2017/ マーケット・フォーカス 1/30 投資情報部 シニアエコノミスト 折原 豊水 為替:ロシアルーブル ルーブルは原油価格や経済制裁を巡る期待で堅調 ロシアルーブルは原油価格の上昇や米ロ関係の改善期待により、堅調 原油価格は目先、産油国の減産合意の履行に留意が必要も中期的な需給改善期待が下支え トランプ大統領は米ロ関係の改善に意欲を示すものの、共和党やEUの説得がカギ。大統領選 を控えてプーチン大統領のしたたかな外交姿勢が続く。制裁解除となれば成長率を押し上げも ルーブルの需給は海外投資家による国債保有の増加や中銀のFXポジション縮小で改善方向 中期的には、実質実効レートや購買力平価でみてルーブルには上値余地、ロシア危機時と比べ てファンダメンタルズは改善し、通貨安定に寄与している ルーブルは原油価格 の上昇や米ロ関係改 善期待により堅調 ロシアルーブルは2016年11月末の1ドル=64ルーブル台から、17年1月初めには 59ルーブル台と、15年7月以来のルーブル高となった。背景には、①石油輸出国機 構(OPEC)とロシア等の非OPEC主要産油国が16年12月に減産合意に至ったこと で原油需給の改善期待により原油価格が上昇、原油依存度の高いロシア経済の改 善につながるとの期待が高まった、②トランプ米大統領が大統領選挙前後に、プー チン大統領やロシアに対して条件付きながら宥和(ゆうわ)的な発言を行ったこと で、冷え切った米ロ関係の改善が進み、海外からの資金調達や直接投資の回復が ロシア経済の下支えにつながるとの期待が生じている、等が挙げられる。 米ドル・ロシアルーブルと原油価格 (1ドル=ルーブル) (日次:2014/7/1~2017/1/26) 30.0 原油価格と需給ギャップ (1バレル=ドル) 120 ドルルーブル(左逆目盛) 40.0 北海ブレント価格(右目盛) 50.0 100 80 ↑ルーブル高 ↑原油価格上昇 60.0 60 (1バレル=ドル) 140 120 (四半期:2004/3~2018/12) 需給ギャップ(右目盛) (日量=100万バレル) ブレント原油価格(左目盛) ↑原油価格上昇 ↑需要超過 EIA予測 3 2 100 1 80 0 60 ▲1 70.0 40 40 ▲2 80.0 20 20 ▲3 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 90.0 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 0 17/1 (年/月) (注)米国エネルギー情報局(EIA)の短期エネルギー見通し(17年1月)、 需給ギャップは原油等の液体燃料の在庫増減 出所:EIA資料よりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 (年) 2017/1/30 マーケット・フォーカス 原油価格は目先、減 産合意の 履行に 留 意も、中期的な需給 改善期待が下支え 今後のルーブル相場をみるうえで、まず、原油価格については、米エネルギー情 報局(EIA)の2017年1月の見通しによると、17年は産油国の減産合意により原油供 給の伸びが鈍化する一方、原油需要が米国やアジアを中心に増加することで、原 油需給は15年10-12月期の約255万バレルの供給超過から、16年10-12月期は約 204万バレル、17年10-12月期は80万バレル、18年10-12月に37万バレルと供給超 過が縮小する見込み。短期的には2月に発表される1月のOPECの原油生産量にお いて、加盟国全体で日量3,250万バレルとした減産合意が守られたのかどうか、5月 のOPEC総会において、17年下期も減産合意が延長されるのかが注目される。た だ、減産に応じるとしたロシアの生産量は、EIAの想定では16年10-12月期の約 1,145万バレルから17年10-12月期は1,133万バレルと小幅減少にとどまっている。 各国の減産合意が守られないと一時的に原油価格が下落する可能性もあろう。 もっとも、中期的には原油をはじめとした資源関連の採掘投資の減少と中国や ASEAN、インドといったアジアにおけるエネルギー需要の増加が続くことで、原油の 供給過剰状態は徐々に解消に向かうとみられる。具体的には、中間所得層の増加 による自動車販売の増加や自動車普及率の低さ、クリーンエネルギーとしての天然 ガス需要の増加、等がけん引しよう。一方、主要産油国となった米国では、原油価 格が60ドル近くになると、シェールオイルの生産が再び増加するとみられているが、 当面、原油価格の天井を決める要因とはいえ、原油価格を大きく下押しする要因と はならないとみている。みずほ証券投資情報部では原油価格は2017年末にかけて 1バレル=45~55ドル程度を中心に推移しつつも、60ドルに近づく場面もあるとみて いる。 ロシアの実質GDP成長率と原油価格 (月次:2008/1~2017/12) (前年比:%) 実質GDP成長率(左目盛) 12 8 (前年比:%) ロシア通貨危機(98年8月) (前年比:%) 15 ブレント原油価格(右目盛) 120 EIA 予測 40 0 0 ▲4 ▲ 40 ▲8 ▲ 80 リーマンショック(08年9月) 今回 10 80 4 ロシアの景気後退局面における経済成長率 5 0 ▲5 ▲ 10 ▲ 120 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (年) (注)月次GDPは2016年12月まで、原油価格の17年1月~17年12月データは 米エネルギー情報局(EIA)予測(17年1月)で3ヵ月移動平均 出所:CEICデータよりみずほ証券作成 ▲ 12 ▲ 15 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 (注)期間はロシア通貨危機が97年3Q~00年4Q、リーマンショックが 08年2Q~11年3Q、今回が14年3Q~16年3Q 出所:CEICデータよりみずほ証券作成 (四半期) 原油価格が安定することでロシアの2017年の経済成長率は3年ぶりの水準となる 前年比+1%程度まで回復していくとみている。原油価格が60ドル近辺で高止まりす れば、ルーブルの安定によりインフレ圧力が低下し、利下げによる景気下支えにつ ながり、経済成長率は上方修正の余地が大きいとみている。なお、98年のロシア通 貨危機や08年のリーマンショック時に比べて景気悪化の度合いが和らいでいるの この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2017/1/30 マーケット・フォーカス は、変動為替相場制の採用による外的ショックの吸収や、金融システムの健全性向 上に向けた取り組み、対外純資産国に転じたこと、等があったとみられる。 米ロ関係の改善目指 すトランプ大統領 米国の対ロ外交については、米国務長官に石油メジャーCEO出身のティラーソ ン氏が指名された。同氏はロシア国営石油大手と合弁を組んで、ロシアにおける石 油開発を行う権利を獲得しており、ロシア通として知られている。トランプ政権の閣 僚人事では金融機関や企業幹部からの起用が過去の政権に比べて多くなってお り、ビジネス重視の姿勢が目立つが、こうしたロシア寄りの人選や発言の背景には不 透明な部分も多い。とはいえ、ロシアの原油生産の損益分岐点は1バレル=10ドル台 後半と中東産油国を上回るものの、米国のシェールオイルや一部の深海油田を下 回る等、採算性が高く、輸出先としては欧州向けに加えて、中国等アジア向けが中 期的に有望とみられる。トランプ大統領は、大統領就任前の1月中旬にロシアが米 国とともに核軍縮に取り組めば、経済制裁を解除する可能性を示唆している。 原油生産の損益分岐点 (1バレル=ドル) 60 ロシアの地域別対内直接投資 (10億ドル) EIAの17年原油価格想定(WTIとブレント平均) (年次:2007~2016) 80 50 70 40 14年欧米に よるロシア経 済制裁 60 UAE サウジ 20 イラク 0 イラン 30 ロシア 10 ベネズエラ 40 米国 20 カナダ 50 ブラジル 30 アジア カリブ 北米 10 欧州 0 世界 ▲ 10 07 (注)損益分岐点はIMFのロシアに関する4条レポート(No.16/229、2016年7月)、 原油想定は米エネルギー情報局(EIA)の短期エネルギー見通し(17年1月) 出所:IMF、EIA資料よりみずほ証券作成 ミンスク合意の履行 等、課題多い。米共 和党幹部やEUの説 得がカギ 未分類 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)2016年は1-6月時点、アフリカ、オセアニア、南米等除く 出所:ロシア中銀資料よりみずほ証券作成 16 (年) もっとも、対ロ経済制裁の解除が実施されるかは依然として不透明である。米議 会では、もともとロシアに批判的な共和党幹部が多いほか、大統領選挙中にロシア によってサイバー攻撃が行われたとの疑惑によって、オバマ前政権は2016年末に はロシアに対する制裁を強めた。新政権発足後も、外交政策については大統領の 権限が強いとはいえ、議会の意向やティラーソン氏を含む閣僚候補者からロシアに 対して厳しいスタンスが示されていることをふまえると、制裁解除のハードルは高い と考えられる。 さらに、欧州連合(EU)との関係に与える影響も大きい。2014年3月のクリミア編入 やウクライナ介入に反発する欧米は14年以降協調して経済制裁を行ってきたが、制 裁解除には15年2月のミンスク合意の履行が必要になる。これは、紛争の停止やウ クライナ東部2州の自治権を承認するためのウクライナの憲法改正、等から成るが、 2年近くたった現在もウクライナ東部地域では散発的な戦闘が生じており、履行のめ どがたっていない。こうしたなかで米国のみ単独で制裁解除となれば、米国とEUの この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2017/1/30 マーケット・フォーカス 関係にひびが入るとみられる。また、北大西洋条約機構(NATO)加盟国内で制裁 解除に強く反発しているバルト3国やポーランドと、経済制裁にともなう経済へのマイ ナスの影響を懸念している一部の国の間での足並みの乱れが懸念される。トランプ 大統領はNATOの役割や加盟国の軍事費負担の見直しを示唆しており、冷戦以 降、旧ソ連やロシアの封じ込めも意識して領域と機能拡大が続いてきたEUやNATO の地位低下につながりかねない。ただ、17年はフランス大統領選挙やドイツ議会選 挙等を控えている。フランス大統領選挙ではロシアに宥和的とみられている極右派 候補の支持率が高くなっており、EUの姿勢が変化する可能性もあり注目される。 プーチン大統領のし たたかな外交姿勢続 く。制裁解除されれ ば景気下支え 他方、プーチン大統領は2018年春先に大統領選挙を控えているが、国民の支持 率は8割程度と高く、このままいけば再選される公算が大きい。高い支持率を支えて いるのが、クリミア編入等の外交・軍事的な勝利や欧米からの経済制裁に対する国 民の反発であろう。欧米諸国がロシアのクリミア編入やロシア系住民の多いウクライ ナの東部2州における大幅な自治権付与等を認めたうえで、ロシアへの経済制裁を 解除するといったメリットを示すことがなければプーチン大統領が妥協する可能性は 低いのではないか。こうした譲歩を、中東における過激派掃討についての米ロの協 力や米ロの核軍縮の進展といったカードで、トランプ大統領が米国内やEUを説得 できるかが注目される。 国際通貨基金の15年8月のロシアに関するレポート(No.15/211)によると、欧米の 経済制裁はロシア経済を短期的に前年比▲1%~▲1.5%ポイント程度下押しし、中 期的には累計で同▲9%程度下押しをすると厳しめの試算を示した。ただ、その後、 原油価格の急落につれて景気が悪化したが、経済制裁が原油価格以上に景気を 大きく悪化させた兆しはうかがえない(2ページ左下のグラフ参照)。もっとも、欧米に よる制裁解除となれば、直接投資の増加や資金調達環境の改善が設備投資を下 支えし、経済成長率を数年にわたって緩やかに押し上げる可能性はありそうだ。 ロシアと主要国のスケジュール 日 付 内 容 16年9月18日 12月10日 17年1月20日 1月31日 2月 3日 3月17日 3月24日 3月末 4月23日 5月25日 5月26日 7月 7日 9月 6日 9月中 9月中 18年3月 下院議員選挙(与党統一ロシアが4分の3以上の議席を占め圧勝) OPECとロシア等が協調減産で合意(17年1月から6ヵ月間) トランプ氏が米大統領に就任 EUがロシアに対する経済制裁を17年7月末まで半年間延長(3回目) ロシア中央銀行理事会 G20財務相・中央銀行総裁会議(ドイツ) ロシア中央銀行理事会 英国がEUに正式に離脱通告、離脱交渉開始 フランス大統領選挙第1回投票(決選投票は5/7) OPEC定例総会(オーストリア) G7首脳会議(~27日、イタリア) G20首脳会議(~8日、ドイツ) ロシアで第3回東方経済フォーラム(~7日)、日露首脳会談も ドイツ連邦議会(下院)総選挙 BRICSサミット(中国) ロシア大統領選挙、プーチン大統領(12年5月~)再出馬か (注)2017年1月19日時点、スケジュールは変更される可能性がある 出所:各種資料よりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 2017/1/30 マーケット・フォーカス ル ー ブ ル の 需給は 投資家の 国債保有 の上昇や中銀のポジ ション縮小で改善 ルーブルを巡る需給をみると、海外投資家のロシア国債保有比率は原油価格の 下落した2014年以降、一時的に低下したものの、15年後半以降持ち直し、16年に 入って原油価格の上昇によるルーブル高期待や国債利回りの上昇を受けて、上昇 している。ただ、主要な新興国と比較すると、インドネシアやポーランド、南ア等、近 年の新興国ソブリンへの投資ブームのなかで海外投資家の国債保有が上昇した国 と比べて水準は低い。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の低下等が示すように ソブリンリスクが低下するなかで、10年国債利回りが直近で8%台半ばと高いことや原 油市況の安定を背景に、国債保有比率の上昇余地があるとみられる。 また、ロシア中央銀行は14年後半以降のルーブル安場面で為替の過度なボラ ティリティを抑制する観点から、ドル売りルーブル買いに相当するFXレポ入札を増 加させた。期間1年や1ヵ月ものが中心となっており、350億ドル程度まで積みあがっ たレポ残高は期限切れにより80億ドル程度まで減少している。他方、ロシア政府は 1/25、2月以降、原油価格が予算の想定である1バレル=40ドルを上回った場合に は、歳入増加分の一部を原資としてドル買いルーブル売りの為替介入を行うとした (40ドルを下回った場合にはルーブル買い介入)。現地報道では月額10億ドル程度 のルーブル売りの可能性が報じられている。もっとも、過去の為替介入額に比べて 小幅であり、ロシア財務省は「市場への影響は中立」としており、影響は限られると みている。 米ドル・ロシアルーブルと為替介入 海外投資家の国債保有比率 (%) (週次:2014/1/3~2017/1/26) (四半期:2007/3~2016/9) インドネシア 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 (1ドル=ルーブル) 30.0 南ア 40.0 ポーランド FXレポ残高(右目盛) 為替介入額(右目盛) ドル・ロシアルーブル(左目盛) (10億ドル) 40 35 ↑ルーブル高 ↑ルーブル買い介入 30 50.0 25 メキシコ 20 60.0 15 ロシア ブラジル 70.0 10 5 80.0 タイ 0 ▲5 90.0 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (注)ロシアは2012年3月~、直近の新興国15ヵ国平均は26.6% 出所:IIFの資料よりみずほ証券作成 中期的には実効レー トや購買力平価でみ てルーブルは上昇余 地も 14 15 16 (注)為替介入はドルおよびユーロ、FXレポ残高はドルで期間1年や 1ヵ月で1/26時点 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (年) 17 (年) ルーブルを中期的に評価するものさしとして、実質実効為替レートをみると、6 ページ左上のグラフでみられるように、ルーブルは2016年12月時点で10年長期平 均を約9%下回っている。通貨安が加速しているメキシコペソやトルコリラほどではな いが、産業の輸出競争力の面でルーブルはやや割安な状況と言える。また、購買 力平価をみると、14年後半以降のルーブル安を受けて15年から16年にかけて20% 以上購買力平価を下回るルーブル安となった(同右上グラフ参照)。その後のルー ブルの上昇で売られすぎは修正されたものの、原油価格の安定や景気回復期待に この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5 2017/1/30 マーケット・フォーカス より購買力平価をやや上回って推移する可能性があるとみている。さらに経済制裁 が解除されれば上値余地があろう。 ロシア危機時に比べ ファンダメンタルズは 改善 一方、1998年のロシア通貨危機時と比較すると、外貨準備高は2016年末時点で 3,080億ドルと98年末の78億ドルから大きく増加、対外純資産国となっている。公的 債務残高GDP比は17%台と新興国のなかでも低く、安定している。財政赤字が続くこ とでソブリン・ウエルス・ファンドの1つである予備基金(16年末:約313億ドル)は17年 中に使い切る計画だが、国民福祉基金(同:約713億ドル)があるほか、歳出抑制や 景気回復により19年には財政健全化にメドがつくとみられ、中期的なロシアルーブ ルの安定に寄与しよう。ドル・ルーブルの想定レンジとしては、17年末時点で1ドル =55~67ルーブルを予想している。原油価格が底堅く推移し、景気回復が続く場合 には、50ルーブル台後半での推移も見込まれよう。 ドル・ルーブルの購買力平価と実勢相場 新興国通貨の実効レートからみたバリュエーション (05年=100) 実質実効為替レートの長期平均 130 120 110 100 90 80 70 60 (1ドル=ルーブル、逆目盛) ドルルーブル 実質実効為替レートの直近値 0 10 20 30 40 50 60 70 80 ↑通貨高 割安 (月次:1997/1~2017/1) 消費者物価ベース購買力平価 ▲20% +20% メキシコ マレーシア トルコ ポーランド 南ア ロシア チェコ ブラジル タイ インド インドネシア フィリピン 中国 (米国) ↑ルーブル高 ↓ルーブル安 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (注)購買力平価はロシアのハイパーインフレが終息した1997年を基準にした、 消費者物価はロシアがCPI、米国が消費者物価(都市部)で16年12月まで、 ドルルーブルは1/26まで 出所:CEIC、ブルームバーグデータよりみずほ証券作成 (注)長期平均は07年1月~16年12月までの10年間、直近値は16年12月 出所:BIS資料よりみずほ証券作成 (年) ロシアの主要経済指標の変化 ロシアルーブルとルーブル円の推移 (1ドル=ルーブル) (日次:2014/7/1~2017/1/26) 1998年 (1ルーブル=円) 3.5 ドルルーブル(左逆目盛) 40.0 3.0 ルーブル円(右目盛) 2.5 60.0 2.0 70.0 1.5 80.0 1.0 90.0 0.5 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 17/1 ルーブル安 50.0 ルーブル高 30.0 名目GD P(10億ドル) 名目GD Pラ ンキ ング 2016年 変化 291 1,268 約4.4倍 ランキング上昇 世界第18位 世界第12位 1人当たりGD P(ドル) 1,976 8,838 約4.5倍 消費者物価伸び 率( %) 84.4 5.4 伸び抑制 対外債務(10億ドル) 188 516 約2.8倍 対外債務/GD P( %) 64.6 40.7 改善 外貨準備高(10億ドル) 7.8 308.0 大きく増加 対外純資産(10億ドル) ▲4 296 改善 92.1(99年) 17.1 改善 公的債務残高(ネッ ト)/GDP(%) 格付け(外貨建て長期債) (年/月) S&P:CCC- S&P:BB+ Moody's:B3 Moody's:Ba1 投機的水準も 98年を上回る水準 (注)名目GDP、GDPランキング、1人当たりGDP、公的債務残高はIMF予測(WEO、16年10月) 消費者物価は16年12月、対外債務は16年9月末、外貨準備、格付けは16年12月末 出所:IMF、ロシア中銀、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 6 2017/1/30 マーケット・フォーカス 登録格付に関する説明書 (「S&P グローバル・レーティング」についてはこちらをご覧ください。 ) みずほ証券株式会社 格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されております。 これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、無登録格 付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。 ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の 証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとと もに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受け ておりません。 ○格付会社グループの呼称等について 格付会社グループの呼称:S&P グローバル・レーティング グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5 号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラ リ・規制関連」の「無登録格付け情報」 (http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義及び限界について S&P グローバル・レーティングの信用格付は、発行体または特定の債務の将来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体ま たは特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、 売却または保有を推奨するものでなく、債務の市場流動性や流通市場での価格を示すものでもありません。 信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、さまざまな要因により変 動する可能性があります。 S&P グローバル・レーティングは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており、格付意見に達 することができるだけの十分な品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、S&P グローバル・レーティングは、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査・デュー・デリジュエンスまたは独自の検証 を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結果の正確性、完全性、適時性を保証するもので はありません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する 場合もあることに留意する必要があります。 この情報は、平成 28 年 5 月 13 日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証する ものではありません。詳しくは上記スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。 以 上 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 7 2017/1/30 マーケット・フォーカス 無登録格付に関する説明書 (「ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク」についてはこちらをご覧ください。) みずほ証券株式会社 格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されております。 これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、無登録格 付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。 ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の 証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとと もに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受け ておりません。 ○格付会社グループの呼称等について 格付会社グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ (https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx)の「信用格付事業」をクリックした後に表示されるページ)にある「無登録 業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義及び限界について ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、 「ムーディーズ」という。 )の信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債 務類似証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務 を期日に履行できないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、 流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に 関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形 式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性につ いて、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。 ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行っております。ムーディーズは、 これらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全 ての必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性につい て常に独自の検証を行うことはできません。 この情報は、平成 28 年 5 月 13 日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証する ものではありません。詳しくは上記ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。 以 上 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 8 2017/1/30 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料を ご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込 み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-170130-13 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 9
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