Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 北米 2017年1月5日 FOMC議事要旨に見る、米国金融政策のこれから 今回のFOMC議事要旨では、財政政策の影響で経済成長が高まるとの期待が示される一方で、ドル高など景気 やインフレ率上昇の抑制要因にも言及、両論併記の格好で金融当局の待ちの姿勢が示されたと見られます。 FOMC議事:成長上振れリスクを議論する一 方、緩やかな利上げも支持 米連邦準備制度理事会(FRB)は2017年1月4日に米連邦公 開市場委員会(FOMC、2016年12月13~14日開催)議事要 旨を公表しました。議事要旨から会合では、トランプ次期大 統領選出により今後見込まれる財政政策による景気への 影響が議論の中心となった模様です。 どこに注目すべきか: 財政政策、失業率、ドル高、利上げペース 今日のヘッドライン2016年12月15日号でFOMCの結果をお 伝えした時点では、FOMC参加者の経済予想がトランプ次 期大統領政権で想定される政策がどの程度予想に反映さ れているか不明としていました。今回の議事要旨から、約半 数は自身の経済見通しを織り込んでいたことが明らかとなり ました(図表1、2参照)。ただし、財政政策の影響で経済成 長ペースが現在の予測を上回るリスクを示唆する一方で、ド ル高など景気やインフレ率上昇の抑制要因にも言及、大半 の参加者は今後数年は「緩やかな」ペースでの利上げが引 き続き適切となる可能性にも言及するなど、いわば両論併 記の格好とも見られます。したがって、金融当局もトランプ次 期政権の政策に「待ちの姿勢」を示したものと思われます。 今回の議事要旨の主なポイントをタカ派(金融引締めに前 向き)とハト派(金融緩和に前向き)別に整理します。 まず、タカ派的内容であったのは2点です。 1点目は、(いつ、何を、どの程度の規模でという)条件付な がら拡張的な財政政策の見通しから成長率予測のアップサ イド・リスクが高まった点です。 2点目は、多数の参加者が失業率が自然失業率を下回るリ スクが幾分高まったとし、潜在的なインフレ圧力の高まりを 抑制するため、いずれは利上げペースを速めざるを得なくな る可能性があると、多くの当局者が懸念し始めた点です。 反対に、ハト派的な内容として以下の点があげられます。 1点目は、財政拡大の影響がある程度織り込まれたとされる ピクテ投信投資顧問株式会社 FOMC参加者の経済見通しでも、米長期金利の上昇やドル高 で相殺される結果、成長率見通しは小幅な上方修正にとどめ ている点です(図表1参照)。 2点目は、前述の景気回復抑制要因を意識してか、大半の参 加者は今後数年は「緩やかな」ペースでの利上げが引き続き 適切となる可能性が高いとの認識を示したことです。 タカ派、ハト派の内容が盛り込まれたのは、肝心のトランプ氏 の政策が今の段階で不透明なことが影響したと見られます。 ただ議事要旨全体のトーンはややタカ派で、利上げという方 向性は維持されたと見ています。トランプ次期大統領就任(1 月20日予定)後、政策の骨格が現れるまでFRBも動きづらい 展開が想定されます。先物市場が織り込む利上げ確率を見て も、3月頃までは利上げの可能性は高くないと見ている模様 で、年後半からの利上げ再開がメインシナリオと見ています。 図表1:FOMC参加者の経済成長予想 (四半期、時点:2016年9月(左)、 2016年12月(右)、予想は中央値) 2.2 2.1 2.1 % 2.0 9月予想 2.0 2.0 12月予想 2.0 1.9 1.9 1.8 1.8 1.7 2017年 2018年 2019年 図表2:FOMC参加者のインフレ率予想 (四半期、時点:2016年9月(左)、 2016年12月(右)、予想は中央値) 2.2 2.1 2.0 % 9月予想 1.9 12月予想 2.0 2.0 2.0 2.0 1.9 1.9 1.8 1.7 2017年 2018年 2019年 出所:FRBのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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