平成２９年２月１４日
カレント・トピックス
独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス・金 属 鉱 物 資 源 機 構
カナダ BC 州 Arctos 無煙炭プロジェクトについて：後編
～先 住 民 の 反 対 に よ り 開 発 が 凍 結 さ れ た 経 緯 と 対 策 ～
<石 炭開 発 部
井 上 晴 夫>
平 成 29 年 1 月 30 日 付 カ レ ン ト ・ト ピ ッ ク ス 「 カ ナ ダ BC 州 Arctos 無 煙 炭 プ ロジ ェ
ク ト に つ いて：前 編 」に 続 き、本 後 編 で は Arctos Project（ 旧 Mount Klappan Project：
MKP）が 事 実 上 の 開 発 凍 結 に 至 った 経 緯 に つ い て 、Klappan エ リ ア を 含 む 広 域を 伝 統 的
活 動 領 域 とす る Tahltan Nation 及 び BC 州 政 府 の 動 向 を含 め な が ら 紹 介 す る 。
な お 、 参 考 ま で に 、 Panorama North JV に お け る パ ー ト ナ ー Atrum Coal 社 は 、
Panorama North の 約 15km 北 東 に 位 置 す る 旗 艦 プ ロ ジ ェ ク ト Groundhog North
Project（ GNP）の 開 発 を 目 指 し てお り 、2016 年 5 月、GNP 開 発 第 一 段 階 と 位 置付 け て
い る バ ル クサ ン プ ル
1 採取許可を
BC 州 政 府 か ら 取 得 し た。 GNP も Tahltan Nation の
伝 統 的 活 動領 域 内 に 位 置 し て お り、GNP に て 付 帯 条 件 付き で は あ ろ う が バ ル クサ ン プ ル
採 取 許 可 を取 得 で き た こ と は Tahltan Nation 等 の First Nations が GNP で の バ ル ク サ
ン プ ル 採 取・ 輸 送 に 係 る 採 掘 関 連作 業 に 同 意 し た こ と を示 し て お り 、 今 後 の GNP 開 発
2 に つ い て も 順 調 に 進 む こ と が 期 待で き る 。
１ ． Klappan エ リ アに 関 す る Tahltan Nation 及 び BC 州 政 府 の 動 向
BC 州 Groundhog 炭 田（ 面積：約 2,300km 2 ）Mount Klappan エ リ ア に 位 置 する 無 煙
炭 プ ロ ジ ェク ト Arctos Project は 、Tahltan Nation が 伝 統的 活 動 領 域 と 主 張 す るエ リ ア
南 部 の ほ ぼ中 央 部 、 Spatsizi Plateau Wilderness Provincial Park 南 西 側 に 隣 接す る 場
所 に 位 置 して い る （ 図 １ 参 照）。
（ １ ）Tahltan Nation に つ い て
Tahltan Nation は 、 Yukon 準 州 に近 い BC 州 北 西 部 の Stikine River 流 域 エ リ ア を伝
統 的 な 居 住・活 動 領 域 と し て い る先 住 民 で 、現 在 で は、こ の 川 沿 い の 町 Telegraph Creek
及 び そ の 周 辺 の 町 Iskut 及 び Dease Lake を 中 心 地 と し て い る 。 図 １ に 示 す よ う に 、
Tahltan Nation の 伝 統 的 活 動 領 域は 東 西 及 び 南 北 方 向 とも に 約 400km に 及び 、そ の 面
積 は 約 94,500km 2 と す る 文 書
1
2
3
4
3 も あ れ ば 、96,000km 2 と す る文 書 4 も あ る 。
石 炭 探 査 権 （ Coal Licence） 下 で 採 取 可 能 な バ ル ク サ ン プ ル は 最 大 で 原 炭 100,000t。
GNP 開 発 計 画 の 第 二 段 階 は 、 年 産 880,000t（ 精 炭 ） の 坑 内 掘 炭 鉱 の 建 設 で あ る 。
例 え ば 、 Klappan Strategic Initiative Technical Report（ March 6, 2015） の p6。
例 え ば 、 Tahltan Central Government News Release（ September 15, 2016）。
（ 出 所 ） 2013 年 8 月 16 日 付 Warrior Publications 記 事 よ り 抜 粋 （ 一 部 追 加 ）
図１
Tahltan Nation の 伝 統 的 活動 領 域
Tahltan Nation は 、 Telegraph Creek を 本 拠 地 と する Tahltan Band 5 及 び Iskut を
本 拠 地 と す る Iskut Band の ２ つ の グ ル ー プか ら な る 。Tahltan Nation の 人 口 は 全 体 で
5,000～ 6,000 人 と 言 わ れ て い る が、Telegraph Creek、 Iskut 及 び Dease Lake の 3 つ
の 居 留 地 に居 住 す る 人 口 は 全 体の 30％ 程 度 と 見 ら れ て いる 。Tahltan Nation は カ ナ ダ
連 邦 政 府 及 び BC 州政 府 と の 間 で近 代 的 条 約 を 未 締 結 なた め 、Tahltan Band 及 び Iskut
Band の そ れ ぞ れ の 運 営 は Indian Act 6 に 基づ き 行 わ れ てお り 、両 Band に 共 通 す る 事 項
に つ い て は Dease Lake に置 か れ た 統 治 組 織 Tahltan Central Council（TCC）が 管 轄 し
て い る 。な お 、2015 年 7 月に 開 催 さ れ た Tahltan Nation 年 次 総 会 に て TCC は Tahltan
Central Government（ TCG） へ名 称 変 更 さ れ た 。
（ ２ ）Gulf Canada に よ る Tahltan Nation と の 協 議
1986 年に な り 、 Gulf Canada は Tahltan Tribal Council（TTC； 2002 年 に TCC へ 、
ま た 2015 年 に TCG へ 名 称 変 更 ）と 話 合い を 開 始 し た が 、協 議の 詳 細 は 明 ら かに な っ て
いない。しかしながら、両者の協議について言及している出版物
7
に よ れ ば 、 Gulf
Canada は Tahltan Nation と の 協 議を 対 政 府 或 い は 政府 に 準 ず る 組 織 と の 折衝 と は 見
ず 、 せ い ぜい 適 度 な “ 開 発 に お ける パ ー ト ナ ー ” 関 係 を目 指 す た め の も の と 見做 し て い
た と の こ とで あ る 。 一 方の Tahltan Nation は 、 そ の 伝統 的 活 動 領 域 内 に お ける 資 源 に
係 る 意 思 決定 に つ い て 、 少 な く とも 共 同 管 理 す る 役 割 を果 た す 意 向 で あ っ た 。
5
Band と は 、 Indian Act で 定 義 さ れ た 或 る 特 定 Indian グ ル ー プ の 居 留 地 （ reserve） を 単 位 と す る
組 織 。 Indian Act に 基 づ き 、 各 Band に は 居 留 地 （ reserve） が 指 定 さ れ て い る が 、 近 年 、 法 令 で 使
用 さ れ る 場 合 を 除 き 、 reserve な る 用 語 は 使 用 せ ず に 共 同 体 （ community） と 呼 ば れ る こ と が 多 い 。
6 Indian Act は 1876 年 に 成 立 後 幾 度 も 改 正 さ れ て い る が 、 先 住 民 族 の 保 護 や 税 務 上 の 優 遇 策 等 を 保
証し、先住民族のステータス、土地、資源、教育等を含め、ほとんどの事項についてカナダ政府に
支配権があることを明確にしている。
7 “ After Native Claims? The Implications of Comprehensive Claims Settlements for Natural
Resources in British Columbia by Frank Cassidy and Norman Dale”, Oolichan Books and
Halifax, N.S. 1988
（ ３ ）Tahltan Nation に よ る “1987 年 資 源 開 発 方 針 声 明
8”
Tahltan Nation の 資 源 開 発 に 関す る 考 え 方 を 明 確 に した も の が 、1987 年 4 月 に “1987
年 資 源 開 発方 針 声 明 ”と し て 発 表さ れ た 。こ の 声 明 の 中で 、Tahltan Nation は 、自 分 た
ち の 伝 統 的活 動 領 域 内 に お け る 如何 な る 開 発 に 対 し て も生 得 的 に は 反 対 し な いこ と を 明
確 し て お きた い こ と 、ま た、活 動 領 域 内 で の 如 何 な る 開発 に つ い て も TTC が 策 定 し た 下
記 の 8 項 目 から な る 基 本 原 則 に 忠実 で な け れ ば な ら な いと の 強 い 見 解 を 持 っ てい る 旨 を
述 べ て い る。
① 当 該 開 発 が修 復 不 能 な 環 境 破 壊 の脅 威 を も た ら さ な い こと の 保 証 。
② 当 該 開 発 が未 解 決 と な っ て いる Tahltan の aboriginal rights 9 に 関 す る 主 張 を危
う く す る こと 、 損 な う こ と 、 或 いは 傷 つ け る こ と は な いと の 保 証 。
③ 当 該 プ ロ ジェ ク ト が Tahltan の 人 々 に 対し 、 マ イ ナ ス 面よ り も よ り 大 き な プ ラス
と な る 社 会的 影 響 を 与 え る 保 証 。
④ 当 該 プ ロ ジェ ク ト に 関 し て 、Tahltan の 人 々 に 対 す る 教育 、直 接 雇 用 に 関 連 する ト
レ ー ニ ン グの 機 会 を で き る 限 り 広範 に 提 供 す る こ と 。
⑤ 当 該 開 発 の全 局 面 に 関 し て、Tahltan の 人 々 に 対 し て で きる 限 り の 雇 用 機 会 を 提供
すること。
⑥ 当 該 プ ロ ジェ ク ト 全 体 に つ い て、Tahltan の 人 々 に よ る 十分 な 資 本 参 加 を 提 供 する
こと。
⑦ 開 発 者 が 管轄 或 い は 影 響 力 の あ るビ ジ ネ ス に 関 し、Tahltan の ビ ジ ネ ス を で き る限
り 広 範 に 展開 で き る 機 会 を 提 供 する こ と 。
⑧ 開 発 者 は 、必 要 と 考 え ら れ る 金 銭的・経 営 的 支 援 や 助 言を 行 う こ と に よ り 、Tahltan
の 人 々 が 上記 目 的 を 達 成 す る た めの 支 援 を 行 う こ と 。
声 明 で は、Tahltan Nation の 伝 統 的 活 動領 域 内 で 資 源 開発 を 進 め る 場 合 、開 発 当 事 者
は TTC と の間 で 上 記 の 基 本 原 則を 含 む プ ロ ジ ェ ク ト 参加 協 定 の 締 結 が 必 要 とな る こ と
が 強 調 さ れて い る 。な お 、こ の 当時 、Gulf Canada 及 び BC 州 政 府 共 に 、Tahltan Nation
が 掲 げ る 上記 の 基 本 原 則 を 受 け 入れ る こ と は 考 え て い なか っ た と 思 わ れ る 。
（ ４ ）Tahltan Nation に と っ て の Mount Klappan エリ ア
Mount Klappan エ リ ア は、サ ケ を 育 む 3 つ の 主 要 河 川 Skeena River、Nass River 及
び Stikine River 等 の 源 流 域（ 図 ２ 参 照 ）に 位 置 し て おり 、ま た Tahltan Nation にと っ
て こ の 世 界が 創 造 さ れ た 場 所 、 かつ 自 分 た ち の 文 化 が 始ま っ た 場 所 と し て 口 承さ れ て い
る こ と か ら 、Tahltan Nation は こ の Mount Klappan エ リ ア を“ 神 聖 な る 源 流（ Sacred
Headwaters）” と 呼 ん で い る 。Tahltan の 人 々 は 、 現 在も こ の エ リ ア に て 漁 労、 狩 猟 及
び 罠 を 使 用し た 捕 獲 を 行 っ て い る。
8
9
英 語 で は “1987 Resource Development Policy Statement”。
aboriginal rights と は 、 先 住 民 族 が 或 る 地 域 の 土 地 を 先 祖 代 々 長 期 に 亘 り 使 用 、 占 有 し た 結 果 と
し て 保 有 す る 権 利 で 、 狩 猟 や 漁 獲 等 を 行 う 権 利 は そ の 一 例 。 aboriginal rights は 、 生 活 習 慣 、 社 会
的慣習及び伝統により共同体毎に異なる。
（ 出 所 ）Merv Richie, December 13, 2011 “Where the Waters Begin - Shell, Fortune Minerals
and Salmon” よ り 抜 粋 （ 一 部 追 加 ）
図２
Mount Klappan 周 辺 の 河 川源 流 域
（ ５ ） Shell Canada 及 び FM 社 の活 動 に 対 す る Tahltan Nation と BC 州 政 府 の 動 向
2004 年 ～ 2005 年
FM 社が MKP を 取 得 した 2002 年 7 月 から 間 も ない 2004 年 6 月 、 Shell Canada が
Klappan エ リ ア にて 炭 層 メ タ ン （Coal Bed Methane：CBM）探 査 の た め 約 4,000km 2
に 及 ぶ 広 大な 石 油・ガ ス 鉱 区 を 取得 し 、TCC、Tahltan Band 首 長 及 び Iskut Band 首 長
と の 間 で CBM 探 査 に 関 す る MOU を 締 結 後 の 2004 年 末か ら Mount Klappan 周 辺 に て
3 孔を 試 掘 し た 。
一 方、FM 社 も TCC か ら MKP で の 探 査 を 支 持 す る レタ ー を 受 領 し て い た が、2005 年
1 月 に な り 、 神 聖 なる 源 流 で ある Mount Klappan エ リ ア は 保 全 す べ き で 開 発活 動 に 反
対 す る Tahltan Nation 長 老 を 中 心 と す る 一 部 の 人 々 が TCC 方 針 に 異 議 を 唱 え て
Telegraph Creek の Tahltan 首 長 オ フィ ス を 占 拠、Tahltan Nation 内 の 主 導 権争 い が 始
ま っ た。2005 年 7 月 に は 、開発 反 対 派 長 老 グ ル ー プ は MKP で の 石 炭 探 査 及 び CBM 探
査 に 反 対 する 活 動 と し て 、Mount Klappan エ リ ア へ の アク セ ス 道 路 を 封 鎖 し た。 当 時 、
Tahltan Nation が 設 立 し た 開 発 会 社 Tahltan Nation Development Corporation
（TNDC 10 ）は MKP 及 び Shell CBM の 両 プ ロ ジ ェ ク ト から 仕 事 を 請 け て お り 、道 路 封
鎖 は 違 法 と非 難 し た 。し か し な がら 、TCC 首 長 が TDNC 社 長 を 兼 務 し て い た こと か ら 、
反 対 派 長 老グ ル ー プ は TCC 首 長 に 対 し 利益 相 反 で あ る と非 難 、2005 年 8 月、TCC 首 長
は TNDC 社 長 職 を 辞 任 し た 。同 8 月 、FM 社 は 道 路 封 鎖を 解 除 す る た め BC 州 高 裁 に 提
訴 、TCC 及 び TNDC は 同 高 裁 にお け る 審 問 に て FM 社 に 対す る 支 持 を 表 明 した 。 2005
年 9 月、同 高 裁 は 道 路 封 鎖 を 解 くよ う 仮 処 分 を 行 い、こ れ に 違 反 す る 場 合 は 警察 に 逮 捕
10
TDNC は 1985 年 に 設 立 さ れ 、 Tahltan の 伝 統 的 活 動 領 域 に お け る 経 済 的 活 動 や 開 発 に 関 し て
Tahltan Nation が 参 加 で き る よ う に す る こ と 、 ま た Tahltan Nation に 対 す る 雇 用 、 ト レ ー ニ ン グ
及びビジネス機会を提供することを目的としている。
す る 強 制 執行 命 令 も 与 え た 。こ の 結 果 、Klappan Declaration
11 を 発 表 し
Klappan エ リ
ア の 保 全 を主 張 し な が ら 道 路 封 鎖し て い た Tahltan Nation 開 発反 対 派 長 老 を 含 む 15 名
が 逮 捕 さ れ 、道 路 封 鎖 は 解 除 さ れた 。こ れ に 伴 い 、FM 社 は MKP に て 2005 年 試 錐調 査
を 実 施 し た。 な お 、 Shell Canada は Tahltan Nation 内 の 問 題 と し て 事 態 が 収 拾す る ま
で 静 観 す るこ と と し 、 計 画 し て い た 2005 年 CBM 探 査 の 実 施 を 延 期 し た 。
Tahltan Nation 内 の 対 立 は 2005 年 9 月以 降 も 続 き 、2 年 毎 に 実 施 さ れ る TCC 首 長
選 挙 が 2006 年 6 月 に 実 施 さ れ 、そ れ ま で 4 年 間 務 め た首 長 （TNDC 創 設 者 で元 社 長 ）
が 交 替 、 更 に 2008 年 6 月 の TCC 首 長選 挙 で 新 た な 首 長が 選 ば れ た 。
2006 年
Tahltan Nation の Klappan 開 発 反 対 派 グ ル ー プ は 、夏 に な る と Klappan エ リ ア で の
探 査 に 反 対 す る 活 動 と し て 再 び 道 路 封 鎖 を 行 っ た 。 Shell は 事 態 が 収 拾 し て い な い と し
て 、2006 年 も CBM 探 査 の 実 施 を見 送 っ た 。
FM 社 は 、 Tahltan Nation が 資 本 参 加 し て い る 環 境 コ ン サ ル タ ン ト 会 社 Rescan
Tahltan Environmental Consultants Ltd も 起 用 し な がら 、 Stewart 港 へ 石 炭 輸送 道 路
建 設 に 係 る環 境 ベ ー ス ラ イ ン 調 査を 実 施 し た 。
2007 年
2007 年 4 月 、BC 州 政 府 は Tahltan Nation と Reconciliation Framework を 締 結 、持
続 可 能 な 土地 ・ 資 源 開 発 の 原 則 、協 力 的 で 互 い に 尊 重 する 政 府 間 関 係 の 確 立 、ま た 相 互
に 合 意 で きる 協 調 プ ロ セ ス の 策 定を 目 指 す こ と を 約 束 した 。
7 月 、13 の 環境 団 体 が Shell 本 社 にレ タ ー を 送 付 し 、Sacred Headwaters で の CBM
探 査 計 画 を中 断 す る よ う に 求 め た 。8 月 、Shell は BC 州高 裁 に 、Klappan エ リア で 2005
年 か ら 毎 年夏 季 に 道 路 封 鎖 を 行 って い る 反 対 派 グ ル ー プに 対 す る 封 鎖 解 除 の 仮処 分 を 求
め て 提 訴 した 。 審 理 当 日 、Vancouver に あ る 高 裁 の 外で Tahltan Nation や 環 境団 体 に
よ る Shell Klappan CBM プ ロ ジ ェ ク ト へ の 反 対 集 会 が開 か れ て お り 、 審 理 開始 直 後 に
Shell は 突 如 審 理 延 期 を 求 め 、 高裁 は こ れ を 認 め た 。
2008 年
2008 年 4 月、BC 州 戸 外 レ ク レ ーシ ョ ン 協 議 会（ Outdoor Recreation Council of British
Columbia； ORC
12 ） に よ り 、 Sacred
Headwaters 地 域 は 存続 の 危 ぶ ま れ る 州 内河 川 の
5 番 目 に リ ス ト さ れ 、 9 月 に は 、 BC 州 地 方 自 治 体 連 合 （ Union of British Columbia
Municipalities；UBCM
13 ） が 州政 府 に 対 し 、 Klappan
エ リ ア に 居住 す る 大 部 分の 人 々
が 地 域 の 価値 や 経 済 活 動 が CBM 開発 に よ り 危 険 に 晒 され る こ と は な い と 納 得す る ま で
Shell Klappan CBM プ ロ ジ ェ ク ト を 中 断 す る よ う に 求 め た 。 ま た 、 そ の 翌 日 、 First
11 道 路 封 鎖 し て い た Tahltan Nation 開 発 反 対 派 長 老 グ ル ー プ が 2005 年 9 月 16 日 付 で 発 表 し た も
の で 、 Sacred Headwaters の 保 全 ・ 保 護 を 求 め た も の 。
12 ORC は 一 般 市 民 の 戸 外 レ ク レ ー シ ョ ン の 恩 恵 を 促 進 す る こ と 、 ま た 戸 外 リ ク レ ー シ ョ ン ・ グ ル
ー プ の 利 益 を 代 表 す る 非 政 府 団 体 と し て 1976 年 に 設 立 さ れ た 組 織 で 、 山 や 河 川 等 を 含 め 戸 外 で 活 動
す る 約 40 の レ ク レ ー シ ョ ン 団 体 （ 総 会 員 数 ： 1 万 人 以 上 ） が 参 加 し て い る 。
13 UBCM は BC 州 の 162 の 全 地 方 自 治 体 が メ ン バ ー に な っ て い る 組 織 で 、 1905 年 に BC 州 法 令 に
基づき設立された。
Nations Summit
14 が 州 内 で の
CBM 探 査 を 10 年 間 凍 結 する よ う 求 め た 。こ の よ う な 状
況 を 踏 ま え、 12 月、BC 州 政 府 は Klappan エ リ ア で の CBM 探査 を 2009 年 1 月 か ら 少
な く と も 2 年 間 、ま た 4 年を 超 え な い 期 間 凍 結 す る こ とを 決 定 し 、Klappan エ リ ア を 伝
統 的 活 動 領域 と し て い る Tahltan を 含 め た First Nations と Shell が 話 合 い を持 つ こ と
を 希 望 す る旨 を 表 明 し た 。 な お 、州 政 府 は 2011 年 2 月、CBM 探 査 凍 結 期 間を 2012 年
末 ま で 延 長し た 。
2009 年 ～ 2011 年
2009 年 2 月 、FM 社 と TCC は MKP の EA プ ロ セ ス を秩 序 良 く 適 切 に 進 め るこ と を
目 的 と し て環 境 評 価 協 力 協 定 を 締結 し た 。 本 協 定 で の 強調 さ れ て い る 点 は 下 記の 通 り 。
‐ Klappan エ リ アに お け る そ れぞ れ の 利 益 を 双 方 が お互 い に 認 識 す る こ と 、
‐ 効 果 的か つ 時 宜 に 則 し て EA プ ロ セ スに 参 加 す る こと 、
‐ お 互 いの 利 益 や 懸 念 に つ い て、 率 直 か つ 定 期 的 な 対話 と 連 絡 を 行 う こ と 。
し か し なが ら 、TCC に よ る MKP へ の 支 持 を 約 束 す るこ と や EA プ ロ セ ス への 同 意 を
示 唆 す る 内容 は 含 ま れ て い な い 。
な お、前 編 で 述 べ た よ う に、FM 社 は EA プ ロ セ ス に関 し て 、MKP 開 発 の た め の戦 略
的 パ ー ト ナー 探 し を 開 始 し た 2008 年 か ら ス ロ ー ダ ウ ンし 、2010 年 か ら POSCO が MKP
に 参 入 す る 2011 年７ 月 ま で 中 断し て い た 。
2011 年 5 月 、BC 州 政 府 及 び BC Hydro and Power Authority（BC Hydro：州 政府 所
有 ） は Tahltan Nation と の 間 で 、Northwest Transmission Line Project
15 に 関 し て 、
Government-to-Government and Northwest Transmission Negotiation Framework
Agreement を 締 結 、Tahltan の伝 統 的 活 動 領 域 に お け る土 地 及 び 資 源 の 利 用 に関 し て 、
両 者 が 政 府間 関 係 に 基 づ く 共 同 意思 決 定 協 定 （ Shared Decision-Making Agreement）
及 び 収 益 分配 協 定 （Revenue Sharing Agreement） や 便益 協 定 （Benefit Agreement）
を 締 結 す る意 向 で あ る こ と が 明 記さ れ た 。
2012 年
2012 年 3 月 、ORC は Sacred Headwaters 地 域 を 存 続の 危 ぶ ま れ る 州 内 河 川の 最 上 位
に リ ス ト した 。
9 月 、TCC は 、FM 社 が Gitxsan Nation
16 に 対 す る
Arctos Project 説 明 会 を 開催 し た
と の 情 報 を 得 、 Gitxsan Nation の 開 発 反 対 派 と 合 流 し 、 Klappan エ リ ア は Tahltan
Nation に と り 最 も 神 聖 で 重 要 な エリ ア の 一 つ で あ り 、 開発 を 望 ま な い 旨 を 発 表し た 。
12 月 、BC 州 政 府 は TCC 及 び Shell と の 間 で 、今 後 Klappan エ リ ア で の CBM 探 査・
14
1992 年 、 近 代 的 条 約 の 締 結 促 進 を 目 的 と し て BC 条 約 委 員 会 が 設 立 さ れ た こ と を 受 け 、 BC 州 内
の 198 の First Nations 共 同 体 の う ち 、 BC 条 約 委 員 会 の 下 で の 条 約 交 渉 プ ロ セ ス に 参 加 し て い る
112 の First Nations 共 同 体 を 主 体 と す る 政 治 的 団 体 。
15 Northwest Transmission Line Project は 、 BC 州 中 西 部 の 町 Terrace に 近 い Skeena 変 電 所 か ら
北 方 の Bob Quinn Lake 周 辺 に 新 た に 設 置 す る 変 電 所 ま で 287kv 送 電 線 を 344km 建 設 す る プ ロ ジ
ェ ク ト （ 建 設 費 ： C$736M） で 、 2012 年 1 月 か ら 建 設 作 業 に 入 り 、 2014 年 7 月 か ら 送 電 を 開 始 し
た 。 344km の 送 電 線 建 設 の た め 、 州 政 府 /BC Hydro は Tahltan Nation を 含 む 9 First Nations と そ
れ ぞ れ Impact and Benefit Agreement を 締 結 し た 。 Tahltan Nation の 伝 統 的 活 動 領 域 内 に 位 置 す
る 送 電 線 長 は 約 70km。
16 Gitxsan Nation は 50 を 超 え る グ ル ー プ （ House） か ら な り 、 Skeena River 流 域 を 中 心 と す る 約
33,000km 2 の エ リ ア を 伝 統 的 活 動 領 域 と し 、 北 方 で Tahltan Nation、 西 方 で Nisga’s Nation の 伝 統
的 活 動 領 域 に 接 す る 。 総 人 口 は 約 13,000 人 、 う ち 約 70％ が 伝 統 的 活 動 領 域 に 居 住 す る 。
開 発 を 認 めな い こ と で 合 意 に 達 した と 発 表 し た 。こ れ に よ り 、Shell は Klappan エ リ ア
か ら 撤 退 する こ と に な り 、今 後 Klappan エリ ア で は 石 油・ガ ス を 対 象 と し た 探査 権 は 付
与 さ れ ず 、CBM を 含 め た 石 油・ガ ス 開 発 は永 久 に 禁 止 され る こ と に な っ た 。な お 、Shell
が 撤 退 す るに あ た り 、 州 政 府 は Shell が 本 CBM プ ロ ジ ェ ク ト に 支 出 し た C$20M に相
当 す る ロ イヤ ル テ ィ 控 除 を 認 め、Shell は CBM 開 発 に 関 連 す る 水 リ サ イ ク ル・プ ロ ジ ェ
ク ト を 新 たに 形 成 の 上 、 控 除 相 当額 を 支 出 す る こ と で 州政 府 と 合 意 し た 。
2013 年
Shell が Klappan エ リ ア か ら 撤 退 し た こ と で 、 本 エ リ ア で の 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト は
Arctos Project の み に な り 、Tahltan Nation に よ る 開 発反 対 活 動 は Arctos Project に 絞
ら れ る こ とに な っ た 。
2013 年 3 月 、BC 州 政 府 と Tahltan Nation は 、Tahltan の 伝統 的 活 動 領 域 にお け る
土 地 及 び 資源 に 関 す る 問 題 に 関 して 両 者 が 協 力 し て 効 果的 で 互 い に 尊 重 す る 永続 的 な 政
府 間 関 係 を育 む こ と を 意 図 した Shared Decision-Making
（ SDM）Agreement を 締 結 し、
両 者 の 話 合い の 場 と し て Government-to-Government（ G2G）Forum を 設置 す る こ と と
した。
5 月 の BC 州 総 選 挙 で 勝 利 し た 自由 党 は 選 挙 公 約 の 中で Klappan エ リ ア を 保 護す る と
し て い た が、BC 州 政 府 か ら 連 邦政 府 に 対 す る 要 請 に 基づ き 5 月 末 に 連 邦 EA プ ロ セ ス
が 州 の EA プ ロ セ スと 一 体 化 さ れた こ と か ら 、Tahltan Nation は 自 由 党 の 選 挙公 約 と は
一 致 せ ず 、Arctos Project の 早 期 開発 に 繋 が り か ね な いと 州 政 府 を 非 難 し た 。こ れ に 対
し 、6 月 、BC 州 環 境 省 は 、州 政 府 とし て 環 境 の 保 全 と 雇用・経 済 発 展 を 両 立 させ る た め
指 針 作 り のた め 、First Nations 代 表 、鉱 業 界 及 び 環 境 グル ー プ を 含 む 円 卓 会 議を 設 置 す
る 意 向 を 示唆 し た が 、 ７ 月 、TCC は Sacred Headwaters エ リ ア を 開 発 か ら 守る こ と を
全 会 一 致 で決 議 し た 。
7 月 初旬 、Arctos JV は EA プロ セ ス の 一 環 と し て 鉄道 線 延 長 計 画 に 係 る 環境 ベ ー ス
ラ イ ン 追 加調 査 を 開 始 し た が 、8 月 中旬 、Tahltan 長 老 グ ル ー プ は FM 社 が 調 査 の ため
設 置 し た Arctos 現 地 キ ャ ン プ に 24 時 間 以内 の 立 ち 退 き通 知 を 手 渡 す と 共 に、Arctos 現
地 キ ャ ン プ周 辺 で 抗 議 活 動 を 行 い、 道 路 を 封 鎖 す る 意 向を 表 明 し た 。FM 社 社 長が 急 遽
現 地 キ ャ ンプ へ 出 向 き 、TCC 及 び Tahltan 長 老 グ ル ー プと 話 合 い を 行 っ た も のの 、話 合
い は 物 別 れに 終 わ っ た 。
8 月 28 日付 で 、First Nations Summit は BC 州 首 相 、 先住 民 関 係 大 臣 、 環境 大 臣 及
び エ ネ ル ギー 鉱 山 大 臣 宛 に レ タ ーを 送 付 、TCC 及 び 他 の First Nations と 協 業 す る と の
約 束 を 維 持し 、Klappan エ リ ア を あ ら ゆ る 資 源 開 発 か ら保 護・保 全 す る た め 直ち に 州 保
護 区 に 指 定す る よ う 要 請 し た 。
9 月 、BC 州 政 府と TCC は Klappan エ リ ア の 土 地 及び 資 源 利 用 に 関 す る ビジ ョ ン を
策 定 す る た め 、 3 月 に 締 結 さ れ た SDM Agreement に 基 づ き Klappan Strategic
Initiative（ KSI）を 開 始 す る こ とを 発 表 、そ の 第 1 ステ ッ プ と し て 両 者 の 技 術作 業 グ ル
ー プ を 設 立し 、 Klappan エ リ ア の将 来 計 画 に 関 す る 提 言を 2014 年 3 月 ま で に 策 定す る
計 画 と し た 。 こ の 発 表 直 後 、BC 州 政 府 は Arctos Project を 前 進 さ せ る た め Tahltan
Nation と FM 社 の 対 話 を 促 進 す るた め の 仲 裁 人 を 指 名 した こ と を 発 表 し た が、Tahltan
Nation は KSI に 反 す る も の と 抗議 を 行 っ た 。Tahltan と の 話 合 い の た め 現 地を 訪 問 し
た エ ネ ル ギー 鉱 山 大 臣 は 、Tahltan の 人 々 は Klappan エ リ ア が 保全 さ れ る こ とを 願 っ て
い る と の メッ セ ー ジ を 州 政 府 に 持ち 帰 る と 述 べ 、 仲 裁 人指 名 の 件 は 間 違 っ て 早く 発 表 さ
れ て し ま った と し て 詫 び た 。
9 月 下 旬、 州 政 府 と Tahltan Nation が KSI に 基 づき 円 滑 な 話 合 い を 行 え るよ う に す
る た め 、FM 社 は 2013 年 夏 の 現 地作 業 を 自 発 的 に 終 了 する こ と と し た 。
12 月 、州政 府 は Tahltan Nation と 協 調 し て 話 合 い を 続け る 中 、Klappan エ リ ア を 含
む 約 2,550km 2 に お い て 新 規 の 探査 権 付 与 を 1 年 間 凍結 す る こ と を 決 定 し た 。な お 、 本
決 定 は Arctos Project を 含 め 既 存の 探 査 権 に は 影 響 を 与え る も の で は な か っ た。
2014 年
2014 年 3 月 、FM 社 社 員 が Arctos Project の 宣 伝 活 動の た め Tahltan の 家 々 を 訪 問
し た こ と から 、3 月 末 Tahltan Band 評 議 会 及 び Iskut Band 評 議 会 は 評 議 会 の事 前 了 解
を 得 な い 限 り FM 社 の Tahltan 居 留 地 への 立 入 り を 禁 止す る 決 議 を 行 っ た 。
6 月 、BC 州 の 先 住 民 Tsilhqot’in Nation の Aboriginal title
17 を 認 め る カ ナダ 最 高 裁
判 決 が 下 され た こ と を 踏 ま え、TCC は Arctos Project に関 連 し て BC 州 政 府 及 び FM 社
に 対 して Klappan エ リ ア に お ける Aboriginal title 及 び aboriginal rights
18 を 主張 す る
裁 判 を 起 こす 意 向 を 表 明 し た 。
BC 州 政 府 と Tahltan Nation 間 で の KSI に 関 す る 話 合い の 中 で 、 Tahltan Nation か
ら 新 規 探 査権 の 付 与 を 1 年間 凍 結 す る だ け で は 不 十 分 との 主 張 を 受 け 、9 月 、BC 州 政
府 は Klappan エ リ アに お け る 探 査権 に 係 る 許 可 証 に 関 する 決 定 を 同 年 12 月 1 日 ま で 延
期 す る 臨 時令 を 出 し た 。11 月 下 旬 、BC 州 政 府 は Klappan エ リ ア に お け る 許 可証 に 関 す
る 決 定 を 2015 年 3 月 末 ま で 延 期 、ま た 同 エ リ ア で の 新規 探 査 権 の 付 与 を 2015 年 12 月
1 日ま で 延 期 す る 臨 時 令 を 出 し た。
12 月 、 州政 府 と Tahltan Nation 間 の KSI 技 術 作 業 グ ル ー プ が 作 成 し た Technical
Report が 公 表 さ れ 、2015 年 3 月 、外部 コ メ ン ト に 基 づ き修 正 を 加 え た Technical Report
最 終 版 が 公表 さ れ た 。
（ ５ ）FM 社 /POSCO の Arctos Project 石 炭 探 査 権 の 売却
2015 年 5 月 、Arctos JV（FM 社 80％ 、POSCO20％ ）は BC 州 政 府 及 び BC Rail（BC
州 政 府 保 有） と の 間 で 、Arctos Project 石 炭 探 査 権 （61 Coal Licences） を BC Rail に
C$18,308,000 で 売 却 す る こ と で 合意 し 、事 実 上 、両 者 は Arctos Project か ら 撤 退 する こ
と に な っ た 。FM 社 と POSCO は 2025 年 5 月 ま で の 10 年 間 、州 政府 と Tahltan Nations
が Klappan エ リ ア の 将 来 ビ ジ ョ ン を 策 定 し た 後 で あ れ ば 、 売 却 額 と 同 額 で Arctos
Project 石炭 探 査 権 を 買 戻 し で き る権 利 を 有 し て い る 。ま た 、FM 社 或 い は POSCO の ど
ち ら か 一 方が 買 戻 し を 望 ま な い 場合 、 単 独 で の 買 戻 し も可 能 に な っ て い る 。
Arctos JV は 石 炭 探 査 権 売 却 と平 行 し て 前 鉱 区 権 者 Conoco Canada に 対 し て 支 払 義
務 の あ る production royalty（C$1/t-販 売 ）を C$308,000 で 購入 す る こ と と し 、2015 年
5 月以 降 も Arctos JV は 継 続 す るこ と か ら JV 契 約 を 改 訂 、Arctos JV 権 益 比 率 を FM 社
17
Aboriginal title と は 、 先 住 民 族 共 同 体 が 独 占 的 使 用 又 は 占 有 す る 土 地 に 対 す る 権 利 に 限 定 さ れ
ず 、 狩 猟 や 漁 獲 等 を 行 っ て い た 伝 統 的 活 動 領 域 に 対 す る 権 利 も 含 む 。 本 判 決 （ Tsilhqot’in Nation vs
British Columbia 2014 SCC44） に 関 し て は 、 平 成 26 年 10 月 2 日 付 カ レ ン ト ・ ト ピ ッ ク ス 「 カ ナ
ダ に お け る 先 住 権 原 に 関 す る 歴 史 的 判 決 と そ の 影 響 」 及 び 平 成 28 年 9 月 21 日 付 カ レ ン ト ・ ト ピ ッ
ク ス 「 カ ナ ダ BC 州 に お け る 石 炭 探 査 と First Nations」 を 参 照 い た だ き た い 。
18 aboriginal rights と は 、 先 住 民 族 が 或 る 地 域 の 土 地 を 先 祖 代 々 長 期 に 亘 り 使 用 、 占 有 し た 結 果 と
し て 保 有 す る 権 利 で 、 狩 猟 や 漁 獲 等 を 行 う 権 利 は そ の 一 例 。 aboriginal rights は 、 生 活 習 慣 、 社 会
的慣習及び伝統により共同体毎に異なる。
50％ 、 POSCO50％ と す る こ と で 石 炭 探 査 権 売 却 に よ る 受 取 額 を 両 者 折 半 、 オ ペ レ ー タ
ー は FM 社 が 続 け るこ と と し た 。ま た 、 こ の JV 契 約 改 訂 に よ り、FM 社 は 自 身 が 負 っ
て い た C$80M の 先 行 資 金 負 担 義務（ 但 し 、同 額 を 開 発後 に 優 先 的 に 受 取 る 取決 め ）、ま
た C$80M の 資 金 調 達 が で き な い場 合 の POSCO へ の C$16M 支 払 義 務 か ら も解 放 さ れ
た 。 な お 、2025 年 5 月 ま で に 石炭 探 査 権 買 戻 し オ プ ショ ン が 行 使 さ れ た 場 合、Conoco
Canada に 対 す る production royalty（C$1/t-販 売 ） 支 払義 務 は 復 活 す る 。
修 復 義 務 に 関 し て は 、1986 年 の バ ク ル サ ン プ リ ン グ の た め に 造 成 さ れ た 採 掘 エ リ ア
ま で の 道 路に つ い て 、修 復 が 必 要に な る 場 合 は 州 政 府 が責 任 を 負 い 、こ れ 以 外 の Arctos
Project エリ ア で 実 施 し た 現 地 作 業に 係 る 修 復 に 関 し て は FM 社 の 責 任 と し 、Arctos JV
が 信 託 拠 出し て い た 修 復 保 証 金 は FM 社 が 受 取 る 権 利 を有 す る こ と と し た 。
TCC は BC 州 政 府 が Arctos Project 石 炭探 査 権 を 買 収す る と の 報 道 を 歓 迎 する 発 表 を
行 い 、 こ れに よ り Klappan エ リア で の 開 発 活 動 が 中 止 さ れ Sacred Headwaters が保 全
さ れ る こ とに な る と し 、 こ れ ま で長 年 に 亘 り 自 分 た ち の土 地 を 守 る た め に 立 ち上 が っ た
Tahltan Nation の 人 々 に 感 謝 し 、BC 州 政 府 と の 政 府 間関 係 に 基 づ く 話 合 い によ り 、 子
孫 の た め に Klappan エ リ ア が 適 切に 保 全・管 理 さ れ る よう な 長 期 計 画 の 策 定 に努 め る 意
向 を 表 明 した 。
３ ． Klappan Strategic Initiative（ KSI） に つ い て
上 述 し たよ う に 、2013 年 9 月、BC 州 政 府 と TCC は SDM Agreement に 基 づ き Klappan
エ リ ア の 土 地 及 び 資 源 利 用 に 関 す る ビ ジ ョ ン を 策 定 す る た め の Klappan Strategic
Initiative （ KSI ） を 開 始 、 そ の 第 1 ス テ ッ プ と し て 両 者 の 技 術 作 業 グ ル ー プ に よ る
Technical Report を 2014 年 1 月 まで に 作 成 、 Klappan エ リ ア の 将来 計 画 に 関 する 提 言
を 2014 年 3 月 ま で に 策 定 す る 計画 と し た 。
Technical Report に つ い て は 2015 年 3 月 に 最 終 版 が公 表 さ れ た が 、 こ の 中に は そ の
後 に 策 定 さ れ る 予 定 の Klappan エ リ ア の 長 期 的 な 土 地 利 用 方 針 に 関 す る 提 言 は 含 ま れ
ていない。
（ １ ）KSI Technical Report の 内 容
KSI Technical Report 対 象 エ リ ア は 、 Spatsizi Plateau Wilderness Provincial Park
の 南 西 に 隣接 す る Mount Klappan を 中 心 と す る 面 積 7,489km 2 の エ リ ア （ 図３ 参 照 ）
で 、Tahltan Nation が 伝 統 的 活 動領 域 と す る エ リ ア の 南端 中 央 部 に 位 置 し、Tahltan の
活 動 領 域 全体 の 8％ 弱 の 面 積 に 相当 す る 。
本 Technical Report で は 、 Klappan エ リ ア が 持 つ 多様 な 価 値 に つ い て 、 州政 府 及 び
Tahltan の 立 場 の観 点 か ら 記 載 がな さ れ て い る 。
- 文 化 的 価 値 （Tahltan の 教え と 活 動 場 所 、 考 古 学 的 価値 ）
- 経 済 的 価 値 （Tahltan の 物質 経 済 、 石 炭 ・ 鉱 物 の 探 査・ 採 掘 、 漁 業 、 狩 猟 案内 、
樹 木 、 観 光 、 罠に よ る 捕 獲 ）
- 環 境 面 の 価 値 （河 川 、 気 候 変動 、 魚 類 、 陸 地 の 価 値）
- 野生生物の価値（シロイワヤギ、カリブー、グリズリー・ベア、ストーン・シー
プ 、 マ ー モッ ト ）
経 済 的 価 値 の 中 で は 、 無 煙 炭 の 石 炭 プ ロ ジ ェ ク ト と し て FM 社 /POSCO が 保 有 す る
Arctos Project 及 び Atrum Coal の Groundhog Project の 状 況（ 当 時 ） が 記 載 され て い
る 。ま た 、Shell CBM プ ロ ジ ェ ク トに つ い て も 言 及 し 、2012 年 10 月 、州 政 府 は Klappan
エ リ ア で は石 油 ・ ガ ス 鉱 区 を 付 与し な い こ と に し た 旨 が記 さ れ て い る 。
価 値 以 外 の項 目 に は 、 地 域 イ ン フラ （ Highway 37、Ealue Lake 道 路 、Northwest 送
電 線 、 通 信イ ン フ ラ ） と 過 去 に 検討 さ れ た 鉄 道 敷 設 計 画等 が 含 ま れ て い る 。
な お 、 本 Technical Report は Klappan エ リ ア で の 土 地利 用 に 関 し て 提 言 す るも の で は
な く 、 こ のエ リ ア の 価 値 を 両 者 の観 点 か ら 取 り 纏 め た もの と の 位 置 付 け で あ る。
（ 出 所 ）Klappan Strategic Initiative Technical Report（ March 6, 2015）よ り 抜 粋（ 一 部 修 正 追 加 ）
図３
KSI Technical Report Area
（ ２ ）KSI に 関 する 状 況
KSI Technical Report 最 終 版 を 公表 後 も BC 州 政 府 と Tahltan Nation 間 の KSI に 関
す る 会 合 は不 定 期 に 開 催 さ れ て はい る も の の 、現 時点 で は 、Klappan エ リ ア の 将 来 的 ビ
ジ ョ ン 或 い は 土 地 利 用 方 針 に 関 す る 提 言 は 策 定 さ れ て い な い 。 ま た 、 Arctos JV が
Klappan エ リア か ら 撤 退 し た 2015 年 5 月 以 降 、 KSI に関 す る 動 向 に つ い て 州政 府 或 い
は TCG に よ る 対外 的 発 表 は 行 われ て い な い 。 現 在 の 状況 か ら す る と 、 Klappan エ リ ア
における新たな開発はほぼ半永久的に提案されることはないと想定されることから、
Technical Report 作 成 を 終 え た こと に よ り 、KSI に 係 る 技 術 作業 グ ル ー プ に よる 作 業 は
実 質 的 に 終了 し た も の と 考 え ら れる 。
な お 、Klappan エ リ ア の 将 来 ビ ジョ ン 或 い は 長 期 的 な 土地 利 用 方 針 に 関 す る 提言 が い
つ 頃 策 定 され る の か 明 確 で は な いが 、 州 政 府 と Tahltan Nation は G2G Forum の 議 題
に KSI も 含 め 、 KSI Technical Report に 挙 げ ら れ て い る Klappan エ リ ア が 持つ 種 々 の
価 値 を 考 慮し な が ら 将 来 ビ ジ ョ ンに 関 す る 協 議 も 行 わ れて い る も の と 推 察 さ れる 。
４ ．Tahltan Nation の 伝 統 的 活 動領 域 に お け る 資 源 開 発
Tahltan Nation の 資 源 開 発 に 対す る 基 本 的 な 考 え 方 は、 上 述 し た よ う に 「1987 年 資
源 開 発 方 針声 明 」 と し て 纏 め ら れて お り 、 そ の 伝 統 的 活動 領 域 内 に お け る 如 何な る 開 発
に 対 し て も生 得 的 に は 反 対 し な いこ と を 明 ら か に し て いる 。
Tahltan の 伝 統 的活 動 領 域 に おい て 、TCG（TCC）、Tahltan Band 評 議 会 及 び Iskut
Band 評 議 会 が 開 発 を 認 め た 鉱 山 ・ プ ロ ジ ェ ク ト を 表 ３ に 示 す 。 ま た 、 同 領 域 内 で は 、
15～20 の新 規 鉱 山 開 発 プ ロ ジ ェ クト が 検 討 さ れ て い る との こ と で あ る 。
表３
Tahltan Nation の 伝 統 的 活動 領 域 に お け る 既 存 鉱山 ・ プ ロ ジ ェ ク ト
鉱山・プロジェクト
操業会社
鉱種
操業期間
Golden Bear Mine
Goldcorp Inc.
金
1989 - 94、1997-2001（閉山）
Johnny Mountain Mine
Skyline Gold Corporation
金
1988 - 90（閉山）
Snip Mine
Homestake Canada Inc.
金
1991 - 99（閉山）
Eskay Creek Mine
Barrick Gold Corporation
金、銀
Northwest T ransmission Line
BC Hydro
Forrest Kerr Hydroelectric
McLymont Creek Hydroelectric
2014年7月： 運用開始
（水力発電） 2014 - （操業中：～ 2074）
AltaGas Ltd
Volcano Creek Hydroelectric
Red Chris Mine
（送電線）
1995 - 2008（閉山）
（水力発電） 2015 - （操業中：～ 2075）
（水力発電） 2015 - （操業中：～ 2074）
Imperial Metals Corporation
銅、金、銀
2015 - （操業中：～ 2043）
（出所）公開資料に基づき作成
５ ． お わ りに
Arctos Project は 、 探 査 及 び FS が ほ ぼ 終 了 し EA プロ セ ス に お け る 必 要 な作 業 が 進
め ら れ て おり 、開 発 移 行 が 間 近 のプ ロ ジ ェ ク ト で あ っ た 。Sacred Headwaters と 呼 ば れ
る Klappan エリ ア で の 探 査 ・ 開 発活 動 に 対 し 、Tahltan Nation が 中 心 と な り 継続 的 な
反 対 運 動 を行 っ た 結 果 、Arctos JV が 石 炭 鉱 区 を 州 政 府に 譲 渡 し Klappan エ リ ア か ら撤
退 し た こ とで 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト は事 実 上 開 発 凍 結 さ れ てい る 。
今 回 、Arctos Project の 開 発 凍 結に 至 る 経 緯 を 調 べ た のは 、JOGMEC が 2016 年 8 月
に BC 州 で 石 炭 JV を 結 成 し た Panorama North Project が Tahltan Nation の 主 張 す る
伝 統 的 活 動 領 域 内 に 位 置 し て い る こ と を 認 識 し た こ と が 発 端 で あ る 。 JOGMEC が 探 査
費 用 を 負 担す る こ と で 獲 得 す る Panorama North 権益 に つ い て 、近 い 将 来 日 本 企業 へ の
譲 渡 を 目 的と し て 行 う 入 札 の 際 には 、Tahltan Nation を 主 と す る反 対 運 動 に より 開 発 が
頓 挫 し た Arctos Project と 同 様 な こと が 起 き な い か と の懸 念 が 必 ず 挙 げ ら れ るも の と 考
え ら れ、Tahltan Nation の 資 源 開 発 に 対 す る 考 え 方 を 早目 に 確 認 し て お き た いと 考 え た
こ と が 大 きな 理 由 で あ る 。Arctos Project の 凍 結 に 至 る経 緯 を 調 べ る 過 程 で 判明 し た こ
と は 、Tahltan Nation は 生 得 的 には 資 源 開 発 に 反 対 で はな く 、実 際 に 、幾 つ も の 資 源開
発 プ ロ ジ ェク ト が Tahltan Nation に 承 認 さ れ 、操 業 し て き てい る こ と で あ る 。ま た 、カ
ナ ダ 、 特 に BC 州 で 資 源 開 発 プ ロジ ェ ク ト を 立 ち 上 げ るに は First Nations 対策 が 重 要
な 鍵 を 握 って い る こ と も 認 識 す るこ と が で き た 。 資 源 開発 プ ロ ジ ェ ク ト の 提 案者 は 、 当
該 プ ロ ジ ェク ト の 対 象 エ リ ア を 伝統 的 活 動 領 域 、 即 ち “自 国 ” と す る First Nations が
居 住 し て い る こ と に 留 意 し 、 BC 州 政 府 と も 連 携 し つ つ 、 First Nations に 対 す る
engagement 活 動 を 通 し て 良 好 な互 恵 関 係 の 構 築 に 努 める こ と が プ ロ ジ ェ ク トを 推 進 す
る 上 で の 最重 要 ポ イ ン ト の 一 つ であ る こ と を 十 分 に 認 識す る 必 要 が あ る 。
な お 、 本 カレ ン ト ・ ト ピ ッ ク ス の内 容 は 、 今 後 BC 州の 他 の 地 域 で 資 源 開 発 を検 討 さ
れ る 日 本 企業 に と っ て も 、 そ の 地域 の First Nations 対 策 を 考 え る 上 で 参 考 にな る も の
と 思 料 す る。
Panorama North Project エリ ア を 伝 統 的 活 動 領 域 と主 張 し て い る 、 或 い は主 張 す る
可 能 性 の あ る First Nations は 、Tahltan Nation 及 び 1999 年 5 月 に 連 邦 政 府 /BC 州政
府 と 近 代 的条 約 を 締 結 し た Nisga’s Nation を 含 め 複 数 ある が 、現 状 、Nisga’s Nation を
除 い て 何 れ の First Nation も BC 条 約 委 員 会 の 下 で の 連邦 政 府 及 び BC 州 政 府 と の間 の
近 代 的 条 約を 締 結 し て い な い。特 に 、Tahltan Nation は BC 条 約 委 員 会 下 の 条 約締 結 プ
ロ セ ス 自 体に 参 加 し て お ら ず 、 同プ ロ セ ス と は 別 に 独 自に 連 邦 政 府 /BC 州 政 府 と近 代 的
条 約 の 締 結交 渉 を 目 指 す 意 向 の よう で あ る 。
1910 年 に Tahltan Nation が 発 表 し た“ 1910 年 Tahltan 部族 宣 言（1910 Declaration
of the Tahltan Tribe）” で は 、Tahltan Nation が “ 自 国 ” と 呼 ぶ 伝 統 的 活 動 領域 に 対 す
る 主 権 と 所有 権 を 主 張 し 、 早 期 に連 邦 政 府 及 び BC 州 政 府と の 間 で 条 約 締 結 する こ と に
よ り 、 土 地、 狩 猟 、 漁 業 及 び あ らゆ る 福 祉 関 連 事 項 等 に関 し て 結 着 を 付 け た いと の 考 え
が 述 べ ら れて い る 。
ま た 、Tahltan Nation の 伝 統 的 活動 領 域 内 に お け る 資 源開 発 方 針 に つ い て は、“1987
年 資 源 開 発方 針 声 明 ” に 明 示 さ れて お り 、 基 本 的 に 資 源開 発 に は 反 対 で は な いこ と が 強
調 さ れ て いる 。但 し 、資 源 開 発 を認 め る 場 合 は 、上 述 し た よ う に 8 項 目 か ら なる 基 本 原
則 が あ り 、そ の 最 初 の 項 目 に 、 修復 不 能 な 環 境 破 壊 の 脅威 を も た ら さ な い 保 証が 挙 げ ら
れ て い る。Tahltan Nation が サ ケ 漁 を 行う 主 要 河 川 の 水源 域 か つ 自 分 た ち の 歴史・文 化
が 始 ま っ た場 所 と し て 神 聖 視 し てい る Klappan エ リ ア に 位 置 す る Arctos Project の 探
査 ・ 開 発 活 動 は こ の 最 初 の 項 目 に 真 っ 向 か ら 抵 触 す る も の で あ り 、 当 初 は Tahltan
Nation 内 で 意 見 対 立 は 見 ら れ た もの の 、2006 年 夏 以 降 は聖 な る Klappan エ リア の 開 発
は 認 め ら れな い と の 立 場 に 統 一 され て い る 。 FM 社 は Tahltan Nation を 主 とす る First
Nations に 対 し て engagement
19 活 動 を決 し て 疎 か に し てい な か っ た も の と 考 えら れ る
が 、 結 論 的 に 言 え ば 、 Arctos Project の 石 炭 鉱 床 が 形 成 さ れ た 場 所 は 、 後 に Tahltan
Nation か ら 神 聖 視 さ れ る エ リ ア と な り 、 結 果 と し て 開 発 に は 適 さ な い 処に な っ た も の
で 、Arctos Project は 不 運 な プ ロジ ェ ク ト と し か 言 い よう が な い 。
Panorama North JV は 、2016 年 10 月 に Panorama North 地 域 に て オ ー ルコ ア 試 錐
4 孔 の 掘 削を 含 む 現 地 調 査 を 実 施し た 。 オ ペ レ ー タ ーの Atrum Coal 社 は 、現 地 調 査 に
19
プ ロ ジ ェ ク ト 提 案 者 が 、 影 響 を 受 け る 可 能 性 の あ る First Nations と の 互 恵 関 係 を 構 築 す る こ と
を目標に、対象エリアに係る優先事項や懸念事項を理解し必要な対策を取るべく、プロジェクト情
報 を 共 有 す る た め に 当 該 First Nations と 長 期 に 亘 り 会 合 を 持 つ プ ロ セ ス の こ と 。
着 手 す る 前に 、 関 係 す る 全 て の First Nations に対 す る engagement 活 動 の 一 環 と して
2016 年 度 探 査 計 画 を 説 明 、 探 査 計 画 に 異 議 の な い こ と を 確 認 し 、 必 要 に 応 じ て
exploration agreement を 締 結 し た。 次 年 度 以 降 の 探 査活 動 に 関 し て も 、First Nations
に 対 し て 今年 度 と 同 様 の 手 続 き を踏 み 、了 承 を 得 て か ら 現地 作 業 を 実 施 す る こ とに な る 。
今 後 の 探 査 を 通 し て Panorama North 地 域 で 経 済 的 に 開 発 可 能 な 石 炭 鉱 床 の 賦 存 が 確
認 で き 、 当 該 First Nations の 了 承 の 下 に 、 開 発 に 向 け た EA プ ロ セ ス を 含 めた 各 種 ス
タ デ ィ ・ 調査 を 含 め 開 発 に 係 る 活動 が 全 て 順 調 に 進 め ば、 炭 鉱 の 開 発 及 び 操 業に 関 し て
共 存 共 栄 関係 を 明 記 し た 協 定 書 Impact and Benefit Agreement を 各 First Nation と 締
結 し 開 発 移行 す る こ と に な る 。関 係 す る First Nations、BC 州 政 府 及 び 開 発 当 事者 の 全
て が 満 足 する 形 で Panorama North が開 発 さ れ 、Panorama North 炭 鉱 で 生 産さ れ る 無
煙 炭 が 日 本へ 安 定 供 給 さ れ る 日 が来 る こ と を 願 っ て い る。
以上
お こ と わ り：本 レ ポ ー ト の 内 容 は 、必 ず し も 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガ ス・金 属 鉱 物 資 源 機 構 と し て
の 見 解 を 示 す も の で は あ り ま せ ん 。正 確 な 情 報 を お 届 け す る よ う 最 大 限 の 努 力 を 行 っ て は お り ま す
が 、本 レ ポ ー ト の 内 容 に 誤 り の あ る 可 能 性 も あ り ま す 。本 レ ポ ー ト に 基 づ き と ら れ た 行 動 の 帰 結 に
つ き 、独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガ ス・金 属 鉱 物 資 源 機 構 及 び レ ポ ー ト 執 筆 者 は 何 ら の 責 め を 負 い か ね
ま す 。な お 、本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 す る 場 合 に は 、独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガ ス・金 属 鉱 物 資 源
機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

脱退は我々にとって新たな機会と捉えている。

トルコ及び中央からの人の 移動とそのEU加盟問題に与

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ネイションとエスニシティ

N obu yo shi N aka za wa

マレーシアにおける馬インフルエンザの発生について

THE NATION 紙掲載記事 ~Group Lease

コーパスを基にした語彙リスト作成と利用 The corpus