マーケット・フォーカス

2017/2/24
マーケット・フォーカス
投資情報部
上田 正信
永田 尋嗣
三野 博且
岩瀬 卓也
株式:米国株・日本株
トランプ政権の税制改革が焦点、株価は引き続き政策にらみに
 トランプ米大統領が近く発表するとした税制改革案に市場の注目が集まっている。目玉の法
人減税による米主要企業の利益押し上げ効果は10%程度に達するとの試算も。この場合、
S&P500指数は昨年の大統領選挙後に10%近く上昇しており、株価への織り込みはある程度
進んだと評価できる。ただ、株価上昇の背景には、インフラ投資や規制緩和等、米政策全体
への期待に加え、景気・企業業績改善への期待もある。今回の税制改革案の内容にもよる
が、基本はトランプ政権の政策期待を織り込んで上値余地を探る展開が続こう。
 なお、政策期待をそぎかねない要因として今回検討が進んでいるとされる法人税の「国境調
整」や移民制限の強化等、保護主義的な政策がある。「国境調整」導入の場合には、米国企
業はもちろん、日本の自動車メーカー等、米国向け輸出の多い企業への影響も注視される。
トランプ政権は3月中旬の予算教書の公開に向けて税制改革案の検討を進めて
「米国第一」に向け、
政策協議進展へ、目 いる。トランプ米大統領と共和党は国内企業の保護と雇用確保、その結果としての
先、法人減税を柱と 経済成長率4%を目指して大幅な法人減税を断行する構えだ。共和党案では法人
する税制改革が焦点 税の「国境調整」も検討されており、法人減税等と合わせて米企業の海外移転防止
や米国の立地競争力回復と輸出促進を狙う。これはトランプ米大統領の米国企業
を守る方針とも一致しており、対外貿易赤字の是正に向けた取り組みの一環ともい
える。一方、個人所得減税は家計全般の税負担軽減による個人消費の押し上げを
図るもの。またレパトリ減税は海外に滞留する巨額資金の還流で国内投資を促すほ
か、還流による税収増を減税やインフラ投資等、財政刺激策の財源に充てる狙いが
ある。
予想される米税制改革と最近の動き
法人税減税
法人税の国境調整
企業利益の押し上げと国内投資促進へ
輸出を促進、輸入企業には打撃
【概要】
・トランプ大統領は連邦法人税の最高税率を35%から15%に
・引き下げると主張。共和党は20%への引き下げを提案
【最近の動き】
・2/9にトランプ大統領は税制改正に関し「驚くべき」提案を行う
・と発言。市場では法人税率の大幅引き下げへの期待が高まる
【概要】
・輸出は売上から除外(免税)、輸入に対しては課税を
強化
【最近の動き】
・2/15にトランプ大統領は小売業界の代表と会談し
た。小売は打撃を受ける業界の代表例
所得税減税
レパトリ減税
家計の可処分所得が拡大、個人消費を押し上げへ
巨額の還流資金を財源にインフラ投資を拡大へ
【概要】
・トランプ大統領は所得税の最高税率引き下げと、制度の
・簡素化を主張
【最近の動き】
・2/15の小売業界との会談のなかで、税制改革は中間層
と法人に有益なものになると発言
【概要】
・米国企業が海外に滞留させている利益を米国に還流させる
・際の税率を一時的に引き下げる措置
【最近の動き】
・米国企業は2兆ドル(226兆円)超の利益を海外に滞留させて
・いると推定される
出所:各種資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/24
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トランプ政権がレーガン政権以来となる大型の税制改革を目指すなか、トランプ
法人税率の大幅な引
米大統領は2/28に上下両院で政策運営の大枠を示す議会演説を行う予定。また、
き下げを断行へ
オバマケアの見直し計画も3月初旬ないしは中旬までに明らかになる見通し。そして
3/13前後には予算教書の公開が見込まれており、税制改革や規制緩和、インフラ
整備等の具体策が示されるかどうかに注目が集まる。トランプ米大統領は米国の立
地競争力の回復等を狙い、他国と比べ際立って高い法人税率の大幅引き下げを
断行する構えである。
法人実効税率の国際比較(2016年4月時点)
シンガポール
イギリス
韓国
中国
ドイツ
日本
フランス
米国(
減税後)
米国
(%)
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
(注)米国の地方税率はカリフォルニア州の税率(8.84%)を使用。米国(減税後)は減税後の
連邦法人税率(15%)+カリフォルニア州の地方税率(8.84%)で算出
出所:各種資料よりみずほ証券作成
以下、S&P500指数構成銘柄のうちの12月決算企業を対象に米国内での基準税
法人減税による利益
押し上げ効果は10% 率を40%として2017年の利益予想から減税効果を試算した。これによると、今回の税
程度に達する見込み 制改革によって米国内での法人税率が25%に低下した場合には最終利益が従来予
想に対して12.4%の上積み、同20%の場合には16.6%の上積みになると試算される。
これは企業利益の改善による株価の押し上げ要因となる。また、減税による副次効
果として企業の設備投資や株主還元の積み増しも期待される。なお、トムソン・ロイ
ター社では現時点で予想されている法人税支払い比率が26%から20%になった場
合、17年の利益の押し上げ効果が9%程度(除く不動産)になると試算している。
法人税減税の利益押し上げ効果の試算
現状の2017年業績予想
試算①(米国内税率40%→25%)
試算②(米国内税率40%→20%)
税引前利益
税負担
純利益
利益押し上げ効果
(億ドル)
(億ドル)
(億ドル)
(%)
12,072
12,072
12,072
3,998
2,993
2,658
8,074
9,079
9,413
-
12.4
16.6
(注1)本試算は各種控除等を考慮しておらず、実際の利益押し上げ効果は試算よりも小さい可能性がある
(注2)集計対象はS&P500指数構成企業のうち12月決算かつ、不動産セクターを除く350社
(注3)業績予想はブルームバーグ集計。2/17時点
(注4)税負担額の計算式は以下の通り
(注3) 試算①=3,998億ドル*0.33+3,998億ドル*0.67*(0.25÷0.40) 試算②=3,998億ドル*0.33+3,998億ドル*0.67*(0.20÷0.40)
(注5)S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、米主要500社は2015年に法人所得税の33%を海外で、67%を米国内で納めている。
(注3)この比率は17年も変わらないと想定した。また、現状で企業は米国内所得の40%を納税していると仮定。試算①ではこの比率が25%に、
(注3)試算②では20%に低下すると想定した
出所:ブルームバーグのデータおよびS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/24
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今回の税制改革(1ページ参照)では、輸出は売上から除外(免税)、輸入に対し
「国境調整」導入は、
米国内からの輸出支 ては仕入費用への計上を認めずに課税を強化する(下表参照)、いわゆる法人税
援、米国向け輸出に の「国境調整」の導入が検討されている。「国境調整」を巡っては、輸出補助金等に
は事実上の関税措置 当たるとして世界貿易機関(WTO)違反となる可能性や税の執行上の問題が残って
いるほか、米産業界でも賛否が割れている。「国境調整」は米国内で生産して米国
外に製品やサービスを提供する輸出企業への恩恵が大きく、一部の製造業を中心
に支持が拡大。一方、小売企業や消費財メーカーは米消費者にとって価格上昇に
つながるとして反対を表明しているほか、石油精製業や一部ハイテク企業にとって
不利とされている。
※ 【「国境調整」とは】
共和党が検討している税制の1つ。米企業の海外移転防止や米国の立地競争力回復を狙っており、輸出は売上か
ら除外(免税)、輸入は仕入費用への計上を認めず課税を強化するもの(税率は共和党案で法人税20%を想定)。ト
ランプ大統領が従来主張していた中国やメキシコ等、貿易赤字国に対して高い関税を課す「国境税」と異なる。
課税イメージ(法人税率20%の場合)
①売上
②仕入費用
100
80
A
標準ケース
B
うち輸出売上が
20ある場合
100
C
うち輸入費用が
20ある場合
100
③課税対象
利益
④法人税
税引き後
利益
20
4
16
①-②
③×20%
(①-②)-④
80
0
0
20
(①-20)-②
③×20%
(①-②)-④
80
40
8
12
①-(②-20)
③×20%
(①-②)-④
国境調整の
影響
+4
▲4
値上げにより利益確保を図る場合
C´
105
5%値上げ
売上数量横ばい C①×105%
80
45
9
16
①-(②-20)
③×20%
(①-②)-④
(注)標準ケースは売上が国内100、仕入費用が国内100の場合
出所:みずほ証券作成
国境税等に賛同・反対している主な企業
賛同:米国製連合(アメリカン・メード・コアリション)
ティッカー
BA
MRK
GE
ORCL
PFE
名称
ボーイング
メルク
GE
オラクル
ファイザー
業種
業種(小分類)
資本財
ヘルスケア
資本財
情報技術
ヘルスケア
航空宇宙・防衛
医薬品
コングロマリット
システム・ソフトウエア
医薬品
時価総額
(億ドル)
1,066
1,803
2,687
1,725
2,040
米国売上高
比率(%)
41.0
42.9
45.4
46.6
49.9
反対:アメリカンズ・フォー・アフォーダブル・プロダクツ
ティッカー
TGT
WMT
WBA
NKE
その他
名称
業種
業種(小分類)
時価総額
(億ドル)
ターゲット
一般消費財
総合小売り
370
ウォルマート・ストアーズ
生活必需品
大型スーパーマーケット
2,132
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス
生活必需品
薬品小売り
927
ナイキ
一般消費財
履物
939
トヨタ・モーター・ノース・アメリカ、ぺルノー・リカードUSA
IKEA ノース・アメリカ・サービス、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、カナディアン・ナショナル・レールウェイ
米国売上高
比率(%)
100.0
74.2
73.1
45.5
(注)米国製連合(国境調整等を後押しする団体)、アメリカンズ・フォー・アフォーダブル・プロダクツ(国境
調整等に反対するキャンペーン)、それぞれに参加している主な企業。上記銘柄はみずほ証券が任
意で選択したもの。一部企業の米国売上高には北米を含む。米国売上高比率は直近決算期。時価
総額は 2/17 時点
出所:ブルームバーグ、各種資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/24
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米国株は最高値、減
税期待織り込み後、
上値余地探る展開に
S&P500指数の大統領選挙直後から2/17までの上昇率は10%近くに達する。政策
期待の織り込みという意味では、今回の法人減税(税率15%ないし20%の引き下げ)
による利益押し上げ効果は10%程度と試算され、ひとまず織り込み済みとの評価もで
きる。ただ、株価上昇の背景には、法人減税による利益押し上げ期待だけでなく、
それによる国内投資の活発化や株主還元の増加といった副次効果、およびインフ
ラ投資、規制緩和等、トランプ政権の成長重視策全体への期待があるほか、景気・
企業業績への改善期待もある。今回の税制改革案の内容にもよるが、基本はトラン
プ政権の政策期待、各政策の実現性や効果をにらみながら上値余地を探る展開が
続こう。なお、政策期待をそぎかねない要因として前述した法人税の「国境調整」や
移民制限の強化等、保護主義的な通商・移民政策がある。株価の先行きを占ううえ
ではトランプ政権で想定される負の面にも十分に留意していく必要がある。
なお、S&P500指数の予想株価収益率(PER)は17.8倍と2014年以降のレンジ15
税制改革に続く政策
進展が焦点、NYダウ 倍~17倍の上限を超えているが、17年末にかけては18年の利益予想でPER17倍の
は年末にかけ22000 2500ポイント程度(NYダウで22000ドル程度)にレンジ上限が切り上がると想定され
ドルを目指す展開に る。それに加えて、17年や18年の利益予想は大統領選挙後から目立って上方修正
されたわけではなく、今回の税制改革案を含めてトランプ政権の政策が具体化した
場合の影響を十分に織り込んでいないとみられる。今後、税制改革やインフラ整備
計画等が実現に向けて動き出せば、金利高やドル高の影響を差し引いても利益見
通しの上方修正にともなって株価の上値余地は拡大に向かおう。
予想PERによるS&P500指数の想定
(ポイント)
2800
(月次:2013/1~2017/12)
S&P500指数
2600
PER17倍
2400
PER15倍
2017/2/17時点
S&P500指数:2351ポイント
同指数の予想PER:17.8倍
PER13倍
2200
2000
1800
1600
1400
13
14
15
16
17
(注1)S&P500指数は2017/2まで。2017/2
のデータは2/17時点
(注2)2013/1~2017/2 の「PER13倍~17
倍」のデータは、その時点の12ヵ月
2208
先の予想EPS(トムソン・ロイター集
計)を13倍~17倍したもの。2017/2
は2/17 時点のデー タ。2017/12の
1913
データは2018年の予想EPS(トムソ
ン・ロイター集計、2/17時点)を13倍
~17倍したもの
出所: トムソン・ロイターのデータより
みずほ証券作成
18 (年)
2502
日本株は2/10~11の日米首脳会談を受けてひとまず円高警戒が後退も、足元
米政策にらみ、日経
平均株価は19000円 では米税制改革案の行方をにらみ方向感を探る展開。一方、今後、米税制改革案
値固め 後、 20000 円 で期待どおりの法人減税、個人所得減税が打ち出されれば、米国経済への成長加
台回復を試す展開に 速期待から日本株を含む世界同時株高につながろう。ただ、米税制改革案のなか
に前述した法人税の「国境調整」の導入が盛り込まれた場合には、日本企業を含め
米国外企業への影響を見極める動きが広がる可能性もある。米国での輸入課税の
強化は米国向け輸出企業にとり事実上の関税引き上げとなる。株式市場では、米
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/24
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国向け輸出が多いか少ないか、あるいは米国現地生産の際に米国外からの部品調
達比率が高いか低いか、等の観点で業種間や業種内で選別の動きが働こう。日経
平均株価は目先、米税制改革案のマイナス影響の織り込みで19000円近辺を値固
めし、その後、米大型減税の実現期待から徐々に戻り歩調を強めよう。3月にかけて
は昨年来高値の19594円を奪回し、20000円の大台回復を目指すと予想している。
予想PERによる日経平均株価の想定
(月次:2010/1~2018/3)
(円)
25000
予想PERはアベノミクス
相場以降、おおむね14
倍~16倍台で推移
PER18倍
PER16倍
20000
PER14倍
PER12倍
PER10倍
15000
10000
17/2/17
日経平均株価19234円
予想PER15.7倍
5000
10
11
12
(注)2010/1~17/2の想定株価
(PER10倍~18倍のデータ)
22579
は予想EPSに各PERを乗じた
21483
もの。予想EPSは日経平 均株
20071
価を予想PER(東洋経済新報
18799
社予想)で除して算出。17/3
17564
末と18/3末は商社を除く東証
16115
1部企業のみずほ証券予 想
15057
EPS(18/3期と19/3期、
13431
16/11/25時点、1ドル=110円
12549
想定)に各PERを乗じ、12.6倍
(NT倍率=日経平均株価
18/3末
17/3末
÷TOPIX、1/27時点)したも
想定水準 想定水準
の。株価は17/2まで。データ
は2/17時点
出所:各種資料よりみずほ証 券作
成
17
18
24166
日経平均株価
13
14
15
16
(年)
「国境調整」が導入された場合には、日本企業を含め米国向け輸出の多い企業
「国境調整」の場合、
輸 出 企 業 に マ イ ナ がマイナス影響を受ける公算。代表的な輸出企業である自動車メーカーをみると、
ス、現地生産の動き マツダは米国販売台数比率が30%超あるが、米国内での生産を行っておらずマイナ
を基に影響を見極め ス影響を受けやすい。一方、ホンダは米国内販売台数の約7割を米国製でカバーし
ており、影響は相対的に小さくなる。自動車以外でも、化学や機械等、米国売上高
比率の高い企業への影響が注視される。なお、企業の対応としてはこれまで米国工
場の新設等、適地生産の観点から需要に見合った現地生産能力を高める動きもみ
られており、米税制改革による実際の業績影響は今後冷静に見極める必要がある。
国内自動車メーカーの米国内生産比率と米国向け投資案件
コード
名称
時価
総額
(兆円)
米国の販
世界総販売
売台数に
台数に占め
占める米国
る米国販売
組立比率
台数比率(%)
(%)
米国向け投資
輸送用機器
7261
マツダ
0.9
33.6
0.0 米国生産拠点なし
7203
トヨタ自
20.9
32.7
48.0
今後5年間で100億ドル(約1兆1600億円)を投資する
インディアナ工場で生産能力増強、新規雇用(約680億円)
7201
日産自
4.7
28.0
54.0
ゴーン社長「米国で事業展開するすべての自動車会社は
生産拡大の際に米国を最初に考えることになる」
7267
ホンダ
6.5
53.1
68.0
オハイオ州にデータ、品質センター建設(約60億円)
米国向け投資は今後5年はこれまでの5年と同程度の投資
(注)上記銘柄はみずほ証券が任意で選択したもの。一部企業の米国販売台数は北米を含む。世界総販売台数
に占める米国販売台数比率は直近決算期。米国の販売台数に占める米国組立比率は 2016 年年間。時価総額
は 2/17 時点
出所:ブルームバーグ、LMC Automotive、各種資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/24
マーケット・フォーカス
化学、機械の米国売上高比率と米国向け投資案件
コード
名称
時価
総額
(兆円)
米国
売上高
(10億円)
米国
売上高
比率(%)
米国向け投資
化学
塩ビ等の生産能力増強(約550億円)
エチレンの工場新設(約1540億円)
4063
信越化
4.3
296
23.1
4005
住友化
1.1
306
14.6 農薬関連の研究施設の面積5割増
4188
三菱ケミHD
1.3
443
11.6
6988
日東電
1.7
66
6301
コマツ
2.7
662
35.7 米鉱山機械メーカー買収(約3000億円)
6326
クボタ
2.3
480
33.9
6471
日本精工
0.9
184
18.8 -
7011
三菱重
1.5
697
17.2 米圧縮機工場増強(40億円)
6586
マキタ
1.1
58
13.7 -
6273
SMC
2.1
62
13.0 -
三菱レイヨン:MMAプラント建設
三菱樹脂:ポリエステルフィルム増強
8.3 バイオ医薬品2社買収、生産ライン増強計画
機械
大型農機用新工場建設(約100億円)
米農作作業機器メーカー買収(約495億円)
(注)上記銘柄はみずほ証券が任意で選択したもの。一部企業の米国売上高には北米を含む。米国売上高比率
は直近決算期。データは 2/17 時点
出所:ブルームバーグ、各種資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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2017/2/24
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金融商品取引法に係る重要事項
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化
等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料
をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税
込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含
む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与
えることがあります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が
当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売
却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商
品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳
細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に
対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、
約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に
97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取
引口座管理料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決
定した為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または
お客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-170224-10
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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