編 集 後 記 編 集 後 記

編 集 後 記
新年からファイナンスをお読み頂き、ありがとうございます。本年は、アジア開発銀行
(ADB)の第 50回という節目の総会が 5月4~7日に横浜市で開催される年です。その総会
を見据え、特集では「国際開発金融機関の概要と日本が果たす役割」を取り上げています。
いまやアジア・太平洋地域の貧困削減・経済成長になくてはならないADB。地元採用のフ
ィリピン人スタッフを除けば、職員の国籍は日本が最大で、140名以上です。その創設時の
1966年、日本はADBの資本金の5分の1を負担しました。世界銀行から東名高速道路(東
京 -静岡間の追加分)建設用に借入を行った年です。また、日本の一人当たりGDPが 39万
円というような経済力の時期です。地域全体のために日本が果たすべき役割を見据え、支えあ
う大切さを胸に、当時相当の努力をした関係者を心から尊敬しています。私自身、在フィリピ
ン大使館勤務時代にADBと深く関わらせて頂いたのですが、愚直に相手国・地域と人々の将
来を考えて協力するという日本にも通ずるよき文化が ADBに根付いていると実感しています。
第 50回総会のテーマは、
「ともにひらく、アジアの未来」
。横浜市を中心に、食、芸術な
ど、既に様々な関連イベントが開催されています。
(ホームページ http://adb2017.city.
yokohama.lg.jp/)こうしたイベントにも触れながら、アジア・太平洋地域、そして日本の
未来について思いを馳せて頂けると嬉しいです。
日本が主体的に立上げに関わった国際機関という点に関連し、本号から、ASEAN+3マ
クロ経済リサーチオフィス(AMRO)の創設に携わった根本洋一 AMRO 所長(当時)によ
る不定期連載が始まりました。アジアの経済金融の安定という目的に向け、最前線でどの
ような苦労があったのか、続きが楽しみです。
国内に目を転じます。官民挙げて推進している働き方改革。これまでのファイナンスで
も、28 年11月号の「イクボス」
、12月号の「ダイバーシティ」など関連記事を取り上げて
きましたが、新年号では、26 年 6月号、12月号にも掲載しました関税局の「女性の働き方
研究会」や、
「女性が活躍する社会の実現」の書評、
「皆働社会実現への提言」のセミナー
を取り上げています。来月号以降も働き方改革関連を積極的に取り上げ、官民問わず、機
運を醸成する一助としていきたいと考えています。
さて、読者から、財政健全化については、政府の方針や国内での取組のみならず、国際
的な動向を取り上げては、というアドバイスを頂きました。これを受け、来月号とあわせ、
イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスの取組の調査概要を取り上げていきます。皆様の御
反応は本当にありがたく、引き続きともによりよい誌面作りをしていければと考えています。
麻生大臣の年頭所感を通じ、改めて昨年を振り返るとともに、信念は揺らぐことなく、
様々な事柄を吸収して対応する大切さを改めて実感したところです。本年もどうぞ御指導
よろしくお願い申し上げます。
(財務省広報室長 佐久間 寛道)
1 月号(通巻第 614 号) 平成 29 年 1 月 17 日発行
編集・発行
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ファイナンス 2017.1