別表5 - 水産研究・教育機構

別表5
採用場所
日本海区水産研究所 資源管理部 資源管理グループ
新潟市中央区水道町1丁目5939-22
「日本海におけるバイオロギング手法の活用によるブリ等の回遊生態の高精度把握とその応
用」
研究課題名 1)バイオロギング手法を活用したブリやサケ等の回遊生態の高精度把握手法の開発
2)日本海中部海域等におけるブリの漁場形成機構の解明
3)人工構造物がブリやサケ等の回遊生態へ及ぼす影響に関する基盤的知見の整理
研究業務
内容
研究業務内容に
関する問合せ先
ブリ資源は現在高位増加傾向にあるが、海況によって沿岸各地への来遊動向が変化し、時
期や海域によっては漁獲量が減少するなど、資源状態と漁況が整合しない状況が生じている。
また、サケ資源についても、近年は年々の回帰率の変動が激しく回遊生態の解明を含めた原
因究明とそれに基づく対策が求められている。そこで、ブリの回遊生態を高精度に把握して精
細な時空間スケールでの漁場形成機構を解明し、サケの回遊生態を科学的データに基づいて
把握するとともに、それらのデータを用いて資源状態の正確な把握に結びつけることが求めら
れている。そのため、アーカイバルタグ等のバイオロギング手法と海洋物理モデル等を組み合
わせたブリやサケ等の回遊生態の高精度把握手法を新たに開発する必要がある。さらに、近
年、日本海沿岸各地では大規模な洋上風力発電事業計画が相次いで公表され、洋上風力発
電施設のような人工構造物が漁業に及ぼす影響、特に漁業資源やブリやサケ等の回遊魚の
生態に及ぼす影響の把握が求められている。
これらの課題に対応するために、本研究では、以下の研究開発業務を行う。
①バイオロギング手法を活用したブリやサケ等の回遊生態の高精度把握手法の開発:ブリに
ついては、過去のアーカイバルタグのデータを掘り起こし、最新技術を適用することで回遊行動
の再解析を行うとともに、過去の標識放流、海洋環境、漁獲動向に関する情報を整理・解析す
ることにより、回遊生態を高精度に把握する手法を開発する。サケについては、ブリで開発した
手法も含めバイオロギング手法を用いた回遊生態解明のための基礎的知見を収集・整理し、
手法の適用を試みる。
②日本海中部海域等におけるブリの漁場形成機構の解明:上記①の手法により、近年の日
本海中部・北部海域におけるブリの回遊範囲の変化の要因を明らかにして漁場形成機構の解
明に結びつける。得られた成果の一部はブリ資源の増加要因の解明のための調査研究にも活
用するとともに、ブリ資源調査の関係機関との連携のもと、冬春季の日本海中部海域を主たる
ターゲットとした漁況予測に必要な基盤情報として整理する。
③人工構造物がブリやサケ等の回遊生態へ及ぼす影響に関する基盤的知見の整理:上記①
と②で得られたブリやサケ等の回遊生態と漁場形成機構に関する研究開発の成果に基づい
て、洋上風力発電施設のような人工構造物がブリやサケ等水産生物の回遊生態へ及ぼす影
響を解析し、漁業の健全な発展と調和のとれた人口構造物の設置を検討する際の基盤的知見
として整理する。
日本海区水産研究所業務推進部長 加藤 修
TEL:025(228)0634