(テーマ名)アロマセラピーによる認知症の認知機能

奈良県立医科大学
技術分野/
シーズ
ライフサイエンス
(テーマ名)アロマセラピーによる認知症の認知機能改善
(キーワード)
アロマセラピー、認知症、認知機能改善
(シーズ概要)
アロマセラピーは、エッセンシャルオイルを用いてリラクセーションを得る療法であり、さ
らに 病気の治療や症状の緩和などにも利用される。アロマテラピーにおいては、精油成分が嗅
覚を介して大脳に働きかける作用が非常に重要であると考えられている。嗅覚は、大脳新皮質を経
由しないまま直接大脳辺緑系に達する。大脳辺緑系には、嗅球、嗅索、扁桃体、海馬などを含み、
特に扁桃体と海馬は、情動と記憶に関わり、認知症患者での認知機能低下と精神行動面の異常
の原因となる。アロマセラピーは、精油の香りを嗅ぐことで嗅覚を通じて香りの信号による大脳辺緑
系の機能を調整する可能性がある。
我々は軽度から中等度の Alzheimer 病患者を無作為にエッセンシャルオイル群とコント
ロール群に分け、認知症に伴う認知機能低下、および精神行動面の異常に対するエツセンシ
ヤルオイルの効果を検討する。エッセンシャルオイル 群には集中力およびリラクゼーショ
ン効果のある精油を 4 週間、顔と腕に塗布する.コントロール群はプラセボとしてアロマ効
果をもたない油を同様に塗布する。エッセンシャルオイル群で認知機能低下、および精神行
動面の改善はみられるかについて検討を行う。本研究において、アロマテラピーの効果が確
認することで、この療法の高齢化社会において有用性を示すことができる。
(研究成果の産業への応用可能性)
アロマテラピーは時間的、人材、経済的に低コストで導入が容易で、重篤な副作用を生じ得ないこ
と等も加えて、認知症対策を行うに当たり極めて優れた手法と考えられ、本研究においてその効果
が実証されれば、高齢化社会における認知症対策に寄与できるものであり、香りを介した産業化へ
の応用も考えられる
(論文・特許)
特になし
研究者データ
■氏名:岸本
年史(きしもと
■メッセージ:
導入が容易で、重篤な副作用を生じ
得ない本療法による認知機能改善効
果に期待
としふみ)
■講座:精神医学
■役職:教授
■関連ホームページ:
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