2016 年度 応用生物学部 卒業論文概要 論文題目 大腸菌による非ステロイド性鎮痛剤の共代謝 氏名 指導教員 磯崎 泰乃 浦瀬 太郎、筒井 裕文 キーワード:医薬品、大腸菌、微生物分解、共代謝 1.はじめに 近年、河川水、下水処理水および畜産排水等の PPCPs(医薬品及びパーソナ ルケア用品)による汚染状況が明らかになってきており、環境中での医薬品の 分解挙動に関心が高まってきている。本研究では、大腸菌のような、非常に一 般的な細菌が、共代謝等によってゆっくりと PPCPs を分解することは可能な のかを明らかにすることを目的とする。 2. 実験方法 環境水中でよくみられる非ステロイド性鎮痛剤7種(CA, IBP, FEP, NPX, KEP, DCF, IDM)を 200 μg/L 添加した無機塩培地で 5 日間、大腸菌 2 株(E. coli NBRC13168, NBRC13965)の培養を行った。また、炭素源としてグルコースを 用いた。C18 カラムを用いて培養液を抽出し、誘導体化したサンプルの医薬品 残存量を、GC/MS を用いて測定した。 3. 結果と考察 すべてのサンプルにおいて、時間経過とともに医薬品量は減少しているが、 植菌した 2 サンプルと、植菌せずに同条件においたサンプルを比較すると、植 菌したサンプルの医薬品減少率がやや高く、大腸菌による分解、あるいは、菌 体への吸着が生じたものと考えられる。また、今回用いた 2 種の菌株による差 は確認できなかった。 図 ナプロキセン,ジクロフェナク,イブプロフェンの初期に対する相対濃度
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