水道施設維持負担金制度(仮称)の概要 1 制度創設の目的

別紙
水道施設維持負担金制度(仮称)の概要
1 制度創設の目的
将来にわたる水道施設の維持のための負担の適正化を図ることにより,
水道水と地下水を混合して利用する「地下水利用専用水道」の使用者と
「一般の水道使用者」との間の公平性を確保する。
<地下水利用専用水道の使用者と一般の水道使用者の経費負担の状況>
水道事業にかかる経費は,使用水量に関わらず必要と
なる経費(固定費)が全体の95%を占めているが,
経費を賄う水道料金は,基本料金を低く抑えるため,
従量料金にも固定費を配分し,水道水を使用いただく
ことにより固定費を回収する仕組みを採っている。
地下水利用専用水道の使用者は,施設で必要となる
水量に対して水道水の使用量が少ないため,一般の
水道使用者と比べ,経費に対して適正な負担がされて
いない。
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地下水利用専用水道の使用者と
一般の水道使用者との間の
負担の公平性を確保する。
2 制度の対象者
○
水道事業者(京都市)と同様に,飲用水を多数の者に供給する「専用
水道」のうち,水道水と地下水を混合して供給することができる構造を
有するものを「地下水利用専用水道」と定義し,この使用者を制度の対象と
する。
○ 地下水利用専用水道の使用者が,地下水の汚濁,枯渇等の非常時にも,
飲用水を供給するために,利用できなくなる地下水の量に相当する量の
水道水を,本市の水道施設を使用して確保しておくことに対し, 当該
水道施設の維持に必要な応分の負担を求めるものである。
<地下水利用専用水道の位置付け>
水道事業
一般の需要に応じ,水道により水を供給する事業。
給水人口 100 人以下の水道は除く。(法3条2項)
(水道法上の区分)
水道
水道用水供給事業
導管,その他の工作
物により「水を人の飲
用に適する水」として
供する施設の総体
(法3条1項)
水道により,水道事業者に対してその用水を供給する事業
(法3条4項)
専用水道
寄宿舎,社宅,診療所等における自家用の水道その他水道事
(京都市における専用水道の水源)
水道水のみ
地下水のみ
水道水と地下水を混合
水道施設維持負担金
制度(仮称)の対象
<地下水利用専用水道の例>
水道水と地下水を
混合
2
3 届出
地下水利用専用水道の設置者は,水道施設の維持に必要となる経費の
適正な負担及び水道水の水質の適正な管理の観点から,施設で使用する
水量や施設の図面等,必要事項を上下水道局に届け出なければならない。
<届出事項(案)>
○ 地下水利用専用水道の設置者の氏名(代表者名)
○ 地下水利用専用水道の設置場所の所在地
○ 地下水利用専用水道の使用開始年月日
○ 施設で使用する水量(水道水・地下水)
○ 施設の図面(配管図等)
等
4 計画使用水量の認定
対象者からの届出を基に,地下水利用専用水道が設置されている施設に
おける,通常時の水道水の使用量と地下水が利用できない非常時に備えて
必要となる水道水の準備水量を合計した水量を「計画使用水量」として
上下水道局が認定する。
<計画使用水量>
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5 水道施設維持負担金の算定
水道施設維持負担金は,1年間の計画使用水量を基準として算定を行い,
対象者の水道水の使用量の実績が「計画使用水量の1/2」に満たない場合,
以下の算定式により,負担金の額を算定し,年度ごとに徴収を行う。
なお,「計画使用水量の1/2」に達した場合は,負担すべき固定費が水道
料金で賄われていることから,負担金は生じない。
【算定式】
負担金の額=「負担金対象水量(*1)」×「負担金単価(*2)」
(*1)負担金対象水量=「計画使用水量」-「水道水の使用量の実績」×2
(*2)負担金単価=1㎥当たりの固定費(143円/㎥)
<水道施設維持負担金の算定>
<負担金単価(1㎥当たりの固定費>
<水道水の使用量の実績を2倍とする理由>
○
制度の対象者が水道水を使用し,水道料金
を支払うことにより負担する固定費の額は,
負担金単価(143円)の約2倍となる。
○
つまり,1㎥の水道水を使用すれば,2㎥
分の負担金に相当する額を負担することに
なることから,
「計画使用水量」から「水道水
の使用量の実績の2倍」を控除したものを
「負担金対象水量」とする。
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(水道料金表)
6 実効性の確保
制度の実効性を確保するため,以下の内容を規定する。
①
適正な届出を確保するため,管理者が届出に関する指導等を行うことが
できる旨を規定するほか,届出をせず,又は虚偽の届出をした者に対する
過料を定める。
② 水道施設維持負担金の適切な納入を確保するため,期限内に納入が
されない場合の給水の停止や,支払いを免れようとした者に対する過料
を定める。
7 既存対象者に係る負担金の取扱い
既存の対象者については,既に行われている設備投資等に配慮し,負担金
の取扱いを以下のとおりとする。
①
改正条例制定後,平成30年度分までの2年間は負担金を徴収せず,
平成31年度分として算定した負担金から徴収する。
② 平成31年度分から平成33年度分までは,算定した負担金の額を
以下の割合で軽減する。
(負担金額の軽減割合)
平成31年度分 3/4
平成32年度分 2/4
平成33年度分 1/4
<既存対象者からの主な御意見>
○
設備の償却期間やリース期間等を踏まえて,経過措置期間はできるだけ長く設定
してもらいたい。
○
予算の都合もあり,来年から満額の負担は難しい。
<既存対象者に係る負担金の取扱い>
2年間は負担金を
徴収しない
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