企業の設備投資動向調査

(2017 年2月号掲載)
企業の設備投資動向調査
~群馬県内・県外(埼玉・栃木)企業が対象~
一般財団法人群馬経済研究所
主任研究員
岡田
勉
~要約~
1.群馬経済研究所が群馬県内および埼玉県、栃木県の企業を対象に実施したアンケート
調査の結果では、2016 年度に設備投資を実施した企業の割合は、前年度比 4.9 ポイント
増の 71.1%となった。
2.設備投資を実施した企業の割合を業種別にみると、製造業では「電気機械・電子部品」
や「輸送用機械」等が、非製造業では「運輸・物流・倉庫」や「サービス業他」等が、そ
れぞれ高い割合となっている。また、従業員規模別にみると、製造業、非製造業ともに、
規模が大きくなるにしたがって設備投資の実施割合が高い。
3.16 年度の設備投資額は、前年度比 29.2%増の 412 億円となった。業種別にみると、製
造業は同 4.0%増の 164 億円で、「電気機械・電子部品」や「食料品」などが減少したも
のの、
「化学・プラスチック」や「輸送用機械」などが増加した。また、非製造業は同 54.0%
増の 247 億円で、
「小売業」が減少したものの、
「サービス業他」や「医療・介護」などが
増加した。
4.16 年度の設備投資の内容を企業数ベースでみると、
「車輌運搬具の購入・更新」が最も
多く、次いで、
「生産関連機械の購入・更新」、
「工場・店舗等の新設・増改築」などとな
った。製造業では「生産関連機械の購入・更新」、非製造業では「車輌運搬具の購入・更
新」がそれぞれ最多であった。
5.景気の先行きは、米国大統領交代により、貿易政策に変化の可能性があるとみられるこ
とから、当面はやや不透明な状況が残るものと思われる。しかし、こうした状況において
も、企業はチャンスをみて各種の補助金や制度融資等を活用し、今後の人口減少に伴う
人手不足への対応も含めた生産性向上のためのIoT投資等に、積極的・計画的に対応し
ていくことが期待される。
キーワード:設備投資額、設備投資内容、設備投資目的、工場・店舗新増設、生産関連機械