米国 世界的な調整の進展で高い水準に上昇 (16年12月ISM製造業景気

U.S.Indicators
米国 世界的な
世界的な調整の
調整の進展で
進展で高い水準に
水準に上昇 (16年12月ISM製造業景気指数
ISM製造業景気指数)
製造業景気指数)
発表日:201
発表日:2017
2017年1月3日(火
日(火)
~今後は
今後はトランプ効果
トランプ効果に
効果によるドル高を受け
ドル高を受け低下
を受け低下す
低下する見込み~
見込み~
第一生命経済研究所 経済調査部
桂畑 誠治
0303-52215221-5001
ISM製造業景気指数の推移
総合
16/01
16/02
16/03
16/04
16/05
16/06
16/07
16/08
16/09
16/10
16/11
16/12
48.2
49.5
51.8
50.8
51.3
53.2
52.6
49.4
51.5
51.9
53.2
54.7
新規受注
51.5
51.5
58.3
55.8
55.7
57.0
56.9
49.1
55.1
52.1
53.0
60.2
生産
50.2
52.8
55.3
54.2
52.6
54.7
55.4
49.6
52.8
54.6
56.0
60.3
雇用
45.9
48.5
48.1
49.2
49.2
50.4
49.4
48.3
49.7
52.9
52.3
53.1
在庫
43.5
45.0
47.0
45.5
45.0
48.5
49.5
49.0
49.5
47.5
49.0
47.0
入荷遅延
50.0
49.7
50.2
49.1
54.1
55.4
51.8
50.9
50.3
52.2
55.7
52.9
受注残
43.0
48.5
51.0
50.5
47.0
52.5
48.0
45.5
49.5
45.5
49.0
49.0
仕入価格
33.5
38.5
51.5
59.0
63.5
60.5
55.0
53.0
53.0
54.5
54.5
65.5
輸出受注
47.0
46.5
52.0
52.5
52.5
53.5
52.5
52.5
52.0
52.5
52.0
56.0
輸入
51.0
49.0
49.5
50.0
50.0
52.0
52.0
47.0
49.0
52.0
50.5
50.5
(出 所)ISM:the Institute for Supply Management
製造業景気指数は 54.7
1.55%ポイン
と前月比 1.
ト上昇
16年12月のISM製造業景気指数(季節調整値)は、54.7と前月比1.5%ポイント上
昇し、拡大縮小の分岐点である50を4カ月連続で上回った(市場予想中央値53.8、筆者
予想54.5)。ISM製造業景気指数は、ドル高の影響を受けながらも、国内需要の堅調
さのほか、原油価格の上昇、石油掘削リグの稼働数の増加、世界的な在庫調整の進展等
を背景に、米国製造業の活動が活発化していることを示している。
総合指数を構成する項目では、在庫、入荷遅延が前月から低下したが、生産、新規受
注、雇用が上昇した。構成項目別の総合指数への寄与度をみると、入荷遅延(前月比▲
0.56%p)、在庫(前月比▲0.40%p)が押し下げ寄与となった一方で、新規受注(前月
比+1.44%p)、生産(前月比+0.86%p)、雇用(前月比+0.16%p)が押し上げ寄与
となり、総合指数は前月比1.5%ポイント上昇した。新規受注が内外での拡大によって、
最大の押し上げ寄与になっており、内容は良い。
総合(全18業種、下線は拡大、縮小が2カ月以上続いたことを示す)で拡大した業種
は、石油・石炭、一次金属、その他製造業、食品・飲料・タバコ、アパレル、紙製品、
一般機械、電気設備・部品、コンピューター・電子機器、加工金属、化学製品の11業種
(前月11業種)と前月と変わらずとなった。また、縮小した業種は、プラスチック・ゴ
ム、家具・同関連、印刷・関連サポート活動、繊維、非鉄、輸送機器の6業種(6業種)
と変化しなかった。木材製品は変わらず。
公表された報告には拡大を示した業種のほか、縮小を示した3業種も含まれたが、全
般的に前向きな内容となっている。縮小を示した業種では、プラスチック・ゴムは需要
が引き続き強く、成長を継続していると報告された。また、非鉄は製品需要が強いまま
であり、17年の見通しも強いと指摘された。輸送機器は一部の消費者向け市場が強い一
方、企業向けが弱いとまちまちの内容。拡大を示した業種では、化学は、在庫の削減に
より年末に拡大したと報告。コンピューター・電子機器は非常に強い受注・売上の月と
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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なり年間の収益改善に貢献した。一般機械は顧客が資金を設備のアップグレードに使い、
加工金属は前年を上回っていると指摘。一次金属は最近数カ月はかなり堅調で、17年の
第一四半期の需要は強いとみられると報告された。
製造業景気指数は緩や
かな拡大を示す水準に
かな拡大を示す水準
に
低下し
推移する
する公算
低下
して推移
する
公算
今後、雇用・所得の拡大等を背景に個人消費を中心とした国内需要は堅調さを持続す
るとみられる一方で、米国景気への楽観的な見方の高まりや利上げペース加速期待の強
まり、米国への資金還流等の影響を受け、ドル実効レートが高止まりすると予想される。
ISM製造業景気指数は、国内最終需要の増加に支えられる一方で、ドル高による価格
競争の強まりを背景に、製造業の緩やかな拡大を示す水準に低下して推移すると予想さ
れる。
(%)
(図表)ISM製造業景気指数の推移
70
生産
65
60
新規
受注
55
総合
50
45
40
35
30
25
20
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)ISM
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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