平成 28 年度電池材料研究会 主催:中性子産業利用推進協議会 茨城県中性子利用促進研究会 共催:J-PARC/MLF 利用者懇談会 協賛:(一財)総合科学研究機構中性子科学センターCROSS 東海) 開催日:平成 29 年 1 月 25 日(水)10:00~17:00 場所:東京 飯田橋 研究社英語センター大会議室 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂 1-2 TEL 03-3269-4331 http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/index.php?content_id=1 参加費:無料 ただし,資料代として 5,000 円いただきます.なお,中性子産業利用推進協議会の会員の 皆様と大学,研究機関の方は無料です.それ以外の方は事務局までご相談ください.資料 代は当日徴収させていただきます. テーマ:二次電池構造解析研究における最新成果と新たな展開 趣旨: HEV や EV のような環境対応自動車のキーコンポーネントである二次電池は、高容量化 や大電流化などの高性能化だけでなく、高信頼・高安全性と低コスト化が強く望まれている。 これらを実現するため、国内では国主導の大型プロジェクトが複数推進されており、産学官 連携で活発な研究開発が進められている。そこで今回は、その 1 つである RISING プロジ ェクトの成果と新たな展開を紹介するとともに、電池における重要課題である界面・表面の 最新の研究例や拡散現象についての新たな量子ビーム・解析手法による研究例を紹介する。 プログラム 司会:研究会幹事 神山 崇(KEK) 10:00 開会挨拶 研究会主査 菅野了次(東京工業大学) 10:05-10:25 J-PARC MLF における中性子産業利用の現状 林 眞琴(CROSS) J-PARC MLF の現状と今後の運転計画,2016B の課題採択状況,中性子の産業利用の現状と成 果などを紹介する. 10:25-10:45 iMATERIA における電池材料解析技術 石垣 徹(茨城大学) iMATERIA は高付加価値材料の創成を実現することを目指した産業利用目的の汎用型の材料 構造解析装置である.基本的には粉末構造回折装置であるが,広い Q-range 測定や小角散乱, 集合組織測定も可能である.本講演では,iMATERIA の基本的な機能を紹介するとともに,電 池材料研究における利用例をいくつか紹介する. <基調講演> 10:45-11:35 蓄電池材料研究の現状と新たな展開 菅野了次(東京工業大学) 高度な特性を持つ二次電池への期待はますます高まっている.次世代型の電池の開発が進むと ともに,電池の反応機構を調べる新しい手法も開発され,蓄電池の反応機構がいっそう詳しく わかるようになってきた.一方で,蓄電池の飛躍的な特性を向上は新規材料によるものである ことも事実である.本講演では,材料開発と反応機構解明の研究開発の現状を概観する. <量子ビームによる RISING プロジェクトの成果> 11:35-12:05 放射光を用いた電池研究 河口智也(京都大学) 二酸化炭素排出量並びに化石燃料使用量削減のために,電気自動車の大規模導入や再生可能電 力の効率的な利用が求められている.これらのキーテクノロジーは蓄電池であり,その性能の 飛躍的向上が喫緊の課題である.2016 年より開始した,革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発 (RISING II)事業では,前事業で SPring-8 に建設した蓄電池研究専用ビームライン BL28XU を用いて,回折と分光を組み合わせた蓄電池解析技術の開発を行っている.また本事業では, これらの解析手法を世界に先駆け本事業に参画する研究機関や企業群に提供することで,革新 型蓄電池開発への速やかなフィードバックを実現し,革新型蓄電池の実用化に向けた研究を加 速させている. 12:05-13:05 昼 13:05-13:35 中性子回折法を用いた実用作動条件下における実電池反応解析 田港 聡(東京工業大) 食 蓄電池における従来のその場反応解析は,モデル電極や小型モデル電池により構造や形態変化 の検出を容易にする手法が用いられてきた.近年,実電池開発に向けた電池反応に関する知見 を得るために,実際の電池を用いて電池作動中のセル内の構造変化を検出する手法が確立され てきたが,限られた電池反応条件下での情報しか得られておらず,モデル電池で得られる情報 の範疇から出ていない.本講演では,電極の構造変化や分布を解析する簡便かつ重要な手法で ある中性子回折法を用い,実電池作動中の非平衡状態における蓄電池全体の反応を検出するこ とに成功した成果について紹介する. 13:35-14:05 中性子回折法を中心とした蓄電池研究 米村雅雄(KEK) 中性子線は透過能が高く,測定対象を損傷させないため,長時間露光の必要な非破壊構造解析 に適している.さらに,軽元素含めた構造情報が得られるため,軽元素の可動イオンの拡散を 利用する蓄電池研究にも適している.これらの特長を活かした実作動条件下 (operando)でのリ アルタイム測定は,これまでは中性子源が弱かったため実施例は少なかったが,J-PARC MLF のような世界最高強度の加速器型中性子源により operando 測定の可能性が広がった.本講演で は,RISING 事業で建設された operando 測定を主目的にした蓄電池研究専用ビームライン BL09「SPICA」を用いた蓄電池研究,ならびに,施設として研究者が大量のリアルタイム測定 データの解析にではなく,その現象解明に集中できるよう支援する解析技術の開発に対する取 り組みとその成果について紹介する. <特別講演> 14:05-14:45 RISING2 における蓄電池研究 松原英一郎(京都大学) NEDO プロジェクト「革新型蓄電池実用化促進基盤技術(RISING2)」では, 「革新型蓄電池先 端科学基礎研究事業(RISING)」の研究成果に基づいて,ポストリチウムイオン電池の候補と して4種類の革新型蓄電池を選定し,これらの蓄電池に RISING で開発した SPring-8 や J-PARC の蓄電池解析専用のビームラインなどを用いた解析技術を適用し,エネルギー密度 500Wh/kg の電池の検証を行うことを目的とする.解析技術開発では,特に,充放電下で革新型 蓄電池の電極/電解液(電解質)界面から中間遷移相への発展過程のその場観察のための解析技 術開発を行うことで,革新型蓄電池反応機構を解明し,革新型蓄電池の実現を目指す. 14:45-14:55 休憩 <電池材料の界面・表面解析> 14:55-16:25 放射光 X 線・中性子線を用いたリチウム電池材料界面の構造解析 平山雅章(東京工業大学) 電極と電解質との界面における電気化学現象の解明と制御は,蓄電池材料研究の共通課題であ る.反応場における界面構造観察は反応解析に必須であり,近年,界面付近の結晶構造,電子 構造のその場観察が電池材料で一般的に行われるようになってきた.一方,実用電極では活物 質,導電助剤,結着剤が混在するため,反応因子の切り分けが困難である.本講演では,エピ タキシャル膜電極で単純化した電気化学界面を構築し,放射光 X 線・中性子線を用いた界面構 造解析で反応を調べる試みについて紹介し,リチウム電池材料における界面現象に関する最近 の成果について述べる. 15:25-15:55 Li イオン電池の SEI 構造 今井英人(日産アーク) 電極表面に形成される SEI(Solid electrolyte interphase)は,充放電初期段階で電解液や添加剤 の一部が分解して生成する被膜であるが,電極表面における電解液の連続的な分解を抑制し, 安定的に充放電を行うために重要な役割を果たしている.一方で,劣化した電池では SEI に大 きな変質が見られ,長寿命化に向けた改良の大きなファクターにもなっており,その構造を正 確に把握し,制御することが求められる.放射光や各種ラボ分析ツール,大規模第一原理計算 等を用いた SEI 構造解析の現状について紹介する. <電池材料における拡散現象解析の新たなアプローチ> 15:55-16:25 中性子準弾性散乱 QENS を用いた電池材料中のイオン拡散運動の解析 柴田 薫(J-PARC) 電池材料中のイオン拡散現象の微視的測定手段として NMR やSR,QENS などがそれぞれの 特徴を生かして用いられている.その中で QENS 測定により比較的速い拡散係数 D(>10-9 [cm2/s])のイオン拡散運動に対して,モデル計算から拡散係数 D やジャンプ距離 L,イオンキャ リア濃度 n などのイオン拡散運動特性の定量化が可能になっている.更に,J-PARC MLF に設 置された広帯域高エネルギー分解能分光器 DNA が 2012 年度末から供用開始され,日本国内で も世界最高水準の QENS 測定が可能になった.本講演では,DNA 分光器を用いた Li 固体電解 質中のイオン拡散現象の解析例などを紹介する. 16:25-16:55 ミュオンによる電池材料中の拡散現象の解明 杉山 純(豊田中研) 電池内の電荷移動を担うのはイオンであるので,電池内や電池材料内のイオンの動きを知るこ とは,電池性能を律速する要因の理解につながる.特に,イオンの動き易さの指標である自己 拡散係数 D は,固体内では液体内よりかなり小さいことが知られている.従って,全固体電池 やその材料を開発するためには,電極や電解質内のみならずその界面も含めて,D の深さ方向 変化を測定する手法が望まれている.我々は,素粒子ミュオンを使って,バルク材料中の Li+ や Na+の D を測定してきた.本講演では,この手法の原理と現状を纏め,将来を展望する. 16:55-17:00 閉会挨拶とお知らせ 峯村哲郎(茨城県) 交流会:1 17:20~19:20 近くの地ビ ビールダイニング「ラ ラ・カシェ ット」で交 交流会を開催します. 参加費は 2,000 円で で す.施設側 側とユーザ ザーのざっく くばらんな な意見の交換 換の場にな なります.是 是非ご参加 加ください. . 詳細は文末 末をご参照ください.参加希望者 者は事前に に登録してく ください.当 当日も受け け付けます. . 会費は当日 日受け付けます.なお お,事前に登 登録されて て当日キャン ンセルされ れた場合には は会費を申 申 し受けます す. <参加申込 込み先> 中性子産 産業利用推進協議会 事務局 大 大内 薫 E-mail: info@j-neu utron.com (1)名前,(2)所属,(3)連絡先 先(電話番号 ,E-mail address) a (4)交流会 会への参加 加の有無(領収書を発行 行します) をご記入 入の上,メールにてお お申込みく ださい. <会場への のアクセス> 研究社英 英語センター 所在地 地:〒162-08 825 東京都新宿区神楽 楽坂 1-2 TEL:03-3269-43 331 JR総武 武線飯田橋駅 駅西口徒歩約 約3分 東京メトロ南北線 線・有楽町線 線飯田橋駅 B B2a,B3 出口徒歩約 出 7分 <交流会場 場のご案内> 会費:2,00 00 円 時間:17:2 20~19:20 会場:神楽 楽坂 ラ・カシ シェット ( http://la-ca h achette.co.jp p/ ) 美味しい い地ビールを を楽しめると ところです. 825 東京都新 新宿区神楽坂 坂 1-10 三経 経第 22 ビル ル 3F 〒162-08 TEL: 03--3513-0823
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