顔認識を用いた出席確認システム 情報理工学部 機械情報工学科 H412082 野口裕司 (白井研究室) 1. はじめに 機械学習の結果を用いて学習に用いたのとは別の OpenCV(Open Source Computer Vision Library)[1]は 各 100 枚の画像(7 人分)に対して人物認証を行っ 画像や動画を処理するのに必要な、様々な機能を提 た結果を表 1 に示す。全体で平均すると認識率は 供するオープンソースのコンピューター・ビジョ 75%であった。 ン・ライブラリである。3 年次のゼミで OpenCV を 用いた画像処理の基礎や顔認識について学び、顔認 表 1. 認証実験の結果(人別の認識率) 識に興味をもったことから、卒業研究として実用的 1 2 3 4 5 6 7 な顔認識システムについての研究を行うこととした。 番号 93% 78% 62% 70% 84% 68% 76% 2. 研究内容 認識率 カメラからの画像により人物認証を行い、その結 果を管理するシステムにより出席確認の効率化を図 また図 3 に、例として 12/8, 12/9, 12/10, 12/11, 12/12 ることを目的とした。 の 5 日間の 7 名の出席データをグラフで示すプログ その準備として 10 代後半から 50 代の男性 36 名女 ラムの結果を示す。 性 12 名の計 48 名の正面画像を 1 人 20 枚、合計 960 枚撮影して顔画像データベースを作り、そこから機 械学習(Fisherface [2]を使用) により人物認証システ ムを作成した。対象とする 48 名は番号(1,2,3…)で管 理し、認識信頼度の闘値を設け、ある一定の基準値 を超えた場合にだけ人物認証結果の番号(名前)、 その時の日付・時間情報を表示・記録する。さらに そのデータを CSV(Comma Separated Value)形式のフ ァイルに書き込み、別プログラムにて出席情報を棒 グラフで表示できるようにした。 図 3. 出席表の表示 図 1. 認証時のカメラ映像(右にカメラの画像、左 に認証された人物情報と信頼度を表示) 図 2. 認識結果の表示 3. 研究結果 4. 考察・まとめ 表 1 に示したように、作成システムは認識率が全 体で 75%であり、決して高いものではなかった。 誤認識に対する改善案としては、顔画像データの 撮影時にカメラからの距離を一定にするなど、撮影 条件を揃え、さらに一人一人の顔画像データの枚数 を増やすことがある。 また、認識率は 75%であるものの、出欠をとる際 には認識信頼度がある一定値を超えないと認識を認 めないため、出席確認システム全体としては誤認識 を防ぐことができると考える。しかしその反面、認 識信頼度の基準値を超える検出を得るには時間がか かる事があり、実用的にはこの対策が問題となると 考える。 参考文献 [1] 桑 井 博 之 、 豊 沢 聡 、 永 田 雅 人 (2014) 「 実 践 OpenCV2.4 for Python 映像処理&解析」 カット システム [2] Minichino, J. & Howse, J. (2015) Learning OpenCV 3 Computer Vision with Python (2nd Ed.) Packt.
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