自動分析用試薬「生研」Mg-S

この添付文書をよく読んでから使用してください。
体外診断用医薬品
製造販売届出番号
2015 年 4 月作成
(第 1 版)
27E1X80166000011
血液・尿検査用マグネシウムキット
自動分析用試薬「生研」Mg-S
(酵素法)
3. 採取後の検体は速やかに測定してください。
4. 凍結融解を繰り返した検体,凍結乾燥されたコントロー
ル血清及びヒト由来でないものは,測定結果に誤りを生
ずる場合があります。
【全般的な注意】
1. 本品は,体外診断用でありそれ以外の目的に使用しないで
ください。
2. 診断は他の関連する検査結果や臨床症状等に基づいて総合
的に判断してください。
3. 添付文書以外の使用方法については,測定値の信頼性を保
証致しません。
4. 使用する機器の添付文書及び取扱い説明書をよく読んでか
ら使用してください。
5. 本製品には,保存剤としてアジ化ナトリウムが含まれてい
ますので,誤って目や口に入ったり,皮膚に付着したりし
た場合には水で充分に洗い流す等の応急処置を行い,必要
があれば医師の手当て等を受けて下さい。
妨害物質・妨害薬剤
1. アスコルビン酸は 50mg/dL,ビリルビンは 20mg/dL まで
は,測定値に影響は見られませんでした。
2. 溶血検体では若干の正誤差が見られました。
【用法・用量(操作方法)】
試薬の調製方法
酵素液(R-1):そのまま使用します。
開栓後は,2~10℃保存で1箇月間以内に
使用してください。
【形状・構造等(キットの構成)】
酵素液(R-1)
グルコキナーゼ (GlcK)
アデノシン-5’-三リン酸 (ATP)
グッド緩衝液
基質液(R-2)
グルコース
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
酢酸緩衝液
基質液(R-2):そのまま使用します。
開栓後は,2~10℃保存で1箇月間以内に
使用してください。
測定(操作)法
(NADP)
自動分析装置の操作法に従って,発売元指定のパラメータ
を入力して測定を行います。
(測定条件の例)
試料
: 3.0 μL
R-1
:240 μL
R-2
: 60 μL
主波長 :340 nm
副波長 :405 nm
【使用目的】
血清又は尿中のマグネシウムの測定
【測定原理】
試料中のマグネシウム(Mg)は試薬中の ATP と特異的に複合体
(Mg・ATP)を形成します。この Mg・ATP は GlcK の作用でグ
ル コ ー ス を グ ル コ ー ス -6-リ ン 酸 (G-6-P)に 変 換 す る と 共 に
Mg・ADP に変化します。この Mg は再び試薬中の ATP と Mg・
ATP 複合体を形成し,反応に繰り返し利用されます。この反
応速度は検体中の Mg 濃度に依存します。一方生成した G-6-P
は NADP+の存在下でグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)
の作用により 6-ホスフォグルコン酸に変わります。この反応
の際 NADP+より生ずる NADPH の増加速度を測定することに
より試料中の Mg 濃度を求めます 1)。
自動分析装置では,指定のパラメータに従い試料及び R-1,
R-2 が自動的に採取され,反応管内に順次加えられます。
反応管内で生じた反応は吸光度で測定されます。あらかじ
め作成された検量線と指定の演算法により吸光度から測定
値が算出されます。
※ 発売元指定のパラメータについては問い合わせ先まで
請求してください。
検量線を作成する場合は,別売の液状キャリブレーター
をご使用ください。
【測定結果の判定法】
ADP:アデノシン-5'-二リン酸
NADPH:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(還元型)
【操作上の注意】
測定試料の性質、採取法
1. 検体は,血清又は尿を使用します。
2. 血清を採取する場合は,血液が完全に凝固した後,遠心
分離してください。
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各検査施設で基準範囲を設定することが推奨されます。
一般的な参考基準範囲として,以下の文献報告があります。
参考基準範囲
血清 :1.8~2.4mg/dL1)
尿
:0.02~0.13g/日 2)
※ 一日尿の濃度及び量より換算してください。
「判定上の注意」
1. 検体によっては,まれに目的成分以外との反応や反応の
妨害等により正しい結果が得られない場合があります。
測定結果に疑問がある場合は,再検査や希釈試験により
確認してください。
2. 非常に濃度の高い検体の場合,試薬性能の測定範囲の上
限を超えることがあります。その際は,検体を適宜生理
食塩液で希釈した後,再度測定してください。
(2) 0.5w/v % 次 亜 塩 素 酸 ナ ト リ ウ ム 溶 液 ( 有 効 塩 素
5000ppm)に,1 時間以上浸漬する。
(3) 121℃で,20 分間以上高圧蒸気滅菌をする。
2. 構成試薬中の酵素液は,アジ化ナトリウムを 0.1w/v%含ん
でいます。アジ化ナトリウムは,鉛や銅と反応して爆発
性のある重金属アジ化物を生成することがありますので,
大量の水とともに廃棄してください。
3. 試薬及び器具等を廃棄する場合には,廃棄物の処理及び
清掃に関する法律,水質汚濁防止法等の規定に従って処
理してください。
【臨床的意義】
マグネシウムは,エネルギー産生に関与する膜結合-リン酸
酵素活性に不可欠な金属イオンで,細胞の内外液に存在し,
電解質代謝にカリウム,ナトリウムなどと同様に重要な役割
を果たしています。
低マグネシウム血症は,吸収不全による消化管からのマグネ
シウム喪失,利尿剤の長期投与による腎臓からの喪失,アル
コール中毒,糖尿病などに見られます。
また,高マグネシウム血症では症候性はまれで,多くは医原
性で過剰のマグネシウム剤投与,ビタミンD投与などで見ら
れます 3) 4) 5)。
【貯蔵方法、有効期間】
【性能】
貯蔵方法
性能
2~10℃に保存
1. 感度試験
(1) 生理食塩水を試料として操作した場合の吸光度変化量
は 0.010Abs./min 以下です。
(2) 標準液を試料として操作した場合の吸光度変化量(試
薬ブランク対照)は,標準液のマグネシウム濃度
1mg/dL 当り 0.004~0.017Abs./min の範囲内です。
2. 正確性試験
既知濃度の管理用試料を測定するとき,既知濃度の±
10%以内です。
3. 同時再現性試験
管理用試料を 5 回同時に測定するとき,その変動係数
(CV)値は,5%以下です。
4. 測定範囲
測定範囲は,0.2~8.0mg/dL です。
有効期間
12 ヶ月
※ 外箱,容器に表示の使用期限内にご使用ください。
【包装単位】
較正用基準物質
NIST
SRM956c
自動分析用試薬「生研」Mg-S
コード No.
包 装
527134
A
酵素液
R-1
527141
B
基質液
R-2
80mL×4
40mL×2
別売品
液状キャリブレーター
コード No.
包 装
923578
液状キャリブレーター
5mL×10
【主要文献】
【使用上又は取扱い上の注意】
主要文献
1. 金井正光編:マグネシウム,臨床検査法提要,31, 594
(1998).
2. 金井正光編:各種臨床検査の基準範囲一覧,臨床検査法
提要,31, 21 (1998).
3. 吉田政彦:マグネシウム,日本臨牀,488, 353 (1982).
4. 玄番昭夫:マグネシウム,Medical Technology,11(10),
988 (1983).
5. 玄番昭夫:血清マグネシウム,Medical Technology,14(1),
49 (1986).
取扱い上(危険防止)の注意
1. 試料(検体)は HIV,HBV,HCV 等の感染のおそれがあ
るものとして取扱ってください。検査にあたっては感染
の危険を避けるため使い捨て手袋,マスクなどを着用し,
また口によるピペッティングを行わないでください。
2. 本品が,誤って目や口に入ったり皮膚に付着した場合に
は水で十分に洗い流す等の応急処置を行い,必要があれ
ば医師の手当て等を受けてください。
使用上の注意
【問い合わせ先】
1. 本品は,記載された操作法に従って使用してください。
記載された操作法及び使用目的以外での使用については,
測定値の信頼性を保証致しかねます。
2. 自動分析装置に使用する場合,使用の前に当該自動分析
装置の取扱い説明書を熟読し,詳細は機器メーカーにお
問い合わせください。また,自動分析装置は使用前に洗
浄するなど,十分に調整してください。
なお,測定条件(パラメータ)の詳細については下記の
問い合わせ先までお問い合わせください。
3. 本品は,指定された条件で保管し,使用期限を過ぎたも
のは使用しないでください。
4. 同一製造番号の試薬であっても試薬を注ぎ足すことは行
わないでください。
5. 開封後の試薬については汚染等に注意し,十分な精度管
理のもとでご使用ください。なお,管理用試料の値が精
度管理範囲を超えた場合は,検量線を作成し直す等の処
置を行ってください。
デンカ生研株式会社 学術営業推進部
〒103-8338 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号
TEL:03-6214-3231(代表)
FAX:03-6214-3241
【製造販売業者の氏名又は名称及び住所】
発売元
製造販売元
廃棄上の注意
1. 試料(検体),使用済みの容器及び検査に使用したすべての
器具類は,次のいずれかの方法で処理を行ってください。
(1) 最終濃度 3.5vol%グルタルアルデヒド溶液に,30 分間
以上浸漬する。
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