したくなる道の駅活性化プロジェクトを実施しま
す。
本町特産の梨・お茶をはじめ、大淀町の農産物を使用した新商品開発や既存
商品のブラッシュアップなど継続性のある取り組みを積極的に支援し、6 次産
業化やブランド化を推進します。さらに、梨づくり塾などの開催や特産品の旬
を紹介、活用することによってまちづくりにもつなげていきます。
貸し農園、体験農園の設置により、新規就農希望者や都市との交流人口の増
加をめざします。
(4)消費拡大に向けた取り組みの推進
地場産品のPR、商工業・サービス業と連携した商品開発(第6次産業商品)
など、地域内での農産物の活用拡大(地産地消)の取り組みを進め、食や農業
に対する理解や関心を高めるとともに消費拡大を図ります。
また、農業活動活性化(農業生産所得や生産意欲の向上、生産量の増加など)
に向けて、地域農産物を外食産業で利用してもらうPR活動など、町外での消
費拡大にも努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
集落営農組織設置数
団体
0
貸し農園・体験農園設置数
箇所
未開設
(平成 28 年度)
経営体
9
町内の農産物直売所に出品している農業者数
人
124
(平成 28 年度)
若者新規就農者
人
4
農地集積率
%
3
5
耕作放棄地率
%
6
5
指標名
認定農業者数
35
目標値
(平成 33 年度)
3
(平成 31 年度)
開設
(平成 32 年度)
12
(平成 32 年度)
135
(平成 32 年度)
15
(平成 31 年度)
第2部 前期基本計画
3 林業
◆現状と課題
本町の森林面積は 1,966ha で町土の約 5 割を占めており、その 6 割がス
ギ、ヒノキなどの人工林となっています。
森林は、木材の生産機能に加え、水源かん養や国土保全、大気の浄化、生態
系保全などの公益的機能が重要視されています。また、環境への負荷が少なく
再生産可能な資源である木材は循環型社会を支える産業の役割を担っており、
太陽エネルギーと水と空気により作り出された環境に優しい木材の建築材と
しての利用に加え、化石燃料の代替エネルギーとしての利用など、多様な分野
において無駄なく有効利用できる循環型の力強い林業・木材産業づくりが求め
られています。
しかし、今日の林業を取り巻く環境は、木材価格の低迷、林業従事者の高齢
化などにより非常に厳しい状況にあり、適正な森林施業ができない状態が続い
ています。このような中、森林の公益的機能を保持しつつ、安定的・効率的な
木材生産体制の構築が求められています。
◆主要施策
(1)林業振興組織の充実
森林の持つ公益的機能の保持と健全な生育を促進するため、間伐を推進し、
森林の適正な維持管理や保全に努めるとともに、大淀町森林整備計画に沿って、
森林施業の効率化を図り、森林整備に努めます。
林業事業体(森林組合・民間事業体)と森林所有者の連携協力のもとで森林
施業の集約を進めます。
(2)林業担い手の育成と支援
森林組合を中心とした作業班の充実を図るとともに、林業経営者や林業組織
等に対して、作業の効率化や経営の合理化へ向けた支援を行います。
(3)林業生産基盤整備の推進
林業経営の安定化や労働力の軽減、作業の効率化を図るため、林業機械の導
入や林道・作業道等の生産基盤の整備に努めます。
森林資源保護のため、森林病虫害や野生鳥獣被害の防除に努めます。
36
第2部 前期基本計画
(4)資源の循環利用システムの確立
公益的機能の高度発揮に十分配慮しながら、地形、土壌等の土地条件や路網
条件の整った生産性の高い地域を中心に、「伐って、使って、すぐ植える」と
いった伐採即再造林の一貫作業システムを構築、定着させ、省力化・低コスト
化を図りながら、持続可能な森林資源の循環利用システムを確立します。
林地残材等の未利用木質バイオマスの利用や立木の利用率向上により、資源
の有効活用に努めます。
(5)町産材の需要拡大の推進
公共建築物や公共性のある民間施設等の木造化・木質化を官民協働で推進し
ます。また、農業や商工業等他産業との連携により、木材や特用林産物を素材
とした新たな利用分野での商品開発、販路拡大を支援します。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
林業経営体数
体
12
15
森林経営計画(認定面積)
ha
森林整備(間伐等)面積
ha
森林作業道の整備(延長)
m
間伐材のバイオマスへの活用
m3
指標名
37
15.88
(平成 28 年度)
17.1
(平成 28 年度)
0
(平成 28 年度)
217
(平成 28 年度)
50
32
50
1,500
第2部 前期基本計画
4 工業
◆現状と課題
工業の活性化は、設備投資や雇用の増大など地元経済に及ぼす影響は極めて
大きいものがあります。高速交通体系の整備により輸送事情が大きく改善され
たものの、今後も製造業のみならず、その他の業種にも誘致対象を広げ、積極
的に本町を売り込んでいく必要があります。
大淀町の工業は、製造業をはじめ鉱業や建設業等が盛んに行われていますが、
とりわけ吉野林業地帯をひかえて木材に関連する事業所が馬佐木材工業団地
に集積しています。現在の団地の利用状態については、駐車場的利用をしてい
る土地が数区画あるものの、基本的には何らかの土地利用が図られており、当
該団地造成の一定の目的は達成できたと考えられます。
持続可能なまちづくりのためには、安定的な雇用を創出することが必要不可
欠であり、既存企業の支援、新たな企業の誘致を進めながら、本町の特性を活
かした豊富な農林水産物を加工するといった製品開発が求められています。
◆主要施策
(1)地域の事業所の育成・強化
既存の企業等について、経営基盤の安定と体質強化のための設備投資や経営
改善などを商工会と連携して支援します。
経営の多角化を図る中で、新分野進出の取り組み(第二次創業)を支援する
とともに、第1次産業や第 3 次産業と連携した取り組みを支援します。
急速な技術革新や産業の情報化に対応できる人材の育成をめざした技術研
修や異業種交流等の取り組みを商工会と連携して支援します。
(2)企業誘致活動の推進
本町の特色を活かし、木材技術関連や環境技術関連の企業等の情報収集を行
い、新たな企業誘致に向けて、優遇措置や支援策の拡充を図ります。
新たな業種にも誘致対象を広げ、立地の優位性をアピールしつつ長期的・継
続的に企業の誘致を推進します。
(3)木材関連工業の振興
木材関連工業の活性化のために、本町の木材工業の集積地である馬佐木材工
業団地において、現在の製材生産主体の産業から木材加工や販売など複合的産
38
第2部 前期基本計画
業への進展へ誘導するとともに、林業事業体(森林組合、民間事業者)、木材
市場及び商工会と連携した取り組みを進めます。
◆成果指標
指標名
単位
町内製造業事業所数
社
町内製造業品出荷額
万円
助成や相談を含めた創業支援実績人数
人
6次産業化商品開発数
個
企業誘致件数(製造業のみ)
事業所
39
現状値
(平成 27 年度)
36
(平成 26 年度)
1,200,690
(平成 26 年度)
12
(平成 28 年度)
0
(平成 28 年度)
4
(平成 28 年度)
目標値
(平成 33 年度)
39
1,300,000
100
5
6
第2部 前期基本計画
5 商業・サービス業
◆現状と課題
本町は、下市口駅前の下渕商店街を中心に商業地が形成され、その他の地域
には商店が点在する状況で推移してきましたが、町内並びに近隣市町村へのシ
ョッピングセンター等の進出などにより、商店街には空き店舗が目立ち、町内
の商店数は減少を続けています。加えて、消費ニーズの多様化や交通網の充実
により、他地域の大型商業施設への購買力の流出が増加し、本町の商業を取り
巻く環境は厳しい状況が続いています。
商業・サービス業は、住民の日常生活に密接につながっており、人口が減少・
高齢化した地域では買物利便の維持などの必要性も指摘され始めています。消
費者ニーズに対応する新たな商業施設の誘致と既存商店街の振興の両面を推
進し、商業・サービス業を通じた賑わいづくりなどが求められています。
このため、商工会との連携により支援体制の強化を図り、地域の事業所の経
営体質の強化や後継者の育成、新規創業者の発掘・支援などを図りながら、地
域に密着したサービスの展開、第1次産業や第2次産業と連携した特産品の開
発・販売等を促進する必要があります。社会情勢の変化とそれに伴う住民のニ
ーズの変化を見極めながら、具体的な振興策を探っていくことが重要です。
◆主要施策
(1)商業活動の活性化支援
商工会や地域との連携により、地域の商業活動の総合的な支援に努めるとと
もに、集客力及び販売力の向上による地域の事業所の経営基盤の安定化並びに
強化を図ります。
商店街の魅力づくりに向けた取り組みをおこないます。
地域振興住宅リフォーム事業を継続して実施し、地域経済の活性化を図りま
す。
(2)地域起業の支援・企業誘致
大学などの教育機関・研究機関や民間企業と連携することにより、新技術の
研究開発や新事業の創出を図り、あわせて国、県等の起業化支援施策などの情
報提供、新しい支援策の検討などにより、地域の住民や事業者による新しい起
業化への支援を進めます。
商工会及び金融機関との連携を深め、町内で創業等を希望する意欲のある人
40
第2部 前期基本計画
材の発掘や創業の取り組みを進め、地域経済の活性化や雇用の創出を図ります。
創業者を育成するため、低料金で利用できるレンタルオフィスの整備、チャ
レンジショップの開設を検討します。
また、本町の特性を活かし、立地の優位性をアピールしつつ新たな企業誘致
に向けて、優遇措置や支援策の拡充を図ります。
(3)魅力ある商業・サービス業の振興
地元商店が連携して取り組むイベントや祭りなど、まちの賑わいの場づくり
への支援に努めます。
地域に密着した商業・サービス業の展開を図るとともに、消費者の買物支援
サービス等、新たなサービス業の創業、企業誘致活動を推進します。
官民協働による特産品開発・販路拡大について商工会と連携して進めます。
(4)第1次産業、第2次産業、観光との連携
第1次産業、第2次産業と連携した商品開発(第6次産業商品)や販路開拓、
また、それらを本町の観光資源と結びつけた商業・サービス業活動に対する支
援を促進し、産業活動全体の底上げをめざします。
道の駅吉野路大淀iセンターを活用し、農業者、商工業者が連携する新たな
取り組みを支援します。
◆成果指標
指標名
住宅リフォーム助成事業予算執行率
小売業・卸売業事業所数
小売業・卸売業年間商品販売額
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
%
97.6
98 超
172
(平成 26 年度)
213
(平成 26 年度)
5
(平成 28 年度)
12
(平成 28 年度)
0
(平成 28 年度)
182
(平成 31 年度)
224
(平成 31 年度)
事業所数
億円
農商工連携イベント(うまいもんまつり・農
林産物品評会・花火大会)集客者増加率
%
助成や相談を含めた創業支援実績人数
人
6次産業化商品開発数
個
道の駅レジ通過者数
人
269,245
330,000
小売業・卸売業従業者数
人
1,081
(平成 26 年度)
1,100
(平成 31 年度)
41
15
100
5
第2部 前期基本計画
6 観光
◆現状と課題
本町には、梨や茶などの特産品や歴史文化遺産、また、町や地域づくり団体
が実施するこれらの特産品等を活用したイベント、さらには年間およそ 60 万
人を数え、県内でもトップクラスの入込客数を誇る道の駅吉野路大淀iセンタ
ーもあり、来訪者の満足度を高められる魅力的な資源が多く存在しています。
しかしながら、これらの観光資源の存在にもかかわらず、通過点にとどまって
しまっており、観光情報のさらなる充実が求められています。これらの資源を
発信し有効に活用するため、町内の名所やご当地情報を掲載した観光パンフレ
ットや町をPRするDVDの制作を行い、活用を進めています。
他には、町マスコットキャラクターを活用した PR イベントへの参加、観光
と産業、商工が一体となったプロモーションを実施しているところです。広域
的な取り組みとして、近隣の市町村と連携・交流を図り、観光情報を交換・共
有しながら地域の一体的な観光振興を図っているところです。
現在の観光は、体験型観光や健康、いやし、歴史、文化、産業、食などのテ
ーマ型観光が増え、旅行形態も個人・グループ旅行による短期間の観光が主流
となるなど観光ニーズも多様化しています。道の駅吉野路大淀iセンターを有
効に活用し、吉野エリアの市町村との連携のもとでさまざまな観光客のニーズ
に対応した観光ルートの開発やPR、イベント等の開催を図り、魅力あふれる
観光地を形成することが重要となっています。新たな観光資源の発掘も含め、
地域住民の協力も得ながら、町全体で資源の発掘、発信が求められています。
◆主要施策
(1)魅力ある観光振興対策の推進
各種団体と連携し潜在化している観光資源の発掘を行いさらなる地域の魅
力の向上を図っていきます。
多様化する観光ニーズに対応した観光企画や情報提供、PR活動を促進する
ため、広域の関係機関との連携を図りながら新たな観光商品の開発に努め、町
全体で資源の発掘、発信が可能となるよう官民一体となった組織づくりについ
て検討を行います。
観光情報の発信拠点となる道の駅吉野路大淀iセンターにおいて、情報発信
機能の強化など、観光案内情報の充実を行います。また、適正な維持管理と健
全な施設運営のための支援を行い、利用者の憩いと交流の場の提供を図ります。
42
第2部 前期基本計画
里山オーベルジュや農家民泊などをはじめとした宿泊施設やサイクリング
ロードの整備を検討します。
道の駅吉野路大淀iセンターを中心として本町の特性を活かした観光地と
しての魅力づくりを進め、組織体制等の充実、観光資源の整備、観光ルートの
形成を図り、通年型観光及び新たな滞在型観光の推進に努めます。また、観光
地への移動をスムーズにする交通手段の整備や案内板の設置などの受け入れ
態勢の整備を促進します。
(2)国内外に向けた観光PRの強化
町をPRする各種イベントを充実させるために、町マスコットキャラクター
「よどりちゃん」を活用し、積極的な情報発信を行います。現在地域資源や観
光素材の発信について積極的に実施しているところですが、今後はさらなる地
域振興につなげるため、各種団体と連携しながら、収益性、持続性を組み込む
手法で稼ぐ力の増進を図っていきます。
地域振興イベント参加によるプロモーション業務や町PR媒体の効果的な
活用により、観光情報のさらなる発信力の強化を図ります。
インバウンド観光への取り組みとして、外国語版観光ガイドブックや奈良県
外国人観光客交流施設などの活用により、県北部に集中している外国人観光客
を本町を含む県南部地域にも呼び込むための発信を行います。
(3)広域観光連携の推進(周辺観光地との連携)
地域の一体的な観光振興を図る広域的な取り組みとして、近隣市町村との連
携・交流を進め、観光情報をはじめとするさまざまな地域情報を交換・共有し
ながら地域全体で情報発信をしていきます。
高速交通網や鉄道網等を活かし、吉野エリアの自然、歴史、文化、温泉、レ
クリエーション施設などの多彩な観光資源をネットワーク化させた観光ルー
トの開発を促進します。
(4)グリーンツーリズムの推進
山の地域資源を活用したツーリズム開発を積極的に進め、農業の体験型観光、
伝統行事や田舎暮らし体験への参加ツアー、観光農園など地域産学の連携によ
るグリーンツーリズムの推進を図ります。
◆成果指標
指標名
町 PR イベントへの参加
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
回
40
40
43
第2部 前期基本計画
指標名
無料公衆無線 LAN(Wi-Fi)整備
単位
箇所
観光ハイキング参加者数
人
里山オーベルジュの設置
―
PR映像延べ再生回数
回
プレミアムガイド配布数(日本語版)
部/累計
よどりツイッター フォロワー数
人
道の駅情報コーナー来館者数
人
四大紙及び地域紙(奈良新聞)掲載回数
回
農業体験農園来場者
人
44
現状値
(平成 27 年度)
1
(平成 28 年度)
240
(平成 28 年度)
目標値
(平成 33 年度)
未設置
設置
2
300
1,000,000
16,000
(平成 28 年度)
600
(平成 28 年度)
76,700
10
(平成 28 年度)
0
(平成 28 年度)
75,000
1,200
92,040
60
80
第2部 前期基本計画
第3章 まちの基盤づくりと安全・快適な暮
らしのために<都市基盤・生活環
境 分野>
1 都市拠点の形成
◆現状と課題
個性豊かな町域の発展と一体化、町内各地区の生活利便性の向上をめざし、
本計画の基本構想にて、地域形成の骨組みとして、各種のゾーン・拠点を定め
ました。
このうち、中心市街地ゾーンや広域交流拠点として位置づけた「大淀病院跡
地及び近鉄下市口駅周辺地区」については、中吉野駐車場もあり、本町並びに
周辺地域への連絡拠点ともなっていますが、現在の駅前周辺は広場や周辺道路
が狭く、下市口周辺の通学路の安全確保が喫緊の課題となるなど、十分な交通
機能が発揮できていない状況にあります。下渕商店街では空き店舗が目立つ状
況が続き、周辺地域では人口減少が進み市街地の空洞化が進んでいます。
こうした状況に対し、平成 28 年に奈良県と締結した「まちづくりに関する
包括協定」に基づき、事業化へ向けた検討を行っています。コンパクトシティ
の考え方を採り入れ、町内や周辺地域に点在する「医療・福祉・健康」の機能、
妊娠期から子育て期にわたるまでの支援について、ワンストップ拠点として
「子育て世代包括支援センター」などの集約を図りながら、住民のコミュニテ
ィ活動の場としてこのエリアの魅力を高めていくこととしています。今後は、
県との包括協定の中で、地域住民とともに調査・検討を行いつつ、早期整備に
向けてまちづくりを進めていく必要があります。
その他のゾーンについては、道の駅吉野路大淀iセンターを中心としたおも
てなし・交流ゾーン、花吉野ガーデンヒルズや馬佐木材工業団地を中心とした
産業振興ゾーン、東部渓谷地にはみどりの産業振興ゾーンを位置づけています。
拠点としては、福祉・健康拠点の他、広域交流・情報拠点、行政・文化拠点、
スポーツ・交流拠点、各地区生活拠点、教育・学習拠点、エコロジー拠点、防
災拠点、広域医療拠点を位置づけており、それぞれのゾーン・拠点ごとに関す
る動向にも配慮しながら、整備や機能の集約・充実を図っていく必要がありま
す。
45
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)中心市街地の整備
・町立大淀病院跡地と近鉄下市口駅周辺整備
大淀病院の跡地については、保健センターをはじめとした、医療・福祉・健
康に関する機能の集約を図り、住民の健康づくりやともに交流しあう場・とも
に学びあう場である交流の拠点としての整備をめざすとともに、あわせて町外
からの誘客・交流人口の増加を見込める施設の導入検討など、好立地を活かし
た広域的な観光・交流拠点としての整備をめざします。また、下市口駅前周辺
についても、県南部地域への連絡拠点として、交通結節点機能の整備を進める
他、病院跡地へのアクセス強化等、地域全体の活性化につながるよう、地域が
一体となった整備を進めます。
計画の検討にあたっては、奈良県との包括協定に基づく検討体制を通して、
住民や各種関係機関の意見を取り入れ、合意形成を図りながら検討を進めます。
・中心市街地ゾーン
大淀病院跡地及び近鉄下市口駅の周辺整備をはじめ、公的機関、教育機関、
文化施設、生活利便施設など、都市機能の集約・誘導を図り、コンパクトな町
を形成することで、持続可能なまちづくりを進めます。
(2)各種拠点・ゾーンの整備・充実
その他の拠点・ゾーンの整備については、町全体における各拠点・ゾーンの
持つ役割を意識しながら、本計画基本構想で定めた「地域形成の骨組み」に基
づきそれぞれの現状に応じた整備と施策展開を行います。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
「都市拠点の形成」に関する住民満足度
ポイント
‐3.29
0.00 以上
(平成 32 年度)
「土地利用の状況」に関する住民満足度
ポイント
‐1.37
0.00 以上
(平成 32 年度)
事業
(平成 28 年度)
3
指標名
奈良県とのまちづくり連携協定に基づく個
別協定の締結数
46
第2部 前期基本計画
2 交通ネットワークの形成
◆現状と課題
<公共交通>
本町では近鉄吉野線が東西に敷設されており、町内に 6 つの駅があります。
近隣の橿原市や大阪市内といった都心へ短時間でのアクセスが確保されてお
り、通勤・通学にも多く活用されています。また、本町と周辺市町村を結ぶ形
で路線バスが運行されており、幹線における公共交通網を形成しています。近
年、人口減少が進む中で、こうした公共交通機関の利用者は減少しており、バ
ス交通では路線の廃止や縮小が進んでいます。一方で高齢社会が加速し、特に
地域における高齢者の日常生活に密着した移動手段としての公共交通の必要
性が高まっています。
こうした中、移動ニーズの変化や南奈良総合医療センターの開院に伴って、
平成 14 年から町が運行していた福祉バス(ふれあいバス)の再編を行い、平
成 28 年からコミュニティバス(よどりバス)とデマンド型乗合タクシー(よ
どりタクシー)を運行しています。これらの公共交通機関の利用促進について
は、交通関係機関等も参加する協議会が設置されており、今後、こうした検討
の場を活用して、維持・継続と利便性向上に向けた改善に努めていく必要があ
ります。
<道路>
本町の周辺地域では、南阪奈道路が開通、京奈和自動車道の大和郡山~橿原
間と五條~岩出根来間の一部開通、国道 169 号は橿原~高取間でバイパス整
備が進められているなど、本町から大都市圏等への連絡性が高まっています。
今後も、京奈和自動車道への連絡道路の整備や、京奈和自動車道の早期完成な
ど、一層の連絡強化を働きかけていくことが必要です。
町内の道路網は、国道 169 号、309 号、370 号及び7路線の県道等を骨
格として形成され、これらの路線は順次、改良等が進められています。その他
の道路は、住宅開発により道路整備が完了している地域もありますが、既存市
街地などでは幅員が狭くて交通量が多い危険な区間もみられます。こうした中
で、今後も一層の安全な道づくりが必要となっています。
道路は、地域の暮らしを支える基礎的な生活インフラであり、緊急性や効果
性を見極めつつ、県や国にも要請しながら整備・改良を進めていく必要があり
ます。さらに、主な路線では、交通安全施設や歩道空間の整備及びバリアフリ
ー化を進め良好な道路景観の美化を図るなど、快適で安全に移動できる道路環
境整備を行う必要があります。
47
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)道路交通体系の整備と維持管理
・高規格・地域高規格道路
京奈和自動車道の早期の全面開通を、県や関係市町村などとともに継続して
要請します。
・幹線道路
国道 169 号は、橿原~高取間のバイパス整備の早期完成など、一層の利便
性の向上を積極的に要請します。また、国道 169 号、国道 309 号、国道 370
号も含め、幅員が狭い区間の解消や歩道設置など、より安全でよりスムーズな
道路交通の確保を積極的に要請します。
・補助幹線道路
県道の改良整備(歩道の設置・交差点改良など)により、町内各地域におけ
る安心で安全な道路整備の実施を積極的に要望していきます。
町主要道路については、町内各地域における諸活動の中心となるため、県道
に準じた走行性の高い道路として、地域の実情に応じた改良・整備に努めます。
・生活道路
町道の整備については、地域住民のニーズ、各地域での道路網に対する総点
検の実施結果等を踏まえ検討を図りながら、町全体の道路整備にかかる優先順
位を定めて、計画的な改良・舗装整備を図ります。
・歩行者道路
あんしん歩行エリア内の歩道整備・改修を実施するとともに、その他の道路
においても、歩行者交通の多い道路等を中心に、防犯灯の設置やバリアフリー
化などによる子供や妊婦、高齢者、障害がい者などが安全で安心に移動できる
よう円滑な通行への配慮、街路樹等による修景緑化などに努めます。
(2)交通ネットワークの充実
本町を形成する公共交通網がより効果的・効率的に活用されるために、公共
交通機関をはじめ関係者が参加する大淀町地域公共交通会議で協議を図り、公
共交通の利用促進や地域の実情に応じた公共交通体系の構築に努めます。
よどりバスとよどりタクシーについて、住民の移動ニーズを把握した利便性
の高い公共交通とするため、その運行形態の見直しを行い、より一層の有効活
用を図ります。
◆成果指標
指標名
単位
よどりバス年間利用者数
人
よどりタクシー年間利用者数
人
「交通ネットワーク」に関する住民満足度
ポイント
48
現状値
(平成 27 年度)
37,800
(平成 28 年度)
4,300
(平成 28 年度)
-1.35
目標値
(平成 33 年度)
40,000
5,000
0.00 以上
(平成 32 年度)
第2部 前期基本計画
道路における歩道設置率
%
49
11.3
11.7
第2部 前期基本計画
3 住宅・市街地整備
◆現状と課題
本町では、昭和 50 年代以降、住宅団地の開発が行われ、様々な地域から多
くの住民の転入を受け入れてきました。吉野三町都市計画区域内に位置し、町
全域が都市計画区域に指定され、これまで法の規制のもと、良好な市街地を形
成してきました。しかしながら、経済や社会情勢の変化により、町外からの人
口の流入は伸び悩み、平成 27 年度末現在で約 1,800 戸の空き宅地等がある
状況です。また、特に既存市街地や集落地において、空き家が増加しています。
空き家は、防犯・防災・衛生面等、様々な問題があり対策が求められています。
それらを予防する意味も含め、これらを資源ととらえて利活用を進めるために、
居住環境の改善や町の魅力のPRを行い、定住促進を図る必要があります。
公営住宅については、町営住宅 122 戸、改良住宅 225 戸を管理していま
すが、バリアフリー化に課題が残され、改良住宅を中心に老朽化が進んでいま
す。また、入居者については、独居世帯、高齢者世帯の割合が高く、多様な年
齢層で構成されるべき地域のコミュニティの形成に支障が出ています。こうし
た課題を克服するには計画的な住宅改修や建て替えが必要であり、地域コミュ
ニティを重視した対策が不可欠です。将来にわたり入居者が安心して暮らせる
ための住宅施策が求められています。
産業振興や住環境改善促進の観点から行っている住宅リフォーム助成事業
についても、平成 28 年度から定住促進向け枠を設け、運用を行っていますが、
利用が少ないことから、PRや制度の改善検討を進める必要があります。
また、平成 27 年に空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家法
ができて以来、空き家に関する相談、近隣の空き家に関する相談が増加してき
ています。適正な管理がされていない空き家は防災や衛生面など様々な面から
危険です。こうした状況の中、平成 28 年に庁内に空き家プロジェクトチーム
を立ち上げました。町と住民が一体となって空き家問題に対して取り組むこと
が必要です。
◆主要施策
(1)住環境の提供と支援
・良好な住宅の建設誘導
住宅リフォーム助成事業などの推進を通して、良好な住環境の維持に努めま
す。
50
第2部 前期基本計画
・公営住宅等の改善と活用(維持・管理含む。)
高齢者、障がい者が安心して暮らせるためバリアフリー化等の改善を進めま
す。また、住宅の一部について所得制限を緩和することにより、若者世帯の入
居を促進するなど、地域コミュニティ活性化や移住定住の促進を図る住宅とし
ての活用を検討します。
・空き家対策と活用の推進
「大淀町空き家対策計画」を策定し、適正な管理を促します。この中で、特
定空き家(注)にならないようにする予防策の周知や相談の受付と同時に、利
活用可能な空き家・空き地の把握を行います。また、NPO団体や町内不動産
業者とも連携して、定住促進の観点からの空き家の利活用方法を進めます。
空き家の有効活用を促すために、定住促進等のPRイベントにおいて、リフ
ォーム助成のメニューをPRします。
(注)特定空き家とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上の危険のあるものや衛
生上有害となる恐れのあるもの、また、著しく景観を損なっていたり、その他周
辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である空き家のことをい
います。
(2)秩序あるまちづくりの誘導
宅地などの開発については、自然環境との調和、良好な住環境の形成のため、
今後も適切な指導を行います。また、地域の実情に合わせた都市計画の内容変
更等についても適宜検討を行います。
(3)移住・定住の促進
移住・二地域居住の誘導として、PRパンフレット、PR動画などの活用や、
PRイベントへの参加等を通して、本町の持つ住環境の良さや魅力を積極的に
情報発信し、定住促進を進めます。また、町内不動産業者等とも連携し、物件
情報の把握やPR等を行います。
広域的な取り組みとして、吉野地域の人口を維持することを目的に、奈良県
が主導する奥大和移住・定住連携協議会への参加により、吉野地域全体として
地域の魅力の発信を行い、定住促進を進めていきます。
定住支援として、既存の住宅リフォーム助成事業はもとより、定住目的で町
内に住宅を取得した方への補助事業など、定住促進のためのより効果的な事業
の実施検討を行います。
(4)良好な住環境にかかる社会基盤整備
まちの生活住環境を支える社会基盤(道路、トンネル、橋梁、下排水路、上
下水道など)について、計画的・効率的に整備を進めるとともに、定期的な点
51
第2部 前期基本計画
検を実施しながら適正な維持管理に努め、機能維持・老朽化対策・長寿命化を
図ります。
◆成果指標
指標名
単位
現状値
(平成 27 年度)
16
(平成 25 年度)
1
(平成 28 年度見込み)
目標値
(平成 33 年度)
空き家率
%
定住促進住宅リフォーム工事助成件数
件
住宅新築件数
件
50
60
橋梁点検数
基
21
77
52
16
10
第2部 前期基本計画
4 環境保全と環境美化、景観・緑化
◆現状と課題
本町は、町域の南側に吉野川が流れ、北部一帯は竜門山地に属する豊かな森
林が広がっています。吉野川周辺は県立吉野川津風呂湖自然公園区域に指定さ
れています。こうした水と緑に囲まれた本町においては、環境保全は身近で大
切な問題としてとらえられ、地域住民の景観に対する意識は高く、近年では空
き宅地の草刈の不備などに対する景観・環境悪化を懸念する声があります。
これまでも、ごみの分別化やごみ量の削減、リサイクル、公共下水道の整備、
河川やゴルフ場での定期的な水質検査、環境保全への啓発や美化活動などを進
めてきましたが、人目に付きにくい場所や山間地等において、路上放置車両や
不法投棄がみられるとともに、農業従事者の減少等から耕作放棄地も増加して
きています。
また、都市計画法に基づく地区計画制度を福神地区において導入し、良好な
環境の住宅地を維持しています。奈良県景観条例、奈良県屋外広告物条例に基
づく事務を行い、一定規模以上の建物や看板については当該条例を遵守するよ
う指導し、地域の景観と美化を保っています。
森林や河川の保全とともに、田園環境の保全への取り組みも必要です。吉野
川流域の豊かな水環境を保全し創出していくためには、自然環境保全、水環境
保全の広報・啓発、水源地保護の調査研究などについて、広域的な連携を図り
ながら一体的な総合施策推進を協力して行うことが必要です。
◆主要施策
(1)環境基本計画の推進
環境基本計画に基づき、資源循環型社会の実現に向けての啓発活動、ごみの
分別指導などの環境に配慮した施策を進めます。
(2)自然等の環境保全と地球温暖化対策
吉野川流域の市町村と連携を図りながら、流域の豊かな森林や水といった自
然環境の保全・創出に向けた取り組みを進めます。
地球環境保全の観点から、地域住民や企業とともに再生可能エネルギーの効
果的な活用を図ります。
水質保全として、合併処理浄化槽の設置促進等により生活雑排水の適切な処
理を図ります。また、河川の水質検査を定期的に実施します。ゴルフ場からの
53
第2部 前期基本計画
排水に関しては、ゴルフ場による自主検査を継続して促進するなど、啓発を図
ります。
(3)公害等の未然防止
公害については、家庭等での野焼き等も含めて、国、県、警察などの関係機
関等とも連携を図りつつ、あらゆる公害の防止に努めます。
ごみの不法投棄に対しては、定期的なパトロール、効果的な看板の設置や取
り締まりなどを、警察や地域住民とも連携して防止に努めます。
(4)環境美化と景観保全
・環境美化・景観づくりの推進(地域活動の促進を含む。)
親切・美化県民運動、吉野川マナーアップキャンぺーン、地域における環境
美化活動に対するごみ袋の配布などを継続しながら、環境美化に対する意識の
啓発を推進します。
景観保全、環境美化を目標に、道路改良を行う際は積極的に緑化を推進し河
川整備についても水辺環境に配慮し整備を行います。
森林環境を保全し、公益的機能の維持増進を図るため、奈良県と連携し施業
放置林の間伐を実施し、施業放置状態の解消に努めます。
・景観保全制度と公共空間の修景緑化
地区計画制度、景観条例、屋外広告物条例の趣旨とルールを、奈良県ととも
に広報や啓発に努めます。
違反広告物に対する定期的なパトロールと除去に努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
回/年
2
2
環境保全活動に伴うゴミ袋配布数
袋
5,500
5,750
施業放置林間伐面積
ha
100
(平成 28 年度)
200
指標名
違反広告物簡易除却
54
第2部 前期基本計画
5 公園・緑地
◆現状と課題
本町には、都市公園 87 箇所と住宅開発等に伴い設置されたその他の公園・
緑地があります。吉野川の河川敷にあるリバーパークおおよどは豊かな親水空
間として人々に親しまれており、住宅開発にあわせて整備した福神中央公園は、
広場や遊具が充実し、住民だけでなく遠方からも利用者が訪れています。
公園・緑地の維持・管理については、除草等の日常管理を地元住民にお願い
し、遊具等の安全点検や修繕、樹木の伐採等を町が行うことを基本としていま
すが、規模の大きい公園・緑地等、地元区での管理が難しい公園・緑地は、町
で維持管理をしています。また、遊具等の安全点検については年1回実施し、
順次修繕を行っています。
老朽化している公園施設が多数あり、更新の時期にきています。緑地につい
ては、開発時から整備を行っていないところが多く、本格的な整備が必要とさ
れています。
また、人口減少や少子高齢化により利用頻度が減少している公園数の増加や
地元住民の協力による公園・緑地の日常管理が現在の規模では困難になる見込
みであり、公園・緑地のあり方を検討する必要があります。
◆主要施策
(1)公園・緑地の整備・充実
人口減少や少子高齢化により公園・緑地に対する住民ニーズや利用度が変化
している中で、住民が親しみやすく憩いの場として活用できるように、地域に
適した公園・緑地の整備に努めます。
(2)維持・管理体制の確立
公園・緑地を適切に維持・管理するために、今後も地元住民の協力を得て清
掃や草刈りを行います。また、公園遊具等については、定期的な点検等により
現状を把握しながら計画的な撤去・改修など適切な対処に努め、利用者の安全
確保と公園施設の長寿命化を図ります。
◆成果指標
指標名
公園遊具の更新件数
単位
基
55
現状値
(平成 27 年度)
11
(平成 28 年度)
目標値
(平成 33 年度)
15
第2部 前期基本計画
指標名
公園長寿命化計画の策定
「公園・緑地の整備・維持管理状況」に関する住民満足度
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
―
未策定
策定
ポイント
-1.61
0.00 以上
(平成 32 年度)
56
第2部 前期基本計画
6 上下水道
◆現状と課題
<上水道>
本町の上水道は、吉野川を水源としており、普及率は 100%となっていま
す。これまで、住宅団地の開発とともに上水道の整備事業を進めながら、老朽
化した水道管の更新にあたっては公共下水道の整備事業とともに実施し、費用
の削減を図る他、管路情報のシステム化を進め、効率的な運営に努めています。
浄水場や配水施設については、老朽化により整備が必要となったことから、平
成 22 年 2 月に桜ヶ丘浄水場の整備を行いました。
水道料金については、人口減少等により今後の水需要の低迷が避けられない
情勢から、平成 28 年 4 月に、今後の情勢に適応し、収益を確保できる料金
制度を構築することを趣旨として料金改定を行いましたが、依然として奈良県
でも最も低い水準の水道料金を維持しています。
また、安全な水を供給し続けるため、水質管理については、奈良広域水質検
査センター組合に委託して検査を実施しており、水質検査結果などを町ホーム
ページで公表しています。上水道については、今後も情報提供をしながら、引
き続き安全で安心、おいしい水の供給に取り組みます。
<下水道>
本町では、快適な生活環境の実現、公共水域の汚濁防止及び公衆衛生の向上、
ひいては吉野川を中心とする自然環境を保全していくために、公共下水道と合
併処理浄化槽を併用して適切な生活排水処理と水環境の改善に努めています。
公共下水道においては、吉野川流域下水道事業との整合を図りながら、平成
27 年度末において全体計画 819ha のうち 589ha を事業認可区域とし、流
域関連公共下水道事業により整備を進めており、平成 27 年度末における普及
率は約 83%となっています。
快適な生活環境の実現、公共水域の汚濁防止及び公衆衛生の向上、ひいては
吉野川を中心とする自然環境を保全していくためには、こうした下水道整備は
必要不可欠です。
しかし、今後は市街地から家屋が点在した地域の整備を進めていくことにな
ることから、住民の理解と協力を得ながら、費用対効果を十分考慮の上、合併
処理浄化槽事業との役割分担も視野に入れながら、整備計画の見直しを図って
いく必要があります。
57
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)上水道の運営
・健全な経営の継続
中長期的な経営の基本計画である経営戦略を策定し、水道施設について計画
的な整備改修を行うとともに、今後の水需要に適応できるよう料金についても
適時に見直しを行い、良好な運営を継続します。
現在委託している浄水施設等運転管理業務について、料金徴収や検針業務も
含めた包括的委託による一層の事務効率化及び費用削減を検討します。
・計画的な施設の整備・充実
経営戦略において投資計画を定め、配水管や送水管等の老朽化に伴う改修等
を円滑に進めるとともに財源の確保に努め、安全・安心でおいしい水の安定供
給ができるよう、施設の維持・改善を図ります。
五條市、大淀町、吉野町、下市町の吉野川流域1市3町の水道広域化案にお
いて、奈良モデルとして検討が行われています。県営水道とも連携(垂直水平
連携)を図り、本町としてメリット、デメリットを検証し、広域化について検
討を図ります。
・水源確保と水質管理による良質な上水の安定供給
水源確保については、関連部署と連携を図り、水源保全の観点から啓発活動
及び清掃作業を継続します。また、水質管理については、水道法に基づく水質
検査に加え、水源の状況に応じたモニタリングを適時行い、ホームページ等を
活用し、現状の情報提供体制を継続します。
(2)下水道の運営
・健全な経営の確立
中長期的な経営の基本計画である経営戦略を策定し、効果的な事業推進と経
営の健全化を図ります。
・計画的な下水道事業の推進
本町の公共下水道事業については、社会資本整備計画に基づき、汚水処理場
の廃止をめざした北野地区の早期完了と効果・効率的な整備を図ります。
下水道全体の整備計画については、20~30 年の長期的なスパンに加え、
合併浄化槽等早期に整備できる手法との比較を行い、10 年程度の中期的なス
パンにおける整備区域の見直しを図ります。
水洗便所改造助成金に加えて下水道接続に伴う浄化槽撤去補助を実施する
など各戸の水洗化の促進を図ります。
・下水道施設の適切な維持管理
58
第2部 前期基本計画
下水道施設については、整備時期や耐用年数等を考慮し、ストックマネジメ
ント計画の策定を検討するなど適切な維持管理を図ります。
・合併浄化槽の設置促進と適切な利用の啓発
合併処理浄化槽については、合併処理浄化槽の設置にかかる単独浄化槽撤去
補助に加え、高度処理型合併処理浄化槽に対しても補助を行うこと等により、
設置の促進を図ります。また、設置後の維持管理に対する指導体制の確立を検
討し、良好な生活環境の維持に努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
おいしい水の供給日数
%
100
100
有収率(上水道)
%
84.85
86.5
管路耐震化率(上水道)
%
3
10
経常収支比率(上水道)
%
106.79
100 以上
浄化槽設置整備基数
基
62
100
下水道普及率
%
82.6
84.8
水洗化率
%
86
88
経費回収率(下水道)
%
76.2
80
指標名
59
第2部 前期基本計画
7 廃棄物処理等
◆現状と課題
<ごみ処理>
家庭ごみは、町指定の有料ごみ袋にて、可燃物・不燃物・資源(2種類)
・
粗大ごみの5分別を行って収集し、本町と高取町・黒滝村・天川村・下市町で
構成する「南和広域衛生組合」の南和広域美化センターで共同処理事業を実施
しています。
南和広域美化センターの操業期限については平成 33 年 3 月までとなって
いることから、平成 33 年 4 月以降のごみ処理のために、新たなごみ処理施
設の建設に向けて、平成 28 年 4 月に本町と、吉野町、下市町、黒滝村、天
川村、川上村、東吉野村の 3 町 4 村で構成するさくら広域環境衛生組合を設
立しました。今後も、資源循環型社会の構築をめざし、住民意識の高揚を図り
ながら、ごみの減量化と再資源化、適切な処理を進めることが必要です。
<し尿処理>
し尿処理は、許可制の民間業者により汲み取り・収集業務を、最終処分は、
下市町紫水苑にし尿等の処理を委託し、処理をしています。公共下水道事業が
進捗するに伴って、し尿の総排出量は減少していますが、引き続き円滑な収集
業務の維持が必要です。
◆主要施策
(1)ごみ収集・処理体制の充実
平成 19 年度に策定したごみ処理基本計画を見直し、新たなごみ処理基本計
画等の策定を図ります。
ごみ処理は、南和広域衛生組合による体制を維持しながら、平成 33 年 4
月以降についてはさくら広域環境衛生組合へ円滑にごみ処理が引き継がれる
よう事業の効率的な推進を図ります。
一般廃棄物最終処分場については、適正管理を継続しながら、延命化を勘案
し埋立完了部分の安定化のための整備工事の検討を図ります。
(2)ごみの再資源化・減量化の促進(3R運動)
住民や事業所等に対して、不用品の再生利用等の方法や、その環境保全への
効果等の様々な情報提供を行って、資源循環型社会へ向けての啓発を進め、不
用品の再生利用(リサイクル)とともに、不用品の排出抑制(リデュース)
、
60
第2部 前期基本計画
不用品の再利用(リユース)などへの取り組みを促進します。
分別収集の一層の徹底により、リサイクルと収集・処理業務の効率化を図る
とともに、地域での美化活動、バザーやフリーマーケットの開催等の住民や事
業者の自主的な活動を支援します。
(3)し尿収集・処理体制の充実
平成 19 年度に策定した生活排水処理基本計画を見直し、新たな生活排水処
理基本計画の策定を図ります。
公共下水道事業の整備推進により、し尿処理量の減少を図るとともに、し尿
処理は、下市町し尿処理施設(紫水苑)への委託を継続します。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
町民一人あたりの年間ごみ排出量
kg
240
237
ごみの再資源化(リサイクル)率
%
21.4
23.4
収集量(し尿)
kl
2,254
1,933
収集量(汚泥)
kl
2,550
2,755
指標名
61
第2部 前期基本計画
8 斎場・墓地
◆現状と課題
町営斎場については、運営を民間委託しています。現施設は、昭和 58 年に
建設されていることから、施設全体の老朽化が目立つようになっています。町
営斎場は住民生活に必要不可欠な施設であることから、計画的かつ抜本的な整
備が必要です。
公園墓地については、1,100 区画を整備しており、平成 27 年度末現在で
284 区画の空きがある状況です。墓地区画の維持管理は使用者自らが行うこ
ととしていますが、管理の行き届いていない区画も散見されています。その大
きな原因としては、使用者の承継等がされていないことが考えられることから、
その使用承継等の啓発を行っていく必要があります。
◆主要施策
(1)斎場の適切な管理運営
斎場運営については民間委託を継続し、設備の計画的な修繕を実施しながら、
円滑な業務体制を維持します。それと平行しながら老朽化に対する抜本的な整
備を検討します。
(2)墓地の確保と適切な維持管理
公園墓地については、需給状況を踏まえながら空き区画の利用促進を図りま
す。
管理不全の区画については、使用者に対する注意喚起をしながら、適正な管
理に努めるとともに、承継手続き等の周知を図ります。
◆成果指標
指標名
斎場施設利用に関する苦情件数
公園墓地管理不全区画数
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
件
0
0
区画
5
0
62
第2部 前期基本計画
9 消防・防災
◆現状と課題
<消防>
本町の消防体制は、奈良県内 37 市町村で構成する奈良県広域消防組合によ
る常備消防と、本町消防団による非常備消防により構成しています。火災等の
有事に対して消防組合と消防団との情報伝達の迅速化、また連携の強化により
消防力の維持向上を進めることが必要です。
消防団は、団員の高年齢化、若年層人口の減少等により団員を確保すること
が年々難しい状況となっています。平成 28 年 7 月から女性消防団員の入団
を行っていますが、さらなる消防団の発展充実のためには、様々な取り組みが
必要です。
消防施設(分団詰所)及び設備(防火水槽または耐震性貯水槽、消防車両等)
については、従前同様に老朽化等により機能が低下した場合は改修等を進め、
より一層の機能向上を図ることが重要です。
<救急>
救急出動体制については、消防と同じく奈良県広域消防組合で行っています。
今後とも適切な対応を図ることが必要です。
<防災>
近年、地震や台風などによる大規模な災害が各地で発生しています。本町は
東西に千股断層が横断し中央構造線断層帯に隣接していることから地震発生
時に大きな被害が及ぶ恐れがあること、また、南側に吉野川が流れ氾濫による
洪水や中山間地帯であることから大雨による土砂災害の発生が懸念されてい
ます。このようなことから、住民の防災意識は一層高まるとともに、地域とし
て災害に強いまちづくりが求められています。
こういった中、「大淀町地域防災計画」の改訂を平成 26 年度に行い、地震
防災マップや洪水ハザードマップなどの情報提供、各種事業所との災害時の応
援協定の締結などを進めています。さらに、地区ごとの自主防災組織の結成を
促進し、平成 27 年度末現在で 44 団体が組織化されています。
今後も、防災訓練や避難場所の周知徹底、防災行政無線の整備、急傾斜地崩
壊対策事業や砂防公園の整備、公共施設の耐震化などを進めていくことが必要
です。
63
第2部 前期基本計画
◆主要施策
(1)防災体制の充実
・地域防災計画に基づく効果的な対策の推進
防災対策は、社会情勢の変化等を適切に判断し、適宜見直しを図りながら、
地域防災計画に基づいて地域住民の参画による避難路や危険箇所の総点検の
実施など効果的に推進します。
・防災意識の高揚と地域防災力の向上
本町で想定される災害の特性や災害時における対処方法、避難場所や危険箇
所等の情報提供並びに防災訓練の実施等を進め、住民への防災意識の啓発や知
識の普及を図ります。
・災害時における防災体制の整備
地域防災計画をもとに、一層の災害予防と被害の軽減を図るための応急対策
の実施体制を整えて、あらゆる災害に対して安全・安心なまちづくりを進めま
す。また、奈良県広域消防組合、大淀町消防団、自主防災組織、住民、国や県、
周辺市町村、関係機関との連携や相互の連絡・支援体制を強化し、総合的な防
災体制の構築を図ります。
災害時のエネルギー供給について、再生可能エネルギーを活用した電力供給
システムを構築するなど安心のまちづくりをめざします。
緊急道路整備事業における住民会議の開催を検討します。
・防災対策等の推進
奈良県広域消防組合や消防団等の防災関係機関と連携し、住民の防災意識及
び知識の向上、自主防災組織の育成強化を図ります。また、このような団体と
連携し災害時における要配慮者の安全確保を図ります。
・耐震化の推進
耐震化が必要な公共施設についても、平成 20 年度に策定した大淀町耐震改
修促進計画に基づいて、優先順位を明確にしながら耐震化に努めます。
住宅や事業所等の耐震化については、広報やあらかしテレビ、町のホームペ
ージ等での耐震診断の必要性や耐震補強の実施等を呼びかけ、木造住宅への耐
震診断・耐震改修費補助を行って、地震に強いまちづくりを進めます。
・治山・治水対策の充実
無秩序な開発の抑制、健全な森林の育成とともに、危険箇所の実態把握と定
期的なパトロール、水害を事前防止するため河川の堆積土砂の除去、急傾斜地
崩壊対策等を関係機関等に積極的に要請しながら、適宜、見直しを図り継続し
て進めます。
64
第2部 前期基本計画
(2)消防・救急体制の充実
常備消防については、奈良県広域消防組合と連携の強化を図り体制を維持し
ます。
非常備消防については、消防団員の確保、常備消防との連携強化を図るとと
もに、消防施設・設備の機能の維持に努めます。
消防水利(耐震性貯水槽や消火栓)の整備を進め、拡充を図ります。
また、救急体制については、奈良県広域消防組合との体制を維持しつつ、南
奈良総合医療センターをはじめ、近隣市町村等の医療機関との連携により、救
急体制の充実を図ります。
(3)危機管理体制の充実
大規模災害時等における対応を迅速かつ確実に行うため、BCP(業務継続
計画)の策定等、危機管理体制の充実を図ります。また、武力攻撃事態等に備
えて、大淀町国民保護計画に基づき住民の安全確保に万全を期するよう努めま
す。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
公用車における電気自動車の導入
台
1
3
自主防災組織率
%
86
100
消防団員充足率
%
93
100
消防団員女性充足率
%
0
100
防災訓練実施回数
回
0
1
指標名
65
第2部 前期基本計画
10 防犯・交通安全
◆現状と課題
<防犯>
本町においても、安全・安心なまちづくりに具体的に取り組んでいますが、
近年、子どもを対象とした犯罪や高齢者に対する詐欺事件が増加しています。
学校・PTA・地域の連携を一層深め、子どもを守る効果的な活動を行うこと
が求められています。
また、高齢化が進み一人暮らしや二人暮らしの高齢者世帯が増加しているこ
とから、振り込め詐欺などの犯罪に巻き込まれやすい状況です。地域が地域を
守る環境づくりの推進が必要です。
<交通>
本町は、国道等の交通量も多く吉野警察署管内での事故件数の大半を占めて
おり、高齢者の交通事故の割合が非常に多い状況です。交通事故が発生する恐
れのある危険箇所を把握し道路環境の整備を行うとともに、子どもや高齢者に
対する交通安全意識の高揚と啓発を、交通対策協議会を中心に実施しています。
交通安全対策を進める上では、安全な道づくりが重要であり、市街地の中心
部となる下渕・桧垣本地区では、“あんしん歩行エリア”を設けて重点的な整
備を進め、平成 21 年にはみどり橋改修工事が完了しました。今後とも、国や
県にも要請しつつ、道路改良や歩道整備などを進める必要があります。
また、ガードレールやカーブミラー、白線、道路照明等の交通安全施設は、
地域からの要望箇所を中心に整備しています。しかし、要望が多く対応しきれ
ないこともあり、基準を設けるなど、より効果的な設置が必要となっています。
◆主要施策
(1)犯罪のないまちづくりの推進
吉野警察署と連携し町内の防犯情報や不審者情報をメール配信サービス、あ
らかしテレビや防災行政無線により発信を行い、安全を呼びかけます。また、
区、学校、警察等と連携を一層深め住民を守る体制を推進します。
子どもたちの安全確保のための見守り体制については、子ども 110 番の家
の拡充、PTAを中心とした活動体制の強化、登下校時における地域住民の協
力などにより、特に重要な施策として一層の充実を促進します。
また、通学時の安全を確保するため、子どもたちへの防犯ブザーの配布を行
います。
66
第2部 前期基本計画
省エネルギー・省電力のLED防犯灯の設置を促進し、地球温暖化対策及び
犯罪被害の未然防止に資するために、区が行う防犯灯設置に対する補助を行い
ます。
(2)交通安全対策の推進
ガードレールやカーブミラー、白線、道路照明などの交通安全施設は、住民
参加のもとに定期的に総点検を実施して危険箇所の徹底把握を図り、県や警察
と協議の上、緊急性や必要性の高い箇所から整備を進めます。また、町内の道
路における危険箇所を住民、警察等とも連携の上、改良・整備を促進します。
警察と連携しながら住民に対して、各種団体等と協力し交通安全教育を実施
します。交通安全講座を幼稚園や学校、高齢者学級等において開催します。
(3)消費者行政の推進
住民が安心して暮らせる社会をめざして、法律相談、交通事故相談、消費生
活相談を引き続き開設するとともに、さらなる周知を行います。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
犯罪発生数(刑法犯認知件数)
件
123
0
交通事故発生件数(人身事故発生件数)
件
68
0
交通事故死亡者数
人
0
0
消費者相談件数
件
3
12
無料交通事故相談件数
件
2
12
無料法律相談件数
件
26
32
指標名
67
第2部 前期基本計画
第4章 うるおいある人間性豊かなまちづくり
のために<人権・教育・文化 分野>
1 人権の尊重
◆現状と課題
人権はすべての人にとって、侵されることのない最も基本的な権利であり、
人権尊重はすべての施策の基盤です。本町では、「大淀町人権擁護に関する条
例」を制定し、人権啓発・人権教育の推進に努めるとともに、大淀町人権のま
ちづくり運動推進協議会等の関係機関・団体等と連携し、すべての人の人権が
大切にされる「人権のまち」づくりを進めています。
現在、人権啓発活動推進本部を軸に広報紙等を活用した啓発活動や差別をな
くす強調月間中の「差別をなくす町民集会」、街頭啓発などにより差別を許さ
ないという社会的雰囲気づくりを進めています。また、学校における人権教育
推進はもとより社会教育の場でも、住民参加による、各種人権学習会や子ども
人権学習支援事業、識字学級、人権フェスティバル(人権週間中に開催)など
取り組みを実施しています。さらに人権啓発と連携する取り組みとして「社会
を明るくする運動」を展開し、警察、保護司会等との連携で犯罪の防止と、罪
を犯した人たちの更生について住民の理解と協力を求めています。
こうした長期にわたる人権啓発・人権教育の取り組みによって、住民の人権
意識は確実に高まってきました。しかしながら一方で、人を貶め、その尊厳を
奪う差別や偏見が根強く存在しているのも現実です。こうした課題を克服し、
住民が安心して暮らせる「人権のまち大淀」をめざすため、今後とも住民一人
ひとりが人権を自分自身のこととして捉えることのできるきめ細な啓発・教育
活動が求められています。
なお、地域住民の人権相談窓口として、また交流の場として設置している桜
ヶ丘総合センター・旭ヶ丘総合センターについては、住民の利用が少なくなっ
ています。今後、両施設の活用のあり方が課題となっています。
◆主要施策
(1)人権を基本に据えた行政施策の推進
すべての行政施策に人権の視点をとらえて、行政総体として人権施策を推し
68
第2部 前期基本計画
進め、人権尊重を責務とする職員の確かな人権感覚を身につける研修等に努め
ます。
また、住民の人権意識・人権感覚の高揚と、互いに尊重しあい・互いに支え
あう「人権尊重のまちづくり」に向けた取組みを進めます。
(2)人権啓発・人権教育の推進と充実
人権確立と差別のない社会をめざし、人権啓発・人権教育に努め、大淀町人
権のまちづくり運動推進協議会等、人権確立をめざす機関・団体との確かな連
携により、人権のまちづくりを進めます。
また、「社会を明るくする運動」にあっては、広報紙、テレビ媒体などを活
用し、すべての人がともに支えあって生きる社会の機運を広げます。
(3)学校における人権教育の推進と充実
子どもたちの自分を大切にし、人といのちを大切にする人権感覚を育みます。
教職員にあっては、各種研修など、自身の人権感覚を高め、学校・園におけ
る人権教育のあり方や指導方法を研究し、その成果を学校・園の学校教育につ
なげ、子どもたちのなかまづくりや人権教育に努めます。
(4)人権問題に関する相談・支援体制充実と連携
県内関係機関・団体との連携で人権相談窓口を充実させるとともに、相談員
の資質の向上を図り、人権尊重に住民が安心して暮らせる相談、支援体制の強
化に努めます。
(5)人権施策拠点施設の活用
人権啓発・人権相談等、人権施策拠点施設である桜ヶ丘総合センター・旭ヶ
丘総合センターにあって、今後、桜ヶ丘総合センターについては、人権、住民
交流、福祉の拠点施設として、また、旭ヶ丘総合センターについては、東部地
域の総合的な拠点施設としてその活用を進めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
回/年
0
1
社会を明るくする運動
回
1
1
人権団体の研究大会等への参加
回
11
11
人権フェスティバル参加者数
人
600
600
差別をなくす町民集会参加者数
人
520
600
指標名
職員人権研修の実施
69
第2部 前期基本計画
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
社会を明るくする運動 延べ参加者数
人
83
120
人権問題等の相談件数
件
2
5
職員人権研修会等参加者数
人
39
50
吉野郡企業内人権教育推進協議会
人権研修 参加企業数(町内企業)
社
12
(平成 28 年度)
20
指標名
70
第2部 前期基本計画
2 男女共同参画
◆現状と課題
性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行は依然として根
強く、学校、家庭、地域、職場などあらゆる場において解決すべき課題が残さ
れています。また、女性に対する暴力の問題等、性に基づく被害や差別も存在
しています。町民ニーズ調査においても、男女共同参画に関する現状の満足度
及び今後の重要度の認識も決して高くはないのが現状です。
男女がお互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、多様な生き方を主
体的に選択することができる社会の実現に向けて、男女があらゆる分野に協働
して参画し、ともに意思決定していくことができるよう、女性の参画を促進す
ることが求められています。
このような中、本町では2箇所の町立保育所、2箇所の民間保育所(園)
、
1箇所の民間認定こども園があり、すべての施設において延長保育を実施して
います。また、すべての小学校に隣接した専用の学童保育施設(プレジャール
ーム)を設置しており、女性が働きやすい環境づくりを推進しています。
地域の担い手としての女性の参画への期待も大きい中で、性別に対する固定
的な見方や思い込みが一人ひとりの個性に制約を与えてしまうことのないよ
う、男女がお互いをパートナーとして思いあい、ともに心豊かな生活を送るこ
とができる社会の実現をめざし、関係機関・団体とも連携して諸施策を進める
必要があります。
◆主要施策
(1)男女共同参画社会実現のための啓発
性別による固定的な役割分担意識や差別意識を払拭し、すべての人が参画し
やすい社会の実現に向け、県、関係団体等とも連携しながら、様々な機会を通
じて男女共同参画に関する啓発を進めます。
男女がお互いをパートナーとしておもいあい、ともに心豊かな生活を送るこ
とができる社会の実現をめざし、県、関係団体等とも連携して啓発を進めます。
また、性差別の解消をテーマとした啓発を実施するとともに、男女共同参画計
画やガイドラインの策定を検討します。
71
第2部 前期基本計画
(2)男女ともいきいきと働ける環境づくり
男女がともに協力して仕事と家庭を両立する環境づくりを進めるため役場
が率先して、女性の採用、登用を進めるとともに、性別に関わらず育児休暇、
介護休暇制度の活用を進めます。また、子育て・介護サービス等の事業の充実
など社会環境の整備に努めます。
保育所(園)、認定こども園及び学童保育施設(プレジャールーム)の運営
を継続します。
(3)男女平等を進める生涯学習の充実
男女の区別なく、生涯においてさまざまな知識や実践となる行動力を身につ
け、地域や社会のおける活躍をめざし、女性学級の実施の継続とカリキュラム
の充実を図ります。
(4)まちづくりへの参画促進
審議会や委員会などへの女性の登用及び参画を進めることにより、女性視点
からのまちづくりを推進します。
(5)あらゆる暴力の根絶
重大な人権侵害である女性に対する様々な形の暴力や犯罪等を未然に防止
するための啓発に努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
あらかしテレビによる啓発
回
0
1
女性職員の管理的地位への登用
%
7.69
15
女性登用についての指針の検討
―
未実施
実施
女性学級の開催
回
20
20
町男性職員の育児休業等の取得人数
人
0
1
町男性職員の配偶者出産休暇及び育児参加
のための休暇取得率
%
75
100
町職員の年次有給休暇取得日数(平均値)
日
8.6
10
DV(デートDV)防止啓発活動数
回
0
1
指標名
72
第2部 前期基本計画
3 学校教育
◆現状と課題
本町には現在、小学校が大淀桜ヶ丘小学校、大淀緑ヶ丘小学校、大淀希望ヶ
丘小学校の 3 校、中学校が大淀中学校の1校、そして幼稚園が大淀西部幼稚
園、大淀東部幼稚園の2園が町立の学校教育施設として所在し、耐震化工事や、
大規模工事を行い、教育施設の環境の充実を図ってきました。
また、小・中学校のすべてで給食を実施し、各校で安全・安心な給食運営を
行っています。
学校教育面では、少人数指導や特別支援教育の充実を図るため、町費による
講師を小・中学校に配置しています。
また、外国人講師を招致し、小・中学校での英語指導を中心に、社会教育で
の英会話教室なども実施するとともに、コンピュータや情報通信ネットワーク
を整え、コンピュータサポーターを配置して情報教育を進めていますが、総合
的な学力向上のため、学力向上推進委員会を設置するとともに、学校間の連携
を強化する必要があります。いじめや子どもの貧困問題に関しては、関係部署
が連携を強化するとともに、学校・家庭・地域が連携して取り組む必要があり
ます。
次代を担う子どもたちが健やかに育つためには、学校教育だけでなく家庭や
地域ぐるみでの教育も重要であり、家庭教育学級などによる保護者同士の交流
や地域などのボランティアを通じて、地域に根ざした学校づくりや学校教育・
家庭教育・社会教育のより一層の連携が求められています。
◆主要施策
(1)教育環境の充実
多様化する教育内容に対応させるため、学校教育施設の維持・改修、情報教
育設備等の充実を図り、児童・生徒が心のゆとりをもてる教育環境の整備に努
めます。
(2)教育内容の充実
知・徳・体の調和がとれた子どもたちの育成をめざして、基礎学力の向上と
問題解決能力を育む学習の推進を図るとともに、体験を重視した多様な学習活
動を通じて、児童・生徒の個性を伸ばす教育の充実に努めます。
また、将来を担う人づくりとして、郷土を愛する心を育てるとともに、心の
教育の充実や福祉・環境教育の推進等により道徳性の養成に努めます。さらに、
73
第2部 前期基本計画
体力の向上と心身の健康の保持増進を図るとともに、適正な衛生管理による給
食運営を継続しながら、家庭や地域とも連携した食育による「生きる力」を育
む教育を進めます。
町費支弁講師、外国人講師、コンピュータサポーターの配置や、教職員の資
質向上のための研修活動を継続し、少人数指導や教科担任制等、よりきめ細や
かで質の高い教育を維持します。
障がいにより支援が必要な児童・生徒一人ひとりの状況を的確に把握するた
め、関係機関の連携を強化するとともに、就学相談や通級指導教室等の充実を
図ります。
大淀町適応指導教室「あらかし学級」の運営により、教育相談員による相談
活動の体制を充実させ、家庭、学校、教育委員会、地域などの一層の連携を図
り、いじめや不登校をなくし、子どもたちのこころの健康を守る体制づくりを
継続します。
(3)地域に根ざした学校運営
地域とともにある学校づくりをめざす「大淀町学校地域パートナーシップ事
業」を継続し、子どもたちの登下校時の見守り体制、さまざまな学習支援、教
育環境の整備等、地域の力を学校運営に活かします。また、地域の方々の意見
を幅広く聞くために、学校評議員制度の活用や学校公開など、地域に開かれた
学校づくりを推進します。
小・中学校を地域コミュニティの拠点として有効に活用していくため、運動
場や体育館などの施設の開放を継続します。
コミュニティースクール化や、町立幼稚園、小・中学校と県立大淀高等学校
や県立大淀養護学校との連携を密にしながら、基礎学力や総合力の向上など、
相乗効果をめざします。
(4)学校教育・家庭教育・社会教育の連携
親(保護者)が子育てを全うできるよう、家庭教育の大切さを社会全体で考
え社会全体で家庭を支えるための啓発・教育活動に努めます。また、各学校や
幼稚園に組織し自主的に運営している家庭教育学級について、開設されている
学校や幼稚園が減少している中で今後のあり方や手法の見直しを検討しなが
ら継続し、親(保護者)の子育てなどに関する学習機会の確保を図ります。
福祉関連機関とも連携を図りながら、子どもの成長に向けた学校教育・家庭
教育・社会教育のより一層の連携強化・充実に努めます。
74
第2部 前期基本計画
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
職業体験プログラム数(中学2年生)
件
52
65
福祉体験事業(中学1年生)
回
1
2
教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数
人
10
8
学校支援ボランティア登録人数
人
705
720
指標名
75
第2部 前期基本計画
4 就学前教育
◆現状と課題
平成 25 年に町立幼稚園を再編し大淀東部幼稚園と大淀西部幼稚園の2園
で運営しています。
町立幼稚園では、健康管理や食育の推進のために完全給食、宿泊保育や芋掘
りを含めた自然体験授業などの園外保育等を実施し、家庭との連携を図りなが
ら子どもたちの個性を伸ばす教育を進めています。
就学前教育については、住民意向調査では現状の満足度が高く、今後の施策
推進の優先度は平均以下となっていますが、子どもの数の減少や施設状況など
に対応していくとともに、幼稚園、保育所(園)、認定こども園がそれぞれの
役割を踏まえながら、一層の充実を進めることが必要です。
また、幼児期の学校教育・保育の一体的提供と学校教育・保育の推進に関す
る体制の確保については、「大淀町子ども・子育て支援事業計画」において認
定こども園等の普及にかかる基本的考え方、質の高い教育・保育や子育て支援
等の推進、そして保幼小連携等の取り組みの推進について方針を示し、取り組
みを進めています。
さらに、妊娠・出産期からの切れ目ない支援を行うとともに、質の高い教育・
保育の提供並びに地域の子育て支援機能の維持・確保等を図るためには、幼稚
園、保育所(園)、地域子ども・子育て支援事業、その他子ども・子育て支援
を行う者相互の密接な連携が必要です。そのため、職員の研修や交流の場の確
保に努めるとともに、幼稚園、保育所(園)の園児と小学生の交流の場を提供
するなど、幼児期の教育・保育から小学校教育への円滑な接続を図ります。
◆主要施策
(1)教育環境の整備充実
教育内容・教育環境の充実と小学校への円滑な接続のための幼稚園・保育所
(園)等と小学校との連携を推進し、あわせて子育てへの不安や大変さを感じ
る家庭への相談体制支援の充実に努めます。
(2)教育内容の充実
就学前教育(幼児教育)は、人間形成の基礎を培う重要な時期であり、子ど
もたち一人ひとりの可能性を大切にし、個性を伸ばすため、幼児教育アドバイ
ザーなどを招いて職員の研修会等を開催し、家庭、地域とも連携しながら幼児
76
第2部 前期基本計画
教育の推進を図ります。
また、子どもたちのコミュニケーション能力を育てていくために、幼稚園だ
けでは体験できない地域の特色を活かしたさまざまな交流事業を実施してい
きます。
町内の各幼稚園において子育てのニーズに合わせ、延長保育(預かり保育)
及び特別支援教育を実施します。
(3)幼稚園・保育所(園)・こども園のあり方と規模適正化の検討
子どもの数の減少への対応に向け、幼稚園、認定こども園、保育所(園)に
ついてそれぞれの役割を踏まえながら適切な連携を考えていくとともに、施設
の規模適正化を検討します。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
交流・園外保育事業 実施回数
回
15
17
職員研修実施回数
回
0
2
延長保育実施可能園数
園
2
2
施設の規模適正化に向けた検討会
―
未設置
設置
指標名
77
第2部 前期基本計画
5 生涯学習・生涯スポーツ
◆現状と課題
<生涯学習・町立図書館>
社会教育・生涯学習は、生きがい、働きがい、暮らしがいのある生活と、自
らの人生に役立てるための学びの営みであり、心豊かな生活の基礎となるもの
です。本町では、文化会館、中央公民館、桜ヶ丘総合センター、旭ヶ丘総合セ
ンター等において、生涯学習講座、高齢者学級、家庭教育学級、女性学級、識
字学級、朗読ボランティア活動(声の広報)等をはじめ、各種団体やグループ・
サークルによる自主的な活動など、様々な学習活動を実施しています。
また、町立児童センターを子ども活動の拠点施設と位置づけ、子どもが主役
の多くの教室や催しなど、具体的な活動を進めています。一方、少子化にあり、
広域的な子ども会の組織化について、大淀町子ども会連合会と協議・検討を進
める必要があります。
町立図書館は、図書の貸出だけでなく、学校支援・連携、ボランティアの協
力も得て、図書館まつり、講演、おはなし会等を開催しています。
今後もだれもが、いつでも、どこでも学ぶことのできる社会教育・生涯学習
社会の実現をめざすことが必要です。
<生涯スポーツ>
住民の健康への関心が高まり、子どもから高齢者まで一人ひとりが自分に合
ったスポーツを気軽に楽しみはじめている状況にあります。本町のスポーツ拠
点施設となっている平畑運動公園には、芝生サッカー場やテニスコートがあり
多くの方に利用されています。その他にも、町内各所に多様なスポーツ施設を
確保しているとともに、小・中学校の運動場や体育館の開放も行っており、多
くの方にスポーツ活動の場を提供しています。また、健康づくりセンターにつ
いては、指定管理者(民間委託)により管理運営を継続しています。
しかし、各施設ともに、よりよい施設を提供していくためには、計画的な改
修を進めていく必要があります。また、多くの住民の方々にスポーツに親しむ
楽しさや、スポーツを通じて住民どうしの交流を促進していくためにも、スポ
ーツ活動の充実が必要です。
◆主要施策
(1)生涯学習の推進
町主導による社会教育・生涯学習活動はもとより、各種団体や自主的なクラ
ブの活動など、生涯学習に関する情報提供を充実して、住民の学習機会の拡充、
各活動の活性化を促進します。あわせて、社会教育・生涯学習計画の策定を検
78
第2部 前期基本計画
討します。
住民の自発的な社会教育・生涯学習活動を促すとともに、新たなリーダーと
なる人材の育成・交流をめざします。また、住民の知識、経験など、それぞれ
が持たれている力を発揮することのできるまちづくりに努めます。
広く住民が互いに学びあえる機会を拡充するため、人材の確保と情報提供を
進め、生涯学習人材バンクの活用を促進します。
地域が主体となり具体的な活動を進める地域子ども会活動について、継続的
な連携と支援に努めるとともに、少子化等にともない活動継続が困難な地域が
生じている現状等を踏まえ、大淀町子ども会連合会と広域的な子ども会組織に
ついて協議・検討を図ります。
読書は考える力や豊かな感性、情操を育み、幅広い知識などを得る上で、欠
くことのできないものとして、図書館の充実を図り、利用を促進します。また、
住民の参画も求めながら、図書館まつり、おはなしの会や講座などの開催、保
育所(園)、認定こども園、幼稚園、小・中学校との連携強化などにより、子
どもたちの読書活動を促進します。
(2)社会教育・生涯学習施設の適切な整備と管理運営
文化会館・町立図書館・児童センター・中央公民館・杉本記念文化センター
などの社会教育・生涯学習の場となる施設の適切な整備と管理運営を進め、学
習と住民交流の機会の拡充、並びによりよいサービス提供に努めます。
(3)生涯スポーツの推進
住民のスポーツに親しむ機会の拡充と意欲の向上のため、住民のニーズも踏
まえた内容の充実を図りながら、成人向けの軽スポーツ教室をはじめ、子ども
向けスポーツ教室や各種大会(町民体育大会、高齢者運動会、パークゴルフ大
会、グラウンド・ゴルフ大会、ゲートボール大会、健康ウォーキング等)を継
続して実施します。
各種団体やクラブ・サークルなどによる自主的な活動に対し、場所や情報の
提供、各種団体や関係機関との調整など活動内容に応じた支援を進めます。ま
た、スポーツ施設の利用促進プロジェクトの検討を行います。
(4)生涯スポーツ施設の適切な整備と管理運営
スポーツ・交流の拠点として位置づけられている平畑運動公園をはじめ町立
体育館、パークゴルフ場等のスポーツ施設の補修・改善を図り適切な維持管理
に努めます。あわせて、健康づくりセンターにあっては、住民が運動を通じて
体力や健康の増進、健康寿命の延伸を図るための拠点的な施設として管理運営
79
第2部 前期基本計画
に努めます。また、小・中学校の運動場や体育館の開放を継続するとともに、
スポーツ推進委員による軽スポーツ体験教室の拡充など、年代を問わず気軽で
身近なスポーツの場の提供を図ります。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
町民体育大会
回/年
1
1
高齢者運動会
回/年
1
1
人
588
600
回/年
2
2
人
409
500
回/年
2
2
ゲートボール大会参加者数
人
40
40
運動習慣のある人の割合
%
6.7
16.7
図書館来館者数
人/年
54,997
55,000
図書館資料(一般書、児童書、雑誌等)の
貸出冊数
冊/年
94,595
95,000
おはなし会参加者数
人/年
1,540
1,600
健康づくりセンター 町内定期利用会員
登録延べ人数(年間延べ人数)
人/年
5,124
5,280
パークゴルフ場延べ利用者数
人/年
24,275
25,000
生涯学習人材バンク登録者数
人
55
60
指標名
高齢者運動会参加者数
グラウンド・ゴルフ大会
グラウンド・ゴルフ大会参加者数
ゲートボール大会
80
第2部 前期基本計画
6 歴史・文化・芸術
◆現状と課題
歴史文化遺産については、埋蔵文化財の発掘調査、町内の民俗の記録や古文
書の調査、新たな文化財指定、文化財の保護、文化財図録、文化財マップ・パ
ンフレット・冊子の発行、広報紙での「おおよど歴史物語」の掲載、文化財ボ
ランティアの活動支援と育成などを町独自で実施しています。一方で、人口減
少、少子高齢化の今、地域(区・大字)に根ざした文化の保存と継承は困難に
なりつつあります。これらのことを理解した上で行政と地域、そして町民一丸
のまちづくりが必要です。それぞれの地域で人々が連綿と守ってきた有形無形
の文化財は、その地域を物語る一部であり、地域と一体的に存在する大切なも
のです。地域を成り立たせている歴史や文化・地域文化を、地域にとっていか
に寄与しているか等を再考し、地域遺産として活用し活性化する必要がありま
す。
また、調査発掘された文化資源が充分に活用されていないこと、文化遺産を
発信する観光誘客イベント(毎年 1 回実施している観光ハイキング)が地元
の消費につながりにくいこと、参加者やボランティアスタッフが高齢の方が多
く若年層の方が少ないこと、新たなボランティアスタッフの育成などが課題と
して挙げられます。これらの課題を解決するためには、歴史文化に関する事業
の情報発信の方法が大きな鍵となります。若年層にも親しみやすい内容のプロ
モーション媒体の制作と活用により町外へ広く周知するとともに、活用法とし
ては地域の伝統行事を披露する場にも積極的に参加、今後の町への誘客を図る
とともに、住民の郷土に対する知識の向上、郷土への愛着と誇りを育むことに
つなげます。
文化・芸術振興については、町の歴史文化の継承・伝承のために即した継続
的な事業(イベント)が必要不可欠です。多くの人に興味を持ってもらい、一
緒に作り上げ、醸成していくやり方を再考していく必要があります。
◆主要施策
(1)歴史文化遺産の発掘・収集・整理
文化財の発掘調査などを継続して進めるとともに、周辺地域との関連性も踏
まえた資料整理などにより、本町の歴史文化遺産の価値を正しく理解し、活用
しやすい体系的な整理を進めます。あわせて、文化財保存活用計画の策定を検
討します。
81
第2部 前期基本計画
(2)歴史文化遺産の保護・伝承
大淀町文化連盟などと連携して、文化財の調査、修復作業、定期的な見回り
など、歴史文化遺産の保護を継続して進めます。映像や写真等の記録での保存
は、デジタルデータ化などにより、利活用も後世への伝承も図りやすい方策に
より進めます。
広報、あらかしテレビ、各種パンフレットや歴史図書等の有効活用、語り部
の育成などにより、本町の歴史文化遺産に関する情報発信を進め、住民の郷土
に対する知識の向上、郷土への愛着と誇りを育みます。
(3)歴史文化遺産の活用
公共施設などを活用した文化財等の展示・保管場所の確保、各種媒体による
情報発信、文化見学会、講習会など、住民が郷土の歴史や文化と親しめる機会
を拡充し、住民による学習活動や地域活性化の活動などへの活用を促進します。
比曽寺跡(世尊寺)、今木権現堂など、本町の誇るべき文化財等を、観光資
源としても活用していけるように、広く周知、情報発信を図ります。
桧垣本猿楽については、ちびっ子桧垣本座などの活動を継続して、子どもた
ちから広がっていくようなかたちでの住民の郷土意識の醸成に結びつけます。
また、こうした伝承活動を継続して、他地域との交流の活性化、本町のイメー
ジや知名度のアップにつなげていくこととします。
歴史文化遺産は、子どもから高齢者までの幅広い世代間が共有できる地域の
誇りであり、地域の交流や活性化活動などへつがなるように、歴史文化活動へ
の支援を図ります。
観光ハイキングを継続して実施するとともに、「地域の遺産は地域で守り受
継いでいく」ことを地域住民に再認識していただきながら協働で開催し、かつ
地域経済に効果をもたらす方法での実施を探ります。
地域住民が地域の伝統行事を披露する場に参加できるよう、区や各種団体に
積極的に参画を促し、サポートを実施することにより、町外に向けて地域住民
自らが発信することにより郷土への愛着と誇り、定住意識などの帰属意識を形
成し、今後のまちづくりへの積極的な参加につなげます。
特産品や体験素材と併せ地域に残る年中行事などを収集し年間スケジュー
ルとして示したリーフレットを作成し、地域が一体となったおもてなしと観光
客増に不可欠なリピーターの確保を図ります。
(4)活動拠点の改善や有効活用等
文化会館は、計画的な設備の改修を図るとともに、有償ボランティア等によ
る住民の参画など、円滑な運営を維持します。
中央公民館、杉本記念文化センターは、文化拠点施設のひとつとして、住民
82
第2部 前期基本計画
の文化活動の場として有効活用を図ります。
(5)様々な文化・芸術活動の振興
文化会館あらかしホールでは、各種コンサート、演劇、映画、展覧会など、
住民ニーズに配慮した文化事業を継続して実施するとともに、住民参加、住民
主体による事業も展開し、集客力の向上、住民の文化芸術活動の拡充を図りま
す。また、文化会館利用促進プロジェクトについて検討します。
文化祭の開催は、文化連盟を中心に、団体やグループなど様々な人々の自発
的な運営などを促進して、内容の充実を図ります。
住民の文化・芸術活動は、桧垣本猿楽などの伝承、芸術・文学活動はもとよ
り、生涯学習、産業活動、まちづくり活動など、様々な営みのなかからも創出
が期待されるため、文化会館、中央公民館、杉本記念文化センター、その他の
公共施設などを広く住民活動の場として提供し、自主的活動の支援・育成を図
ります。
(6)優れた文化・芸術等に触れる機会の提供
さまざまな文化鑑賞を通して、子ども達に夢と感動を与え、豊かな情操を養
うことで、青少年の健やかな育成に役立てます。
自主事業の内容として、著名なアーティストが出演するコンサートや公演を
実施します。また、庁内各部署と連携したイベントを実施し集客増に努めます。
◆成果指標
単位
現状値
(平成 27 年度)
目標値
(平成 33 年度)
種類
0
1
文化鑑賞奨励事業の開催
回
3
3
文化会館自主事業の開催
回/年
16
18
文化会館利用件数(貸館事業)
件/年
697
770
件
14
16
指標名
旬情報年間スケジュールの制作
指定文化財登録件数(国・県・町)
大淀町選定地域遺産(おおよど遺産)認定件数
町文化祭 出品件数・発表団体数
ちびっ子桧垣本座 座員数
ちびっ子能楽体験・能楽アウトリーチ実施回数
件(累積)
100
件
団体
(出品)450
(団体)13
(出品)500
(団体)15
人
14
15
回/年
9
10
83
第2部 前期基本計画
第5章 重点プロジェクト
1 重点プロジェクトの位置づけ
第 4 次大淀町総合計画は、
「来たい、住みたい、住み続けたいまち 大淀町
~次世代へつなぐ
共創のまちづくりをめざして~」を基本理念・将来像に掲
げています。この本町のあるべき将来の姿に向けてまちづくりを進める上で、
前期基本計画の期間である今後5年間は、10 年後、20 年後、30 年後の本
町の行方を左右するほどの重要な期間として位置づけ、最も重要な課題の一つ
である人口減少対策を強力に推進していく必要があります。
このため、人口減少対策に向けて重点的に取り組んでいくリーディング施策
を「重点プロジェクト」として位置づけ、その方策や進捗管理の手法を明確に
し、住民や関係機関と情報を“共有”し、“共感”する仲間をつくり、“協働”
で取り組んでいくこととします。
2 重点プロジェクトのテーマ
本計画でも冒頭に掲載しているように、本町では地方創生総合戦略を策定し、
人口減少対策に向けた網羅的な計画を策定しています。この地方創生総合戦略
を推進することを基本として、魅力あるまちづくりを推進するために、以下の
視点のいずれか、または複数に該当する重点プロジェクトを選出し、着実な事
業の実施に努めることとします。
重点プロジェクト選定の視点
①比較的事業規模が大きい
②事業を実施する上で関係者との連携や協力する度合いが大きい
③新規性が高い
④事業を実施することで大きな効果が見込まれる
⑤知恵やアイデアを結集して行わなければ事業が実施できない
なお、重点プロジェクトは、前期基本計画に掲げられている主要施策である
ことを基本とするため、重複掲載となりますが、重点プロジェクトであるとい
う位置づけを明確にすることを目的としています。
84
第2部 前期基本計画
重点プロジェクト
(1) 子育て支援・少子化対策プロジェクト
(2) 下市口駅周辺まちづくりプロジェクト
(3) 農商工連携プロジェクト
(4) 魅力再発見プロジェクト
85
第2部 前期基本計画
3 重点プロジェクト
(1)子育て支援・少子化対策プロジェクト
【 事業の目的 】
全国的に子どもの数が減少傾向にある中、子ども・子育て関連3法が平成
24 年8月成立したことを踏まえ、本町では「大淀町子ども・子育て支援事業
計画」を策定しました(平成 27 年3月)。この計画では、
「未来に向けて、安
心して子どもを生み、健やかに育てるまちづくり」を基本理念として掲げ、子
育て世代が住みやすいまちづくりを進めています。
本町においても今後数十年間、人口減少が続くものと予測されていますが、
子どもの数が減るからサービスの量を減らすのではなく、子どもを持つ親が働
きやすい環境を整備することや、子どもの可能性を広げる教育を支援すること、
安全な場所で思いっきり遊べる場所を増やすこと、子育てにお金がかかりすぎ
る現状を解決するために皆で知恵を出し合うこと等、子育て支援に積極的に取
組むことが必要です。
人口減少を少しでも食い止めるため、若者が希望を持ち、未来に向けて安心
して子どもを生み健やかに育てることができる夢のあるまちづくりをめざし
ます。
【 期待する効果】
・人口減少と高齢化率上昇の歯止め
・年少人口、生産年齢人口の増加によるまちの活性化
・町全体で子育てを応援するまちづくりの推進
【 プロジェクト概要 】
・子ども・子育て支援事業計画の推進
「大淀町子ども・子育て支援事業計画」では、8つの基本的視点のもと、6
つの目標を立て、166 の事業を実施しています。これらの事業を着実に実施
することはもとより、横の連携や関係機関との連携をさらに改善し、子育ての
サポートに熱心に取り組み、「子育てしやすいまち」、「子育てが楽しいまち」
が実感できるまちづくりを進めます。
・現場重視の課題把握
子育て世代のニーズを的確に把握し、政策に反映させるため、保護者、地域
住民、学校・幼稚園・保育所(園)・認定こども園、関係機関等、現場の声を
直接聞く機会を今まで以上につくり、関係者が一体となって、子どもたちを育
てる環境づくりに反映していくよう努めます。
86
第2部 前期基本計画
・相談しやすい環境整備
子育ての経済的不安、子育て支援のあり方等々、子どもや孫に関わる課題は
当人にとっては切実な悩みです。しかし、相談しにくかったり、相談する相手
がいなかったり、その悩みは日に日に増大していく可能性があります。保護者
の子育てに対する不安や悩みを解消できるよう、子育てに関する情報や親子で
交流できる機会を積極的に提供し、関係各機関の相談機能や交流活動の充実を
図り、利用しやすい相談体制づくりと周知を図ります。
・結婚・妊娠・出産・育児の包括的支援構築
若い世代に対し、結婚や妊娠に対して夢と希望を持つことができるように
様々な機会を利用して啓発や支援を行っていきます。また、妊婦や乳幼児が本
町で安心して暮らせるように妊娠・出産・育児の切れ目のない支援に努めます。
【 プロジェクトスケジュール 】
年
度
スケジュール(取り組み内容)
平成 29 年度
子育て世代包
括支援センタ
ー準備期間
平成 30 年度
平成 31 年度
現状把握
・分析
夢と希望を
持てる施策
の検討と実施
幼稚園・保育
所(園)
・認定
こども園のあ
り方検討
平成 32 年度
平成 33 年度
検討会議の設置
スタート
子育て世帯の増加
未来に向けて、安心して子どもを生み、
年少人口の増加
健やかに育てる、夢のあるまちづくり
子育て家庭
ニーズ
援事業計画」の推進
ニーズ
「大淀町子ども・子育て支
課題を踏まえた夢
と希望を持てる施
策の検討・実施
知恵
関係機関
結婚・妊娠・出産・
87
町役場
育児の包括的支援
連携
第2部 前期基本計画
(2)下市口駅周辺まちづくりプロジェクト
【 事業の目的 】
近鉄下市口駅周辺は、本計画においても中心市街地ゾーンの中に位置づけら
れており、下渕商店街を中心に、長きにわたり大淀町における商業の中心とし
て町の発展に寄与してきた場所です。しかしながら、近年の少子高齢化や人口
減少をはじめとする社会構造の変化に伴い、下渕商店街では空き店舗が目立ち、
往時の活気が失われている状況にあるほか、平成 28 年 3 月をもって大淀病
院が閉院したことから、まちの中心エリアの空洞化が懸念されており、病院跡
地の活用についても検討し整備を図っていく必要があります。また、駅前周辺
は、まちの中心であるだけでなく、県南部地域への連絡拠点でもありながら、
広場や道路が狭く交通安全対策や賑わいづくりが課題となっています。
こうした課題に対応し、
「大淀病院跡地及び近鉄下市口駅周辺地区」として、
本町及び県南部地域の玄関口にふさわしい地区の形成をめざし、本町の活性化
はもとより、県南部地域の活性化へと波及されるまちづくりを進めるため、平
成 28 年に締結した奈良県との「まちづくり連携協定※」に基づき、まちづく
りを進めます。
※奈良県との「まちづくり連携協定」
各市町村が抱える課題解決に向けたまちづくりを進めるにあたり、市町村と県の方針が合致するプ
ロジェクトについて、県と市町村が連携協定を締結し、協働でまちづくりを進めるもの。
【 期待する効果】
・医療、福祉、健康に関する機能の増進
・地域住民の交流によるコミュニティ機能維持
・下市口駅周辺の交通安全及び利便性の向上
・観光拠点としての魅力の向上
・空き店舗、空家等の利活用による活性化
・町外からの交流人口の増加
【 プロジェクト概要 】
・医療・福祉・健康機能の集約
コンパクトシティの考え方を採り入れ、大淀病院跡地を中心に、町保健セン
ターをはじめとする医療・福祉・健康に関する機能を集約することで、子ども
から高齢者まで幅広い世代の健康づくりに関する機能を充実させるとともに、
多くの住民が集い、活用、交流できる場とすることで、住民にとって“この場
所に来れば誰かと交流できる”町のシンボル的な場所となることをめざします。
・観光拠点の形成
また、県南部地域の観光拠点となることをめざして、吉野川をはじめとする
88
第2部 前期基本計画
地域資源の活用や、町外からの誘客・交流人口の増加を見込める集客施設の整
備等を検討し、周辺の観光地へ向かう観光客が本町で一時的に滞在する仕組み
づくりを行います。
・下市口駅周辺の整備
下市口駅周辺については、駅前広場やロータリー機能の整備など、県南部地
域の玄関口としてふさわしい駅周辺の整備と、病院跡地へのアクセス強化など
を進めます。その他、下渕商店街における空き店舗や空家等を活用したまちづ
くり活動への支援など、ソフト事業を含めた地区内での様々な取組みを並行し
て進めることで、まち全体の活性化につなげます。
・関係機関との緊密な連携・協働体制による推進
プロジェクトの推進に係る計画等の検討にあたっては、奈良県との連携協定
に基づく検討体制を通して、住民や各関係機関の意見を取り入れながら進めま
す。また、事業実施についても、奈良県をはじめとする各関係機関との適切な
役割分担のもとに進めるほか、民間活力の活用も視野にいれるなど、住民、各
種団体、企業など様々な主体と行政が連携・協働を図り、まちづくりを進めま
す。
【 プロジェクトスケジュール 】
年
度
スケジュール(取り組み内容)
平成 29 年度
まちづくり基本計画策定(導入機能・実施主体等の検討)
平成 30 年度
事業ごとの個別計画の策定
平成 31 年度
施設整備等にかかる詳細設計
平成 32 年度
施設整備
平成 33 年度
89
ソフト的施策展開
第2部 前期基本計画
●奈良県との連携協定に基づくまちづくりのイメージ
平成 28 年 2 月
奈良県と大淀町のまちづくり連携協定 締結
(奈良県、各関係機関、住民、企業等との連携によりまちづくりを推進)
まちづくりのコンセプト
○医療・福祉・健康に関する機能の促進と多世代交流づくり
○地域資源を活かした観光と交流の「拠点」づくり
各エリアにおける基本方針
【町立大淀病院跡地周辺エリア】
●医療・福祉・健康の機能集約
●来訪者及び地域住民の交流の場として整備
【近鉄下市口駅周辺エリア】
●吉野郡の観光の玄関口としてふさわしい交通機能の確保
●駅前での賑わいの創出
【下渕商店街周辺エリア】
●空地・空家を活用した地域活性化
【吉野川周辺エリア】
●河川空間における賑わいづくり
大淀町及び県南部地域の玄関口にふさわしい地区の形
大淀町全体の活性化
県南部地域の活性化
90
第2部 前期基本計画
(3)農商工連携プロジェクト
【 事業の目的 】
地方創生を旗印に、地方の重要性が改めて見直される時代になっています。
また、近年、「一億総活躍」や「働き方改革」など、働くことの価値やスタイ
ルがこれまでの概念と大きく変化しようとしています。
本町においても、梨や茶をはじめとする農作物は、観光や地域を売り出す加
工品として活用されるなど、様々な連携によって付加価値が高まりつつありま
す。こうした一次産品を活用したお菓子や食べ物、お土産物等が開発・販売さ
れるなど、地元の資源を活用し、対外的に広く発信していく農業と商工業の連
携した取組みが住民主体となって行われるようになってきました。
しかしながら、農地の担い手不足により耕作放棄地は増加の一途をたどり、
新たな商工業者がいない中心市街地である下市口駅前商店街はシャッタース
トリートと化していることから、今までと違う角度から取り組みを行う必要が
あります。
農業などの一次産業は、後継者不足が深刻化していることもあり、
「儲かる」
魅力ある仕事にしていくことが重要です。そのためには営農体制の改革を図り、
持続可能な農業を実現しなければなりません。また商工業においては、既存事
業所の事業継続はもとより、本町で新たに創業してもらえるような仕組みづく
りも必要です。
まず、魅力あるまちの農作物を地元での消費を促す地産地消の取り組みを進
めるとともに、町外の人にも地元の良さを多くの人に知ってもらい、結果とし
て地元に誇りの持てる住民が多くなるきっかけにも成り得る手段の一つとし
て、農商工連携を積極的に支援していきます。
さらに農業と商工業の連携を加速化させ、販路開拓を促進し、若者も働くこ
とができる場としての魅力を向上させ、町が経済的自立、活性化することを目
的とします。
【 期待する効果】
・農業の担い手確保と若者の働く場の増大
・荒廃農地の再生
・農商工連携イベントの開催による交流機会の増加
・特産物の販路拡大、地域ブランド開発
・道の駅の魅力向上
【 プロジェクト概要 】
・農業基本計画の推進
大淀町農業基本計画の基本理念である「~次世代に繋げる持続可能な農業の
91
第2部 前期基本計画
確立~」を実現するため、「楽しくみんなで食と農のまちづくり」、「新しい視
点による農商工の連携取組」、
「おいしいをテーマにした農業と観光の融合」の
3つの戦略を推進します。
・【戦略1】楽しくみんなで食と農のまちづくりの推進
先駆的に町内で行っているグループでの営農取組をモデルに、既存農家、就
農希望者、地域住民、さらには都市部住民も巻き込んだ「楽しい」農業を標榜
し、実践していきます。そこでは、既存の枠にとらわれない農業への携わり方
を模索するために、人づくり、地域づくり、ネットワークづくりを進めます。
・【戦略2】新しい視点による農商工の連携取組
農商工の連携イベントを実施し、販売促進を行うことにより、商工業にも効
果が波及する仕掛けづくりを行います。販路拡大支援として物産展への出店、
農作物をつかった地域ブランド商品(6次産業加工品)の開発を積極的に進め
ます。
また、新たな創業者を生み出す創業支援の取り組みを行うとともに、商工業
のみにとらわれず、新規就農者を支援する仕組みにも拡張し、行政、金融機関
と連携しての支援を図ります。
・【戦略3】おいしいをテーマにした農業と観光の融合
本町の農産品の良さを広く知ってもらうためには、生産するだけではなくP
Rや情報発信が必要です。実際に足を運んでもらい、見て、食して、体験して
もらうことにより、本町の農産品のファンに、ひいては本町のファンになって
もらうために、道の駅吉野路大淀iセンターを生産者、地域住民、観光客との
交流・情報発信拠点と位置づけ、安全・安心で新鮮な農産物の販売、イベント
の開催、農業体験等を実施します。また、体験農園やオーベルジュ(宿泊施設
つきレストラン)の設置により、新規就農希望者や都市部住民にも本町へ足を
運んでもらえるような仕掛けづくりに取り組みます。
92
第2部 前期基本計画
【 プロジェクトスケジュール 】
年
度
平成 27 年度
平成 28 年度
スケジュール(取り組み内容)
・農商工連携イベントの開催
・創業支援の実施
・集落営農組織設置支援
平成 29 年度
平成 30 年度
・販路拡大支援の実施
・道の駅の機能強化
・地域ブランド創造の推進
・担い手確保の推進
・農業体験セミナーの開催
開設準備
・地域農園、体験農園の設置
・里山オーベルジュの開設
平成 31 年度
平成 32 年度
平成 33 年度
●農業と商工業の連携イメージ
93
第2部 前期基本計画
(4)魅力再発見プロジェクト
【 事業の目的 】
本町には、能楽(能・狂言)、古墳などの歴史遺産や信仰、文学、特産品、
農山村の趣き、自然などの立地特性、生活しやすい環境、話題となる元気な店
舗・企業・人など、有形無形を問わず多くの魅力や地域の財産が数多くありま
す。しかし、未だ多くに知られていないもの、住んだ人や触れて体験した人で
ないとわからないことも多くあり、こうした地域資源をさらに活用するために、
まちの魅力として醸成し、整理した上で、それらの情報を戦略的かつ効果的に
発信していく取組みが必要です。
地域資源の発掘や磨き上げ、訪れたくなる仕掛けづくりを行い、本町の魅力
を住民とともに再発見し醸成・発信することにより、先人たちが築いてきた歴
史ある町をさらに魅力あるものにし次世代に伝えるとともに、移住・定住や交
流の促進に繋げることを目的とします。
【 期待する効果】
・大淀町の知名度の向上と移住希望者の増加
・交流人口の増加
・郷土への愛着や誇りの醸成
・まちの魅力情報の町内外への発信
・各種イベントの充実
【 プロジェクト概要 】
・町の魅力の掘り起こし
地域資源を活用し、また、後世に伝えていくためにも、さらに地域資源を掘
り起こすとともに、ひとつひとつにスポットを当て磨き上げ、町としての魅力
につなげていく事業を住民参画も図りながら推進し、誇れるまちづくりに取り
組みます。
・郷土愛の醸成
様々な地域資源を活用し、将来を担う子どもたちに多様な学習活動を通じて
郷土について学ぶ機会を増やすとともに、生涯を通じた地域ぐるみでの文化継
承などに取り組み、町民の郷土への愛着と誇りを育みます。
・町政100周年記念事業
大正 10 年の町政施行から、平成 32年度には町政 100 周年を迎えること
になります。先人たちが築いてきた本町を次の世代に継承していくため、これ
までのまちの発展過程を学ぶ機会にするとともに、次の 100 年の発展に向け
た大きな転換点と捉え、単なるイベントや式典だけでなく、未来志向の町政
100 周年記念を行い、夢と誇りの持てるまちづくりにつなげます。
94
第2部 前期基本計画
・情報発信の強化
より多くの人に大淀町を知ってもらい、まちの魅力を伝えるために、情報発
信力の強化を推進します。魅力情報の発信にかかる戦略や仕組みを構築し、既
存の広報紙やホームページ、町自主放送だけでなく、SNS などの拡散効果を
活用した情報発信や、口コミといったマンパワーを活用した情報発信を行いま
す。併せて、イベントや観光・移住体験ツアーの開催など、町を訪れ触れても
らう機会を増やし、積極的に情報発信を行い本町の魅力情報を多くの人に届け
ます。
【 プロジェクトスケジュール 】
年
度
スケジュール(取り組み内容)
おおよど遺産制度の創設
平成 28年度
遺産選定
平成 29 年度
遺産選定
平成 30 年度
遺産選定
平成 31 年度
遺産選定
平成 32 年度
遺産選定
平成 33 年度
郷土愛育成プロ
グラムの検討
保存と活用
100 周年プロジェクト
の立ち上げ
情報発信の戦略と
仕組みづくり
準備や機運の醸成
積極的な
魅力発信
実施
目標
選定数 100
100 周年記念行事や
関連イベントの実施
保存と活用
※おおよど遺産制度……「大淀町地域遺産保存・活用制度」の愛称。地域で守られ、暮らしのよりどころ
となっている魅力ある地域資源(財産)を「おおよど遺産」として認定し、住民
と行政の協力による保存・活用を図り、まちづくりにつなげる取り組み。
郷土愛の
醸成
誇りと夢
のある
まちづくり
町の魅力
開発
95
町の認知度
の向上
人が集まるまち
地域資源の掘
り起こしと磨
き上げによる
魅力化
(移住・交流の促進)
様々な地域資源
を活用し、多様
な学習機会の創
造
歴史を重んじる
とともに、未来
発展型のまちづ
くりへ
町内外に向け
て情報発信を
積極的に実施