政 治 化 さ れ る 人 々 、 地 域 に 関 わ る 意 義 と 可 能 性

政 治 化 さ れ る 人々、
こ の メ ー ル は、
﹁抗議の声をあげる
という試みだと言われています。﹂
者を国家転覆者として掃討する﹂道を、
歴史的に与党の基盤が脆弱な地域であ
年︶は海外投資導入を打ち
ス、
インフラ整備を進めた。その結果、
模プラテーション植林やアグリビジネ
出し、この地域で鉱物資源開発、大規
済成長の効果﹂に乗じて、自国の国益
を﹁経済問題﹂の文脈のみで語り、﹁経
ら、日本政府は相変わらず現地の状況
た可能性を示唆している。しかしなが
日本の援助がモザンビーク政府に開い
∼
る こ と が 指 摘 さ れ る。 ゲ ブ ー ザ 前 政
住民︵多くが小規模農民︶の土地が収
や﹁投資・貿易のための援助﹂を謳い
権︵
奪され、貧富の格差が拡大した。住民
続けている。ナンプーラ州の女性農民
地域に関わる意義と可能性
の抗議行動とそれに対する政府による
リーダーは、そのような日本によるナ
新日鉄住金など︶が石炭開発や鉄道・港湾などインフラ整備に投資している。
﹁官民連携・投資促進﹂の掛け声のもと、日本政府はモザンビーク
2009年以降、
渡辺 直子
北部5州︵テテ州、カーボデルガド州、ザンベジア州、ナンプーラ州、ニアサ州︶
弾圧・人権侵害が続いており、一連の
南ア フリ カ 事 業 担 当
における﹁ナカラ経済回廊開発﹂に積極的に取り組み、日本の複数企業︵三井物産、
選挙結果はこうした事態に対する人
カラ経済回廊開発・プロサバンナ事業
5 州 の う ち 3 州 は プ ロ サ バ ン ナ 事 業 の 対 象 地 だ。 し か し 現 在、 こ の 地 域 は 現 地 の
関係ではない。つまり、政府への反発
を﹁悲しみの開発﹂だと訴えている。
人びとが﹁内戦﹂と呼ぶ状況にある。いったい何が起きているのか。
られている︵注1︶
。そこからは、
﹁普
通の人びと﹂がレナモと疑われること
野党︵レナモ︶支持の土壌に対する
に入ってザンベジア州、ナンプーラ州
年
るにも関わらず、
抗議する人びとを﹁レ
発﹂を行うことで政治基盤を失ってい
いた。政府が、
人びとの犠牲の上に﹁開
でに内戦状態にある﹂と口々に語って
問した際、小農たちが自国の現状を﹁す
昨年の夏に筆者がナンプーラ州を訪
て い る。 農 民 の 声 で 再 認 識 し た の は、
状態﹂を﹁積極的平和﹂として提唱し
抑圧・差別などの﹁構造的暴力のない
い状態を﹁消極的平和﹂と捉え、貧困・
ガルドゥング博士は、戦争・紛争のな
なった。平和研究の第一人者ヨハン・
分の活動のあり方をも問い直す契機と
一連の出来事は、筆者にとって、自
掃討作戦の体をなしている。
にも飛び火した。政府側によるレナモ
ナモ=反政府﹂として弾圧する。その
﹁難民を出さない社会づくりを﹂との
で弾圧され、行き場を失い、難民化し
の 包 括 和 平 合 意 以 降、﹁ 戦 後 復 興 の 優
関 係 者 の 逮 捕 拘 留 や 暗 殺︵ 未 遂 含 む ︶
結果、人びとが政治的組織の間の衝突
年
残念ながら、
そのことを痛感してきた。
こ の﹁ 内 戦 化 ﹂ が あ る。 こ の 4 年 間、
リカでの活動やモザンビークの農民と
思いで始まったJVCのアジア・アフ
政府とレナモ間の武力衝突は、
大野党︶間の武力衝突が
炭鉱からナンプーラ州のナカラ港湾を
出 す る に い た っ た。 そ の 理
る難民が隣国マラウィに流
るテテ州から1万人を超え
に同国最大の炭鉱が存在す
月から翌年4月まで
年の総
こうした武力衝突が生じている地域
ある。日本は最大の投資・支援国だ。
事業の象徴であり、国の外貨収入源で
による援助と投資が一体となった開発
インフラ整備は、ドナー国の官民連携
うために使われているという説があり
業︵への反対活動︶はクーデターを行
﹁モザンビークでは、プロサバンナ事
んなメールが届いた。
ない現地の政府系新聞記者から突然こ
そんな筆者宛に、昨年1月、面識の
担するか否かの岐路に立たされてい
ザンビークのこれ以上の紛争拡大に加
だ。今、日本政府と私たち市民は、モ
防と平和構築﹂でもあったということ
﹁政策提言﹂に留まらず、実は﹁紛争予
取り組んできた活動は、
﹁地域開発﹂や
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由 と し て は、﹁ 政 府 側 の 武
同年
つなぐモザンビーク北部の鉄道・港湾
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年から再燃、 年に激化し、
争を経験したモザンビークでは、
マプト
ている様子が見て取れる。
等生国﹂と言われ、平和・民主主義の
などが相次ぐ一方︵注2︶
、レナモの反
に巻き込まれていき、その延長線上に
年にわたる武力紛
定着が進んできた。しかし、与党フレ
撃は、同地域を通る鉄道の襲撃などの
1977年より
リモ党︵紛争時の政権︶とレナモ党︵元
形で行われている。内陸部・テテ州の
JVCの 地 域 開 発 事 業 が
もつ意 味 と は
びとの不満が反映されている︵注3︶。
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今回の難民流出は、これらのことと無
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反政府ゲリラ勢力で、和平合意後の最
スワジランド
92
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とする難民の声が多く報じ
察など︶の攻撃が原因だ﹂
装 勢 力︵ 軍・ 特 殊 部 隊・ 警
野 党 が 勝 利 / 引 き 分 け た 地 域 で あ り、
選挙および前後の地方レベルの選挙で
に共通する特徴のひとつに、
に、フレリモ政権を引きずり降ろそう
ます。別の政党が政権の座に着くため
る。なんとかこれを喰い止めたい。
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No.324 2017 冬
﹁ 普 通の 人 び と ﹂を
巻 き 込 んでいく 内 戦
ナカラ経済回廊
開発地域
≒
ザンベジア州
テテ州
◎注1…モ国メディア:http://ngo-jvc.info/2iCDmyf 、UNHCRサイト:http://ngo-jvc.info/2iCq2Kh など。
◎注2…HRWサイト:http://ngo-jvc.info/2ixbhoG 、2015年4月28日開催第11回ProSAVANA事業に関する意見交換
会配布資料:http://ngo-jvc.info/2jqp0lq など。 ◎注3…2014年10月29日開催報告会「日本のODA によるモザンビーク
の農業開発事業「プロサバンナ」に関する現地調査報告と提言」配布資料:http://ngo-jvc.info/2isLwL7
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モザンビーク
南アフリカ
ナカラ
経済回廊
プロサバンナ
対象地域
ジンバブウェ
第 1 7回
事業
プロサ バンナ
ナカラ港
難民キャンプ
炭鉱
ザンビア
ニアサ州
カーボデルガド州
ナンプーラ州
タンザニア
マラウィ