タイトル: 「視野の拡張を促した講義について」 私の視野を広げた講義は二つある。 「映像文化論」と「近現代日本文学史」である。いず れも日本における過去・現在に起こった社会の変遷、日本人の行動についてよく考えさせ られるものであり、知的好奇心からその内容をより掘り下げようと、自主学習に応用でき た事実がある。 前者は、視点が海外に及ぶこともあった。現代で重要視されている「核」問題が、その 一例である。映像の鑑賞をすることによって、被爆者の当時を目に焼き付けることができ た。そこから派生し、自ずと現代の「核」問題についても考えるようになった。教師は、 埋没している過去・現在の問題点を学習者に提示し、説明し、考える余地を与えることが 求められるであろう。 後者は、文学の新た側面が創造されていく近代から始まり、現代の文学についても触れ られていった。小説とは何か、といった哲学的思考、コンテクストを様々な面から考える 力を養った。本文の背景を理解するために、政治、世俗、文化など多角的に検証していく 必要が生まれ、それを踏まえた上での精読は、重厚な解釈を可能とした。教師の様々な補 足によって、小説を読むという行為の多様性を知ることができたと感じる。そこから学習 者は、与えられた材料によって、考える幅を広げることができるのであろう。 教師と学習者の意見の交流がある講義は、優れていると感じる。言語活動によって主張 する力が芽生え、それは就職活動にも役立つ能力であると感じる。すると、講義の受講者 数は少数になる必要があり、それは教師とのコミュニケーション、信頼感の増加を必然と する。しかし、最も重要なことは、学習者の意欲である。教師のこれまでの知見によって、 学習者の未だ興味を持てない内容への意識改善をすることが求められる。 全学習者は、意欲を掻き立てるような講義を渇望していることを、ここに記して終わり たいと思う。
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