= 普 及 情 報 =

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普
及
情
報
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No.13
平成29年1月18日
西部農林振興センター 浜田農業普及部
標題
いちご育苗時における天敵放飼の効果を確認
(ダイジェスト)
浜田市金城町のきんた農園ベリーネではいちごの観光農園を運営しています
が、育苗時からハダニの天敵を放飼することによる防除効果実証試験を行いまし
た。効果は期待以上で、天敵放飼区は無放飼区に比べ発生が少ない状態が続いて
います。苗からの持ち込みを予防することで大きな成果が得られたことから、来
年以降も育苗時からのハダニ対策に注力していく予定です。
浜田市金城町のきんた農園ベリーネではいちご観光農園を運営しており、毎年多
くのお客様にご来場頂いておりますが、ハダニの防除に多くの時間を要し対応に苦
慮しているところです。ハダニは苗からの持ち込みが被害の主な要因とされており、
育苗時に極力発生を抑えて定植することが課題となっています。
いちご栽培においては、ハダニ対策として薬剤散布の他に天敵放飼がよく利用さ
れていますが、これまでは定植後に放飼することがほとんどで、個体数が多くなっ
た状態では効果が現れにくいという欠点がありました。そこでJAしまねと共同で、
育苗時から天敵を放飼し、個体数を減少させた状態で定植をする試験を行いました。
なお天敵には待ち伏せ型天敵で増殖を抑えるミヤコカブリダニを用いました。
表1の結果より、天敵放飼区ではハダニが確認されませんでした。これは育苗時
から発生が抑えられたことと、天敵がついたまま定植したことで、大量発生する前
に捕食されていると考えられました。今回大
きな成果が得られたことから今後も育苗時か
らのハダニ対策に注力していきます。
今年は例年以上にハダニの発生が抑えられ
たことで、生育も順調となり果実も大きくな
っておりますので、ぜひ皆様、きんた農園ベ
リーネへお越し下さい。
表1.育苗時天敵放飼区と無放飼区のハダニ数
放飼区(紅ほっぺ)
無放飼区(さちのか)
ハダニ類
カブリダニ類
ハダニ類
カブリダニ類
株率(%) 虫数/株
株率(%) 虫数/株
株率(%) 虫数/株
株率(%) 虫数/株
9月21日
0
0
8
0.08
2
0.02
0
0
10月12日
0
0
2
0.02
2
0.02
0
0
10月21日
0
0
0
0
2
0.02
0
0
11月9日
0
0
0
0
8
2.56
0
0
11月26日
0
0
0
0
16
2.98
0
0
12月9日
0
0
2
0.02
20
3.88
4
0.08
調査は50株調査。放飼区にはミヤコカブリダニを放飼。無放飼区にはハダニを抑えるため11月からチリカブリダニを放飼。
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担当者
浜田地域振興課
長島
越夫
TEL0855-29-5618