L`Uomo Vogue (ITA) 2017 年 1 月号 Style 三宅一生の HOMME

L’Uomo Vogue (ITA)
2017 年 1 月号
Style
三宅一生の HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE が春画に着目した「HARU」シリーズを発表
ミラノにオープン予定の旗艦店(フラッグシップ)において発売
パリを舞台に真の衣服革命を起こした三宅一生は、技術を駆使した斬新なテキスタイル開発や画
期的な衣服コンセプト(その代表例が A-POC)で知られるデザイナーであるが、彼はまだ 90 年代
のうちに自身のメインコレクションふたつのディレクションを後進にバトンタッチし、自らは研究開発
に専念する道を選んだ。そしてその彼の研究は、デザインについて考え研究するためのスペース
21_21 Design Sight の設立(場所は東京で、建築は安藤忠雄のデザイン)から、照明器具コレク
ション IN-EI ISSEY MIYAKE の創造(Artemide との共同開発)にまで及んでいる。このように
創造力豊かな著名デザイナー三宅が2016 年にとりわけ力を注いだプロジェクトを挙げると、活動
開始当初から現在までの全仕事を紹介する大規模展覧会「MIYAKE ISSEY 展:三宅一生の仕
事」に加え、2014 年に日本で先行導入され、2015 年秋冬から世界展開を開始した HOMME
PLISSÉ
ISSEY
MIYAKE
コレクションも忘れてはならない。羽のように軽く、アイロン不要の
HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE は、今や三宅ブランドの象徴である PLEATS PLEASE
ISSEY MIYAKE のメンズウェアバージョンに相当するが、同時にさらに進化した技術も用いられ
ている。詳述すると、PLEATS PLEASE では裁断縫製後の服にプリーツ加工を施す「製品プリー
ツ」と呼ばれる手法が用いられているが、今や HOMME PLISSÉ ではこの手法による服づくりに
並行して、プリーツ加工後にさらに縫製することでより多様かつ立体的な構造を追求し、機能性を
さらに高めた、現代生活をより快適する服づくりも実現を見ている。今春にはイタリア初の ISSEY
MIYAKE の旗艦店がミラノのバグッタ通り(via Bagutta)にオープンし、HOMME PLISSÉ ISSEY
MIYAKE 2017 年春夏コレクションの「HARU」シリーズも店頭に並ぶ予定だ。北斎、歌麿、鳥居清
長の有名な春画作品をモチーフに取り上げたこのシリーズは、2013
年に大英博物館、そしてそ
の二年後に日本でも巡回した展覧会「Shunga: sex and pleasure in Japanese Art」とあいまっ
て、大きな話題をさらうであろう。(写真は Charles Negre)
文: Fabia Di Drusco