地域再生計画 1 地域再生計画の名称 美術館を核とした賑わい創出・交流人口拡大事業 2 地域再生計画の作成主体の名称 和泉市 3 地域再生計画の区域 和泉市の全域 4 地域再生計画の目標 和泉市は、大阪の南西部に位置し、大阪都心部から約 25km、関西国際空 港から約 20km の距離にあり、高度経済成長期以降大規模な住宅地開発が行 われ、流入超過による人口増加を続けてきた大阪の典型的なベッドタウンで あるが、流入の原動力となっていた住宅地開発が終息に向かう中で、現在は 人口減少に転じており、今後、生産年齢人口の減少による更なる人口減少が 見込まれている。 また、現状の昼夜間人口比率は、大阪府内でも低位(57 位/72 地域。平成 22 年国勢調査)となっており、かつては活発であった繊維産業などの地域 産業も衰退していることから、交流人口の拡大による地域産業の活性化が必 要となっている。 このような現状等を踏まえ、人口減少期におけるまちづくりを考えていく 上で、都市の魅力、活力また発展の源である「人材」を確保するため、定住 志向の向上、交流人口の拡大を図り、都市としての魅力を高めることにより、 地域産業の活性化及び雇用の創出を生み出すような「ベッドタウン」から脱 却した本市の独自性を生かしたまちづくりが求められている。 本計画が対象とする和泉市久保惣記念美術館周辺地域は、本市域のほぼ中 心にあり、大阪都心部まで電車で約1時間、泉北高速鉄道和泉中央駅から徒 歩 20 分圏内に位置し、住宅地開発に伴って新たに開けた地域であるととも に、明治期から繊維産業が栄えてきた地域である。繊維産業が斜陽化する中 で、繊維工場跡地等において、その立地特性も相俟って住宅地開発が進んだ エリアであるが、桃山学院大学の進出もあり、ユニークな商店等の進出も散 見されるほか、主要な公共施設も集積しており、人を引き寄せるポテンシャ ルはあるものの美術館や地域の特性を踏まえた新たな魅力を生み出すまち づくりまでには至っていない。 また、美術館が有する国宝を始めとした貴重な作品群は、文化的価値が高 く、来館者だけでなく地域住民の文化的素養の向上につながる地域の重要な 財産であり、当該地域の最大の価値であるが、地域のまちづくりにいかしき 1 れておらず、その来館者は比較的高齢層に属し、一部の層に偏っている。地 域に賑わいを生み出すために、他の年齢層が広く魅力を感じられる情報発信 力の強化とともに、気軽に足を運ぶことのできるような交通アクセスの整備 が求められている。 そこで、本計画では、本市の重要な資産であり他市との差異化を図ること ができ、また地域文化の中核として、その活動を通じて果たす役割が大きく、 地域活性化の取り組みとの親和性が高いと考えられる「和泉市久保惣記念美 術館」を核に据えたまちづくりに取り組みエリア価値の向上を目指す。 具体的には、「アート」や「クリエイティブ」などを媒介として地域住民 等と官民連携のもとで、エリアマネジメントも視野に入れつつ、アートイベ ントの実施やパブリックアートの設置、アーティスト、飲食業者等への場所 提供によるスモールビジネス支援を行い、まちの賑わいと雇用創出、地域経 済の活性を目指す。これにより、職・住・食・遊が一体となった美術館周辺 エリアのブランド価値を向上させることで、市内外から人を引き寄せ、本市 全体の賑わいの創出につなげていく。 【数値目標】 平成 29 年 平成 30 年 平成 31 年 平成 32 年 平成 33 年 3月末 3月末 3月末 3月末 3月末 エリア内主要施 445,800 人 設への来訪者数 和泉市久保惣記 念美術館の年間 来館者数 店舗等開業数 486,300 人 531,900 人 572,400 人 612,000 人 26,000 人 27,000 人 28,000 人 29,000 人 30,000 人 0 店舗 0 店舗 0 店舗 1店舗 2店舗 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 和泉市久保惣記念美術館を中心としたエリア価値向上のため、美術 館を中核として、アーティスト等と地域住民、近隣店舗等が協働、連 携した美術館所蔵品等に纏わるパブリックアートのまちなかへの設置、 また市民等が文化芸術に気軽に触れ合うことのできるアートイベント 等を開催し「美術館のあるまち」としてブランディングを図る。また、 美術館を拠点に、まちの賑わいを創出するため、美術館周辺の公園等 を活用しコンテナハウス等を設置し、誘客が期待できるショップやア ーティスト等を誘致するとともに、キッチンカーや移動販売者等を対 象に場所を提供する。これにより、スモールビジネスを支援し、当地 2 域における創業機会や雇用を創出する。 また、本市に隣接する和歌山県かつらぎ町と本市を結ぶ国道480 号バイパスの開通を契機として、相互連絡バスを運行し交流人口の拡 大を図るとともに、本市及びかつらぎ町が有する地域資源を活用し、 更なる誘客の強化を目指す。 5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業 地方創生推進交付金(内閣府):【A3007】 ① 事業主体 和泉市 ② 事業の名称:美術館を核とした賑わい創出・交流人口拡大事業 ③ 事業の内容 1) 美術館を核とした賑わいを生むまちづくり 美術館を中心としたエリア価値向上のため、作品発表等活躍の場を 求めるアーティストと地域住民や近隣店舗と協働、連携し、美術館 所蔵品等に纏わるパブリックアートをまちなかに設置、展示し「美 術館のあるまち」としてブランディングを図り、将来的なエリアマ ネジメント意識醸成に繋げる。 公(パブリック)たる存在の美術館に市民を巻き込み、まちを「育 てる」という観点から、美術館が有する貴重な作品群等を活用し、 文化芸術のまちづくりによるエリア価値の向上に向けて、市民等が 文化芸術に気軽に触れ合うことのできるアートイベント等をアー ティスト等と連携して実施するとともに、地域の企業や飲食店等と も連携し地域魅力の核として育成し発信することで賑わいづくり に取り組む。 美術館に隣接する公園、広場等を活用し、交流拠点施設となるアン テナショップを設置するほか、キッチンカー、移動販売者、アーテ ィスト等を対象に場所を提供し、まちの賑わいづくりに繋げるとと もにスモールビジネスに対する支援を行う。 2) 交通アクセス・利便性向上 平成 29 年 3 月に本市と隣接する和歌山県かつらぎ町を結ぶ国道 480 号バイパスが開通予定であり、これまで府県間の公共交通網が 分断されていたが、これを好機に府県をまたぐ将来的なバスの相互 乗り入れを視野に入れ、試験的に「和泉・かつらぎ連絡バス」を臨 時運行する。また鉄道利用者に対しては駅からのレンタカー・カー シェアリング等によるサービス提供によりアクセス環境の改善を 3 図る。 ④ 事業が先導的であると認められる理由 【自立性】 現行の「和泉・久保惣ミュージアムタウン推進協議会」のメンバー を事業の推進主体に再編し、美術館を核としたまちづくりの取り組み を展開しながら、そこに参画する構成団体・企業等からの負担金やそ の他企業・個人からの会費、寄附金などの徴収や仕組みを構築する。 また、コンテナハウス等の管理運営に係る市からの受託金やチャレン ジショップの出店者からの賃料収入、協議会による物販販売による収 益を、運営費やエリア価値を向上させる取り組み等の活動費に充当し、 3 年後を目途にこれらの財源による自立化を目指す。 【官民協働】 和泉市久保惣記念美術館や地域住民、大学等からなる「和泉・久保惣 ミュージアムタウン推進協議会」が中心となり、コンテナハウス等の管 理運営、美術館周辺地域の魅力向上、賑わいの創出につながる取り組み を推進する。 【政策間連携】 地域住民、民間事業者、大学、行政等が一体となって、「アート」あ るいは「クリエイティブ」を介したまちづくりを進めることによりエリ ア価値の向上を図るために地域の企業や店舗とも協力する他、市内農産 物を使った新たな商品開発(6 次産業含む)などにも取り組むほか、地 域の賑わい創出につながる交通アクセスの向上にも取り組んでいく。 【地域間連携】 本市と隣接する和歌山県かつらぎ町を縦貫する国道 480 号「鍋谷峠道 路」の開通(H29 年 3 月)によるインパクトを利用し、両市町が連携し て観光PRを行い、両者間の交流人口の対流を図る。 【その他の先導性】 特になし ⑤ 重要業績評価指標(KPI)及び目標年月 平成 29 年 平成 30 年 平成 31 年 平成 32 年 平成 33 年 3月末 3月末 3月末 3月末 3月末 4 エリア内主 445,800 人 要施設への 来訪者数 486,300 人 531,900 人 572,400 人 612,000 人 和泉市久保 惣記念美術 館の年間来 館者数 26,000 人 27,000 人 28,000 人 29,000 人 30,000 人 店舗等開業 数 0 店舗 0 店舗 0 店舗 1店舗 2店舗 ⑥ 評価の手法、時期及び体制 毎年度 7 月(和泉市外部評価委員会)及び毎年度 9 月(議会による検証) に事業手法の妥当性、費用対効果等の事業内容及び KPI の達成状況について 評価を行う。 評価結果は、毎年度和泉市ホームページにおいて公表する。 ⑦ 交付対象事業に要する経費 ① 法第 5 条第 4 項第 1 号イに関する事業【A3007】 総事業費 67,531 千円 ⑧ 事業実施期間 地域再生計画認定の日から、平成 33 年3月31日(5 ヵ年度) ⑨ その他必要な事項 特になし 5-3 その他の事業 5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置 該当なし 5-3-2 6 支援措置によらない独自の取組 該当なし 計画期間 地域再生計画認定の日から平成 33 年3月31日 5 7 目標の達成状況に係る評価に関する事項 7-1 目標の達成状況にかかる評価の手法 外部有識者により構成される本市の附属機関である「和泉市外部 評価委員会」において事業効果等の効果検証、PDCA マネジメントサ イクルによるチェックを行う。 また、市議会においても検証結果を報告の上、意見聴取し PDCA マ ネジメントサイクルに反映する。 7-2 目標 平成 29 年 平成 30 年 平成 31 年 平成 32 年 平成 33 年 の達成状況にか 3月末 3月末 3月末 3月末 3月末 かる評価の時期 及び評価を行う 内容 エリア内主要施 445,800 人 設への来訪者数 和泉市久保惣記 念美術館の年間 来館者数 店舗等開業数 7-3 486,300 人 531,900 人 572,400 人 612,000 人 26,000 人 27,000 人 28,000 人 29,000 人 30,000 人 0 店舗 0 店舗 0 店舗 1店舗 2店舗 目標の達成状況にかかる評価の公表の手法 毎年度、和泉市ホームページにて公表する。 6
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