The 81st Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society 第81回日本循環器学会学術集会 ファイアサイドセミナー3 Fireside Seminar 3 日時 2017年3月17日 (金)18:40∼19:40 会場 第9会場 金沢都ホテル B2F セミナーホール 〒920 - 0852 石川県金沢市此花町6 -10 心不全における陽圧呼吸療法の展望 座長 百村 伸一 先生 自治医科大学附属さいたま医療センター センター長 演題1:心不全における これからの呼吸補助療法 ∼CPAP/ASV/HOT∼ 演者 義久 精臣 先生 福島県立医科大学 循環器内科学講座 心臓病先進治療学講座 特任教授 演題2:現状でいかにASVを用いた 心不全治療を行うべきなのか? 演者 高間 典明 先生 群馬大学医学部附属病院 循環器内科 部内講師 整理券情報について ※ファイアサイドセミナーへの参加には、 セミナーチケットをお持ちの方から優先的に入場いただけます。 学術集会ホームページにて、共催セミナー事前予約を行います。 (2/1∼2/15予定) 開催当日も下記受付にてチケットの発行を行いますが、数に限りがございますのでご了承ください。 ■ファイアサイドセミナー整理券情報 配布場所 もてなしドーム B1F 配布時間 セミナー当日 7:00∼18:10 ●チケットはセミナー開始5分後に無効となりますのでご注意ください。 共催:第81回日本循環器学会学術集会/フクダ電子株式会社/ フクダライフテック株式会社/レスメド株式会社 ファイアサイドセミナー3 Fireside Seminar 3 第81回日本循環器学会学術集会 心不全におけるこれからの呼吸補助療法 ∼CPAP/ASV/HOT∼ 福島県立医科大学 循環器内科学講座 心臓病先進治療学講座 特任教授 義久 精臣 慢性心不全患者における陽圧呼吸療法は、心不全に多く合併する睡眠呼吸障害(SDB)や肺うっ血管理を 目的に行われている。適正な陽圧呼吸療法は、肺うっ血改善の他、心臓の前負荷・後負荷軽減、心拍出量増加 などの効果をもたらす。近年、持続気道陽圧(CPAP) や適応補助換気(ASV) を用いた陽圧呼吸療法により、 SDB改善に加え、心・腎機能改善効果、不整脈抑制効果、 さらには予後改善効果も示されつつある。 しかし、 昨年報告されたSERVE-HF研究 (Adaptive Servo-Ventilation for Central Sleep Apnea in Systolic Heart Failure:左室駆出率45%以下、中枢性無呼吸優位の慢性心不全患者を対象にしたASV vs. control 群間のランダム化比較試験)の結果では、予想に反して、ASV使用群における予後が不良であり、診療の現場 では大きな混乱をきたした。一方、本研究には、左室駆出率の保たれた心不全症例、閉塞性優位のSDB症例、 非SDB症例、急性および亜急性心不全症例は含まれておらず、 この結果をすべての心不全症例に一般化す べきではないとされている。また、 わが国の患者背景や先行研究結果との相違点についても多く指摘されてお り、現時点ではあくまで1つの研究成果に過ぎないと考えた冷静な対応も必要であるものと思われる。上記を受 けて、 日本循環器学会、 日本心不全学会より心不全症例におけるASV適正使用に関するステートメント第2報 が最近公表(2016年10月) され、①CPAPの優先的な使用、②SERVE-HF研究該当症例における慎重な ASV導入や経過観察の必要性、③肺うっ血改善目的のASVにおける慢性期の継続可否の判断やSDBを評 価する重要性などについて述べられている。本セミナーではCPAP・ASV・在宅酸素を活用した呼吸補助療法の 実際、有用性、今後の展望について解説する。 現状でいかにASVを用いた 心不全治療を行うべきなのか? 群馬大学医学部附属病院 循環器内科 部内講師 高間 典明 睡眠呼吸障害の治療としてCPAPやASVといった陽圧換気療法が主流となる。一方、心不全をはじめとした 循環器疾患は睡眠呼吸障害と密接に関連していることも周知の事実となっている。この睡眠呼吸障害を治療 することで、心機能の改善や生命予後の改善効果といった効果があることも本邦を中心に報告されるようになっ ており、現在ではベーターブロッカーをはじめとした至適心不全治療の一翼として、ASVなども使用されるように なってきている。 しかしながら、SERVE-HF試験によって中枢性優位の睡眠呼吸障害を有する重度収縮障害の 心不全症例ではASVによる治療が、 むしろ有害であることが報告された。これ以来、本邦においてもASVを用い た心不全治療において、 どのような症例に対して使用すべきなのか、 またどのような症例に対して注意をしたらよ いのかなど、多くの論議がなされるようになったが、 いまだに一定の見解を得るに至っていない。日本循環器学会 からも心不全症例に対するASV適正使用に関するステートメント第2報が昨年10月に発表された。このように 混 沌とした状 況の中でA S V 治 療をどのように適 正に行っていくかは非 常に重 要な問 題である。今 回 、 SERVE-HF試験とステートメントから見て取れる現時点でのASV治療の問題点を提示し、今後どのように対処 していけばいいのかについて報告し、ASVを有効かつ安全に使用する方法について提示したいと考える。 共催:第81回日本循環器学会学術集会/フクダ電子株式会社/ フクダライフテック株式会社/レスメド株式会社
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