社会と情報 テレビ学習メモ 第 17 回 望ましい情報社会に向かう [社会における情報システム] メディアを学ぼう 社会と情報監修・講師 中橋 雄 スマートフォンのカメラで動画を撮影・編集して SNS に公開するといったよ うに、気軽に情報を発信できる時代になりました。しかし、メディアの特性を理 解しておかなければ質の高い作品を作ることはできませんし、人に迷惑をかける ことにもなりかねません。メディアについて学び、そのあり方を考え続けるため の能力を身につけましょう。 学習前に 調べておこう メディアリテラシー、動画配信、演出、メディアのあり方 メディアリテラシー ⃝メディアリテラシーとは、メディアの意味と特性を理解したうえで、受け手として情報を読 み解き、送り手として情報を表現・発信するとともに、メディアのあり方を考え、行動して いくことができる能力のことである。 ▼ ⃝情報を発信するときに目的に応じてメディアを適切に選択する力も、メディアリテラシーの 要素といえる。 ⃝「演出」のテクニックとその効果を学ぶことで、送り手として情報をうまく伝えることがで きるようになるだけでなく、受け手として送り手の意図を読み取れるようになる。 メディアの現場 ⃝誰に対して何のためのメッセージを伝えるのか、相手意識・目的意識を明確にして表現を工 夫することが重要である。 ⃝同じ内容を伝える場合でも、カメラワーク、BGM、文字の書体などが変わるだけで、印象 が大きく変わることがある。 ⃝テレビは組織として表現を自主規制しているため制約が多い。一方、自分でインターネット 上に公開するものは制約が少ない代わりに発信者の責任が大きくなる。 − 29 − 高校講座・学習メモ 社会と情報 17 メディアを学ぼう メディアの進化 ⃝情報の偏りを見抜く力だけでなく、文化的に質の高い作品を生み出す力もメディアリテラ シーの重要な要素といえる。 ⃝メディアが進化したことで、誰もが情報を発信しやすくなった。過剰な演出によって人をだ ますようなことになったり、迷惑をかけたりしないように注意しなければならない。 ⃝どこまでの表現なら許されるのか人によって感じ方は異なる。今後もメディアの進化に応じ て自分たちの社会に相応しいメディアのあり方について、みんなで考えていく必要がある。 変化し続ける社会を望ましいものにしていくためにメディアを学び続けよう。 メディアで伝えられる情報は現実そのものではなく「表現されたもの」である。そのため、 送り手の意図によって編集され、受け手によって読み解かれる必要がある。メディアの特性や 限界を理解していれば解決できる問題もあるし、文化的に質の高い作品を生み出すこともでき る。メディアが進化することで、その特性も変化する。メディアの仕組みや表現は、もとから 決まった正解があるわけではない。社会に属する人々によって何をよしとするかが決められて いく。社会を望ましいものにしていくためにメディアを学び続け、メディアリテラシーに磨き をかけていこう。 ▼ − 30 − 高校講座・学習メモ
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